ポケットモンスター Re:Union   作:可惜夜ヒビキ

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ついにRe:Union実装!そういえば最近出たポケモンの新作ゲームの名前、「ポケモンユナイト」ってなんかこの作品のタイトルに似てる気が、、、


第八話 未来を貫く、希望の光槍となりて

ぴくりとも動かなくなったジュペッタを見、アセロラはしばらく硬直していた。が、

 

「そ、そんな…ジュペッタ…ねぇ、返事してよ…」

 

まるで迷子になった子供のように、彼女はその場に座り込んで泣き始めてしまった。いつの間にかゼラオラとの"繋がり"も解けた俺は、彼女が敵だということも忘れ、隣に座って頭を撫でた。

 

「すまない…俺には、こうすることしかできなかった…」

「うっ…分かってる…分かってるけど、でも…ぐすっ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うわぁぁぁぁぁぁんっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくすると、アセロラは少しずつ落ち着きを取り戻していった。俺達はリーリエのいた建物の中に入り、そこで彼女と話をしようと決めた。

 

「アセロラ、私のことが分かりますか?」

 

リーリエが静かに言う。アセロラは小さく頷いた。

 

「うん、リーリエ――昔からの友達だもん、忘れるわけないよ」

「なぁアセロラ、君はどうしてRR団に入ってたんだ?」

 

俺からの問いかけに、アセロラは小さく首を横に振った。

 

「もともとは私、ザオボーを止めに入ろうとしていたの。それでそれぞれの島のキャプテンたちで、2日前にエーテルパラダイスに乗り込んだんだけど――」

 

アセロラは顔を落とした。

 

「結果は最悪だった。戦いの中でカキとマーマネは亡くなった。マオとスイレン、それからプルメリさんは私と一緒にザオボーに連れていかれた。その時は私たちももうボロボロで、戦えるポケモンもいなかったからね、すぐに地下に連れ去られちゃって」

「それで、地下では何をされたんでしょうか?」

「…よく覚えてないんだ。何回か質問をされて、気が付いたらザオボーの言うことが全部正しいって思えるようになっちゃってて…でも今はそんなことないよ。リーリエとの昔の思い出も、全部思い出したもん」

 

アセロラからの答えに、俺達は肩を落とした。

 

「そうか、これが洗脳か…」

「彼が得意な戦法ですね。まったく、どこまでも薄汚い――ところでカイ君、さっき君がやっていた、あのポケモンと合体するのはどうすればできるんでしょうか?」

「あぁ、それアセロラも気になってたの!急に君が消えちゃうからびっくりしたよ」

 

急に話題を振られ、俺は少し戸惑いながらも答えた。

 

「あぁ、えぇと…俺もよく分かってないんだ。意識が消えたら、トレニアの声がずっと聞こえて、その後ゼラオラと会って――」

 

彼女らにマリアの名前は伏せておいた。彼女の存在がばれれば、俺がこの世界にいる理由も知られてしまうかもしれない――トレニアとの思い出を、今は大切にしておきたかった。

 

「――それで、気が付いたら俺はゼラオラになってた。それだけだ」

「うーん、抽象的過ぎてよく分かんないやー」

 

アセロラが頭を抱える横で、トレニアはあることを思い出したようだ。

 

「そういえば、カイと一つになった時のゼラオラ、ちょっと姿が変わってたよね?」

 

トレニアに続いて、リーリエも同じことに気が付いた。

 

「あぁ、そういえばそうでしたね。青かった毛や目が、カイ君の目の色みたいに赤くなったり、あとちょっと黒い毛が増えたり」

「うーん、トレーナーの見た目にポケモンが似る、か…」

 

俺はどこかで見たことある光景だな、と必死に考えていた。が、俺が答えにたどり着く前に、リーリエがいち早くたどり着いた。

 

「――私、本で読んだことがあります。強い絆で結ばれたトレーナーとポケモンが心を一つにして戦う――その本には、"キズナヘンゲ"とありました」

 

そうだ、キズナヘンゲだ――これはアニポケXY編でのこと、サトシと心を通い合わせたゲッコウガの姿が変化し、能力も上がっていた。俺とゼラオラの間にも、それと同じことが起こった。が――

 

「なんで、会って間もない俺とゼラオラの間にそんな絆が生まれたんだ?」

「それに、カイ君は"Re:Union"と叫んでいました。キズナヘンゲにそんな掛け声は要らないはずですが、何故カイ君は、その言葉を発したんですか?」

「うーん、口が勝手に動いたとしか言いようがないなぁ…」

 

もう分からないことだらけだが、今の俺たちの持つ情報量だけでは理解できるとは到底思えない。とばして、俺達は本題に入ることにした。

 

「それより、俺達はザオボーを何とかしないといけないんだろ?一体どうするんだ?」

 

リーリエはちょっと考えてから、

 

「奴らの牙城に――エーテルパラダイスに乗り込む。それしか方法はないでしょう」

「けど俺達は――正確にはあんた一人だけかもしれないけど――奴らに追われてる身だろ。そんな大胆に乗り込めるもんなのか?」

 

全員がうーん、と頭を抱えて考え込んでいる――リーリエは本を読みながら「あそこを爆破して、そこに誘導してから」などと自分の世界に入ってしまっている――と、アセロラが急に大声を出した。

 

「だったら、いい考えがあるよ!みんな私の捕虜になればいいんだよ!」

 

裏切りともとれる突然の意見に、俺はアセロラから一歩下がって尋ねた。

 

「それはどういう意味だ――俺達が捕まればやすやすと入れる、ってことか?」

「捕まった"ふり"をするんですよ、カイ君」

 

反論したのは、一歩も動じることのないリーリエだった。彼女はアセロラの言わんとしていることを、瞬時に理解したらしい。そのリーリエの発言を聞き、俺はようやく理解した。

 

「確か、エーテルパラダイスの地下に地下牢があったはずだから――長らく使ってないせいで誰も入ってないけど――そこにつなぎとめたふりをしておけばいいよー」

「そこから俺たちの力で登ってくるってことか。いいんじゃないか?」

「私はちょっと不安だけど…」

「でもそれ以外にいい方法はないだろ?今アセロラが俺達と共にいるのは絶好のチャンスだ、多少は危険を冒す価値があるよ。ウィンディの縄張りに入らずんばガーディを得ず、ってな」

「ハイリスク・ハイリターン、ってやつですね」

 

俺のことわざめいた適当な発言を理解できたのは、またもリーリエだけだった。アセロラもトレニアも、俺達の話が何一つ分かっていないというような表情をしたが、それを見なかったことにして俺は続けた。

 

「ともかく、今はこの作戦が一番有効だ。俺達ならきっとできる!全員でザオボーを倒すんだッ!!」

 

 

 

 

「おぉ――ッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かくして俺達は、アセロラに捕まったというふりをして、エーテルパラダイスへの侵入を何の障壁もなく果たした。

 

「後は私が適当に話をつけておくよ。あいつは多分、1階のゲートを抜けた先――昔のリーリエの家にいると思うから」

「私の、家…」

「リーリエの居場所も、まとめて取り返そうよ。――それじゃあ、また後でね」

 

そう言ってアセロラはエレベーターを上っていった。

 

 

「それじゃあ俺達も行こう。さっさとザオボーを倒して、エーテルパラダイスを取り戻そうぜ」

「しかし、そんな首尾よくいくでしょうか…」

「まぁ私たちならあっという間に終わるでしょ!」

「ちょ、おま、それフラグじゃ」

「何者だッ!!」

 

突然後ろから声がした。振り返ると、俺達を怪訝そうな目で、エーテルパラダイスの職員がこちらを見ていた。気が付くと、俺達は彼らに取り囲まれていた。

 

「見ない顔だな…地下から上がってきたということは、お前たちは牢から出た者か!?」

「いや、そう言う訳じゃ――」

 

言いかけた俺の言葉を、リーリエが遮った。

 

「カイ君、今は話をややこしくしないように。何とかうまく言い訳をしてください」

 

リーリエの真面目な顔を見て、俺は普段はさほど使わない頭を高速回転させた。

 

「え、えーっと…俺達、ザオボーさんに呼ばれてここに来たんだ。施設を見に来てほしいって」

 

すると、俺達を取り囲んでいる職員のうちの一人が、隣にいたもう一人の職員と話すのが聞こえた。

 

「へぇ、そんな話は知らないな。お前、なんかそういう話聞いてるか?」

「いいや、まったく。それに、ザオボー様は客人に地下牢は見せないだろ」

 

まずい、あっけなくバレたか――俺は焦って、今の自分たちのこの状況を逆手に取ることにした。

 

「あぁ、そうだ!次は二階のポケモン保護区を見てもらうんだった!早速行かないと!」

 

そう言うなり、俺はエレベーターの上昇ボタンを押した。たちまち周囲に落下防止用ゲートが展開され、俺達とエーテルパラダイスの職員たちとを切り離した。俺たちを乗せたエレベーターは、そのままゆっくりと上昇を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――とりあえず追手は撒けたけど、一階には行きづらくなったな…」

「カイ君の機転はいいものでしたよ。あのまま戦闘になるより、ずっと良い対処法だと思います」

 

エレベーターの中で、俺達は今後の方針を練った。

 

「どちらにしろ、俺達はもう一度一階に戻らないといけなくなったわけだが――」

「リーリエさん、エレベーター以外にこの建物を建て移動する手段はありますか?」

「えーっと…」

 

リーリエは少し考え、すぐに何思い当たるものを見つけた。

 

「そうだ、各階のフロアには非常階段があります。そこからなら、エレベーターの時ほど気づかれにくくはなるでしょう。ただ…」

 

リーリエは顔を落とした。

 

「非常階段を使うのは、その名の通り非常時のみなので…出入り口となる自動ドアは、その時にしか開かないようになっています」

「扉を壊すことはできますか?」

「かなり頑丈ですが、時間をかければ壊せると思います。ですが、その間に向こう側から気づかれたら、非常階段の出口で待ち伏せをされるだけです。それに、無理に壊そうとするとザオボーに警告が入るのです」

「だったら――俺達で非常事態を引き起こしたらいいんじゃないか?」

 

俺の突拍子な意見に、二人ともしばらくぽかんと口を開けていたが、すぐにリーリエが口を開いた。

 

「でも、どうやって引き起こすのでしょうか?いくら私たちにはポケモンがいるとはいえ、あなたが言うほどの大きな力は生み出せないと思いますが」

「うーん、そこまでは考えてなかった…」

 

しかし他にいい案が浮かばないまま、ポケモン保護区のフロアは目前というところまで来た。

 

「ところでカイ君、あなたは前にここに来たことがあるんでしょうか?」

 

リーリエの突然の問いかけに、俺は質問の意図が見えぬまま聞き返した。

 

「えっ、何でだ?」

「だって先ほど、君は"二階にポケモン保護区がある"って言っていたので、以前もここの見学にいらしたのかと」

 

たまらず、俺は喉からングッという変な声を出した。俺がこの場所のことを知っているのは前世で蓄えた膨大なポケモンの知識のお陰であって、直接この目で見たことは一度もないのだ。

怪訝そうな目でこちらを見つめるリーリエに、実はそうなんだ、と言おうと口を開きかけたその時、頭上から声がした。

 

「おっと、ギリギリセーフだね。そこから動かないでよ、侵入者さん」

 

同時にエレベーターは二階についた。そして、俺達の目の前にいたのは――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アーカラ島キャプテン、スイレンだった。




最近はラノベとかの後書きも見るようになってきたんですが、皆さん量が多くてすごいです…
私もいつかそれぐらいかけるよう日々精進していきます。


それでは、キャラクター紹介第二回!今回はこの物語のヒロインであるトレニアのパートナー、テールナーです!

<テールナー>
特性:もうか
技:かえんほうしゃ、だいもんじ、ひかりのかべ、ブレイズトーチ(オリ技)
(ブレイズトーチ:木の枝の先端に炎をまとわせ、相手に叩き込む物理技。連続使用時、威力が上がる。
自身のとくこうの上昇率に応じて威力が上がる。(最大3倍)
相手をやけど状態にすることもある。使った後、自身のとくこうが下がる。)
ユニオンスキル[魔力増幅]:自身が炎タイプの特殊技を使った後、確率で自身のとくこうが上がる。
出逢い:カイとトレニアが逃げていた森の中で、彼らを誘うように出逢いを果たす。

※パッシブスキルの性質上、彼女がオーバーヒートみたいな炎タイプの高威力特殊技を覚えることはきっとないでしょう…きっと。



それでは次回予告!

「私の灯はまだ――消えないッ!!」

スイレンの策略により、彼女のコレクションケース――冷凍室に閉じ込められたカイ達。少しずつ凍えていく中、トレニアに秘められた力の一端が姿を見せる。


次回[心のトモシビ]

お楽しみに!
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