上杉幸太郎と六等分の思い出   作:Aikk

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第二十九話 不良少年と代行相手

俺は頭を抱えた いやこれに関して言えば俺が全面的に悪いだろうが

勝手に役職を決めるのはやっぱり悪しき風習だと俺は思うんだがな

 

図書室では三玖と俺と風太郎の三人に加え 先ほどやってきた

四葉もいる 謎の仮装をする風太郎は彼女の反応が楽しいのだろう

仮面を取っては『俺だ』『誰―』の繰り返しを四葉としている

流石にうるさいのか注意を受けた

 

一方俺もそんな風太郎に仮装用に同じ仮面を渡されており 髪色と合わさりすでビビると言われた

金髪の風太郎にはいわれたくねぇーよ

何で俺がこの役職なのだろうか?

理由を聞けば『幸太郎は保健室にいて話し合いに参加してなかった 余ったお前をどうするかで協議した結果 兄弟である俺のとこに回された』

ようは家庭教師と同じだ 風太郎の実行委員の手伝いである

まぁ選ばれたのなら俺はそれをやり遂げるし 黙って立ってるだけでも人がビビってくれるんだ

こんな楽な作業もない 手を抜くつもりもないがな

風太郎も驚かす事に関しては鬱憤も晴らせるというので妙にノリノリだ

 

「そう言えば 五月は何も言わなかったんですか!」

「五月か 何か肝試しの話が出てから静かで幸太郎の話には全然反応してなかったな」

「五月…………」

「そんなもんだろう? それに俺も林間学校自体 そこまで楽しみってわけでもねぇしな」

 

あまり修学旅行やそう言った行事に良い思い出はない

確かに外に出ることじたい滅多にないが、昔から何処かに出かけると必ず面倒な事になり

小学生の時も中学生の時も散々だったな

 

俺や風太郎の態度が気に入らないのか四葉は、乗り気にさせるため林間学校にまつわるある話を自信満々に語りだした…。

 

「クラスの友達に聞いたんですが この学校の林間学校には伝説があるって知ってます?」

 

「……伝説ねぇ」

 

「最終日に行われるキャンプファイヤーのダンス そのフィナーレの瞬間に踊っていたペアは生涯を添い遂げる縁で結ばれるのです」

「非現実的だ くだらないな」

「うん」

「冷めてる 現代っ子冷めてるー」

「学生カップルなんんてほとんどが別れるんだ時間の無駄遣いだな」

「それでも好きな人とはお付き合いしたいじゃないですか」

 

すげー懐かしい話だ

四葉の語るそれは俺には縁もゆかりもないものだが

それはこの学園で語られる伝説だ

実際の効果を俺は見た事もないし 実演する気もないが 風太郎程悲観的な意見もない

俺のスタンスは変わらない 恋は人を変える いい方向にも悪い方向にも

故に俺は、生きていく中でそれは確かに必要な物だと思っている

俺には関係のない話しだし 相手もいないというのが現実だ

 

そんなある意味で冷え切った俺の隣でもくもくと勉強を進める三玖、何時も隣にいるなこいつも…………。

 

と色々考えながらも試行錯誤していると

突然隣で勉強に勤しんでいた少女は口を開く

 

「なんで好きな人と付き合うんだろう」

 

『『えっ』』

 

以前の勉強会の時もそうだが、三玖は毎度突然にこういった話題を投げかける

少し考える中 テクテクと近づく足音があり

芝居がかった声が聞こえて来た

 

「その人が好きで好きで堪らないからだよ 三玖も心当たりあるんじゃない?」

「ないよ」

「好きで好きで堪らないか……そうかもな」

「おっ 流石恋愛にはロマンティックな コータローくん」

「ロマンティックとか言うな でも 一花の意見は正しいと思う きっと好きだと思うとどうにもできない感情が出てくるんだろう その人といたいとかその人を大切にしたいとかよ ん?」

「私 四葉が認めます お兄さんは恋愛ロマンチストです!」

「いらねーよ んな称号」

「コータローくんは ああいってるよ 三玖」

「うぅ…………」

 

 

 

一花の登場で早速勉強会が進むかと思えば

これから撮影があるとし彼女は帰ると話す当然風太郎はぶーたれている

 

「あぁー ごめん私行かないと!」

 

 

 

「一花 無理はすんなよ 応援してっぞ」 

「ありがとね」

「ファイト」

「頑張ってー」

 

 

そのまま帰るかと思いきや

スマホがなり確認すれば三玖の所に戻り何かを話している『何時もの』とだけは聞こえた

暫くすれば一花はそのまま撮影に向かい

俺達はそれを見送った

 

「少し行ってくる」

「おう きーつけて来いよ」

 

その後仮装道具の中からウイッグを借りたいと言いだした三玖もそそくさとその場から去って行く

『『嫌な予感がする』』兄弟の心がシンクロした

二人で消えれば四葉を一人にする事になる為 風太郎が「俺が様子を見に行く」と話し

俺は四葉と此処で待つことにし 二人で適当に時間をつぶす事となった

 

 

 

 

「四葉と二人ってのも 初めて会った日以来か」

「確かに お兄さんよろしくお願いします」

「そうか ビシバシ勉強するか?」

「ご勘弁を」

「冗談だよ なぁ 四葉さ 風太郎をどう思う」

「えっ 突然すぎますよ お兄さん何の話ですか」

「特に 意味はねぇんだ ただふと思ってな あいつは良い奴だ」

「上杉さんは良い人です」

「だからさ お前も悔いのないようにしておけ」

「どういう意味ですか…………」

「何でもねぇーよ 四葉さん」

「お兄さんは不思議な人です 何か色々と知ってる感じで私や上杉さんより大人な感じがします」

「気のせいだよ 俺はそこまでふけてねぇーよ 

それに風太郎には最高の思い出を作ってやりてぇからな」

「お兄さんもです お兄さんも最高の思い出を作りましょう 林間学校で!」

「ほどほどになー」

 

突然の事で一度混乱した四葉もすぐに調子を戻した

そして何処か不思議な人間だと俺に話した

大した奴じゃねぇーよ俺はただの高校生だ

 

それと 四葉 お前は俺を恋愛ロマンチストと言ったな

俺はその言葉に恥じないだけの勘はあるつもりだ だから悔いを残すなよ

 

 

 

ーーーーーー

 

 

ーーーー

 

 

ーー

 

 

暫くすれば 風太郎が三玖と戻ってきた

だが二人の様子は何処かおかしく 風太郎は完全に焦っている

話を聞けば、風太郎はある男子生徒と話し 一花がいない間に勝手に話を進めるなと彼と話した

風太郎は『既にこいつには相手がいる』とその男子生徒に言い放ったようだ

何とかその場は乗り切る事に成功し 相手側も『林間学校までにはなーと』言い

幾つか三玖=一花と話したあと解放されたようだ

だらだらと汗を流し 俺と目を合わせない弟を不思議がり聞いてみた

 

「んで 一花の相手って誰だ」

 

「お前」

 

「はっ?」

 

「お前が適任だと思ってな 相手も上杉幸太郎の弟と知って引いてくれたんだ

  『あいつの女をとれるか』って」

 

「てめー おい 風太郎くん? 兄を売ったのか つうか一花の気持ちを考えろ」

「コータローは 一花とは嫌?」

「三玖 そう言う訳じゃねぇけどさ はぁそれで一花には話したのか?」

「一応メールで伝えてある」

「はぁー 良いよ 俺も適当に林間学校を過ごすしさ 」

 

まさか再び風太郎が身内を売るとは

弟に関する認識を改めなければならんな………。

一花も俺なんかで良いのか?

 

「まさか 俺が踊るとはな」

「…………」

「どうした三玖?」

「何でもないよ」

 

その後は三玖は何処かだんまりとしていた

勉強も一度取りやめ 明日の準備をする事になり

俺や風太郎は一花を除いた面子で何処かに行く予定を立てていたのだが………。

 

突然俺のスマホが鳴り出した

そこには小学校とかかれていた

 

「上杉幸太郎です………… はい 分かりました」

 

 

「どうした 幸太郎?」

「何かありましたか 幸太郎君」

「急用が出来た 俺は帰る また明日」

「コータロー?」

「何よあいつ 急に帰って 空気を読みなさいよ」

 

らいはが倒れた その連絡で十分だ

みんなには適当な理由で誤魔化し 家へと向かう既に学校の先生の車で家には帰宅しているという話

誰も付き添えないまま放っておく訳には行かない

風太郎には今を楽しんで欲しい だからこいつには秘密にしなければならない

俺は本当にあの人の言う通り『嘘つき』な人間だ

 

 

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