アニメ五等分の花嫁二期最終回お疲れ様です。
色々とカットされた所の多かった二期ですが、無事に完結できた事は素直に嬉しく思います
そして発表された、続編ですが、どうやら劇場版のようでさてはてラストの学園祭までやるのか、気になるところですね
修学旅行編、本格的に開始
前提として五月が風太郎と行動しようとする理由『思い出させる』は同じです
原作通り五つ子side中心ですが、後日男子組の詳細も書きたいと思います
誤字などあれば、報告よろしくお願いします
5月21日 月曜日
修学旅行当日
「いよいよ、始まるね」
「おーい五月ーー新幹線乗るよ」
「ひとまずは、フー君の班に付いて行くわよ」
「でもフータロー君嫌がってたよ?」
「うぅ…眠気が」
待ちに待った?修学旅行の当日だ。
学校へは行かず、直接駅に集合となり俺と風太郎は、荷物を纏めて目的まで向かった
まぁ、何事もない、そう何事もないまま無事に駅へと着いてしまった
『あぁーやだやだ』と嫌味をぼやくも何事もないならそれで、いいのだろうと気分を変え先に待っていた。前田や武田と合流し何やら風太郎は、前田に目配せをしている
気になりはしたが、大した問題ではないとさて問題なのは誰なのか、以下数名を浮かべつつも気持ちを修学旅行へと向ける
(すげー生徒の数だなぁ…怠いな)
さっさと新幹線に乗ってちゃっちゃと修学旅行ライフを楽しんじまおう。
「ワータノシミダナ-」
「幸太郎さ、もう少し感情込めるよな?」
「うるせぇ」
「上杉君、幸太郎君!
清水寺行きましょうよ 私たちの班と一緒に!」
「班ごと行動だろ 五月さん?」
遅れて来たと思いきやいきなりヘッドハンティングだ
何の為に修学旅行の班を決めたのか、分からなくなってきたな
確かにこいつが、風太郎に正体を明かすための手助けはすると言ったがここまで露骨に動くとはな
まぁ五月らしいと言えば五月らしいが…。
本当に不器用だなぁ…スマートにやれと言ってやりたいが、それが出きれば、苦労はしない…。
「はいはい…。 五月さんは大人しく自分の班に戻りましょうねー」
「こ 幸太郎君! 待ってください」
「言うには早すぎる。状況を考えろー」
(えぇー 五月までどうしちゃったの…。)
五月を中野姉妹のところまで戻し、俺も風太郎たちの班まで戻る…
始まりから前途棚な修学旅行
ここから数時間の新幹線の旅も無事に終わってくれりゃ良いんだけどな
ーーーーーー
ーーーー
ーー
「はい フルハウス! いやーごめんね」
「負けた~」
「ぐぬぬぬ…。 何でかこの手の勝負は強いのよね」
新幹線の中では五つ子が暇つぶしとしてトランプに興じていた
何度目の勝利だろうか、圧倒的な価値運と手札で他の姉妹を薙ぎ払う一花
前回の黒ひげといい、連敗続きの二乃は悔しがる
もう一度の勝負を希望し 一花も乗り気で何度でも勝負を受けると強者の余裕を崩さない
ほとほと自分の勝負運の無さに呆れる四葉は次の勝負を辞退し周りを見渡す
風太郎と幸太郎の班は、ここから少し先におり
四葉は、位置関係上彼らを把握出来ない、何故だか自分を除く全員の様子もおかしく
この先不安が尽きない彼女にとって彼らの行動しだいでどう転ぶの分からない…。
(みんな何で、焦ってるのかな?)
ふと隣で寝息が聞こえ 横を見ると目を開いたまま、トランプを握る三玖がいる、すぴーすぴーと本格的に意識は夢の中のご様子
今朝からずっとこの調子で、合流するまで彼女も一時的に何処かに行っていた
「三玖?」
「あっ…………ツーペア」
はっと気づき トランプを確認 自分の手番だと勘違いし
フルハウスには勝てないツーペアで挑むが撃沈
『弱い、遅い』と二乃も呆れ気味
自分がぼーっとしている間に勝負は既に三回戦になっていた
「ねぇ三玖、眠そうだね今朝もどこか行ってみたいだけど」
「うん、バイト先に無理言って、朝から厨房貸してもってた」
「えっ、じゃあ…」
「うん」
「それを食べてもらっていよいよ…ずっと今日まのために頑張ってきたんだもんね
最後まで応援するよ」
「冷めても美味しいといいんだけど」
「大丈夫だよ。三玖の頑張った証だよ、お兄さんも最高のプレゼントって喜んでくれるよ」
こそこそと話をし始める 二人
三玖が朝から姿が見えず眠そうにしている理由は、バイト先のパン屋に早朝から行っており
ギリギリまで試行錯誤した結果 三玖史上最高の一品が出来たらしく
ここまで彼女の練習に付き合って来た四葉も最後まで応援を続けると三玖の背中を押している
彼がいない誕生日 彼のために作ったその品を彼にプレゼントするため
三玖は今日まで頑張ってきた
それは報われるべきだと四葉は感じている
二人のやり取りが目に入ったのか
トランプ片手に一花は次の勝負を姉妹全員で行おうと言いだす
ただの勝負ではない 勝った人は何でも命令できるルール付きと提示
その瞬間 三玖の目が開く
五月もお菓子を食べていた手を止める
二乃の表情もかわり
一花はニヤニヤと笑みを浮かべる
メラメラ バチバチとほんわかムードを楽しむはずの修学旅行
その筈だった… この盛り上がりはどうかトランプだけでと他の心から願う四葉だった
一方男子組も
「では、次の問題です………慶安4年、まだ幼い徳川家綱が時期将軍とされました、政治や俗世に疎い彼が任命された事である人物が、後に大きな事件の首謀者と呼ばれますが、その事件又は人物とは誰でしょうか?」
「由井正雪だろ…」
「確か、慶安の変だったような」
「何でお前ら二人は、即答できんだよ、っかもっと楽しめる事しろコラ!」
全く持ってその通りと答えを言いつつも、歴史の問題を言いだす後輩に相も変わらず真面目だなと思う幸太郎がいたりする
ーーーーーー
ーーーー
ーー
教員の園田は生徒達に必要事項を説明
貴重品はきちんと持っていくようにと釘を刺す
その場で解散の声を聞けば、先ほどまで体育座りで退屈そうに話を聞いていた生徒達も一気に活気づく…。 つくづく若さだと園田は生徒を見て実感していた
「何かしら今の音?」
「どうかしましたか?二乃」
「何でもないわ……多分」
「歯切れが悪いですね」
「さーみんなどういう感じで周っていくか意見だしてー!」
さっそくと移動を開始しようとした二乃は、カシャッという音を聞きその場に止まるが
怪しい姿はなく 自分の考え過ぎかと心配する五月に一声かけ
一旦どうするか四葉は各々の意見を求める
「それは、やっぱ旅といえば、買い物よ 古~いお寺より お洒落なお店の方が楽しいわ」
「わかってないなー せっかくの京都だよ? ならではの美味しい物を食べさせたいよ」
「私も…その意見に賛同ですが…。 今は色々と見て回るべきです。その方が こうた……
いえいそうではなく楽しめるので」
「ねぇー五月はやっぱりお兄さんと何かあったの?」
「別に何もありません……決して!?」
「うーん怪しい」
「あっコータロー君達の班が出発したよ」
「付いて行くわよ」
「どこ行くんだろ?」
二乃は買い物 一花は食べ物巡り 五月は観光と意見はバラバラ
変な時には一緒になるのにこういう時は全く嚙み合わない、やはり五つ子
別段おかしくない話として取り入れようかと考える四葉だが、一昨日まで普通だった五月が何処か様子がおかしい
加えて言うならあの買い物以来だ…。
何時も彼の後ろを付け回すのは変わらぬ姿だが、何処か別の意図も感じてしまう
一応本人にこそこそと聞いているが、何でもないの一点張りだ
ある意味で一番に強情な五月がそうそう簡単に言う訳もない
うーんと考え込む間に上杉兄弟の班は移動を開始
彼女たちは、それを追って尾行するように後ろを歩く
「五月…。あんた何でそこまで俊敏に動けんの?」
「まるで忍者だね…。普段からそうやって彼の後ろから動ているんだね」
「しっ、気づかれます…。静かについて来てください」
一瞬にして角に隠れる慣れたその動きに三人は唖然している
のんびり屋な一面とは打って変わり…。尾行となれば本気の五月がそこにいた
ーーーーーー
ーーーー
ーー
しばらく彼らの後を気づかれない尾行する一同
何故ここまで本気を入れて隠密行動をしているのか疑問を覚えだしているが末っ子はやめない
上杉幸太郎にばれないよう着実に後ろに迫る
彼女の将来は本当に大丈夫なのかと心配になってきはじめた
男性陣は後ろを尾行されてるとは知らず会話を交えながら進んで行く
途中ある神社の前に止まると 前田を除いた三人は丁寧にお辞儀
何かを言われたのか前田の大きな声が聞こえだす
「なんか、地味ね」
「こらこら」
「移動するみたい」
楽しく見れるスポットかと思えば、学問の神へのお祈り
全国で1番 2番 5番の男たちが祈ってもこれ以上の成績アップは見込めないのでは?
彼らの考えている事はいまいち理解できない…。
お祈りが終われば、彼らは次の目的地へと移動を開始
すぐそのあとをついて行こうと一本前に足を出した時 『待ってください』と五月が四人を制止
一体どうしたのかと…。前を見た 一花と三玖は目の前の状況を疑った
そこには確かに 男性陣が屯っている移動したと思えば
見知った顔でもいたのか、歩みを止める 上杉幸太郎の姿と彼女たちも見知った人物が会話をしていた
「あれって紡木さんだよね、何でお兄さんと話してるの?」
「確か前に、フー君の誕生日を祝った時に顔合わせたのよね? っていうかなんで、あの人いるの」
「様子がおかしいです…。 上杉君たちは先に行きましたがどうしましょうか…。」
そこにいたはラフな格好で何時もと同じくにこやかスマイル
中野姉妹のお隣さん 大学生の雨宮紡木が、上杉幸太郎と何やら話をしている
ケラケラと笑う彼女と対照的に幸太郎は怪訝そうな顔つきで彼女の言葉を聞き流す
離れた場所故会話が聞き取れない…。
ここは慎重と更に気配を殺し近づく
その時だ、彼は、自分のスマホを取り出した
何かを始める暫く様子を窺う五つ子達…。すると彼は、自分のスマホを分解したのか、
後ろをこじ開けると中からは、スマホのバッテリーだろうか小さな物体が出て来た
「あいつら何やってるの?」
「少し近づけば、会話も聞こえる筈です」
『てめー あの時か俺のスマホにGPS仕掛けたのは?』
『あれれー バレちゃったかー…本当にそう言うのは感ずくね』
『はぁ、っ』
「「!!」」
(GPS? 五月も三玖も何て顔してるのよ)
(い いえ…)
(何でもない大丈夫…。)
彼の取り出したスマホのバッテリーには何やら点滅する小さな機器が取り付けられ
目の前の女性にそれを突き出す
ばれたかーと言いつつも余裕を崩さず にやにやと笑うのみ
一方同じく彼のスマホにGPSを着けていた五月には思わぬ被弾だ
その場で固まってしまい表情も青ざめる
『おかしいと思ったんだよ お前が俺の物を持って行って何もしないわけがない
坂下…。 お前、大学とか言ってたがよ。中野姉妹の会話を聞いて俺のスマホにつけたこれで、先回りしやがったな…休学中って言ってたのに可笑しいと思ったぜ。』
『ご機嫌ななめだねー幸太郎』
『当たり前だ、勝手にGPSとかつけられて誰がいい気分にるかよ…?』
(うぅ…ずみません 幸太郎君)
(五月は悪気があってやってる訳じゃないんだよ。元気出して)
彼の言葉は雨宮紡木に向けた言葉だが、それは五月にも該当し
深々と突き刺さり膝をつき 涙目になっている
ここに来て五月史上最大のダメージが叩きだされていた
そんな事とはつゆ知らず幸太郎と雨宮紡木の会話は続く
彼に『まぁまぁ』と全く謝る気配を見せない彼女は持っていた鞄から小さな手帳を取り出しては、目の前で眉を細める彼に投げ渡して見せる。
『はい、君の旅の忘れ物』
『あっ!無くなってたと持ってた、パスポートじゃねーか!お前さ、これが無かったせいで』
『すまないねぇ…。私の鞄に入っていたんだ失念していたよ』
『知らぬ存ぜぬって誰が言ったんだろうなぁ…坂下?』
彼女が、投げ渡したのは、上杉幸太郎のパスポートだった。
幹雄の説得で海外へと向かった彼だが、最も大事な身分を示すパスポートを紛失し
役所で無事に再発行は出来たものの、予定していた飛行機を見送る羽目になり時間をずらさざる負えず日本へと戻ったのは、翌日の事だ。
家族にも友人にも心配させる結果となり紛失したのは自分の軽率な行動のせいだと少しばかりナイーブになっていたとか……………………
(旅?って何であの男は、普通に会話してるの?知り合いなの)
(二乃音量低くしてバレる)
『落ち着きなよ。せっかくの修学旅行が台無しだよ。今日は君の忘れ物とさ、先日のお礼に来たんだからさ』
『うるせ』
『ふふふ 機嫌の悪い君は見てて最高だね』
『っ…。俺がお前に渡したのは眼鏡の借りだ………他意はねぇーぞ?』
『少し早い誕生日プレゼントってところかな? ありがとう大事にしよう』
『へいへい、もーなにもないよな、俺はいくぞ、つうかお前が、どっか行け』
『それは残念だねー…。でもさ幸太郎、一つ忠告だ。君は今すぐ回れ右をしてホテルに戻って、修学旅行の最終日までずーっと引きこもってることをお勧めしよう。じゃないと…………最悪な目に合うよ』
『お前と出くわす以外に何が、最悪な事があんだよ?適当ぬかすな、じゃーあばよ。坂下…』
『つれないねぇ、まぁ…精々君は、愛想でも振りまいて彼らと接すればいいさ
忠告はしたからね…………また会おう、幸太郎』
彼女の言葉は彼に深く刺さる
けれど素直には、受け取らず彼女を横ぎった…。
ちっと舌打ちし、近くのごみ箱にスマホのバッテリーを投げ捨ててしまった
三年となった彼らが思い出を作れる数少ない機会だ、
面倒くさいとぼやきつつも、大切な友人と過ごせるこの三日間を良い思い出として彼は終わらせたいと考えていた。その矢先に思いもよらぬ再会と数週間前の事実、イラっとする気持ちを胸のうちに無理やり押し込む事で何とか整理をつける、付けざる負えない。
((…………気まずい…………))
彼が去ったあと 言葉を失ない唖然とする一同
そんな彼女たちの存在に気づいているのか…。
にやりと口もとを緩める雨宮紡木は彼とは別方向へと去って行く
お隣の雨宮紡木が、何故上杉幸太郎とここまで親しく会話し
彼のスマホに細工をしたり彼の所有物を所持してたり、何より彼がああまで親しげに話すのか、親しげにしては刺のある言葉も幾つか散りばめられていたが、何にしろ理由は全く分からない…。
この中で唯一 彼らの会話の際に一言も告げず傍観していた中野一花だけは、彼らの関係を知っていた、知ってしまった。
あの二人が幼馴染だったことを…。
でもそれ以上の関係だったのか、彼女の口からは聞かされてはいない…。
『どうだろうねぇ、ふふふ』
答えを欲する自分をあざ笑うかのように女性は口を紡いでしまった
そしてその一花が ぱんと手を叩き『早く、フータロー君たちを追いかけよう』
他の姉妹に声をかけ再び尾行を開始する…。
「雨宮紡木さん…。」
「だ、大丈夫だよ!、紡木さんも帰ったみたいだし、二人っきりになれるチャンスはあるはずだよ」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ちょっとしたトラブルを目撃してしまったが、一旦気持ちを切り替えて
修学旅行を楽しもうと四葉がみんなに言い聞かせる
彼が何故あんな態度だったのか五月も気になりはするが、彼女の言葉に従い
足を動かす 他の姉妹も後を追い
何個も続く鳥居をくぐる 『映えるわー』と二乃は写真を撮影
何枚か撮り終わり、今度は一花たちを並ばせ 写真の撮影を撮り始める
ここ数年で五つ子でこうして写真を撮るのは何時ぶりだろうと振り返る
二人、三人と全員での写真以外は撮っても五つ子が並んで一緒にとは中々ない
ぱっと浮かぶのは、小学生の時の修学旅行もしかすればそれ以来だろうか…………
「絶対撮ろうね!」
「はいはい、気が向いたらね…………ほらピンとズレるから動かないのー」
それに今は二乃が、スマホで撮影とやはり全員で撮ったとは言い難く
今度は全員一緒に写った一枚を撮りたいなと四葉が口に出す
(彼と撮ったあの日は、後でしたね……)
姉妹とのやり取りでふと過ぎる、昔の記憶……………
修学旅行が、終わって少し五月はある事を思い出してクスリと笑みを浮かべていた
「コータロー達いないもう上かな?」
「さっきまで会話してたのにね、なかなか見えないわ」
「男の子は早いからね」
「よーし 私たちもがんばろー!」
『『おー』』と気合を入れ進行を再開……………………
したものの…数分後
「ハァハァ 結構長いわね」
「足が痛くなってきました…。」
「もー 皆おそーい! 三玖もファイト-」
「ありがとう 四葉…。」
「あの子は気楽でいいわね」
「あれが四葉の良いところだよ」
「そうね…。どこかの腹黒さんとは大違いだわ」
「!」
風太郎たちの班を追いかける一同
先頭には三玖の両手を引きながら未だ疲れを見せない四葉
二番手はその三玖本人
そのあとを五月 一花 二乃が追いかける形である
元気に動き回る天真爛漫な四女の姿は見ていて元気が貰えるが、予想以上に長い階段に全員の体力は徐々に持っていかれている
前方で仲の良いやり取りをする二人と違い 温泉旅行から誕生日までの因縁か
一花と二乃の様子は何処かおかしく
真ん中に挟まれる形の五月は頭にクエスチョンマークを浮かべている
「どうせ今日も悪巧みを企ててんでしょ」
「はは…しないよ そんなこと」
「まぁーどうでもいいけど…。私の邪魔はしないでよね ほーら五月走ってー」
「待ってください二乃…。足が」
「あんたさっきまでの俊敏さはどうしたの コウに置いて行かれるわよ?」
「! 行きましょう 今すぐに」
「わかりやすいわー」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
登った先は開けており、人通りが多く見られた
横に立てかけられた地には現在地が表情され、この少し先は、山頂に続く道になっているらしい
ただその道は、二つに分けられ、
遠回りだが、周りを観光できる右ルート
内側で、最短で頂上に着けるが、見るものが少ない左ルート
どっちに行けば風太郎と合流できるのか、二乃は脳を活発化させている
隣ではいい加減疲れが来たのか、五月が息を切らし
立ち並ぶお店を指さし一旦休憩をとってから再度彼らの後を追うべきだと主張する
「それであいつらが、どっか行ったなら笑えるわね」
「うぅ…。幸太郎君も私が食べる姿は好きだと言ってくれたので、ここは食を優先します」
「はいはい…。 じゃーお昼食べちゃいましょうか」
「待って…。お昼は!」
「何よ、他に食べたい物あるの?」
「……その」
「三玖?」
「えぇっと…」
ここで、お昼休憩を取ってしまえば、幸太郎と一緒にお昼作戦が、台無しにどうにかしなければ…
姉妹と過ごす時間だが、先に三玖との約束を守ってあげなければ、しかしもかかし下手に動けば、変な目で見られてしまう。
(むむむむどうすれば、…。あっ!【あれだ】)
悩み悩む四葉の脳裏に新幹線内で行われた
第三回ポーカー対決が浮かぶ あの戦いに勝てば、一度だけ全員に命令できる権利があった
どうせ自分は勝てないとさっさと勝負を降りようとしていた彼女だが
彼女は手札も見ずそれを出した。 『!』と驚く四名
最高の役 ストレートフラッシュ 物欲センサーとはよく言ったもの
一番食いつかなかった彼女の勝利で幕を下ろした…。
ふむふむと悩んだ末
四名に 右手で3 左手で2を作り ここから先は別行動で進んで行こうと提案
勿論 二乃からの反論はあった
「勝者の私が言うことは絶対! これはみんなも分かってるよね!」
にっしししと笑い 小さくガッツポーズ
今は少しでも幸太郎と三玖を合流させ彼らの仲を取り持つことが先決だ
不満はあれど、自分が言いだしたことだ一花はその場で口を紡ぐ
右と左 それぞれの道に分かれ彼ら兄弟と入れ違うことなく合流できるか…。
一方男子組は…。
「先輩、さっきの女性はまさか?」
「今は関係ない…。けどあいつだよ」
「まじで、急に出て来たな」
「つうか、上杉兄貴のスマホどうすんだよ?」
「電池パックねーから使い物にならねーよ」
「分解すんなよ」
「うるせぇ」
彼女たちが 出発したと同時に近くの飲食店から顔を出していた
「右と左どっちがいいかなー」
「うぅ食い過ぎて腹がいてーよ」
「前田君は食べ過ぎだよ……それで先輩はどっちに行きますか?」
「俺はどっちに行ってもやばい予感がしてくんだよな…。」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
左ルート
一花 二乃 五月グループ
「あんたが、余計な提案したせいで変なことになっちゃったじゃない、人の流れから見て あっちが、正規ルートよ もしかしたら先に合流されてるかも…。」
(二人は、先ほどからなんの話をしているのでしょうか?…。うーん 幸太郎君の居場所を知りたいですが…あれ以降GPSは不調ですし 彼が、嫌がる為安易に使う訳もいきません )
「あっ、お手洗いです」
「この先には無いのよねー 行っておこうかしら」
「私もついでに行っておきます」
「……っ」
右ルート
三玖 四葉 グループ
「三玖~ 早くしないと お昼終わっちゃうよー」
「うん…。 あと少し」
「この日のために ずっと頑張ってきたんだもん あと少しだけ頑張ろっ!」
「四葉… ありがと…」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
「もう お昼なのに… うう お腹が空きましたね…」
「フー君たちは、お昼ご飯どうするつもりだったのかしら?」
「あれ? 一花は?いませんね」
「まさか…先に向かったのかしら? 本当に姑息ね」
「?」
お手洗いから戻れば、一人入口付近で待っている筈の中野一花の姿はなかった
今の彼女のことを思えば一人で待たせるのは得策ではなかったと二乃は眉を顰める
「ハァハァ…」
中野一花は左ルートを全力疾走で走っていく
確かに山頂まで登るなら左で十分だ…。 しかし向こうには四葉がいる
姉妹の中で一番に運動を得意とする彼女ならばものの数分で駆けあがってしまう
それでも一花には余裕があった
一番に運動できる四葉と共に動いているのは一番に体力の少ない三玖
いくら四葉でも彼女を気遣いながら登れば、山頂までは確実に時間がかかり
全速力の自分の方に分がある、追いつかれる前に目的を遂行できる筈、
鞄の中から三玖が付けているものと同じヘッドホンや彼女に似せたカツラを取り出す
(ここ数日見てて分かる。三玖は、確実になんらかのアクションを起こす それに雨宮紡木がここにいる…。あいつは危険だ…また出てくる前にコータロー君と会って…何をする?
本当に無鉄砲だ、焦り過ぎて考えが纏まってないや…けど取り消さない、後戻りは出来ないのなら…一度ついた、この嘘を演じ続けよう、彼にあの日を思い出してもらう為に!)
走っていく一花 全ての準備が終われば
三玖と瓜二つの姿に早変わり…
山頂まで あと少し 姿の見えない彼はきっとこの先に待っているはず
もう少し あと一段…
「着いた…… !」
パチパチ
到着したと同時に一花は、小さな拍手を耳にした。
「お疲れ様ーー でも残念 幸太郎はいませんでしたー」
「雨宮紡木…」
「凄く良い恰好だね…中野三玖さんに成りすまして彼に取りいるのかー
なんでー 君には初恋っていう 最高のアドバンテージがあるのに何でそこまで必死に嘘で固めるのかなー…いやーッッハハハ、楽しくてお腹が痛いなー」
山頂には確かに一人待っていた
幸太郎ではなく 三玖でもない それは一番に顔を会わせたくない雨宮紡木だ
自分の今の姿をにやにやと眺め
口々に言葉で彼女の心をいたぶる
見透かしたようなその態度にイラつきを覚える
ぐっと拳を強く握り…平常心を心掛け 自分を落ち着かせようと深く深呼吸
「今は、あなたと話してるほど暇じゃありません 私はこれで…。」
「早くした方がいいよー 私はどうだっていいけどさ ふふふ 」
(彼女がいるのは予想外だけど…。コータロー君が、いないって事はまだ途中ってこと?
これだけ走ったんだ…。三玖たちは、おいつけ…!)
彼女は左で、幸太郎とすれ違う事はなかった
トイレ前で待機していた理由も男子の方から彼が出てくる可能性も考慮したためだ
中に人がいる気配はなく彼女は全力疾走で、駆けあがり 案の定
雨宮紡木というイレギュラー以外の姿はなし
そうなれば、上杉幸太郎は未だ右ルートの中間あたり
三玖をつれた四葉は、まだ道の先端程で足止めを食らっている筈と高をくくっていた
すぐに右に行って確かめようと雨宮紡木を振り切り 鳥居前に向かおうとした時
誰かが、こっちに向かっている 足音は一つこれは…。きっと彼だ
待ち望んだ、その瞬間は、一瞬にして地獄と化した。
ドクン
ドクン
ドクン
「ついたーーーー、やったねー、三玖!」
「ありがと おぶってくれて」
「全然平気だよー 力持ちだからね!」
「えっ…。 四葉なんで…。」
『『!?』』
ドクン
ドクン
ドクン
鼓動の音は鳴りやむ事はなく、同じくピキリと何か大切な物に小さな亀裂が生じ始めた。
「一花…。 何で私の変装してるの?」
「ッ…」
登ってくる足音は一つ それは紛れもない事実
でも一人だけとは限らない
確かに三玖と昇れば時間もかかってしまうけど 四葉は彼女と幸太郎の時間を作るため
ここまで三玖を背負って顔色一つ変えず走り抜けてきていたのだ…。
当然 そこまで予期している筈もなく ばったり出くわす三名に
雨宮紡木の顔は愉悦に満ちている
「最高だねー この構図は…。じゃー私はこれで、お疲れ様 中野一花 試合終了だ」
「紡木さんまで…。さっきは下に戻ったはずなのに…。 ねぇー 一花どうしたの?
なんで、私に変装してるの?理由があるなら、話して?」
山頂へと着いた二名は、目の前の状況に一瞬言葉を詰まらせた
雨宮の存在もあるが、第一に…なぜ?一花が自分の変装をしているのか、嫌な予感を浮かべるも彼女は、何か理由が有る筈だ
まるで自分に言い聞かせるように一花に問いを投げる
『潮時か』と小さく呟くと雨宮は体を動かした
先ほど一花が、やって来た方向へと足を向かわせ、最後の最後…冷めきったような表情と共に彼女達の前から姿を消した
「一花… 私はそんなつもりで言ったんじゃないよ…。
それが本当にしたいことなの?」
「四葉、どういうこと?」
「一花は邪魔しようとしている…。」
「邪魔って 何の…。」
その一方で四葉の言葉は止まらない
この状況を招いたのは、あの日の自分の一言だ
姉妹を思っての行動 それが裏目に出てしまった
戸惑う三玖を余所に一花に何度も問い質す
何故 彼女が、邪魔をするのか 何の邪魔をするのか…。
甘んじて受けようと一花は、何も言わずだんまりを決め込んでいた…ただ
それは何時までも続かない…。彼女には見えている
後ろから迫ってくる 見覚えのある 白黒の髪を…。
「!?」
とっさに四葉を止めにはいるが、彼女は止まれない
「待って四葉!」
「三玖からお兄さんへの 告白だよ!」
「よーしつい…えっ」
「ハァハァ… 本当にお前早すぎる」
「お兄さん……! 上杉さんも」
「これは…どういう状況だ」
「…」
間が悪すぎた…彼が最後の鳥居を超えた丁度のタイミング
四葉の声が周りに響く…、 シーンと静まり返る…
「あれ?紡木さんだ」
「やー 五月さんと二乃さん」
「ど どうも…(あれを見てるからやりずらいわね」
「山頂に行くのかな?」
「はい…紡木さんは降りるところですよね」
「まぁーね…行くなら早く行った方がいいよ…最悪な状況だ」
「最悪?」
「ハッ!まさか、あいつ」
状況はさらに悪化する一方
たった一つの言葉で、中野姉妹の全てが崩れ始めていた