ポケットモンスター Re:Union   作:可惜夜ヒビキ

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こっからメインストーリーが本格的に胎動!そろそろ夏休みにも入る(投稿はじめて一年が経つ)しいい加減安定して書けるようになりたいですねぇ…

((予告))そのうちR18指定が付くかも。作者まだ18じゃないのに


第五話 逃亡、それは

「テールナー!会いたかったよ、テールナーッ!!」

 

喜びの涙と共に、トレニアはテールナーに抱きついた。テールナーの方はというと、最初は驚いたものの、だんだんまんざらでもなくなってきたようで、耳をぴこぴこ動かして歓迎した。

 

そして俺はというと、テールナーの近くにたたずむプロペラ機を調べていた。

 

どうやらこの機体はRR団のものらしかった。機体の側面に、RRの文字が浮かび上がっている。

が、分かったのはそれまでだ。俺は転生前にプロペラ機を操縦していたわけではないし――少なくとも記憶の中では――ましてこちらの世界でだってそうだ。

 

「くそっ、ここから脱出できる格好の期待なのにッ!!」

 

俺は宙を見上げた。雲がどっさりと覆いかぶさり、空の青さは皆無だ。俺の心も今の空模様と同じで憂鬱だ、と思ったその時――

 

自分でもよく分からない、不思議なことが起こった。

 

過去の記憶の一部が引き出されたらしいのだ――まるで早回しの映画でも見ているみたいな感覚だ。何故そんなことが起こっているのかは分からないが、気が付くとカイは、このプロペラ機の操縦法を熟知していた。

 

「なっ…これは一体、どういうことだ――?」

「どうしたの、カイ?」

 

トレニアが不思議そうに近づいてきた。隣にはテールナーがいる。もうすっかり意気投合、と言った感じだ。

 

「あぁ、なんか俺、こいつを──」

「ようやく見つけたぞッ!!」

 

カイの声を遮って現れたのは、先程カイ達を追い回し、最後はテールナーの炎で燃やされたあの偉そうなRR団員だった。

 

「はぁ…はぁ…まさかこんなところまで逃げ込んでいるなんてなぁ──俺たちがどんなけ苦労して見つけてやったと思ってるんだ、あぁ?」

「いちいちしつこい奴だな──悪いけど俺たち、あんんたと遊んでる時間はないからさ、じゃな」

 

そして俺はトレニアの手を引いて、プロペラ機の助手席に乗せた。

 

「ちょっとカイ、まさかこれで逃げるつもりなの?いくらなんでも無茶だよ」

「無茶ではあるが無理ではない──少なくとも、この胡散臭い連中から逃れるぐらいはできるさ」

「でも──」

「おい、俺を置いて一丁前に作戦会議か?」

 

RR団員の男は目に見えて苛ついていた。このままでは増援を呼ばれるのも時間の問題だ。そうでなくてもあいつは、今の俺たちに勝てる相手ではない──カイは初めてその男にあった時から、本能的にそれを感じていた。

 

「時間が無い、トレニア。今は俺の言うことを聞いて欲しい。」

 

トレニアはちょっと考え、頷いた。

 

「分かったよ、カイ。私、信じる」

「ありがとう、トレニア。さぁ、ゼラオラとテールナーも──」

 

2匹のポケモンは後部座席に乗せた。万が一追撃された時、頼りになるのは彼らだけだ。

 

「よし、行こうみんな。こいつが俺たちを、新たな場所に連れていってくれる──それじゃあ、アデュー!」

 

俺は偉そうなRR団員の男に手を振ると、エンジンを回した。たまらず後ずさりした男を尻目に、俺たちはゆっくりと上昇した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても、これどこに向かってるの?」

 

空の旅の途中──あまり快適ではないが──トレニアが聞いた。

 

「分からない。今は俺が操縦できてるけど、RR団の船だ。いつハッキングされて連れ戻されるかも分からない──」

 

分からない──今の俺は、そう答えるしか無かった。

俺は分からなかった。今自分が遂行している、自然の摂理に反するかのような行いすらも、正しいのかわからなかった。

 

「まぁ、そうだよね。今の私達、地図なんてないし」

「そうだな──着陸した時は、どこか地図をくれる人のところがいいな」

 

俺は冗談交じりに行った。トレニアも笑う。

後ろではテールナーとゼラオラがなにやら話している。表情を見るに、どうやら彼らも冗談目いた事を言い合って笑いあっているようだった。

このままでいい、と思った。

隣にはトレニアがいて、俺の横で笑っている。後ろでは俺たちのパートナーが笑っている。

ずっとこのままでいい、と思った。

このままどこまでも飛んでいって、誰も追いかけてこない、誰も知らなかった場所まで飛んでいきたかった。が、それは追ってきた者たちによって、叶わぬ願いになってしまった。

 

突然、爆発音とともに機体が揺れた。エンジン部分から煙が出ている。後ろを振り返ると、そこに居たのはあの偉そうなやつだった。

 

「待てやゴラァァァ!!」

 

彼はサザンドラにまたがり、ものすごい殺気でこちらを追ってきている。

 

「まずい――ゼラオラッ!!」

 

俺の言わんとしていることを瞬時に理解し、ゼラオラは戦闘態勢に入った。続けて、テールナーも戦闘態勢に入る。

 

「焼き払え、サザンドラ!!」

「ゼラオラ、10万ボルト!!」

「テールナー、かえんほうしゃ!!」

 

三つの技が空中でぶつかり、巨大な爆発が起こった。辺りに煙が立ち上り、何も見えなくなる。その瞬間を見計らい、俺はプロペラ機を大きく旋回させた。

やがて煙が晴れ、相手の姿が互いに見えるようになった。が――向こうはこちらに気づいていないようだ。

 

「畜生、にげたかッ!?」

「まさか。いいか、覚えてろよ――」

 

たまらず、俺は言葉を発した。

 

「俺たちが逃げるなんて――」

 

同時に、ゼラオラとテールナーの体が輝きだした。

 

「絶対にありえないからなッ!!」

 

同時に、二匹が全力の技を放つ。サザンドラは反応が遅れてしまったようだ――奴の腹に、攻撃が命中した。

 

「ぐぅ――っ!?」

 

サザンドラの体がぐらりとよろける。その影響で、上に乗っていたRR団の男はバランスを崩し、真っ逆さまに海へと落ちていった。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ――」

 

主を失ったサザンドラは、辺りをきょろきょろと見回すと、どこかへ飛び去って行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幸いにもその後追手が来ることもなく、俺達は逃げ延びることができた。が、一つ心配事がある――エンジンから立ち上る煙だ。

あの後、このプロペラ機の動きは格段に悪くなり、バランスもとりにくくなっていた。心なしか、高度も少しずつ下がっているような気がする。

 

「ねぇカイ、私たち、このまま落っこちたりしないよね?」

「あぁ、いくら何でもさっきのRR団の男みたいにはならn――」

 

俺の言葉はそれまでだった。突然、エンジン部分に衝撃が走ったからだ。

大きな爆発音とともに、機体がぐらりと揺れる。きっと、先程のエンジン部分に当たった攻撃のせいだろう、その時出ていた煙は今や炎でも出そうな勢いだ――いや、すでに出ていた。

 

「こ、これは…」

 

 

 

 

 

 

そして、俺の悪い予感は的中してしまう。

 

 

 

 

 

「きゃぁぁぁぁっ!?」

 

トレニアの悲鳴と共に、プロペラ機は突然下降し始めた。エンジンが完全に止まり、もはや成す術もなし。一か八かに賭け、俺はみんなに叫んだ。

 

「まずい、落ちるぞ!?みんな、捕まっていろ!!」

 

全員が、目の前にあるものにつかまる。その間も、機体はぐんぐん高度を下げていった。機体についていた速度メーターが降り切れるほどに。

俺たちを乗せたプロペラ機は雲を突っ切り、鳥ポケモンの群れと衝突し、どんどん地面が見えてきて――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は、マサラタウンにいた。

 

「ここは――何で、マサラタウンが復活しているんだ?」

 

そして、窓に移った俺の姿を見て、さらに驚く。

 

「なっ――俺が、小さくなってる!?」

 

目の前にいた男の子は、どう見ても年齢は10歳より下だった。頬が丸く、目は大きく、体つきにもまだ幼さが残っている。

が、その後階段から降りてきた姿を見て、俺は一番の衝撃を受けた。

 

 

 

 

ガーベラが、そこにいた。

 

 

 

 

かつて、俺とガーベラ、そしてトレニアの三人でたくさん遊んで、たくさん探検して、今までもこれからもずっと三人一緒にいられると思っていた。そして、今はRR団に――サカキに捕まり、今はどこにいるかもわからないはずのガーベラは、俺の目の前で不思議そうに小首をかしげて立っている。

 

「どうしたの、カイ?そんなに僕がいることが珍しかったの?」

 

ガーベラの問いかけに、俺の口がひとりでに動く。

 

「ううん、ちょっと窓の外を見てただけだよ。急に人が来たから驚いちゃって」

「そうだったんだ――ねぇ、ちょっと探検しにいかない?」

「探検?どうして?」

「ほら、今はトレニアが風邪を引いて寝込んじゃってるからさ。僕たちが探検に行って、トレニアの為に綺麗な花を見つけるんだ。どうかな?」

 

ここまで会話して、俺はようやく気が付いた――これは、過去の回想、つまり俺の記憶の中だ。確かに一度、風邪を引いたトレニアの為に俺とガーベラの二人だけで探検しに行ったことがある。

 

「それで、どこに行くつもりなの?」

「この前、すぐ近くの小川を上っていったところに綺麗な花が咲いているのを見たんだ。あそこに行こう」

 

あぁ、思い出した――確かに俺とガーベラは、トレニアに内緒で緒川をずんずん上っていった。そこで確か――ここで、俺の記憶が大きく飛ぶ。

 

 

 

 

 

気が付くと、俺は草の上で仰向けになっていた。すぐ近くで水の流れる音がするので、どうやら先程話していた小川の近くに来たようだ。それにしても、何故だか息が苦しい。まるで、1時間ずっと走り続けているような苦しさだ――そこまで考えた俺の頭に、ガーベラの声が響いた。

 

「カイ…大丈夫、か…?」

 

先程とは打って変わって、ガーベラの声は弱弱しかった。いったい何が、と辺りを見渡すと、空に巨大な影が見えた。

 

「あれは――ピジョット!?」

 

そうだ――探検に出た俺たちは、ほどなくして綺麗な花を見つけた。が、そこはピジョットの縄張りだったのだ。そして俺達はピジョットの逆鱗に触れてしまい、今この状況、という訳である。

 

「カイ、いいか…」

 

ゆっくりと、しかしはっきりとガーベラが話し始めた。

 

「お前は、ここから逃げろ…俺があいつを引き受けるから、お前は戻って、助けを呼んできてくれ…このままじゃ2人とも駄目になってしまうから、早く…」

 

俺はすぐにそうしようとした。が、無意識に動く俺の体と口が、それを許さなかった。

 

「駄目だ!俺がガーベラをおいて逃げるなんて、そんなことできない!!」

「けれど、一体どうするつもりなんだ…?」

 

俺は近くに落ちていた長めの木の棒を拾って、ガーベラの前に立った。

 

「俺があいつを引き受ける。その間に、お前が呼んできてくれ」

 

が、ガーベラは動かなかった。俺の隣に立つと、少し笑ってこう言った。

 

「まったく、君も僕と同じ気持ちだったとはね、カイ――いいよ。僕たち二人で、ピジョットを追い払うんだ」

「あぁ、もう何も怖いものなんてない!!行くぞ――」

 

が、勇敢な少年たちの決め台詞は途中で終わってしまう。

突然、横から一匹のガルーラがピジョットめがけて突進してきた。見事にピジョットに当たり、一撃でピジョットはどこかへ飛び去って行ってしまった。

 

「な、なんだったんだろう…?」

「とにかく、これでトレニアにあげる花はゲットできる!さぁ、早く帰って――」

 

俺の言葉は、またもガルーラにさえぎられることになる。

ガルーラは俺の前に立つと、自分のお腹の子供を指さした。その子供は、顔に熱を帯びていた。額に手を当てると、少し熱い。どうやらこのガルーラは、子供の為に薬草を持ってきたようだった。

それを理解したガーベラが、ガルーラ親子に駆け寄る。

 

「カイ、これは彼らのものだ。僕たちはこの探検の思い出をトレニアへのお土産にしようよ」

「そうだな。ほら、これを探してたんだろ?」

 

俺とガーベラは、今まで俺たちが探していた花を摘み、ガルーラに渡した。

 

「早く元気になってくれよ、ガルーラ」

 

ガルーラが手を振って感謝と見送りを同時にやってくれているのを背にして、俺達はマサラタウンに戻った。

俺達が戻ると、もうすでに夕方だった。時間も遅いしまっすぐトレニアの家に向かおう、と決め、トレニアの家について玄関をノックし、「すいませーん」と声をかけた、刹那。

トレニアが飛び出してきて、俺たちの顔を見、ぶわっと泣き出してしまった。

 

「とっトレニア!?」

「二人とも…私をおいて、どこ行ってたの…?待ってる方からすれば、不安で仕方ないんだよ…」

「おいトレニア、風邪はどうしたんだ?治ったのか?」

「まだだよ…けど、ガーベラが帰って来たんだもん…カイも…そんなの、出迎えるしかないじゃん…」

 

嗚咽が漏れ出てきて、トレニアはそれ以上何も言うことができなかった。俺達は少し申し訳ないと感じたが、すぐさま話題を今日の冒険の話に変え、トレニアが泣き止むように試みた。

 

 

 

「――それで、僕とカイの二人で大きなピジョットに立ち向かってね」

「かっこいいとこ、全部ガルーラにとられちゃったけどな」

「もーっ、本当に二人とも向こう見ずなんだから」

 

ようやくトレニアにも笑みが戻ってきた。そうだ――こうして三人で、とりとめもない話をしてずっと笑っていた。あの時の俺たちは、三人ならどこへでも行けると思っていた。俺が戦い、トレニアがサポートし、ガーベラの知識で俺とトレニアの足りない部分を補う――俺たちは最高の友人であり旅の仲間になるはずだった――

 

 

「――!――ィ!」

 

 

不意に、誰かが俺を呼んでいる。これは――トレニアの声だろうか?

 

「――イ!カイ!」

 

どうしたんだよ、トレニア。なんでそんなに焦っているんだ?お前は俺の目の前で、こんなにも笑っているじゃないか。

 

「駄目だよカイ!お願い、こんなところで死なないでッ!」

 

 

 

俺は、はっと目を覚ました。

 

 

 

しばらく足元の地面をぼーっと見ていたが、やがて顔を上げ、辺りを見回す。どうやらここは、砂浜のようだ。隣にはトレニアが、今にも泣き出しそうな目でこちらを見ている。周りには誰もいなく、きっと閉鎖された場所なのだろうか、と思った。そしてどうやら雨が降っているらしいとそこまで考えた俺に、不時着したプロペラ機の残骸が残されていた。

それを見た瞬間、俺の頭は高速で回り始める。今の状況、つい先ほど俺たちが何をしていたのか、それがありありと思いだされる。

 

「っつ、いてて…」

「カイ…大丈夫、なの…?」

「あぁ、大丈夫だトレニア。俺はこの通りぴんぴんしてるよ。しかし、ゼラオラとテールナーは――あいつらは今どこに?」

「二匹には、ここがどこなのか調べてもらってるわ。そろそろ帰ってくると思うけど…それよりッ!」

 

トレニアは怒り半分、さびしさ半分のような顔をしてこっちを向いた。

 

「どれだけ寝てたのよッ!!私、ここでずっとカイのこと呼び掛けてたのよ?あーもうほんとにまったくやんなっちゃうわよ」

「そうかトレニア…お前、そこまで献身的に…将来はいいお嫁さんにあるぞ、きっと」

「な、何言いだしてんのよ急に!?それより――」

 

トレニアは、打って変わって不安そうな表情を見せた。

 

「大丈夫なの?私が気付いた時、カイ、苦しそうにしてた。どこか体の痛みとか、大丈夫なの?」

 

トレニアからの問いかけに、俺は立ち上がって歩いてみせた。

 

「あぁ、特に異常はなさそうだ」

「よかったぁ…」

 

トレニアはほっとして、その場にぺたんと座り込んでしまった。

 

「本当に、良かったよ…カイ、こんなところで私のこと老いてっちゃうかもしれないって、ずっと不安だったから…」

「トレニア…」

 

と、ゼラオラとテールナーが戻ってきた。なんだか、何か重要なものを見つけた様子だ。

 

「ゼラオラ、何か見つけたのか?」

「オラ、オラッ!」

 

マサラタウンの時と同じく、ゼラオラは手招きをした。俺は頷くと、ゼラオラの背を追い始めて森の中へ入っていった。後ろでは、トレニアとテールナーが続く。

そこから10分ほど歩き続けただろうか、俺たちの目の前に、明らかに異質なものが目に入った。

 

 

 

建物だ。周りの木々を押し倒して、その存在感を周りに知らしめている。白塗りの壁には塗装が剥げ堕ちた様子はなく、まだ新しいようだ。

 

「これは、一体…?」

「誰かいるのかな――すいませーん」

「お、おいトレニア、RR団の手先だったらどうするんだよ」

「でも、ここがどこなのか知っておきたいじゃない」

 

しばらく待ったが、返事はなかった。何度も呼びかけるが、やはり返事がない。恐る恐るドアを開けると、鍵は開いていた。

 

「ごめんくださーい…」

 

俺を先頭に、列になって少しずつ進んでいく。どうやらこの建物は二階もあるようで、俺達は入り口のすぐ両脇にある階段を上っていった。

 

「誰もいないみたいだね…廃墟なのかな?」

「いや、それにしては新しすぎる。外からこの建物を見ていたが、まるで空から降ってきたような――」

 

俺の言葉はそこで止まった。足も止まった。危うくぶつかりそうになったトレニアが、俺の背中からひょこっと顔を出す。

 

「どうしたのカイ?何か見つけ――」

 

トレニアも言葉を失った。俺達は目の前のものに絶句するしかなかった。

 

 

 

 

人が倒れていた。

 

 

 

 

「どっどうしようカイ!?」

 

俺は倒れている人に駆け寄ると、すぐさま口元に手を当て、同時に手首のあたりに指を添えた。

 

「浅いけどまだ息があるし、脈もある――みんな!!何か食べるものを持って来てくれ!あと水も頼む!」

 

俺の言葉に、トレニアとゼラオラ、テールナーは急いで建物の外に飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

<side ??>

 

 

 

 

 

 

 

「――!――て!」

 

 

これは――お母様の声?

 

 

 

 

 

 

「――げて!早く逃げて、こっちに!!」

 

 

 

 

 

 

駄目です、私は一人じゃ――

 

 

 

 

 

 

「いいのよ、困ったら誰かに頼りなさい。今は生きることだけを考えて。それじゃ――いってらっしゃい」

 

 

 

 

 

 

あぁ、お母様がどんどん遠くへ――私は、誰を頼ればいいというのですか?

 

 

 

 

 

私は、目を開けた。

どうやら私は眠って――いえ、気を失っていたようだ。周りには、知らない人が並んで、私の顔を見ている。

 

「俺の言葉が分かりますか?」

 

そのうちの一人の男の子が話しかけてきた。

 

「え、えぇ…あなた達は一体…?」

「良かった…!えっと、俺達はたまたまここを通りかかった者です。あなたがここで倒れているのを見て、いてもたってもいられなくて」

「ありがとうございます、えっと…」

「あぁ、自己紹介が遅れました。俺はカイ、それでこっちはトレニア。」

 

隣の女の子が、ぺこりと頭を下げた。

 

「それから、俺たちの仲間のゼラオラとテールナーです」

 

瞬間、私の目は大きく見開いた。

疲れも忘れ、私は飛び上がった。

 

「ゼラ――オラ?」

 

確かにそうだった。目の前にいたのは、黄色と水色の毛をもったポケモン。確かにゼラオラだ。

 

「ど、どうしたんですか急に?」

「何であなた達は、RR団からの脱走個体を連れているのですか?」

「――ッ!?」

 

途端、全員の目が警戒の色を発した。彼らは私から離れ、戦闘モードに入る。

 

「あんた――さてはRR団の追手だな?」

 

その問いかけに、私はすぐさま反論した。

 

「いいえ、私をあんな奴らと一緒にしないでください。私はRR団ではありません。むしろその逆です」

 

 

 

 

 

 

 

<side カイ>

 

 

 

 

「私はRR団ではありません。むしろその逆です」

 

一体どういうことだ?RR団の逆――あいつらに逆らっているものなのだろうか?だが、なぜゼラオラのことを知っているんだ?

 

「あんたは一体、何者なんだ?ここで、何をしているんだ?」

 

数秒後、俺は目の前の女性が、とんでもない人物だったことを知った。

 

「私はリーリエ。かつてはエーテルパラダイスの支部長をしていました。そして今は――何かをする気力もなく、ただひっそりと隠居しています」




七夕に「ちゃんと安定して小説投稿ができますように」ってTw●tterでお祈りしてたからまぁ今年こそは安泰でしょ(は?)

それはそうと次回予告!

「私も、私の家も――もう、あの時の輝かしい姿は少しも残っていませんよ」

リーリエと邂逅したカイ達。彼女の口から語られる、アローラで起こった悲劇とは!?
アローラ編スタート!

次回 [雨に打たれた白百合]

次回もお楽しみに!
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