上杉幸太郎と六等分の思い出   作:Aikk

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第六十一話 不良少年とお疲れ長女

新年が開けて幾ばくか経った

風太郎も俺もかわらず勉強とバイトの日々

今週には学校も再開する その前には中野姉妹達との勉強会も始めておきたい

3月には期末試験が待っている備えておいて損は無い

成果も残したいが同時に前回のような失敗をしなように心掛けている…。喧嘩事はもうこりごりでみんな仲良くが一番の理想だ

 

 

 

家に向かう際は風太郎経由で連絡を済ませる

俺の持っているスマホは未だガラクタで状態であり いっそのこと解約も視野にいれたのだが…。

せっかくもう一度持つと決めてこれを購入した訳で付き合ってくれた五月にも悪いし

暫くこのままでも良いかもと考えている

 

(まぁ………持ってて害はないしな)

 

 

アパートにつけば、それは悲惨な状態だった

一部屋を五人で使っている 林間学校の再来を見ている気分だ

 

「もう こんな生活うんざり!」

 

悪いとは思ってる 原因の一端を担う分同情もしている

二乃が起きれば布団には五月が潜り込んで来たと話 夜中には取り合いも発生していたとか…

 

「あんたの髪 くすぐったいのよ さっぱり切っちゃいなさいよ!」

「あー! 自分が切ったからってずるいです!」

 

「お前ら五人で寝てるのか………」

「うちよりも広いが 五人だと狭くもあるよな」

 

「でも お布団は久々でまだぐっすり寝られてません」

「四葉は もう少し寝付けない方がいいと思う」

 

「ふかふかベットが恋しいわ~」

「そうですね…………私もお布団は久々……というわけでありませんが慣れるまで我慢しましょう」

 

あの生活から何ランクも下がった生活だ

それは文句の一つもでるだろうが、まだ生活をして2週間経つか経たないかだ頑張ってくれ

四葉の寝相にやられた三玖は頬が赤くなっているし これは殴られたな…。

後から手当してやるか 五月は姉妹の喧嘩で俺達の家で暫く厄介になっていた影響だろう

他よりもまだましと言った感じだが 努力はするが文句は出てしまう

 

「でも 私のお布団が消えたのは不思議です………」

「本当に不思議」

「ベットから落ちなくなったのはいいよね」

「四葉 あんただけよ」

 

「はぁ 新生活始まって 早々これか それに 幸太郎から聞いていたが一花は凄いな

 お前らも見習えよ」

「見習えって………」

「既に汚部屋の片鱗が見えてきてますが…………」

 

他の四名が未だ新生活になれない中 一花はぐっすりと寝ており

布団による要塞を建造している

どうにも中野一花という人物はすぐに寝れる人間であると同時に汚部屋にする才能まで持っている…。まじであいつと同じ部類か………。

 

「おい 一花起きろ 朝だぞ」

「あ!幸太郎君! 今は」

「う……う~ん…………」

 

朝早く悪いが一花も起こそうと近づくが五月に止められる

まぁ一花の事だ どうせまた全裸なんだろうな…はぁ

 

「……あ、コータロー君。おっはー」

「おう おっはーだ 一花 はよ服着ろ」

「本当に君は……私も乙女だよ?」

「分かってる 風太郎外出るぞ」

「お お前よく平然でいられるな」

「お前は免疫がなさすぎる」

 

俺は散々見たし見られたしの一年を過ごした

それにこの手の人間を俺は何年世話していたか、要介護人間は慣れてんだ

 

「コータロー見ちゃだめ!」

「わーってる 出るから目を抑えるな 何も見えないだろ!」 

「幸太郎君 今は部屋を出てください」

「あんた 何でそんな余裕あんのよ  と言うか乙女の寝室よ出てきなさい!」

 

三玖に見ないように目を隠されるがそうされると余計に動きづらい

軽く放心状態の風太郎の頬を軽く叩き

首根っこを掴めば俺は弟共に部屋を出る

 

 

 

 

「よし、揃ったな。これでやっと始められ・・・!」

 

「一花」

「あっごめん」

 

リビングへと集まれば一花が眠そうにうとうとしている

四葉が何度も肩を揺らし その都度目が覚めるが三度睡魔に襲われている

ここの家賃は彼女が出してると話すがその為に無理をしてるんではないだろうか?

心配になってくるな

 

「コータロー君もフータロー君先程はお見苦しいものをお見せして申し訳ない…。それともご褒美だったかな?」

「聞いてた通りだが 冬なんだから服を着て寝ろ!」

「習慣とは恐ろしいもので寝ている間に着た服を脱いじゃってるんだよね」

「え!授業中とか大丈夫?」

「あはは家限定だから」

 

着脱機能が家だけで本当に安心した

学校で『中野一花って裸族らしいぞ』って噂がたった日には

どんな顔して零奈さんのお墓に報告すればいいんだよと頭悩ませる所だったぞ

 

「授業中に寝てる前提で話しが進んでる……」

「なんだと………!」

「落ち着け 風太郎 疲れてんだそれくら許してやれ」

「お前はそうなんて悠長なのか」

 

「フータロー君もそんなカリカリしないでね コータロー君もごめんね…。これからは勉強に集中できるように仕事もセーブさせてもらってるんだ」

 

セーブしててこれかやはり女優ともなれば相当の負荷とストレスが溜まるんだろうな

なるべく一花をサポート出来るよう動くか………

ここまで身を削って頑張ってくれてる一花の為に俺達は俺達で全力でそれを支えるまでだ

 

 

「次こそ赤点回避して、お父さんをギャフンと言わせたいもんね」

 

あの男がギャフンと言う所は正直見て見たい

 

 

「うん」

「私も今度こそ………!」

「そうですね 全員で合格して お父さんに上杉君たちを認めさせましょう」

 

改めて一致団結した姉妹の力をひしひしと感じている

この調子なら好成績も残してくれそうだ そのやる気が消えない間に早速始めないとな

 

風太郎も珍しくやる気を見せる五名を見て少々驚いているが

元より赤点回避は当たり前だと言った様子で準備を始める

冬休みの課題を机の上に並べ すぐに終わらせるぞと5名に言い渡す

 

「どうした?」

 

「?」

 

俺達は凡ミスでもしたのだろうか

誰一人として課題を始めようとはしない 

まさかここに来てボイコット運動など台無しな事は起こさないとは思うが…………。

不安に思う俺を余所に ニヤリと姉妹は笑う

 

「ふふ」

「あはは」

「コータロー フータロー」

「あんたたち舐めすぎ」

 

バンと机にそれをのせる

 

「課題なんてとっくに終わってるわ」

「あっそう」

 

彼女達はすでに課題を終わらせていた

これは予想外だった 俺も風太郎も呆気にとられやや間抜けな声が出る

あの期末試験以降から こいつらなりに考えるところもあったんだろうな

 

「………じゃ、じゃあ………通常通りで………」

 

「あなたは今まで何をやってたのですか?」

 

「…………」

 

「私たちが手伝ってあげましょうか?」

 

「うっうせー! 始めるぞ」

 

「ふふ」

 

「笑うな 幸太郎!」

 

勉強にかんして風太郎が姉妹にからかわれる場面と言うのはレアなケーズだ

本当に予想外な事が多くていい意味でこいつも余裕がなくなって来てるな

 

強い口調で言ってくるが、それは怒りから来るものではないのは誰でも分かる

 

まぁ 課題と言えば 俺はまだ何も手を付けてはいないが家に帰ってから終わらせれば良いだろうな

冬休み前にぶっ倒れて バイトの掛け持ち気づけば新年 そして来週には学校も再開とあまり悠長にしてはいられんと思うが、どうも最近は自身の勉強が疎かになり気味だ

勉強を教える側としては失格だ 自分の立ち振る舞いを考えないと…………。

 

「幸太郎君もお手伝いしましょうか?」

「大丈夫だ 休み明け前に終わらせれば良いだけだしな 一、二時間もあれば終わるだろう」

「えっ…………あっ そうですね」

「まぁ この程度なら それが無難だな」

「あんたたち兄弟 やっぱりおかしいわ」

 

二乃が驚いたように俺達に言っている

一応は俺も勉強一筋でここまで来ている余程面倒な課題でも無ければ普段通りやればすぐに終わる

 

 

今日は姉妹の勉強会でここに来ている 自分の勉強を疎かにするつもりはないが

課題を終わらせてと言うなら 普段と同じく彼女達の勉強を見る事にしよう

 

 

「コータロー」

「上杉さん!」

 

三玖は俺を呼び 四葉は風太郎を呼ぶ

分からなければ聞く それは重要な事だ三玖や四葉はきちんとそれを実行してくれる

だから飲み込みも良いんだろうけど 四葉は運動終わりにそのまま覚えて事も頭から抜けるらしい

 

「ここがわからない」

「どれどれ ふーん 和の法則か」

「///」

 

三玖の元まで近寄ればノートに目をやる

サイコロの目の和に関する事だ 一度覚えれば案外すんなりと覚えられる

三玖ならすぐだろうな

 

「三玖?」

「///うん ごめん」

「ここな 何通りかってやつだけど サイコロは三つだ 奇数になる二パターンがある

  偶数偶数奇数 後は奇数奇数奇数って感じで…………何だ五月?」

「いえ 何でもありません」

 

三玖に教えてる最中視線を感じ前を見れば二乃の隣に座る五月が食い入るようにこっちを見ている

 

「お前もわかんねーとこあるのか?」

「だ 大丈夫です これくらい えっとこれが」

「お前 その数式だけどさ 一ページ前の奴だ」

「あっ………///」

 

あの一件で踏ん切りがついて以前とは違い 俺からの指南も受けてはくれるんだけど

聞かない時は聞かない 下何故そこまで意地をはるんだ?

大丈夫って言う奴は大概 大丈夫じゃないのは四葉で経験しただろうに………。

その場で五月のノートを見れば 何処を解けば頭に入りやすいか教え

三玖も他に聞きたい箇所があると言うので再度 ノートを見せてもらう

 

「まるで 家庭教師だな」

「いやいや あんた達一応は似たようなもんだから」

 

冴えるツッコミ

 

余談だが あの丸男と名乗った男性は別のところに派遣され

契約は一旦保留となったと一花に教えられた

本物の家庭教師さんには謝りを入れたかったが連絡先を知った所で俺には手段がないし

本当に申し訳ないと思っている  

更に余談だが あの男性以前何処かで見た気もする

何処だったけかな? 

 

五月 三玖 四葉が勉強を教えられる中で二乃は独自に解いているなどやる気は十分

そんな4人とは対照的に先程から こくり こくりと首を上下させる人物が俺の左前隣に居る

四葉の横でその人物に睨みを利かせる風太郎は『この野郎…何がギャフンだ』とぼやきだす

 

「一花? 眠いなら一度 休憩するか?」

「あ…。い、いやー…ごめんごめん…。寝て…ない…よぉ」

「寝てるだろう 疲れ溜まってんだな」

「少し寝かせてあげなさいよ」

 

勉強開始からそこまで経ってはないが、一花の疲労は相当なものだと伺える

人様に見せる仕事だし 周りにも気を配るわけだし神経も使うんだろうな

『は?』と許可を出そうとしない弟を諭す

 

「眠い時は頭に入らねぇしな 睡眠学習なんて勉強してた奴しかできんしな」

「えっ お兄さん それ本当なんですか…簡単に覚えられると思ったのに」

「四葉よ 人間そんな簡単に覚えられねぇよ 地道行こうな」

 

四葉の場合は朝はすっきり爽快に頭の中もすっきり爽快なイメージしか浮かばん

ただ寝てるだけならそれは睡眠と何もかわらん

衝撃の事実だったのかしぶじぶとプリントの相手を再開している

 

「一花 さっきはあんな風に言ってたけど 本当は前より仕事増やしてるみたいなの」

「生活費を払ってくれてますもんね」

「貯金があるから気にしなくていいって本人は言ってたけど…………」

「こうやって コータロー達に教えてもらえてるのも全て一花のおかげ」

「…………」

 

やはり 一花は無理をしていた

ここ暫くはセーブしていたと居眠りをする間に笑って話していたが、彼女が寝ている間に

二乃の口から事実を聞かされた

女優業で稼げる量は分からないけど アパート代を一人で賄い 五人の食費まで考えれば

相当なオーバーワークをしているんだろうと想像も容易だ

 

こりゃ俺らも本腰を入れて勉強教えないと一花の頑張りに泥を塗る結果になりかねんな

『本末転倒だ』風太郎の意見はもっともだ でも それだけの価値を俺達に見出しているんだ

それに応えるのが俺達の為すべき事だろう 休める間に休ませる少しでいい寝かせてやろう

 

「お前 何だかんだ一花に一番 甘いよな」

「そーか? 頑張ってる人間労って何が悪い」

「悪いとは言わないけど 勉強させないと頑張りも意味はない  」

「あの………私たちも働きませんか?」

 

一花の今度を考えれば風太郎の意見の方が真っ当だ それに甘いって発言 実のところ自覚はある

 

彼女の背中を後押した以上は、少しでも支えるのがあの場で言い放った俺の責任だ

そうなれば彼女に甘くもなる…………俺の場合は別の要因もあるがもう過去の事だしな。

 

俺たちのやり取りを見てか 今後の方針として五月が意見を言いだす

自らも働いてこの家に貢献出来ないかと…………

これまた五月らしいと言えばらしいな

 

「も もちろん勉強の邪魔にならないように 少しでも一花の負担を減らせたらと思いまして…………」

「五月……天使だなお前」

「えっ 幸太郎君 急になんですか///」

 

勉強をしながらも一花の為に頑張ってあげたいと言えるこの子は本当にいい子だ

ただのお節介な世話焼き後輩でなかった

 

「バイトか 今まで働いた経験は?」

変な面接が始まった 机の上で手をのせ顎のせる風太郎は静かに語り掛ける

ゴクリと飲み込み五月もこの圧に押されないように彼との対話に挑む

 

「あ ありません」

「勉強と両立できるのか? 赤点回避で必死なお前らが」

「うっ…そ それなら 私もあなたのように家庭教師をします!」

「えっ」

 

間抜けな声が出てしまった 五月が家庭教師?

何かの冗談か、見た目だけなら完璧だろう しかし中身はどうだろうかやっと基礎も身について来たばかりの彼女に果たして出来るだろうか………

 

俺や風太郎を見て簡単と思っているなら考え直した方が良いと思う

自分が理解できない事は決して他人に教えられる事ではない

 

「教えながら 学ぶ! これなら自分の学力も向上して一石二鳥です」

「やめてくれ……お前に教えられる生徒がかわいそうだ」

「悪いな 五月 俺も風太郎と同意見だ 挑戦しようとする気概は大事だけど 勉強に関して言えば、ある程度は自分も知っておかないと厄介なだけだ」

「うぅ…………無念です」

 

落ち込む五月だが、仕方ない 俺が生徒なら逆に教える立場に変わってそうだな

でもやる気があるだけ十分だ

 

「はいはーい それならスーパーの店員はどうでしょう? 近所にあるのですぐに出勤できますよ」

「四葉 レジうちは案外面倒だぞ どれだけ正確でスムーズに行えるかだ 笑顔は100点でもそれ以外でマイナスだろう」

「あぁ 即クビだな」

「て 手厳しい!」

 

俺も経験者でそれゆえの発言として受け取って欲しい

最初は不慣れでも徐々に学んでいけばいい スーパーだからレジうちだけとは限らない

総菜の並べやお客の対応も仕事の一つだ 四葉の性格上 どれもこれも一斉に引き受けそうで別の問題も発生しそうだけどな…………。

 

 

「私…メイド喫茶やってみたい」

「い 意外と……人気でそうだな」

「三玖のメイド姿か見て見たいな」

 

そつなく着こなせるだろうな 三玖の場合問題として出てくのは接客だろう

あとは面倒な客の対応だ 一度目をつけるとその店員にしつこく付き纏う客とは実在するもんだ

知り合いの某後輩もその被害に遭い何度護衛した事か…………。

 

「却下却下」

「二乃はやっぱ女王様?」

「やっぱって何!」

 

「そんな怪しいバイトさせて見ろ あの父親に何て言われるか」

 

殺されるで済めば良いけどな…………。

 

 

「二乃はお料理関係だよね」

「ふん やるとしたらね」

「だって二乃は自分のお店を出すのが夢だもん」

「へぇ 初めて聞いたな」

 

そう言えば二乃の夢だったな

小さい頃に話してたな……どうりでこいつが料理に関しては自分の意思でやろとするわけだ

ふと蘇る記憶の中では嬉しそうに語る 中野二乃 小学4年生の姿があった

どうやらまだまだ忘れている事はありそうだな

 

「こ 子供の頃の戯言よ 本気にしないで」

「戯言でも 夢なんだろう 目指して見るのもありだぞ 二乃」

「…………たく そうやって兄貴面して」

 

 

お前が俺から巣立とうと俺は変わらず接るまでだ

こいつが本気でそれを叶えたいと思っているのなら一花の時と同様に俺は二乃の夢にも手を貸そう

戯言とか語る二乃だが、満更でもなさそうな表情で視線を逸らす

 

「居酒屋 ファミレス 喫茶店 和食に中華 イタリアン ラーメン そばピザの配達

   バイトを経験してきたが、どれも生半可な気持ちじゃこなせなかった」

 

「食べ物系ばっかりですね」

 

「まかないが出るからでしょう」

 

今まで経験してきたアルバイトを語り彼女にどれだけ厳しいのか教える風太郎だが

下心が丸見えなのか痛い所つかれている

まぁ まかないは俺たち兄弟の生命線だからな…………。

 

「俺も 新聞配達 道路整備作業員 ヒーローショーの着ぐるみ 土木・建築系 引っ越しやら

  他 風太郎と同じだ 今基本的にケーキ屋だろうな」

 

「あんたあんたで汗臭い仕事ばかりしてるわね」

「幸太郎君が朝までいない 理由がわかりました」

 

「風太郎が言いたい事は 仕事を舐めるなって事だろうな」

「あぁ 生半可な覚悟でやって失敗してみろ その請求は誰にいく!」

「運んでる荷物を落としそうになった時には自分の命も落とすと思えるよな」

 

案外簡単に思えるような仕事やバイトでも実際には思いもよらない大変な作業だったり

重労働などが待ち受けている 慣れれば大抵何とかなるが、慣らすまでが大変だ 

新人時代の自分を想像すればどれけ周りに迷惑をかけていたのか若かったな…………。

 

「もしもの時は一言言えよ 手ごろな奴紹介してやるからさ」

「はい その時はよろしくお願いします」

 

一花を支える為 それは重要だ でも慣れない作業で倒れてしまってはそれこそ本末転倒だ

バイトの話はも少し彼女達が今の環境になれてからがベストだろう

 

 

「試験を突破し あの家に帰ることができたら全て解決する 今は勉強だ」

 

それが一番の解決策だ

あの家に戻ることが出来れば、一花の負担も減るだろうし

他の姉妹も勉強に集中できる時間も増やせる

 

「一花が目指す夢だ 一花のサポートは俺に任せとけ 無理はしないように本人にも伝えておくしな」

 

あの一花だ素直に聞くとは思えないがそれとなく俺の方でも伝えておくか

それにもし困るようなら先程五月に提案したように知り合いに掛け合ってみるのもありだろうが

俺の場合は力仕事ばかりなのが難点だな 新聞配達は四葉にぴったりだと思うけどさ

 

「…んん…」 

 

ぬぎ…

 

「一花 おき」

「うわー」

 

突如として服を脱ぎだす一花

これが噂に聞いていた家限定の習慣と言う物か…。

 

「コータロー 見ちゃダメ!」

「だから目を抑えるな! 潰れる」

「幸太郎君 そんなに見たいんですかーーー!」

「俺がわりぃーのか!」

「上杉も見るな! 変態」

 

再び三玖が俺の視界を奪い 二乃に睨まれ 五月には誤解される

勉強始めとしては色々と不安を覚えるが、こいつらとの勉強はやっぱ楽しいもんだな…。

その後は四葉が寝室に一花を運び 残った面子での勉強会で今日は終わらせる事になった

 

 

「すこし 休憩しましょう」

「何かおやつでも食べましょうよ」

「あっ それなら これありますよ」

「げっ でた激辛せんべい 美味しいんだけどさ口が痛くなるよ」

 

少しの休憩の中で 五月が台所の方からお菓子のはいった箱を持ってきた

中身は真っ赤 その形容が一番だろう せんべいが敷き詰められている

何とも不思議な事にそれは俺の好物だ

 

「おぉー 俺の好きなお菓子じゃん 五月良く知ってたな」

「コータローこれ好きなの?」

「あぁ 知り合いの家で良く出されてさ 味覚は昔からおかしいけどさ

 このヒリヒリする感じが好きなんだよな」

「そうでしたか…実はこれお隣さんからの貰いものでして」

「ほー お隣なんていたんだな」

「私も一度だけみたかも 髪の長い綺麗な人だったな 名前は雨宮さんだっけかな?」

「その雨宮さんから 引っ越しの挨拶として頂いたんです」

 

面白い偶然ってのもあるんだな

お隣からもらったお菓子の詰め合わせは俺の好物 余りの辛さに誰も手をつけられずにいたらしく

『幸太郎君が好きならどうぞ』と言われた

そこまで食い意地は張ってないが 久々に食べるそれは昔となんら変わっていない

 

「雨宮さんねぇー」

 

バリバリ

 

一体どんな人物なのか 辛いもの好きなのか?

でも今はどうでもいいか……

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