上杉幸太郎と六等分の思い出   作:Aikk

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第七十七話 不良少年と次男と四女

学校…。そこは学び舎だ それと同時に人間を一つまた一つと成長させる

人生で過半数の人間が通るであろう道の一つ

誰しもが挫折し誰しもが青春を謳歌する…。

それは自由で誰かが阻害出来るようなものではない

行き過ぎた自由は自由ではなくただの暴徒だが…。節度を持った関係は、誰しもが望む…。 

 

さてうちの弟は先月に中野二乃に告白され

更にはバイト先までが同じとなる…。彼女の悩みを解決すれば関係は一気に進展

二乃のラブコールは見ているこっちも少々恥ずかしくもなる

 

そのラブコールを受ける風太郎君は誰の差し金か

学級委員となり毎日毎日…。クラスの為に奮起し日々周りの人間から評価を受け始めている

悲しい事に学級委員として認識されるが名前を出せば『誰それ』と微妙な立ち位置になりつつあるが…。本人は特に気にはしない

 

そんな彼と同じく 日々奮起する 学級委員の中野四葉は今日も人一倍元気に学校内を動き回り

ただでさえ五つ子として有名なのに更に名前を広めつつあった

 

 

この上杉風太郎と中野四葉には最近だが…。ある噂が流れている

 

    『三年一組の学級委員は付き合っている』

 

 

まぁ…等の 風太郎本人は学級委員としての職務以外で他人との交流を拒みがち

一応は前田と言う人物と交友を持っているがそれ以外は果てしなく不安だ

そんな風太郎君はクラスで流れる噂なんてこれっぽちも知らず

今日もまた四葉と共に学級委員としてクラス中をせっせと動き回る…。

 

 

 

「はぁはぁ…。し 死ぬ」

「息が荒いな…。楽な姿勢で一旦止まって息を整えろ」

「何で…。お前は何時もそう…。余裕な顔なんだ 同じ親から生まれたのに」

「普段から…。死ぬほど鍛えてるし…。動き回るバイトも多いしな」

 

 

四時限目の体育…。今日は50メートル走のタイムを測るため

運動部のみならず全生徒が必死こいて動き回っている…。風太郎は走り終わった途端に

その場に倒れ込み息も絶え絶え…。割と深刻だなお前のその体力の無さは…。

『お前が異常なんだよ』と無理して言うからむせている

 

「タイムは?」

「11秒だった…。」

「頑張ったな偉いぞ」

「お前に比べると霞むからやめろ」

「はっはー…。6秒ちょいだ」

「日本記録に挑むのか?」

「日本記録か…。それを言うならあいつだろ?」

 

同じ兄弟でも差が出ている…。嘆く彼に本当に恐ろしいものは何かを指さした

にこやかに走り息も切らさずゴールする四葉

それから5秒程遅れてゴールし…。その場に倒れる三玖

 

測定している生徒も四葉のタイムに目を疑う

 

『5秒30』

 

「男子の日本記録を抜いたぞあの四女」

「うわーまじで恐ろしいな…。」

 

さっきまで息を切らし辛そうだった風太郎も流石に真顔に戻る

女子の記録なんて…。朝飯前中野四葉は男子日本記録を普通に抜いてしまった

 

「再来月の体育祭のリレーは四葉で確定だな………」

「聞きたくもない単語だ…。テストは良い その次の修学旅行はさておき体育祭もっとも面倒な行事だ」

「学級委員と体育祭実行委員も大変だろうな~」

「お前は一年の時どっちもやってたらしいな…。化け物か?」

「周りが勝手に持ち上げてその気になってやってた…。だけだよ…。両立は面倒だ

 体育祭の実行委員まで無理してやるなよ? クラスの奴らもそこまで馬鹿じゃないさ」

「勿論そんな無駄な事に時間は使う気はないぜ…。学級委員ですら日々限界なのによ」

 

今月は全国学力模試に加え…。来月修学旅行と行事がぎっちぎち

それに加え6月は運動部が命を燃やす体育祭だ…。どれだけ騒ごうが先生も止めないし

文化祭に続き誰もが楽しむ行事の一つ

人生を勉強に注いだ風太郎には耳が痛く…。勉強の妨げにしかならないと愚痴も出る

 

 

授業も終わりになったのか…。教員が体育委員を探すがどうやら今日は休みだ

クラスを代表する学級委員にお声がかかる

『逝ってくる』…。文字が違う気がするがあの男は本当に大丈夫か?

 

戦地に向かう如く…。哀愁漂うその背中を見送った

 

「ぶっ倒れないと良いがな…。」

 

バッシン

 

「いでー!」

「どっちが先に倒れるのかなー コータロー君」

 

ぼーっとしてた俺が悪いが、背中を思いっきり平手打ちされ

背後に聞こえた声の主は素知らぬ顔で隣に座る

何だか最近は妙に一花は絡んでくるな…。

 

「たく…。声は普通にかけろよ…。背中がヒリヒリすっぞー」

「あっははごめんごめん」

「悪気があるなら…。叩くなよ…。はぁ」

「コータロー君今日は凄かったねー」

「何が?」

「50メートル走 6秒少し早いね」

「普通だろ…。運動部はもっとはえー お前だって四葉に負けじと6秒切りそうだったくせにさ」

「あぁ…見てたんだ」

 

位置関係的にも見えるし

彼女達は嫌でも目立つ…。頑張って走っているなら自然と応援の声もでる

 

 

「そりゃ…。お前らの走りだきちんと見てるさ」

「///…。そう…。」

「なーに顔赤くしてんだ?…。具合が悪いなら保健室行くか?」

「だっ 大丈夫大丈夫」

「無理すんなよー…。」

 

一花は忙しい奴だな…。驚かしてきたり…。自分で話を振っておきながら急に静かになり

声をかければ慌てだす…。見てて飽きないから良いけどさ…。何か悩んでいるなら一声は欲しい

 

「さて…。俺も行くか」

「何処に?…。教室は向こうだよ」

「風太郎たちの手伝いだ…。それに三玖も疲れてるのに手伝ってくれてる…。」

「…。よし手伝おう!」

「いいのか?…。向こうで手招きしてる女子組がいるけど」

「良いの良いの…。フータロー君の手伝いしないとね…。三玖もいるから」

(気を抜けない…。コータロー君は目につけば誰でも手を貸す…。見張らないと)

 

視線の先では片付けに手間取っている二人を見てか

三玖も参加している…。風太郎と同じく体力も少ない中頑張ってるな

一花には先に教室に戻るよう言ったが…。自分も手伝うとやる気を見せ一緒に来てくれた

 

 

「おーっす 三玖お疲れ」

「コータロー…ありがとう」

「お前もな風太郎たちの手伝いだろ?頑張ってるな」

「…。二人だけだと時間もかかるかと思って」

「よーし ならこれは私とコータロー君が持っていくから三玖は休んでなよ」

「一花まで…。いつの間に」

「こいつも手伝いだとさ…。いいお姉ちゃんだな」

「ありがとう一花」

「えっ…。うっうん…。頑張ろうね」

 

一花と三玖の二人は姉妹の中でも特に仲が良い

困っていればちゃんと手を貸す見てて安心出来るな…。

 

 

 

この時の俺は本当に悠長に物事を考え過ぎていた

自分の事で手一杯の中…。自分の周りが何時しか大きく変わっている事さえ気づかず、愚かな行動が多く目立つ…。

 

 

ーーーーーー

 

ーーーー 

 

ーー

 

 

 

「ふぁーー…。」

「最近の幸太郎君は欠伸が目立ちますね?ちゃんと睡眠をとっていますか?

 一日8時間以上の睡眠は必須とテレビでもやっていました」

「確かに睡眠は大事だな…。一日8時間かぁ…。まぁ…うん寝てる」

「嘘ですね…。」

「うっせー…。と言うかナチュラルに俺の隣に座るなよ」

 

昼になれば学食に向かう…。指定席は特にないが

空いていれば自然とそこに座り代わり映えのしない昼食を食べては…。眠気との戦い

体育であれだけ動けば…。いい加減体も『寝ろ』と警告

残念だが…。今は寝れない…。色々とやらないといけない事が多すぎて睡眠は蚊帳の外だ

 

最早俺の隣が定位置なのかと言わんばかりに気づけば座っている五月は美味しそうに昼食を食べながら睡眠の重要性を説いてくる

 

「相席です」

「へー」

「三年になって…。幸太郎君とは席が離れたので以前よりも話す機会が減ったと言うのが本音です」

「受け入れろ…。このクラスには俺より先に名前が来る人間はいない お前が上杉と名乗るなら

 俺よりも前の席なるけどな…。」

「私が…。上杉に」

「何を真に受けてんだ?お前は…。適当に流せ」

「と…。特には意味はないですよただふと思っただけで…。」

「別に良いよ…。あむ」

「幸太郎君は三年になっても食パンなんですね」

「悪いか」

「栄養が足りません…。どうぞお好きなおかずを」

「ならその大きな肉でも」

「うぅ…。致し方ありません…。私も覚悟を決めます」

「冗談だ…。そんな険しい顔で見られたら取れねーよ」

 

少々意地悪が過ぎたか…。どれでもお好きにと言うので意味ありげに残された肉を指さす

渋い顔で…。『ど どうぞ』と言われる

そこまでして食べたくないし…。こいつもこいつだ安易に男に昼食を分けようとするな

俺はそこまで介護はいらん…。

 

ただでさえ風太郎と四葉とまでいかんが俺も変な噂が立ってるんだ

 

『上杉兄は中野姉妹に養ってもらってる』

 

誰だこんな適当な嘘流した奴…。永久に50メートル走を走らせっぞ…。

 

「そんでさ…。なんで俺の隣なんだよ」

「ですから幸太郎君の現状を…。」

「お前は…。三年になっても」

「と言うのもありますが…。実は四葉に相談事があると言われました」

「なら俺は席を外すか?…。姉妹だけの方がいいだろう」

「大丈夫です」

「俺が良くても四葉が大丈夫じゃねーよ…。」

「幸太郎君ですから…。彼女も嫌な顔はしませんよ」

 

そう言う問題じゃない…。俺が受けた相談ならいざ知らず

五月が受ける相談となれば話は別だ…。勝手に聞く訳にも行かねぇ……

 

ガッシッ!

 

去って行こうとするが…。何時かの再来だ この細腕の何処にそんな力があるのか?完全に動きを封じられた

 

「あっ…。お兄さんもいる!」

「四葉…。お前の妹をどうにかしろ」

「あっはは一度言いだしたら五月は梃子でも動きませんから」

「勿論です!」

「自慢げに語るな…。たく まじで俺は邪魔になるから」

「うーん…。この話をお兄さんに黙ってたら私の命がありませんので…いても大丈夫ですよ」

 

五月をがっちり掴んでる事には全く突っ込まない

こいつも慣れ過ぎだろう…。

 

この場に留まる許可は得たが何やら物騒なワードが出て来たな…。

 

(俺がこいつに関して怒る事ねぇー? 何だろ)

 

じろりと睨むと早速視線を逸らす…。持っているコロッケパンを五月に献上

気にせず貰うあたり本当に食べる事が大好きな奴だと感心する…。

 

一旦間を置いた後 何故か俺に『すみません』と謝罪

五月も不思議がりどうしたのか…。二人で顔を見合わせる

 

「五月!…。学級委員代わって!」

 

「えっ」

「えぇー」

 

まさかの学級委員を辞退したいと申している

これが俺に知られれば命の危険があるという事の理由だ

 

「お兄さん…。すみません やはり私では無理です」

「諦めるなー…。お前も話した時に『大賛成です』って言ってたろう?」

「やはり…。あの件にあなたも関わっていたんですね」

「五月もお願いー…コロッケパンあげたんだからー」

「あむ…。食べ物で釣ろうとは…。あむ無駄ですよ」

「つうか既にこいつ食ってるから!」

 

まさかの土下座だ

四葉が姉妹の前以外で弱音を吐くのはそうそうあるもんじゃない

五月も貰ってすぐ食べだすし…。先ずは話を聞いてから食え

 

まぁ…俺も四葉を責めはしない無理なら構わないと話してはおいた

それに四葉が何故辞退したいのかその理由も俺は知っている…。

 

「お兄さん…。ご存知で…。」

「噂? それが四葉がやめて私が代わる理由なのですか?」

「そんなもんだよ…。でもなぁー一度決めた学級委員の交代は後期になるまでは原則は不可だ

 余程の事情を抱えなければ認められない…。お前に渡した紙にも書いてる筈だぞ?」

「あぁー…。確かそんなような事があったようなー」

「お前…。読んでないな…。風太郎はちゃんと勉強の合間に読んでくれてたぞ?」

「漢字が漢字が多すぎるんです…。」

「はぁ…。純日本製だろお前は…………。」

「それでその噂とは何なのですか?私は聞きませんね…。あむ」

 

五月さんはぶれませんね…。コロッケパンを食べ終われば

かつ丼の捕食を再開…。どれだけの食材がこの小さな体に収納されているのか…。

こいつと結婚する男は懐事情もちゃんとしないと破産するだろうな…。

 

昨日も新作のケーキを5個程食べたと思えばお持ち帰りまで

一花に言われて金銭面を気にしてると思ったが…。好きなもんは仕方ないと割り切って良いものか

(五月だけバイトの話を聞かんな…。選んだ先が気に入らなかったのか?)

 

「噂…。その…。上杉さんと私がつ つき」

「突く?そのままの意味ですか」

 

(あっこいつわかってねーな)

 

首を傾げ何かを浮かべているがきっと四葉が思っている事と五月が想像してる事は限りなく遠い

四葉は相談相手を間違っている気がする…。

あの中では確かに一番学級委員には向いているが五月はきっとやらんだろ

 

「でもまぁ…。俺の責任だな…。そう言う目で見られると考慮すべきだった 悪いな」

「お兄さんの責任だなんて…。私がいけないんですよ…。私はただ

 上杉さんは凄い人だってみんなに知って欲しかっただけなのに…。」

 

「……………」

 

俺も俺だ…お節介が過ぎた

四葉の気持ちもくみ取ってから相談を持ち掛けるべきだったな

彼女は元から計画していたと話すが、実際に俺も加担している

噂で知り合いが悩む姿は見ていて気分が良いものではなく

如何すべきか俺も考える……。後期までは原則は不可能

二人でいればそれが噂となる…。

 

「俺も手伝うか?」

「えっ悪いですよ」

「私には学級委員を代わって欲しいと言っておいて……。」

「あーそれはそれ…。これはこれだよ」

「それにお兄さんには…。手 が…。!」

「おっーーーと手が滑った」

 

そしてこいつは口が滑った

拒む理由を五月に説明する前に手が動き四葉の口を塞ぐ

もごもご言いだす彼女に小さく話す。五月に聞こえない様説明する

 

(五月は手紙の存在知ってても中身は知らねーんだよ)

(危なかった…。危うくお兄さんの秘密がバレる所でしたね)

(お前が注意してればバレねーよ)

 

嘘が苦手なこいつに誤魔化しをさせるのは直ぐに限界を迎えるが

似た話題を出さなければ、手紙の件も思い出す事はない…。

『誰にも言わないそれを忘れないように』もう一度伝えればこくこくと頷く

五月が疑いに眼差しを向けるが…。何とか話を逸らさないと…。

 

「と…。危ない 今四葉が言おうとしたのは…。」

「一体何ですか…。露骨に怪しいです」

「学級委員にまつわる呪いの噂だ」

「!!…。そ そんな嘘で誤魔化そうとしても」

 

「五月や四葉は俺が2年生をやり直したって知ってるだろう…。

 俺達がまだ一年の頃にある噂が流れてな…。当時は全員が」

 

「聞こえません!聞こえないー」

 

五月…。こんな誤魔化し方で本当にごめん

あとで何か奢るから今はさっきの話題を忘れて記憶から抹消してくれ…。

適当に作りだした嘘の怖い話で五月の追及から逃れる事に成功

がたがたと肩を揺らし『あわわわ』と震える彼女の姿に申し訳ない気持ちでいっぱいだった

 

 

ーーーーーー

 

ーーーー 

 

ーー

 

 

 

放課後まで時間は進む

五月は『ご勘弁』と言い教室から去って行く

脅かしすぎた反省しないとな…。

残った姉妹もそれぞれ用事があるのかそれぞれ帰宅

風太郎と四葉は学級委員の仕事で雑務をこなし

ボヤキ交じりにノートを集めている

 

俺はと言えば四葉が心配になり…。一旦帰ったと見せかけて

下駄箱まで戻って行く

頃合いを見て二人の様子を見に行こうとゆっくりだがちゃくちゃくと足を教室まで向ける

 

「上杉君も大変ですよね…。先輩」

「っ…。何だ武田?」

 

向かう途中で武田とばったり出くわす

相変わらず爽やかな空気を醸し出しやがって…。

 

「そうですね…。じゃー俺はこれで」

「家庭教師をしてるって話じゃないですか…。」

「知らねーな…。妄想も大概にしろ」

「先輩…。僕は忠告しました…。あの点数で家庭教師を続けるのは限界でしょう」

「お前に関係あるか?…。あと余計な事言うな」

「すみません…。でも先輩にはやるべき事がある筈です…。それを忘れないように」

 

たった数分の会話でどっと疲れた

言いたい事を言えば満足したのか…。武田は教室から離れたトイレにへと入って行く

 

あいつが何処で家庭教師の話を聞いたかは関係ない

俺のやるべき事は風太郎と中野姉妹が…。笑顔で学校を卒業する事だ

その為なら自分の事は後回し…。文句を言われる筋合いはない

 

 

「さーて…。二人の様子は…。あぶね四葉だ」

 

廊下を歩き少し先で四葉がこっちに向かってくる咄嗟に隣のクラスに隠れた

そのまま歩いて来るかと思えば…。他の女子が四葉に声をかける

 

「また上杉君と一緒にいたでしょ!」

「見ちゃったよー!」

 

「……」

 

「放課後の教室で二人っきりなんて!」

「キャーロマンチックー」

「やっぱり上杉君と四葉ちゃんは…。」

 

すごい食いつきだ女子は恋愛事は目ざとく

何かとそれに結び付けたがる…。言葉の連弾の応酬で四葉も話すタイミングを見つけられないのか

一言も言わず女子生徒は勝手に盛り上がる…。 

人の気持ちを考えろと今まで四葉に何かとお節介を焼いた俺が言える筈もない

口を押えて様子をうかがう…。

 

やってる事は最低だな…。

 

 

「ないよ…。」

 

「えっ…。」

 

「私と上杉さんが…。ありません…。だからそう言う噂はやめてください」

 

「そっそうか…。ごめんね勝手に…。じゃさようなら」

 

物凄い寒気だ…。恐ろしく冷めた目で四葉は二人の生徒にそう言い放つと

これ以上変な噂を流さないように注意を促し

押された二人は普段見ない四葉の姿に困惑と驚きの表情を浮かべ帰って行く

 

 

 

「そうだよ…。私は彼を応援しないといけないんだ」

 

そっと漏らした彼女の本音…。

寂しくもあり何処か切ないその台詞…。言い切った後に彼女は教室へと戻って行く

 

ぽつりと小さく放ったその言葉を俺は聞き逃してしまった…。

 

それ程に四葉の言った言葉に俺は衝撃を受けていた…。

 

あの日…。四葉が語った 金髪の男の子とは紛れもなく風太郎だその筈なのに…。

 

 

(なんで…。お前は…。それが本音なのか…。)

 

 

 


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