上杉幸太郎と六等分の思い出   作:Aikk

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二乃フラグを立ててもヒロインルートになるとは限りません


第十一話 不良少年と今後の方針

「被告何か言い残す事は」

 

「何もねぇよ…全部俺が悪い」

 

正座をして自分が受ける罰を静かに待っていた

あれからすぐ 三玖が風呂から上がり

一花もバイトが終わったと帰宅

四葉はだけは未だ帰還せず 付き合いの良いあいつだ

今も練習の真っ最中さ

 

今回の事件は単純明快だ

俺が部屋に侵入し 二乃を突き飛ばし それを五月に目撃された

何を弁解する余地があるだろうか?

 

被害者である二乃は怒り心頭とばかりに何時も以上の視線を飛ばし

こっちを睨んでくる

他の数名 裁判長役を担う一花も俺の言葉を聞き

やや引きつったような表情になっている

 

 

「まって コータローを家に入れたのは私 コータローは悪人顔だけどそんな事は絶対にしない

 これは不慮な事故…………。」

 

フォローに入ってくれる三玖には申し訳もたたない

五月に至っては被害者側に立つ訳でもなく こっちをじっと見ているだけだ

彼女からの信頼も急降下で一直線といった感じだろう

考えなしに動いた結果 風太郎と家の未来を俺は終わらせてしまったのだ

 

「あんたまだそいつの味方でいるの! こいつはハッキリ『盗りに来た』って盗撮よ盗撮」

「違う コータローは目が悪い 忘れた眼鏡を取りに来ただけ!」

 

「裁判長 三玖は被告への個人的感情で庇ってまーす」

 

「ち 違………」

 

「良いよ三玖 俺を庇わなくて」

 

「コータローで でも」

 

「裁判長 被告も認めています! これは明白でしょう」

 

二乃の発言でうーんと唸りこっちを値踏みするように観察する一花

もしこれで俺が裁かれてもどうか風太郎の解雇だけは取り下げて欲しい

俺の願いはそんだけだぁ

 

「うーん どうなのかぁコウタロウくんがそんな事するのかな? でも本人も言ってるし」

 

「はい 意義ありです!」

「い 五月なんでアンタが異議を申し立てるのよ」

 

判決を甘んじて受けようと覚悟を決めたその時

まさかの救いがそこにあった…………。

下を見て俯いてはいるが、五月は手を上げこの裁判に申し立てがあると

新たな証言があると言っているのだ…………。

 

 

 

「裁判長 彼 上杉幸太郎氏 半年近く前から携帯の類を所持していません!

 つまり盗撮は不可能です」

「はぁ んな訳ないでしょ 今のご時世携帯やスマホもなしで生きてる原始人がいる訳ないでいしょ

 あんたもこんな奴庇う為にでたらめ言わないでよ」

「でたらめだと思うなら 二乃 彼の鞄の中身と彼の体を調べてみてください」

「なっ…………いいわよ そこまで言うなら調べてやるわよ!」

「五月…………」

「……………………」

 

じっと彼女を見るが 五月は俺と目を合わせようとはしなかった

そして 二乃と一花による俺への本格的な荷物検査が行われた………。

 

 

ーーーーーー

 

 

ーーーー

 

 

ーー

 

 

 

結論から言えば 何も出なかった

俺の所持品の携帯電話の類やスマホの類 勿論の事カメラなども出てくる事はなく

その事実を知り 別の意味で二乃が困惑してきていた

 

「ありえない ありえない あんた高校2年でしよ 何で持ってないのよ

  本当に原始人出て来たよ!」

 

「お姉さんも驚いたな コウタロウくんまさか本当に、携帯とか持ってないなんて」

 

それは驚くよな

今の時代携帯は当たり前と言っていい程 町の人間は持ち歩いているし

高校生活を過ごすならば持っていなければ誰とも連絡が出来ない

あの風太郎ですら所持している

だが俺はスマホどころか携帯も今どき持っていない 二乃が言う原始人だ

 

「ちっと あってな その時に捨ててそれ以降は持つ事をやめたんだ」

「コータロー…………」

「何で 三玖がそんな顔すんだよ お前は何もしてねぇよ 俺の不注意が招いた事だし

 それと 五月 本当にすまない 」

 

「いえ 良いんです 持ってない物を持っていると言われ 濡れ衣を着させられる所を見たくはないので…………」

 

「で でもこいつはアタシの上に乗りかかって」

 

「あぁー それね 私もそこがおかしいと思ったんだけどさ これ コウタロウくんの頭見て見なよ

 おっきなたん瘤出来てるでしょ それに二乃を押し倒した場所物が散乱してるし

 これはうん そうだね 幸太郎くん 君は二乃を庇ったんでしょ?」

 

一花は俺の荷物や身体検査をする際に

ずっと頭を触ってきていた それはきっとこいつなりに何かしら直感めいたものがあったのだろう

散乱する本や荷物などそこを指さし 二乃にそこを見るよう促し

俺に実際なにが起こったのか、真剣な眼差しで説いてくる

 

 

「お前達が信じてくれるなら 俺は本の山から二乃を庇った」

 

「やっぱりねー いや そうだと思ったんだよね」

 

「これで解決ですね」

 

 

バン

一旦話を閉廷これで万事解決そんな空気が漂うとしていた中

二乃 彼女だけはそれに納得が行かないと机を両手で叩いている

 

「何 解決した感じ出してんの? 適当な事言わないで」

 

「二乃しつこい」

 

「あんたねぇ!!」

 

「まぁまぁ そうカッカしないの  私達 昔は仲良し五姉妹だったじゃん」

 

「昔はって 私は!」

 

その言葉は今の二乃には言ってはいけない

俺は聞いてしまった 彼女の心の声を彼女の想いを

アイツは本気で家族をお前達姉妹を大好きで仲良しでいたいんだ。

いや そうだと願ってるんだ

二乃はそのまま何処かへと去って行く

 

「追いかける」

 

「ほっておけばいいよ」

 

「いや 俺の責任だ 一花 三玖 五月  今回は俺が全面的に悪い 確かにあいつは必要以上に俺や風太郎を敵視しているが、それでもお前達への思いは真剣なんだ それだけ分かって欲しい

 騒がせたな それと三人とも信じてくれてありがとう 久々だよ家族以外に信用されたのは」

 

「コータロー…」

 

「じゃコウタロウくん 気をつけてね」

 

「幸太郎君 さようなら夜道を気をつけてください」

 

二乃を追う それが今回の騒動の原因を作り出した俺の償いだ

彼女達を喧嘩させた俺が出来る事だ

他人ではない 俺の妹分であるこいつらの為に動こう

あいつ等の母親 中野零奈さんとの約束なんだ…。

 

 

ーーーーーー

 

 

ーーーー

 

 

ーー

 

 

 

「見つけたぞ 二乃」

 

「はぁ アンタなに言ってんの アンタの顔何て二度と見たくないわ あぁ使えないわね」

 

「お前鍵忘れたんだろ?」

 

「うぅ…………」

 

図星か、ジャージ姿で出ていく程だ

鍵なんて持ってくる暇はないんだろ

体育座りで入り口付近に座る彼女を見て俺も反対側で座り込む

 

「何してんのよ」

 

「バイトまで時間がある それまでここで座ってる 話し相手になるぞ」

 

「キモ 今どきそんなの流行らないっての 何時も何時もバイトってバカみたい」

 

「そうか バイトいいぞ 体を動かせば生きてるって実感できるからな」

 

「はぁ 何次は?自分語り健康自慢?」

 

「そんなつもりはねぇよ」

 

「バカみたいアンタもアタシも みんな馬鹿ばかり」

 

「でもお前はそれでも姉妹が好きなんだろ」

 

二乃残念だがお前はあの時自分の気持ちを俺の前で言い放っていた

もう忘れたのか

お前は家族が大好きで大切なんだ、それは嘘でも何でもないお前の正直な気持ちだという事を俺知った

だからその変な言い訳も強がりも無意味だ。

元凶である俺が言える事でもねぇけどな

 

「はぁ?!……何でよ」

 

「私達5人の家に、あいつらの入る余地なんてないんだから!とだからこそ異分子である

俺達兄弟が気に入らない…。」

 

「何よそれ ほんとアンタってキモイ 初めてあった時からアタシ達の事知った気でいて 

キモキモ  でも 悪い?」

 

「いや悪くねぇよ」

 

「…………ねぇ 何であんたそこまですんのよ 家庭教師とか関係ないじゃん」

 

「俺がしたくてやってんだ」

 

 

 

 

二乃の質問に俺は答えた

何を思うのか、暫く頭を抱え

『うーん』と唸ったあと彼女はその場で立ち上がる

 

「そうなら 私も決めたわ  私はアンタ達兄弟を認めない 特にアンタを例えそれであの子たちに嫌われようとも」

 

「あぁ いいぜ かかって来いよ 俺は真向から受けて立つぞ 二乃」

 

「精々 その空かした態度でいればいいわ すぐ化けの皮はがしてやるから!」

 

ずっとこのまま落ち込んではいられないと

何で自分がこんな事を考えないといけないのか 彼女は何度か呟き

遂に決心がついたのか 俺達兄弟にそして俺に改めて宣戦布告を言い渡してきた

俺も付き合ってやるよ 

 

「あと アンタに聞きたいんだけど アンタ 私と昔どこかで」

「二乃 何時までそこにいるの早くおいで コータロー…お疲れ様」

「よう 三玖 後の事は任せたぞ じゃ」

「もういいわ 行くわよ 三玖  (べーーーだ」

 

二乃は何かを聞こうとしたが、タイミングを見計らったかのように

三玖が二乃をむかえにやってきた。

彼女の言いたい事を俺は聞けた だから後の事は三玖達に託そう

それに二乃が聞きたい事は、そのうち時間が出来れば俺の口から話す

あっかんベーと舌だし そのまま三玖を連れていく二乃

俺は二人が去って行く姿を確認し

何処か満足した表情で家族の待つ家へ帰宅する事にした。

 

 

 

 

「風太郎 二乃に宣戦布告されたぞ」

「はぁ?! 何やらかした」

「まぁ色々とな」

「胃薬飲んでくるから…………」

 

 

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