上杉幸太郎と六等分の思い出   作:Aikk

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第二十六話 不良少年とドッペルゲンガー作戦!

「おおー 夢みたいだ――」

「風太郎 うっせーぞ」

「幸太郎 おはよ」

 

弟の雄たけびで目が覚め

体を起こす昨日はギリギリまで勉強しており

リビングでそのまま寝てしまったようで俺達以外一花や三玖や四葉までぐてっーと体を前に倒し意識は未だ夢の中…、

五月も椅子に座ったまま寝ており 同じく風太郎の声で目が覚めたらしく欠伸をしながらこっちに近づいてくる

 

「おはよう 五月」

「おはようございます 幸太郎君」

「おい お前ら学校の登校時間は8時だよな」

「そうだな 15分に試験開始だ」

「あの 時計壊れていたりしない」

 

『『あぁーーーーーーーー!』』

 

三人の声はシンクロし残りの姉妹を起こす形に

それからが大変だ、それぞれが準備に手間取りマンションを出るころには結構な時間が経っていた

四葉は一番に元気がありあまり ふと見れば姿はすでになくなっていた

 

「遅刻で受けれねぇとか弁解しようもねぇよ」

「どうすんだそうなったら」

 

流石に俺もあんなたんか切って『遅刻で試験受けれませんでした』とあの人に言える度胸はねぇ

怒るどころか呆れるぞあの人も……………。

息を切らす風太郎は車はないのかと姉妹に言えば

三玖が話してくれた

 

「江端さんは お父さんの秘書だから」

「お父さんたちが家にいたら良かったのにね」

娘に近づくなって言う男と一緒に登校とか死んでもいやだが

こいつらの前では言えない 笑顔で誤魔化した

 

「メイクしたいわ スッピン見せたくない」

「他の四人がバンバン見せてるだろう」

 

 

「うーん 偉い 手伝うぞ三玖」

 

 

手鏡を見ては、愚痴を溢すニ乃やお年寄りの歩行を手伝う三玖

どうにも進捗の程は芳しくない…。

 

 

 

 

 

「最近 学校の入り口に生徒指導の先生立ってなかったっけ? 怖そうな先生だし遅刻したらテストどころじゃないかも」

「あぁ あの教師は問題あればすぐに迫ってくるからなー 俺もあいたかねぇーよ」

「コータローくんはお世話になる事多いのかなー」

「うっせー 行くぞ って五月大丈夫か」

「お腹が空いて力が出ません」

 

まじか…。でもしゃーなしだ

朝食を食べる暇など俺達にはなく精々水を飲むくらいが、出来うる最大の行動だった

しかし一番食べる五月がそれで満足できる筈もねぇ

歩く力も徐々に失っていきとぼとぼとその場に立ち尽くす

 

意を決した俺は風太郎に視線を飛ばし 彼女の手を掴み引きづるように近くのコンビニへ連れて行く…。

時間なんてもんはねぇ でもテスト中に倒れられてもしてみろ

それこそすべてがふいになる

 

陳列された商品を食い入るように見つめる彼女に『時間なんてない』と急ぐように促す風太郎

 

「あなたは何にしますか?」

「いや 俺は」

「これくらい 奢ります 何とは言いませんがご迷惑をかけましたので」

「さっさとしろよ 俺は向こうにいくから」

「えっ 幸太郎君はいいんですか」 

「別に腹へってねぇし?」

「って 急ぎなさいよ」

「わぁってるよ 二乃」

 

食べれれば、良いのスタンスは継続中だ

それにこんな事で倒れるなら俺はとっくにバイト先で倒れてんだろう

二人には急ぐようにいい 入り口前で待っている三人と合流した

 

良く見れば三人ではない 見知らぬ子どもが、泣きじゃくっており

検察すれば日本人ではなく 外人である

『I want to meet my mom』と英語を口にだし。話そうとする二人は一瞬固まる

 

(お母さんに会いたいですか……………)

 

 

「急いでるみたいだけど間に合ったとして赤点回避なんて 出来ると思ってる

 言っておくけど私はパパに真実をそのまま伝えるから あの子達も頑張ってるみたいだけど果たしてどれだけできるやら」

「うっせー 風太郎は出来る限りを尽くした俺はあいつを信じる それと二乃お前も信じてるぞ」

「はぁ? 私が頑張る訳ないじゃん」

「どうだかねー 何だかんだと言いつつ お前俺達が勉強してる中 何度か見てただろう」

「っ…………………! うっさい」

「口がわりぃぞ 二乃」

「あんたには言われたくない!」

 

 

そっぽを向いてさっさと行こうとする二乃だが

こいつはこいつで俺達が気になるのか一夜漬けの中何度か確認しに来ていた

『トイレよ』と言っていたが、そんな奴が飲み物片手にリビングで休んでっかよ

嘘が下手過ぎるぞ

交ざりたくても交ざれないとでも言うのか、言えば教えるのが風太郎だ

遠くを見れば、迷子の子供とのやり取りに混ざろうとするが、三玖が何かに気づいたようで

一花も察し 子供に何かを伝えればコクリとお辞儀をし

彼女達は対応すれば子供に手を振り去って行く

 

「病院を探してた?」

「多分だけど お母さんのお見舞いなのかな」

「まぁ 勉強の成果だよ」

「ところで君達 何か忘れてない? タイムオーバーだ試験はじきに始まる」

10月18日『木』八時三十三分と表示されたディスプレイをこちらにみせる風太郎に

俺達の間の抜けた声はシンクロした

五月は勿論他の姉妹は焦りだし 二乃も『どうするつもり』と言うが

ここに四葉が居ないのは好都合だったのだろう

俺は何度か五つ子が誰かに成り代わる姿を見て来た

風太郎に耳打ちすれば、彼も納得し すぐに四葉に電話をかける

この作戦しか 彼女達を無事に学園へと届ける方法はねぇ

 

「ドッペルゲンガー作戦だ 残された最後の希望だコラ」

 

ーーーーーー

 

 

ーーーー

 

 

ーー

 

 

 

「おはようございます!」

「お前遅刻だぞ!」

「おーっとこのリボンに見覚えありませんか!」

出入口前で待機する生徒指導の教師と四葉が会話をし

遅刻だと言うが、その四葉は先生の頼みで外にいるとリボンで主張し

一瞬疑いの眼差しを向けるが、既に登校している生徒だ それ以上何も追求をすることは無く

無事に四葉は下駄箱へと入る事が出来た

 

そしてリボンを解くと

「ふぅ……………知りがたきこと陰の如く」

風林火山の言葉と共に三玖が姿を現した

 

そう作戦はいたってシンプルだ

学園に四葉が既にいるのなら こいつら全員を四葉と誤認させれば良い

この5人を見分けられるのは、あの人ぐらいだ本気で変装されれば、俺にも分かんねぇ

 

概要を伝えれば少々戸惑いを見せたが、何とか納得してくれたようだ

一番に得意だと話した三玖を先頭にし それぞれを出陣させた

 

「おはようございます!」

「おはようございまーす」

「お おはようございます」

 

最後の五月なんて物凄く動揺しており

真面目なあいつだ、騙す事は心苦しい筈だろうが今は勘弁しろとしか言えねぇ

 

「あ 良かったみんな無事入れたんだね」

『『本物だ』』

「ここからが本番だから 切り替えよう足元掬われるよ」

「いよいよですね」

「あれ 上杉さんとお兄さんは?」

 

 

残された俺と風太郎には策などない

 

「おはようございまーす」

「おはようっす」

 

そう何もない 最後の抵抗とばかりに

風太郎はリボンを結び 四葉を演じるが通じる筈もない

俺も何も抵抗する気はない 元より教師からの信頼もない 体育は新任の先生だ俺の事情など知らんのだ

 

「遅刻したうえにふざけてるのか? それと貴様もだ 真面目にしろ」

「ですよねー」

「さーせしたー」

 

その場で軽く叱られると首根っこを掴まれずるずると俺達は引きずられるように

生徒指導室まで連行される事になった はぁ最近いったばかりなんだがなぁ

少しの遅刻ぐらい見逃しても罰は当たんねぇ―ぞ

 

「コータロー フータロー」

「早く行け」

「さっさといけー」

「俺達がいなくても大丈夫だ」

「お前らは努力したんだ 無駄にすんじゃねぇーぞ」

心配してくれる三玖には感謝するがよ

なら見せてくれ ここ数日でどれだけの成果を出したのかを俺とこいつによ

 

「何を訳の分からん ことを お前らは生徒指導室だ」

「知ってまーす」

「煽るな 幸太郎」

 

 

「うん!」

「いい点とって二人を驚かせちゃお」

「ほら二乃も」

「なんで私まで………」

「死力を尽くしましょう」

 

『『頑張るぞ おー!!』』

 

去って行く俺らを見て 決意を決めた5人は囲み指で円を組み

気合を入れ直した

 

 

 

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