16年ほど前……
聖十字騎士団の研究施設である子供が生まれようとしていた。
"魔神サタン"
悪魔たちの中でも伝説としか信じられてなかった
あのヘラヘラ、胡散臭い"時の王"であるメフィストや、ルシフェルよりも遥か上の、
その、神と交わり、あまつさえその子供を身籠った女がいた。
彼女は騎士団に所属するエクソシストにも関わらず、多くの悪魔たちと心を交わし、そしてその神とも心を通じあわせた……否、合わせてしまった。
女は──あいつは、人も悪魔も信じすぎた。
散々、友人であるわたしの忠告も、恩人の言葉も聞き入れずに子を孕んだ。
──子供たちを、見守ってあげてね。
「………馬鹿な女、」
「うぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーー!!!」
誰かの嘆きが聞こえる。
►►►►
「────というわけでお願いしますね。
ミスとき、(ダァン!)」
「…その旧名(ナ)で呼ぶんじゃねぇと何度言えばわかるんですか?メフィストフェレス。」
ああ、殴りたい。ほんっとうに殴りたい。
某日某時、知り合いからフェレス卿が呼んでると言われ、やだなーと思いつつ、学園内部の理事長室に行ってみたら、いつも通り怪しげな笑みにしか見えない顔のメフィスト・フェレスが待っていた。
促される前に、さっさと執務机の前にある応接用のソファーに座れば、どこからともなく、紅茶の入ったティーカップが現れる。
「……さて、時間がないわけではないのでお茶でも飲みながら話しましょうか。」
「私は暇というわけではないんですか…?」
「貴女もご存知の通り、例の子供たちが来年中学を卒業します。」
「聞けよ。…あの
「ええ、そうです。新入生として我が学園に入学します。塾の講師もそのまましてもらいます。」
へー、と優秀なのは知っているが、あの年で学生と講師の二足の草鞋とは。
大変だな、後で疲労回復のツボ教えてやろ。
カップを持ち、紅茶を口に含む。 香りがいい。メフィストの趣味は正直、理解ができないけど、この部屋においてある茶葉は高くて美味しいものばかりだ。
しかし─と、メフィストがそのまま言葉を続ける、その顔は珍しく困ったような表情を出した。
「──想定外の事が起きました。」
「何があったんですか、」
この男が、
まさかと思い、サッと立ち上がり彼の座る執務机に詰め寄る。
「あの兄弟に何か、あったんですか?!」
「とても、不味いことになってます。」
「不味いこと……?」
最近の使い魔の報告を思い出す。
友人の忘れ形見である、双子を見守るために生まれた頃から憑けてる不可視の悪魔。
そいつからの報告には特に変わったことはなかったはずだ。
「貴女も知ってる通り、あの夜あの日以降、魔神サタンの存在は世界中のエクソシストに知れわたりました。
悪魔たちのお伽噺が、本当になった日です。」
「──それまで、悪魔たちの中で半信半疑だった
「そして、サタンが彼女と接することでこちらの世界について理解し始め、とうとう
物質界(アッシャー)での最適な器を。そうとも知らずに。
騎士団本部では子供を殺そうとしました。しかし、」
「そうは出来なかった。女性が悪魔の子を身籠った場合、女性に危機が訪れると腹の中の子供が母体を守ろうとする。」
「結果、出産直後に処分することになり、あの双子が生まれた。」
「そんな話は別にいいでしょう。それより、一体何があったのか教えてもらえませんか?
メフィスト。」
「せっかちですね~、時間はあるでしょ。」
「あんたにはあっても私にはないんです。これからアメリカ支部に飛ばなければならないんので。」
「おや、帰ってきたばかりなのにまたですか」
「ええ、な・の・で、さっさと話してくれませんか(♯^ω^)、」
自然と口の端を上げて笑いながら言う。
メフィストは一呼吸すると真剣な顔つきになり、
「──奥村燐に、留年の危険が迫ってます。」
「…………………………………え?(・ω・)」
その日、学園の空から何処からともなく、ええええ!!!と驚愕の叫びが響いた。
さぁさぁ、皆様はじめまして!
最近また、昔の作品集に熱中し始め、最新号まで読んでしまったが再発のきっかけ。思いつくままですので、続くかわからないですが、
気ままに投稿していきます!