上杉幸太郎と六等分の思い出   作:Aikk

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第三十二話 不良少年と結びの伝説 2日目

学校側と合流し

流れ流れてカレーの準備片手にはマッチの箱だ

視線を辺りに向け他の連中が何をやってるか観察する

 

「火加減はこんなもんだろうな」

 

二乃は流石と言うべきか指揮を取り班の連中に指示をだし

一花は一花であの性格だ周りの男子は浮かれてやがる

四葉は変わらず元気に動き 他の男よりも数段活躍している

風太郎は風太郎で何か分からんが知らん男子と話しており

ぱっと見て『ガラの悪い』ってイメージの男子だ

適当にその男子に応対しており スルーしてるようにしか見えない

もう少しまともに話せよ

 

三玖は三玖で熱心なのは良いが料理にひと手間加えようとし

同じ班にいる真弓ちゃんに止められている 相談してからやるべきだろう

 

残る五月がまた問題だ スマホ片手に時間を正確に測りだしてる

流石に同じ班だし 手伝ってやらんと五月にも悪い

 

「そこまで 正確じゃなくて良い 肩の力を抜け」

「しかし 美味しくするにはやはり手順通りに作らないと」

「手順も良いが細かすぎると 中の具も崩れすぎる 目安で行け」

「そう言うものでしょうか?」

「そう言うもんだよ」

 

何とか普通に会話が出来た 朝方バスに乗って少しは話をしたんだが

それ以降はずっとこっちを観察するような感じで中々会話をしようとせず

何かを気にしてた様子だったが、俺の杞憂何だろな

 

 

 

「っ…………」

「あぁ 三玖さん大丈夫ですか」

 

如何やら鍋担当から外されサラダに使うレタスやらを切っていたらしく…その中で間違って刃先が指先に少し当たったようだ…

表情を歪ませ指を押さえている

 

「ほれ 貸して見ろ  少ししみるぞ」

「う…」

「傷口は放っておくと菌がはいる これで良し」

「コータローありがとう」

「気にすんな」

元々今着ている服は俺が家から着て来た服だ

何があっても良いように絆創膏ぐらいは入っている

 

「流石は先輩 手慣れてますね」

「まぁ………こういう事は慣れっこだ」

「コータローでも怪我する事あるの?」

「誰も完璧には料理は出来ないよ でもやる気持ちが大切だ」

「気持ちが大切…………」

(コータローへの気持ち 一花は それに五月もきっと…………)

 

料理は愛情だ ただそれでも自分自身の腕前は問われるのが現実だ

手慣れてなければ怪我もしちまうしな

それに俺も元から作れた訳じゃないし 今でもこうやって怪我した時の備えはしてある

それに作ったことのないものは沢山あるしな。

 

三玖や真弓ちゃんと会話をしていれば 後ろから俺を呼ぶ風太郎と四葉の声が聞こえ

俺は二人に頑張れよと声かけると二人の元へ向かう

途中五月にも『離れる』と言い承諾も得た

一応理解してくれたのか、スマホで時間を正確に測るのはやめていた

自分の匙加減で五月はやれば出来んだもう少し自信を持つべきだ………。

 

 

「んで 何のようだ」

「お兄さん 私もお手伝いしますよ!」

「わりぃな 男二人だとどーも華がねぇし」

「キャンプファイヤーの係もあるのに悪いな」

「勉強星人の上杉さんがやる気を出してくれているので!全力でサポートしますよ」

「俺も補佐だしな 任せろ」

「んじゃ とびっきりの奴でビビらせるか」

 

 

ーーーーーー

 

 

ーーーー

 

 

ーー

 

 

 

『『うわぁあああああああああああああああ』』

 

 

 

「お前も容赦ねぇーな」

何組目かのグループが来ただろうかそれを悉くビビらせ

悲鳴を上げさせている

余程鬱憤が溜まってたんだろうな

確かに 今の風太郎のピエロ姿は近くで見てもビビる

顔も判別出来ねぇんだ 素直に怖い

四葉も衣装から借りたのだろうか 包帯をぐるぐる巻きにしてミイラのような仮装である

俺もまた風太郎と同じだ マントを羽織り仮面を被る 何故か知らんがオペラ座の怪人だ

 

「これ、ただのコスプレだろうが!」

「お兄さん 似合ってますよ」

「四葉程でもねぇーよ 風太郎も思ってるぞ 似合ってるって」

「そうですかね…………」

「それにしてもお前も楽しそうだな」

「当たり前です。普段から死んだ目をした お二人に生気を感じます やる気もでますよ!」

「オバケは、生気があると死んじまう」

「えー」

「冗談だ」

「もしかしたら お兄さんも上杉さんも来ないかと思って………… だから後悔のない林間学校にしましょうね ししし」

「そうだな」

「わかった」

 

四葉は本当にいい奴だ

普通ならここまで手を貸してはくれないだろう 

他にもやる事があるのにこっちに集中してくれてんだ

それに四葉自身も楽しそうにしてくれている

こいつの為にも悔いのない思い出を俺も今度こそ作って見ようと思う

 

 

(足音か、行くぞ)

  

((OK))

 

 

周りを警戒し 次のグループが来た事を確認すれば一斉に飛び出した

 

「うわーー」

「食べちゃうぞ――」

 

 

「コータロー フータロー」

「それに四葉もいるじゃん」

 

「三玖と一花か」

「バレてる二人だとやっぱり効果ねぇな」

 

「あ、ごめ…………」

「わぁ びっくり予想外だー」

 

気遣いが身に染みるねぇ

続いてのグループは事前に俺達が肝試しの実行委員だと知っている一花と三玖だ

案の定 驚かれず 四葉がいる事には驚いていた

わざとらしく驚く素振りを見せたり いい奴らだが少しひねりが足りねぇかな?

 

「その髪染めた?」

「地毛だって言ってんだろが!」

「ふふ 冗談」

 

こいつは知ってるくせに何でいじるかねぇ

 

「あとさ この先の道一つは崖で危ないから注意しろよな ルート通りに進めば問題ない」

「…………」

「三玖? 聞こえてるか」

「分かってる行こう一花」

「えっうん」

 

道を案内する中 三玖は何処か心ここにあらずといった様子だ

一言言えば一花の手を引き看板のある方向へと向かっていく

ちゃんと聞いていたようだが、本当に分かっているのか?

 

 

 

二人が去った後に あの脅かし方ではまだ迷いがある 

四葉が俺たちに話す

『確かに…』と口許に手を当てる弟は、暫くしたのちにある提案を持ちかけた

 

 

(まじかよ、…)

 

 

少しばかり大掛かりな仕掛けを準備する事になった

近くに木を見つけ準備物の中からロープなど出し

安全靴など準備している

宙吊りで相手を脅かすと言う手の凝った方法で脅かす事になり

それをあのピエロ姿の風太郎がやると言う事で満場一致となる 

 

暫く待機となるが、一旦俺は迷子になっている生徒がいないか気になり

四葉と話暫く 開ける事にした風太郎も『確かに』と言い

俺は二人に任せ一度見回りに向かう

四葉が助っ人で来てくれて感謝している 

 

「んじゃ ほどほどにな風太郎ー」

「あぁ 全力で脅かすぞ」

「あはは お兄さんも夜道なのでお気をつけて」

 

 

 

昼頃に風太郎達と下見には来てたが、夜になると勝手が違う

ライトで照らさないと何も見えない有様である

脅かす側だが、逃げた連中は本当無事かと考えてしまうな

 

「早く 見つけないとな」

「わぁあああああああああ もう嫌ですぅうううう」

「五月ぃ!」

 

突如として五月が俺が来た道の方からやってくる

全速前進で消えていく 咄嗟の事で何処に行ったのかすらわからない

 

「やべぇぞ これ」

 

ーーーーーー

 

 

ーーーー

 

 

ーー

 

上杉幸太郎が絶叫する五月と遭遇して暫く

中野一花と中三玖はライトを頼りに夜道を進んでいた

少し進めば開けた所に出てくる もう少し進めばゴールにたどり着く

『崖で危ないから注意しろよ』彼の言葉はきちんと届いていた

 

 

「せっかく コータローくんに会えたんだから もう少しいたら良かったのに ほら肝試しって絶好のチャンスじゃん」

 

「私ね 変かも これはいけない事なのに ねぇ一花はコータローの事どう思ってる」

 

「うーん 変わった男の子かな? 色々と気を回すし意味深な事も多いし」

 

「そういう事じゃない 一花はコータローを」

 

「三玖 やっぱり最終日のダンス代わろっか? 心配なんでしょ」

 

「平等…………それに一花なら   私はダメなんだよ 」

「ダメって何が? 平等なんでしょ それに後悔しちゃうよ?

  今がいつまでも続くとは限らないんだから」

「……………………」

 

彼女は何も語らない 彼女が見たあの景色を中野三玖は今も忘れない

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

ーーーー

 

 

ーー

 

 

 

 

「五月の奴何処まで走って行きやがった?」

外れたルートには崖があるという

命の危機すれすれな肝試し大会の森で中野五月は絶叫と共に姿を消した

怖いものが苦手と知ってはいたが、ここまで苦手だったとは五月には、もう少し配慮すべきだった

 

一瞬だったが、去り際にライトを片手に走っていたのは見えた

夜道は、大丈夫そうだけど灯りが見当たらない

それにあいつが、本気で走ればあそこまで早いとは思っても無かった

 

「こっちは立て札の方向で良いよな 偶然とは言えこっちのルートなら問題ないがあの調子だ

  また逸れてもおかしくねぇぞ 」

 

五月と行動しているであろう人物も心配だ

あいつが一人で走ってきたならば相方も一人だろう

うまい具合に風太郎が、もう一人捕まえてくれてればいいけどな

 

 

 

チリン

 

何処か遠くで音がする

『御守りですので付けてるんです』

五月は言った俺が渡した鈴をスマホにストラップ代わりにつけていると

もし今の音が聞き間違いでなければ五月はこの近くの何処かだ辺りを探せば見つかる筈だ

所持しているスマホも充電はない、一度捨ててそれ以降持つことを拒み続けた…電源があるか無いかなんていちいち気にもしていなかった…ちゃんと習慣つけないと持ってる意味もねーな…。

 

 

んで、探すとなれば、最後に頼りになるのはやはり自分の足だ

 

 

「五月 見つけた!」

 

少し先開けた方とは別の所に五月は立っていた

辺りをきょろきょろしておりやはり迷子になっていた

 

「五月ー!」

「幸太郎君 ふぇえ」

「お前 大丈夫か顔が大丈夫じゃない事になってるぞ」

「ずみまぜん 怖くて」

「確かに あの顔が出てくれば ビビるよな」

「幸太郎君 こそ何で此処にいるんですか? その恰好です肝試しをしてたのでは」

「俺は見回りだ この夜道だ だれが道を外れても可笑しくねぇからな」

「そうですか 二乃とも逸れて どうすればいいかと」

「でもまぁ 見つかって良かった 鈴渡してて良かったよ」

 

本当に五月は気づけばいなくなるしな

頼りにしてと言いながら何処か抜けてたりその癖一花の言う様に『不器用』な人間だ

苦手なら来ない方が良かったのではと思うがイベントを楽しみたい心の方が大きかったのか?

 

暫くすれば五月も泣き止み話も出来た

彼女と行動していたのは二乃らしくピエロが出た辺りで逸れたと話す

ほぼ前半じゃねーか 持っていた地図をライトで照らし現在地を確認した

もう少し歩けば、森からも出られる 二乃を探したらすぐに出るべきだろうな

 

ガサガサ

 

「ひっ!! 幸太郎君な なにかいます!」

「ん 誰だ?」

「良かった 五月とあんただったのね」

「二乃かお前も良く無事だったな一人か?」

「え あぁ私はね 何でもないわ」

「やけに素直だな まぁ良い ついてこい 出口はこっちだ」

「もう大丈夫でしょうか」

「本物なんて でねぇーよ」

 

茂美の中から二乃が現れた

彼女は五月を探し此処まで来たようで道中は何事もなかったと話す

ただやけに上機嫌に見えなくもないと思う

鼻歌混じりに歩いているあたり何か良い事でもあったのか?

少しばかり疑問は残るが、そのまま二人を連れて出口に向かう開けた場所まで出る

 

「あとはこのまま道を一直線だ 流石に迷わねぇーよな?」

「大丈夫 大丈夫ー 行くわよ五月」

「はい あの幸太郎君ありがとうございます。 それとそのマント似合ってますよ」

「おうー きーつけろよなー」

 

ルンルン気分な二乃とそれに手を引かれ五月も出口に向かう

それを見届ければ俺も元の道へと戻って行く

これ以上の問題はやめて欲しいってのが本音だよ

 

無事に肝試しも終われば俺も四葉もロッジに向かう事になる

隣を歩く風太郎の様子がおかしく戻ってからずっと静かだ

四葉に聞けば「二乃達を追って 戻ってきたと思ったら上杉さん急に静かで」と言っており

先ほど出くわした二乃の反応を見る限り

二人に何かがあったのか?

(風太郎 風邪は大丈夫か)

(まぁ…………うん 平気だ 明日までは持つだろう 明日までかぁ)

(何があった?)

(後から話すわ)

 

二乃と何かが合ったの明白だし それに俺も風太郎も風邪を引いている

空元気を振りまいてるが何時倒れても可笑しくない

無事に明日を向かえてぇよ…。

 

 

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