上杉幸太郎と六等分の思い出   作:Aikk

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第三十一話 不良少年と結びの伝説 初日

「五つ子げーーむ いえーい」

『五つ子ゲームとは 隠した手から伸びる指を当てるゲームで、

  一花=親指 二乃=人差し指 三玖=中指 四葉=薬指 五月=小指です 』

 

開催された五つ子ゲーム出題者と指を出すのは二乃である

「二乃」

「三玖かな」

「四葉!」

「二乃です」

「………… 二乃だ」

「いや 軽率だぜ 風太郎 これ 四葉だ!」

 

「残念でした 三玖です」

「くそー 次は俺な」

「いや 俺だぞ」

 

車内では姉妹以上に声を上げて場を和ませる

我々家庭教師組、それやや引き気味に見ている一部の視線が刺さってるが、気にはしないとばかりにゲームを続けている。

 

「お二人は急に元気になりましたね」

 

『『誰も俺達をとめられねーーぜ』』

 

「まぁ…………もう一時間以上 足止め食らってるんですけどね」

 

テンションを爆上にし 続いての出題を始めようと盛り上げる俺達

止めれるものなら止めて見ろと言った傍から外は大雪 一向に前は動かない

荒れ狂うもう吹雪 テンション駄々下がりイエーイ

 

「て テンション 上げて行こうぜー いえ」

「幸太郎君が頑張ってる!イエーイ」

「コータロー い いえーい」

「お前ら 何て優しいんだ」

「コータローくんも 今日はテンションの上がり下がりすごいね」

 

 

ーーーーーー

 

 

ーーーー

 

 

ーー

 

 

「おお なかなかいい部屋だな」

「でも5人部屋ですよ」

 

暫く進み旅館が見え始め

俺達はその日そこで一夜を過ごす事になった

団体様が入ったと聞かされ 部屋は一つでここに合計7人…………。

二乃じゃなくても文句は出るだろうな

 

車で休もうにも仕事の為に戻ってしまい

外にある犬小屋で寝泊まりすればと言いだし

洒落ならんぞそれは? 

 

(幸太郎 らいはからだ)

(俺は荷物置いて来たしな らいはがせっかく用意してくれたのに)

風太郎が荷物の中を開ければらいはが用意した手紙とミサンガが入っていた

一方俺は、あのまま出てきてしまい 荷物は持っていない

何処まで 知り尽くしてるのか知らないが五月は俺用の荷物を用意しており

今回の俺本人の荷物は出先で渡された しおりとスマホのみと言う

何とも寂しものになっているが、必要最低限の物は持ってきている為

これで三日間は生きていけるだろう

 

「良い部屋だな」

「そうだ 文句言ってないで楽しもうぜ」

 

 

「はーーい 女子集合 不本意だけどご覧のありさま 各自気をつけなさい」

「気を付けるって何を」

「それは………ほら一晩同じ部屋ですごすわけだから…………あいつらも男だってことよ」

『『!!』』

「幸太郎君に限ってそれだけはありえません」

 

 

部屋に入るなり姉妹を集めだす次女を中心に何やら話をしているようだが、五月があたふたしている様子が伺える。何を話しているのか?

 

(何だぁ?) 

(どうかしたのか、)

(いや…何でも、と言うかどうかはしてるけどな俺達は)

(確かに)

 

俺も風太郎も騙し騙しだが 確実に体に来ている

【風邪だ】 少しづつだが、妙なだるさがある らいはを一日面倒見ていたんだ

特に接触の多い俺はそれなりに削られている

一花との約束もある 最悪そこまで持ってくれればそれでいい

 

「ふぅ…………」

「コータロー?」

「おっ おうなんだ」

「少し様子が変だよ また胸が」

「大丈夫だ 車ではしゃぎすぎてな!」

「わかった」 

 

無駄な体力の消耗は避けてぇが、こいつらに心配はかけられねぇ

少しでも楽しい時間を作らねぇと…………。

 

その後夕食は豪華な物だった

タッパーに容れたいとか言いだす弟だがやめておけ

三日間は流石に持たねぇから 他にもこれからのスケジュールの話題も出始めた

風太郎はあんなに楽しみにしてたんだ内容は全部暗記してきていた

キャンプファイヤーの話題になった途端に全員が口を紡ぐ

二乃はやけに辛辣で「関係ないから」とご立腹だ

(俺と一花とは口が裂けても言えんな)

(あはは………これは難しいな)

実際の効果は見た事もないがまさか一花と踊る事になるとは

風太郎も余計な事をしてくれた 一花なら大歓迎と言いたいが

俺見たいな奴では釣り合わんと言う現実だ

二乃もくだらないと切り捨てている 

こういった事には反応しそうだがどうやらへそを曲げる原因があったようだ。

一花がそこを突けばバツの悪そうな顔でぎろりと人睨み

 

持っていたパンフレットを見ている一花は一瞬肩を揺らし何度かその文字を確認し

震える口を動かした

 

「えっ 混浴」

「はぁー こいつらと部屋のみならずお風呂も同じってこと?」

「言語道断です!」

 

「二乃 連れねぇ事言うなよ 傷つくな お前と俺は経験してんだろぅ?」

「え 幸太郎君 二乃どういう事ですか?」

「二乃どう言う事…………ツ」

 

「わざと誤解を招く言い方するな-」

「たまには仕返しもいいだろ」

 

「あっ 混浴じゃなく温浴でした」

 

「そっちかよ 安心したわ」

「何だかんだ言ってもやっぱりはずいしな」

 

「何であんたらが照れてんのよ!」

 

 

 

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ーー

 

 

 

「絶対あいつらおかしい とくにあいつよ」

「二乃なんかコータローには厳しい」

「そうですね 当たりが強いと言いますか」

「何かコータロー君には反抗期みたいな感じがするよねー」

 

幸太郎と風太郎が部屋で待つ中

中野姉妹は混浴ではなく温浴に浸かり温まっていた

 

普段は絶対に見られない絶景と言えるだろう

四葉が『三玖また胸が』とおっさん見たいな事を言いだし即座に隠す

『同じだから』と姉妹は変わらないと言い逃げる

 

そんな中 今日の議題の一つが様子のおかしい

上杉兄弟だ 特に風太郎は朝からテンションが高く

『トランプしようぜ!』と言ってきたり『ほかにもあるぞ』と珍しく色々と準備してきたため

少々驚いた 五人の部屋に七人が寝る中でそんなテンションの人間がいるのだ少しは怪しむだろう

それは彼の兄も同じだ少しばかりテンションが高く 先ほども二乃に仕返しと普段とは少し感じが違っていた 

学校では省エネモードのように家庭教師以外はなるべく避けて動く彼だがいざ姉妹の事になると

弟同様それ以上に予想だにしない行動にでる人物だ その男も普段では見せないテンションの高さ

二乃はそれを警戒している

ただ 五月や三玖は普段から二乃が彼に対して良い印象を持ってないと思い尋ねて見た

どうしてそうまでして彼に食って掛かるのかと

お団子に纏めた頭の二乃は少し湯に顔がつく形になりながら少し黙ってしまうが

ここにはあの男がいない 姉妹相手だ別段言っても問題はないだろうと口を開く

 

「何かあいつを見てると もやもやってすんのよ」

「二乃それはまさか!」

「四葉 あんたが思ってるような事は一切ないから私が好きなのは………

 親戚の子とあのお兄さん

  とにかく 何か話そうとするとどうしても素直に あぁー何で温泉にまできて」

「ふふ 二乃はきっと 恥ずかしんだね コータローくんと話すのが」

「恥ずかしいとか別に…………」

「それに素直になれないだけかもよ? もっと彼に寄り添ってみればいい 彼は違うから」

「コータローもフータローも良い人」

「二乃 少しだけでも良いんです 彼を信じてあげて欲しいんです」

「…………うぅ なんでこうなるのかしら  でもまぁ 少しだけ少しだけなら」

(反抗期って 事かな コータローくん?)

 

 

何処か素直になれないでも彼の前だからこそここまで怒りを吐きだせるのだろう

その理由を二乃は知らないしどういったこの思いを何て言えばいいのか彼女には分からない

少し大人ぶり まるで自分達を子供用にあしらう彼 何でここまで面倒を見るのか

そして何で何時も自分の愚痴や罵倒を彼は気にも留めないんのか

二乃の悩みは尽きない

 

 

「それで 一旦あいつの話は置いておくわ 問題は誰が 寝るかよ」

「どういう意味ですか?」

「あぁー そうか フータローくんとコータローくん二人いるから どっちかと隣になるのか

  流石にあの二人も女子を挟んで寝ようとはしないでしょうから

 でも二乃は少し考えすぎじゃない?私達 ただの友達なんだし」

「そうだよ 上杉さんとお兄さんは良い人だよ」

「なら あんたが隣で寝る? あの二人どっちも心配ないって言うならさ」

「それは……ちょっと どうなんだろうね」

 

就寝の際の布団の配置だ

男は左側で寝て 女性陣はそれを囲むような配置になっている

どっちが壁側でどっちが内側なのか決めてもいないただ 横の方は男子と二乃が言い

二人もそれには同意をした 流石にそこまでの度胸は二人にはない

彼等を良い人と言う四葉が適任ではと話すが、それとこれとは別なのか顔を湯に沈め消えてしまう

ここで一人名乗りを上げた

 

「もし 幸太郎君が内側なら 私が隣で寝ましょう それなら問題はありませんね 二乃」

「あんたはどれだけ アイツを信用してんのよ?」

「彼はそのような事を絶対にしません それだけは誓って言えます」

「でも もしフータローくんだったら」

「あぁ えっと 二乃お譲りします」

「それ 依怙贔屓だから 流石に弟が可哀そうに思えて来た 

 じゃ一花ならどうあんたは優遇もしないだろうし」

「おっと私に来たか コータロー君達はいい友達だよ」

「ならさ」

「待って 平等 みんな平等にしょう」

 

誰が隣で寝るかの井戸端会議ならぬ風呂端会議

二人のどれかが隣でも問題のない人間は誰なのか

そこで指名されたのが一花だ 五月は彼を優遇するし

四葉は黙ってしまう 二乃は最初から隣に行く気はないと話す

一花は何処か余裕がある それならばと二乃は姉を指名したのだろう

彼女も別段それを否定はしない ただ本人も突然の事で戸惑っているようにも見える

 

そこに待ったをかけたが 三女だ 風呂から立ち上がり 危うく素肌が見えてしまいそうになるが

ここには姉妹しかいない さして問題ではないだろう

平等と言い放つ彼女 果たして5と2の七人でそう平等にするのだろうとどうにも歪な形な

五角形ならぬ七角形 さてはてどうでるのか…………。

 

 

ーーーーーー

 

 

ーーーー

 

 

ーー

 

 

「なるほど考えたわね」

「誰が隣でも良いように 全員隣に行けばいいんだ」

 

『『少なくとも コータローとフータローから見れば』』

 

そこには同じ髪型の人物が5人いた

全員同じ見た目にしていれば二人は気づかないし手も出せないと言う結論だ

いざ決戦の舞台に!と意気揚々と襖をあけ中に突入

 

さて二人はどうでるのか!

 

「かぁーーー」

「こぉーーー」

 

二人は寝ていた 風太郎の隣には幸太郎が寝ている

つまり奥は風太郎となっていた

色々と覚悟はして来たが、色々と考えるのが馬鹿らしくなってきたと言った表情だ

 

「えーっと………私達も寝よっか」

「そうですね」

「うん寝ようか」

 

誰が隣かは今はどうでもいい 何故かむしょうに疲れて来た五名であった

その際に三玖と五月で少々駆け引きが合ったとかないとか…………。

 

 

ーーーーーー

 

 

ーーーー

 

 

ーー

 

 

 

朝になり日が差し始めた頃だ

それぞれが凄い寝相であり誰が何処に寝ていたとか何処にねる必要があるとか昨日の議題は一体何だったのだろうとなる程の惨状だ

ぱっと見れば五月の姿だけはなく何処かへ行ってしまったのだろう

 

「ん…………あれ」

「すぅ…………」

「コータローくん なんで ってみんなめちゃくちゃ」

目を覚ました一花は先ず最初に眼前に寝息をたてている幸太郎の寝顔に焦る

どうしてここに彼の横顔が、自分の隣は五月だった筈なのだがと焦る気持ちを押さえ一度

辺りを見れば、彼女も今の部屋の惨状に目を向けた

『これはひどい』と似たような部屋の彼女が言えた義理なのか少々疑問であるが

誰も彼もな状態だ ぼやきたくもあり笑えて来るのもある

一旦状況を確認した 一花は再び隣にいる彼の顔を見る

こうして彼の寝顔を見るのは二度目だ 

一度目はあの日 花火の日に弟と二人で辺りを駆けまわる彼

疲れ切り寝てしまった日に彼女が膝枕した時だ

 

「これくらい平常心でいられないと 君は家族って言ったんだし 友達だから 大丈夫だよね……」

 

ドクンドクンと胸がなるあの日感じた想いと今感じてるこの高鳴りは何だろうか

それを確認する為なのか そっと彼の顔に近づいていく あと数センチと言う時だ

 

ガチャリと音なる 襖の置く出入口の扉が開く

 

「もう 朝ですよ 朝食は食堂で…………!」

「…………!」

 

バタン

刹那目と目が合う 五月が戻ってきたのだだがすぐに彼女は扉を閉めた

一花もすぐに顔を彼から背けた

 

 

 

「ハァハァ 嘘………あれって」

膨大な情報が頭を駆け巡り彼女の頭はパンク戦前だった

一体誰が、彼の隣にいたのか? 本当に彼だったのか あの寝相だ風太郎の可能性もある

それでも問題なのは変わらない 彼女はもう一度扉を開けて中を確認しようとするが………

 

 

「あれ………? 五月さんだ」

「須藤さん どうしてここに 林間学校の筈では」

「あの吹雪でバスも動かせず 私達も足止めを食らって」

「ふぁーー おはよう 何で真弓ちゃんがいんだ」

「あれー 先輩まで一体どういう事ですか!」

 

 

五月を呼び止める声があったそれは、あの日出会った自分達と同じ二年

須藤真弓の姿だった 一体どうしてここにいるのかと尋ねれば自分達こそ何でここにいるのかと

そんな時に彼も起き 外に顔を出した 寝ぼけてはいるが、知り合いの顔くらいは分かる

少しは目が冴えたようだ

 

そう この旅館に泊まったの何も彼等だけではない

学校側も同じなのだ あのもう吹雪バスも下手に動かせずここに泊まった

その為部屋が足りなかったと言う事だ 何とも不思議な話だ

五月は真弓について行く形で、先生の元へ向かう事になり学校側への説明に向かう

 

幸太郎は眠っている 姉妹と風太郎を一人づつ起こす事になった………。

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

ーーーー

 

 

ーー

 

 

 

「はぁ…………何でバスの中まで隣なんですかー 五月さん」

「幸太郎君はきっと一人になるので 肝試しはダメでしたがこれくらいは大丈夫です」

「俺は大丈夫ではありません………目立つだろう」

「班も同じですので安心してください」

「安心出来ねぇよ………はぁ」

「あの幸太郎君 朝方」

「ん? あぁ 酷い寝相だったみんな 俺も風太郎も普段あんな広い場所では寝ないからな」

「あっ…………えっと 何でもないです」

 

目が覚めればひどい現状だ 

俺の隣の風太郎は俺の枕まで奪ってるし 周りの中野姉妹もだ

女子という自覚をもってほしいもんだよと思うが……。

まぁ寝相何て治そうと思って治せるもんじゃない

風太郎もらいはの事で寝てねぇし ゆっくり寝れて俺は安心できた

一度外に出れば、真弓ちゃんと話す五月もいるし

話を聞けば先に出た学校側も立ち往生と奇跡見たいな事が起きていた

風邪が移るとヤバいと思い一人で座ろうとしたが、五月が横に座ってきた

俺が保健室にいる間に決まった事は 肝試しだけではなく

班やバスでの席の割り振りもだ 風太郎の奴 俺に黙る癖を直せと言いながら何で言わねぇのか

 

「はぁ…………」

「大丈夫ですか? 何処か様子が」

「五つ子ゲームーーー はい五月 この指だれだ」

「えっ あの 一花ですか?」

「正解だー 流石は五月だな」

 

やばいやばいこいつは変に勘が良いんだ気づかれれば何を言われるか分かんねぇ

せっかくのチャンスを無駄には出来ない らいはも楽しんできてと俺の背中を押したのだ

きちんと答えなければな 明日 明日までもてば後はどうにでもなれだ

 

 

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