後半は本編の二乃のアルバイト関連 内容は多少変わりますが
二乃と風太郎のやり取りは変えないのでカットしてます すみません。
朝のホームルーム
迫る行事として『全国学力模試』と勉強となればとことん元気な弟
一方で学級委員のわりに統率が取れておらず
『修学旅行ーー!』とこっちも遊びには全力投球な中野姉妹の四女
ある意味ではバランスが取れており何だかんだクラスにも馴染んでいる
武田のちゃちゃが入るも学級委員としての仕事は滞りなく進め無事に終了…。席に戻ればどでかいため息だ
勉強との両立は大変だろうが、お前には良い起爆剤だ
この先きっと経験が生きていく…。
「はぁ…。」
「何でお前がため息なんだよ?」
「わるぃ…。何かどっと疲れてな…」
「それも俺だよ…。全くお前と四葉にはしてやられたよ」
「俺は散々やったし…。たまには弟にもとな」
「いらん世話だ」
授業が、始まる前の軽めの会話
あぁ…。風太郎やあいつらを見てると本当に安心出来るな
昨日は散々だ…。なーーんでこんな時に坂下が出くわすんだ
中野姉妹にアパート前でのやり取りを思い出すだけで頭も胸も痛くなる
『それじゃまた…じゃーね幸太郎』
『おい!坂下………あいつ何で…何でここにいるだよ』
(まじで…。今年は厄日だよ)
不敵な笑みを浮かべつつ再会の余韻に浸るように
あいつは、再び俺の前から去っていった…。
ただ今度と言う今度は、以前のように数年越しに顔を会わせるようことはねーだろうな
「はぁ…」
「幸太郎?」
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ーー
「もしもし…。みずき姐」
『こうくんから電話とは珍しいねー』
「はぁー 俺だってする時はする」
『なんだい…。随分余裕がないねー?』
「悪い、少し頭を整理する…。ふぅ…………昨日あいつに会った」
『誰かな?あいつって』
「誤魔化すなよ 坂下…。
『あぁーむぎちゃんの事か…。ごめんね黙っててさ』
昼休みになればそそくさと俺は、教室から去り誰も来ないだろう場所まで移動
スマホを取り出し…。けして自分からかける事はないと思っていた
自称姉の番号に連絡…。ワンコールで出てくれた…。
出てくれる確信は合ったしここまでは、順調だ
「別にいいよ…」
自覚はないのか直ぐに人をからかう様な事はしないでいただきたいな…。
進展しないと思い 名前を出せば『ごめんごめん』とすごくノリが軽い
「あいつさ…。中野姉妹と同じアパートにいるんだが みすき姐の差し金か?」
『私はノータッチだよ…。一応は引っ越し先は聞いてはいたけど…。
お姉ちゃんも忙しくていまだに行ってません』
「はぁ…。たく まじであいつがこっちに戻って来てるなんてな」
『どうだったー 2年ぶりの我妹はさ?』
「えっ…。なんか髪をすげー伸ばしてたな あれじゃ声をかけられない限り気づかん」
『本人も心境の変化があったのか 伸ばしてみようって以前から話してたのさ』
「そうですか…。あのさ…。 あまり込み入った事聞くのは良くないと思ってるけど…。何であいつ苗字が違うんだ? 少し気になったんだけど」
髪の長さは驚いた
以前のあいつは、今の一花と同じくショートヘアと短く
『髪を伸ばすと面倒なんだよ…。 それに長い髪は嫌いなんだ』
ロングヘア―に恨みであるのかと殺意高めに言っていた
その坂下が心境の変化とは…。意外だな 結構強情な奴で他人の評価を気にしない……だからこそなのか…。
それに幾ら幼馴染とは言え 家族構成やその詳しい事情を聞くのは失礼だ
仲の良い人間なら余計に相手側に与える影響力も変わってくる親しき仲にも礼儀ありだ…。
昨日あいつは『あぁ 君の中ではまだ『坂下』だったね』と意味深な事を告げ、詳しい事は姉に聞いて欲しいと次の再会を予告すれば部屋に行ってしまった…。
もう会う気はないが、あのアパートに行けば嫌でもエンカウントしちまう。それなりには事情を把握してないと会った時に俺が何を言いだすかもわかったもんじゃない…。本当に会いたくなかったよ…。
『えっーと 実はですね うちのお母さんとお父さんが離婚しまして』
「はぁ?…。まじで…えっえ」
『大まじだよ…。それでさ 私はお父さんに引き取られ
むぎちゃんはお母さんにそれぞれ引き取られる事になってさ』
「…。俺が眠ってた間にそんな事が…。でもおばさんの旧姓は宮前だろ?」
『その大変申し上げにくいのですが…』
「無理にはいいよ…。そんだけ聞ければ十分だし」
『ここまで来たら言わせて…。お母さん その後すぐに再婚してんだよね』
「割とヘビー過ぎる…。それであいつが雨宮って名乗ってるのか…。」
『本人は嫌ってるから…。あまり苗字で呼ばないでね?』
「会えばな…。それとみずき姐 ごめん 無理に聞き出して」
『いやいや こっちこそ言っておくの忘れてたからお相子だよ!気にしない、気にしない』
普段は明るく元気 電話越しでも分かるくらい底抜けに明るい人物だ…。そのみずき姐が何処寂しそうに話している気がした…。
あの人も大概にため込む癖がある…。心配かけるなよ
特大のブーメランだが…。今は甘んじて受け止める
「事情は把握した…。」
『まぁうん…。そう言う事だから…。もしむぎちゃんに会ったらまた仲良く』
「会いたくはないけどな…。」
『そう言わずにお姉ちゃんは、むぎちゃんに頑張って欲しいけどそう言った優遇はダメだよね~』
「なんの話だ?」
「先が思いやられるねぇー…。じゃー私 お仕事あるのでさいならー』
「了解…。って みずき姐 幹雄さんから手紙来てたんだ!」
『おう…。愛しの妻を放ってはおいてコウくんとお手紙とは悲しいな』
「大した事じゃないけど…。一応はみずき姐には言っておこうと」
『はいなー ではーサラダバー』
ガチヤリと電話は切られ壮大なため息…。
最後まで明るい人だ…。しかし思っていたよりも状況がややこしいな
聞きだした。俺が言える事じゃないけど…。内容が重すぎる
まさかおじさんとおばさんが離婚しておばさんが再婚して
二人がそれぞれ別の親に預けられていた…。
全国学力模試や家庭教師に手紙の件 更には坂下基…雨宮問題…。
考えれば考える程…。頭が痛くなる事ばかりだが出来る事を一つづ着実に解決しねぇーと何処かで詰む…。
「風太郎の誕生日もあるんだ…。顔には出さねーよにはしないとな
五月辺りは直ぐに勘づく…。怖いくらいだしな」
問題山隅で、お先は真っ暗…。ただ始まった三年生だ…。
みんなには楽しい学生生活を送って欲しい…。それにだ抱えてる問題の過半数は俺個人の問題…。他を巻き込む訳には行かない
朝と同じくどでかいため息と吐きつつも教室のある三階へと一歩また一歩と降りていく
先ずは、今日のバイトだ…。二乃の初出勤だ…。あいつの邪魔にならない程度にサポートして
何とか風太郎の誕生日プレゼントが聞けるようしてやるか…。
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「ちーっす」
「先輩…。今日もよろしくお願いします!」
「おう…。真弓ちゃん…。元気だな…。それと二乃今日からよろしくな」
「あんたも…。真弓もよろしく」
「わかんねーことあれば…。俺たちに聞けよ?」
「大丈夫よ…。私は聞かなくてもそれくらいは」
「まぁまぁ…。二乃さん初めてとは色々とトラブルもつきます…。それにこっちも教えるのが楽しいので…。むしろ大歓迎ですよ!!」
バイト先につけば、早速二乃と真弓ちゃんに出くわした風太郎は先ほど荷物を運び手伝い…。厨房を行ったり来たり…。力仕事もだいぶ慣れて来たな
二乃は何時もの調子に見えるのが、逆に不安だ…。風太郎もなーんか余所余所…お前がその調子でどうすんだ?
と思いつつも、告白の件もあるし落ち着かないのも無理ねーか
(下手に割り込めば話がややこしくなる…。それとなくフォローする感じだな)
「って 二乃髪型変えたんだな…。良いね心機一転か」
「はい…。とても可愛いですよねー」
「普段の髪型も良いけど結ぶのもいいよな」
「あんたは…。恥ずかしいでしょ! ふん」
あっ早速…。怒らせたか口をむくっと膨らませさっさと出てってしまう
思った事を言っただけなんだけどな…。二乃相手だと兄貴癖が抜けない『少し遊び過ぎましたね…。反省です』真面目な後輩だ…。
「さて俺は着替えたらすぐに向かうから…。真弓ちゃんも二乃と合流してきな」
「はーい…。では先輩後程です!!」
「へいへい」
別れれば、男子更衣室に向かい…。すぐに服を着替える
体調も万全だ…。異常は無し…うん何もなし!
店長も今日は稼ぎ時って何かテンション高めだったな…。
店先で出会った店長は『上杉君…。今日は大事なお客様がくる頑張ろう!』
大事なお客様か…。一体どんな客なのか少々興味は出てくるな…。
厨房からは、店長の絶賛する声が聞こえ
ちらっと覗けば二乃が自信満々な顔で自分が作ったケーキを披露している姿が見えた。
隣ではその光景を不満気に見つめる弟の眼差し
「納得できん…。」
「初日であれか…。確かに出来は完璧だな」
「俺なんて未だにキッチンに入れてもらえないのに…。面接で自慢しておけば」
「やめろ…。今のお前でもあれだぞ…。過去のお前はもっと悲惨だ」
「っ…。給料アップの道は遠すぎる」
弟のケーキを作るセンスは一向に改善の兆しが見えない…。
厨房に入るの機会は少なくあれ以降から虎視眈々と狙っているが店長からも釘を刺されている
他が出来るんだ…。お前は十分店に貢献してるんだけどな…。
「ホールに行くから」
「おっおう…。」
二乃が作ったケーキを見終われば風太郎はホールに戻って行く
去って行く彼を寂しそうに見つめる二乃さん…。一途だな
「それで店長ー何で今日はここまで人が多いんですか」
「ですね…。私や風太郎さんに先輩や他のバイトさんまで総動員ですね」
「M・A・Y」
店長は語った M・A・Yと呼ばれる有名レビュアーが存在
彼女が来れば口コミから客が倍増し売り上げもどっと増えると
店長は目を生き生きさせながら語っている…。何度か知らないうちにお店には来た事があるが
今回はその M・A・Y 本人から予約の電話が来たと…。
(そりゃ…。店長もやる気が倍だよね…。
しかし M・A・Yか…。五月って意味だよね…。うえー悪寒が)
「今夜初めてのご予約が入ったんだ。失敗は許されない。 M・A・Yさんはこの春の新作をご所望だ!!目指せ、星5!!」
『『はい!!』』
こりゃ失敗できねぇーな
店の今後を左右するかもしれない大物からのご使命だ
自然と俺らも気合が入り…。懸念点は沢山あるが…。普段と変わらず一個一個丁寧になをかつ
時間を取られない様やれば…。問題は起きる事はない
ただ一つ上げるとするならば新人の二乃だ…。
店長は彼女のケーキを絶賛し これを並べようと自信たっぷりに話すが、もう少し冷静に判断して欲しい
幾ら才能があっても暫くは下積みで慣らして行くのがベスト
一応は耳に入れておいたが『大丈夫…。彼女ならいける』
「すげー不安だ…。」
この不安がその後現実になった…。
それは厨房の手伝いを任せられた真弓ちゃんの一言で始まった
普段はホールで接客だが事ケーキ作りとなれば彼女にも白羽の矢が立つ…。今回は二乃が加わり厨房の稼働率は何時もより…。動きは早い…。その中で生地の味見を任された真弓ちゃんの表情がかわった
「先輩…。これ少し味見してください」
「?…。何だこれ…。」
「すみませんーー これ作ったの誰ですか!」
「あっ…。私です!」
ボール中に入った生地は何処か味がおかしく…。舌触りも違和感を覚える
味音痴でもそんくらいは把握出来ている…。出ないと厨房は任せてもらえない
「店長…これ…味に違和感が…」
「えっ」
「ダメだ…。お店には出せない…。すぐに作り直して!」
「はい」
「了解です」
「……」
その後は厨房もフル稼働
一人のミスは全員のミスだ…。俺の監督不行き届きだ…。二乃をも少し気遣ってやるべきだった
才能のある新人…。店長には流されたが強く言う必要があったな
明らかに落ち込む二乃…。その後の休憩ギリギリまで生地作りを続け
店長も一言労いの言葉を入れれば…。休憩室まで歩いて行った
「二乃さん…。大丈夫ですかね?」
「失敗できない時に失敗しちまうのは…。予想以上に気持ちを左右する」
「私だって似たような失敗があります…。まだ可愛いくらいですよ」
「真弓ちゃんはよーく床にケーキ蒔くからな」
「うーーーー意地悪言わないでくださいよ」
「さーせん…。でも心配はいらない」
「どうしてですか?…。きっとショックを受けてる筈ですよ」
「既にカウンセラーが待機中だ…。あいつに任せようぜ」
「うーーん?…。!!あぁーそう言う事ですね了解です」
確かに失敗は大きな傷となる…。でも失敗しない人間は誰もいない
どんな万能人間でも小さなトラブルを起こしてしまう
今回はそれがたまたま二乃だっただけ…。普段のあいつなら冷静に対処出来た筈だ
今は心に少しの迷いがあり…。それが判断を鈍らせた
下手な慰めは逆効果…。そっとしておこうとはさじは投げない…。
でも休憩室には風太郎がいる…。『…。考え過ぎだ』と軽くぼやくほどには冷静だ
俺の出番は今日は無し…。風太郎にまかせ俺は俺で時間つぶしだ
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ーー
適当にぶらぶらし…。時間まで待機
二乃がギリギリまで作っていた生地を味見…。先ほどの生地とは違い
多少は荒いが…。味は十分だ
今回の事が足枷にならないかやや不安が残るがカウンセラーさんが既にいる。同じ新人同士…。うまく話もしてくれる筈だ
焦る気持ちと有望な新人がはいり嬉しいのは分かるが…。
店長にも一言言っておいた『あれは…。僕も反省してる気を遣ってあげるべきだった』
落ち込む気持ちは分りますが…。店長もシャキッとしてくださいね
一言良い終われば俺はもう一度厨房に戻る
「ん?…。知らん着信だな」
残った皿の片付けの途中で…。スマホが一度を音を鳴らす
知らない電話で…。俺は取るのを躊躇えば数度鳴った後にそれは止まる。出るべきだろうか迷ったが…。仮にも仕事中だ…。スマホなんていじってはいられん
時間も時間だし…。二人の様子でも見てこよう
店長もやる気を戻せばどっかに行っちっまったしな
「おーっす 風太郎調子はどうだ?」
「…何にも…。」
「ふーん…。顔がにやけてるぞ」
「うるさい…っか噂の客も来てるし…。お前は厨房に戻れよ?」
「わーった…そんで二乃はどうしたんだよ?」
「二乃ならその噂の客の所だ…。多分お前も知ってるやつだぞ」
ぼーっと突っ立って顔を赤らめる弟はテーブル席を指さした
うーんと目を凝らすと 絶句した
顔をマスクとサングラスで隠し…。じーっとテーブルと向き合うその女性
接客している二乃がサングラスを外そうとするが相手も抵抗
動くたびに頭のアホ毛があっちこっちと左右に動く
「あれでバレてないつもりなのか…。」
M・A・Y 日本語で五月を意味する
聞いた時に感じた悪寒の正体は確かに当たっている
噂になるほど色々な店舗に行き来しているとは本当に食べるのが好きなんだな 五月は…。
離れた向こうの会話は聞こえないが…。二乃も注文を聞き終えたのかやっとこさ戻ってきた
五月と話して気分が楽なった…。というよりも風太郎の反応からすれば。彼と彼女の中で何か進展があった それもプラスに働くくらいだ
「ねぇ…。」
「何ですかー 二乃さん」
「ありがとう」
「何のお礼だ?…。俺は何もしてないが」
「店長が…。私に謝ってた…。」
「良かったな…。お咎めなしだ」
厨房に戻った二乃は何処か口ごもる
一応は店長も反省して二乃に声をかけたと…。
戦力として見るのは良いですけど目先に囚われてこっちが、二の足踏んで新人の心に傷がつくのは、マイナス以外の何物でもない…。
「まぁ…お前はやれば出来るんだ…。肩の力を抜け、失敗は誰でもする」
「はぁ…。何か考えてるのが馬鹿みたい 今から言うから」
「何をだ?」
「ありがとう…。コウにぃ…。」
「えっ…。二乃 もう一度頼む!」
「はいはい…。さっさと準備しましょうねー お客さんが待ってますからねー」
「おーい二乃!」
気持ちも切り替わり今度こそ心機一転
何時もの調子を取り戻した二乃は何処か爽やかで吹っ切れたように俺を『コウにぃ』と呼んでくれた
復唱を頼むが軽くあしらわれた…。
少し関係が進んだのは風太郎だけではないのかも…。
コウと呼ばれた人間から卒業したとばかり思ってたんだけど…。どうやら少し違ったようだな
「つうか…あいつ頼みすぎだろ!」
「私も聞いたとき驚いたわよ。」
謎のレビュアー「M・A・Y」は大量の注文と注目を集め店を去っていった…。終日『美味しいです!』とパクパク食べてる姿はさながら動物のようであり。見ていて癒されるが、軽い胸焼けを覚えた。
運ばれた皿を見てニ乃は『なにしてんだか…』
呆れつつも店員と客として接客をやりきった…。
まぁ…楽しいことは良いことだが、五月さんもしっかりバイトしてくれよな…。
「これさ…社割りって効くかしら?」
落ちがひどい…。