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新学期3日目の朝のHR。
「昨日の戦闘訓練、お疲れ~。VTRと成績見させてもらった。爆豪、お前もうガキみてえな真似するな。能力あるんだから」
「・・・分かってる」
「で緑谷はまた腕ぶっ壊して一件落着か・・・。個性の制御、いつまでも出来ないから仕方ないじゃ通させねえぞ」
「・・・・・っ!!」
「俺は同じ事を言うのが嫌いだ。それさえクリアすればやれることは多い。焦れよ、緑谷」
「・・・・はい!」
相澤が昨日の戦闘訓練の結果について語るが主に緑谷と爆豪に関してのみだったが。そして相澤は話を続ける。
「HRの本題だ。急で悪いが今日は君らに・・・」
(((また臨時テスト!?)))
ザワつくクラス全員。
「学級委員長を決めてもらう。」
(((学校っぽいのきた~)))
相澤のからまた無茶なことを言われるのでは無いかと皆身構えていたが、普通っぽいことを言われホッとする一同
「委員長!やりたいです!それ俺!」
「俺も!」
「ウチもやりたいっす」
「リーダー!やろやろ!!」
「俺にやらせろ!!俺に!!」
次々と立候補する。普通の学校なら生徒に敬遠されがちな役職だが、ヒーロー科では集団を導くというトップヒーローの素地を鍛えられる場なのだ。なのでこんなにも人気が殺到している。
だがここである男が立ち上がる
「静粛にしたまえ!!他を牽引する責任重大な仕事だぞ!やりたい者がやれるモノではないだろう。周囲からの信頼あってこそ務まる聖務!民主主義にのっとり、真のリーダーを皆で決めると言うならば、これは投票で決めるべき議案!」
「腕そびえ立ってるじゃねえか!!」
飯田が収まりの付かなくなっていたクラスを鎮めようとし、投票によって決めるべきだと主張する。しかし、飯田と言えどやはり自分の気持ちは隠しきれなかったようだ。まだ新学期始まって日が浅いのに信頼も何もないと言う反対意見も挙がったが、飯田が押し切り、投票によって決まることとなった。
その結果、緑谷3票、八百万2票、その他1or0票。
「くっ・・・!?1票・・・誰かは分からぬが、俺に入れてくれた人がいたのか!!だがそれでも一歩及ばず・・!流石に聖職と言ったところか・・・」
「と言うことは他に入れたのね・・・」
「変なところで真面目だなお前は」
目の前の結果に悔しがる飯田。もし自分に入れていたら2票になり、まだ成れる可能性はあったかもしれないのに飯田は他の人に投票したのだ。
票の結果を見て相澤が口を開く
「じゃあ委員長は緑谷、副委員長は八百万だ。」
「悔しい・・・!」
ガチガチに緊張し震えている緑谷を横目で見ながら、八百万はボソッと呟く
そして午前の授業が終わり、昼食の時間。いつもの5人で昼食を食べていると、
「はぁ~、いざ委員長をやるとなると務まるかどうか不安だよ・・・」
「大丈夫さ。緑谷君のここぞという時の胆力や判断力は他を牽引するのに値する。だから君に投票したのだ」
「うん!デク君なら大丈夫だよ!私もそう思って投票したし」
「出来る限りサポートはしてやる」
「でも、ウチもやりたかったなー」
委員長に抜擢され、不安そうにしている緑谷に対して飯田と麗日、送崎が鼓舞する。どうやらこの二人も緑谷に投票したらしい。
「そう言えば景君も私と同じ0票だったよね?誰に投票したの?」
麗日が投票の結果について思い出したのか、ふと隣の席に座る送崎に聞いてきた。
「教えてしまったら投票の意味がなくなるだろう」
「え~、教えてよ~!」
彼の応えに対し不満そうな麗日。
「君も他の人に投票したのか送崎君。君ほどの人に投票されるなんて・・・。」
「うん、僕もちょっと気になるな。」
「お前ら・・・」
飯田と緑谷までもが誰に投票したのかについて興味を持ってきた。すると送崎は溜息をつきながら答えた。
「・・・こういう仕事が一番適任のヤツに投票した。それだけだ」
(それってもしかして・・・)
彼の言葉に何か心当たりがありそうな緑谷。
「でも飯田君も委員長やりたかったんじゃないの?眼鏡だし」
「やりたいとふさわしいか否かは別の話。僕は僕の正しいと思う判断をしたまでだ」
「『僕』?いつもは『俺』って・・・。ちょっと思ってたけど、飯田君って坊ちゃん!?」
「・・・・・そう言われるのが嫌で一人称を変えていたんだが・・・」
麗日に指摘され、自分の育ちについて語り出す飯田。 どうやら飯田の家は代々ヒーローの一家で飯田はその次男。ターボヒーローインゲニウムと呼ばれるヒーローが飯田の兄らしい。噂程度の事しか知らない送崎にはあまり分からなかったが、緑谷は何やら興奮した様子だったので、有名なヒーローなのだろう。
飯田はそんな兄のようになりたくてヒーローを志したと言う
「しかし人を導く立場はまだ俺には早いのだと思う。俺と違って実技入試の構造に気付いていた上手の緑谷君が就任すべきだ」
「なんか、初めて笑ったかもね飯田君」
「そうか?笑うぞ俺は」
そんなことを話している最中、急に食堂にサイレンが響き渡る。
〈セキュリティー3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外へ退避してください。繰り返します・・・〉
ざわつく食堂。飯田が隣に座っていた学生に問う。
「セキュリティー3って何ですか?」
「校内に誰かが侵入してきたって事だよ。3年間でこんなのは初めてだ。君らも早く避難を!」
そう言ってその学生は急いで走り去ってしまった。ようやくその場にいた5人は何が起きているのか理解した
(侵入者・・・)
食堂は我先に逃げようとする生徒達であふれかえっていた。出入り口が人の群れで塞がれてしまい、却って身動きが取れなくなるという状況に陥った。緑谷や飯田、麗日、耳郎もその人の群れに飲まれしまい、ぎゅうぎゅうに押しつぶされそうになっている。
しかし、ここで飯田の機転の効いた行動により食堂にいる大勢の人を安全かつ迅速に避難誘導することが出来た
だがこの一連の騒ぎの原因を知っていた彼は食堂の窓から外を見る
(そうか・・ついにここまで来たか)
これから起きるであろう出来事を知っている彼は空を見上げる
昨日の騒動から次の日、朝のHRでは他の委員会のメンバーを決めることとなった。とその前に学級委員長である緑谷からある提案が出された。それは学級委員長の座を飯田に譲りたいとのことだった。他のクラスメイト達もそれに賛成していた。何でも、昨日の昼の騒ぎを静めるために一役買ったのが大きかったのだろう。その姿を見て心を動かされた者が多かったのだ。こうして、一年A組の学級委員長は飯田に決定することとなった
そして、今回は特別な講義を執り行わられる日
「今日のヒーロー基礎学だが俺とオールマイト、そしてもう一人の3人体制で見ることとなった。」
午後12時45分。ヒーロー基礎学の授業を受けるため、席に着いていた一年A組の生徒達の前で相澤がそう伝える。瀬呂が何をするのかについて尋ねると、
「災害水害なんでもござれ、レスキュー訓練だ。」
「RESCUE」と書かれたカードをかざしながら相澤が答えた。さらに相澤はコスチュームの着用は個人の判断に任せる旨を伝え、
「訓練場はすこし離れた場所にあるからバスに乗っていく。以上、準備開始・・・」
それだけを言い残して教室から出て行ったしまった。そして生徒達も各自準備を始める。今回、コスチュームの着用は強制では無いが、A組のほとんどの生徒はコスチュームを着用していた。やはり出来るだけコスチュームを着たいと皆思っているのだろうか。緑谷だけは先の戦闘訓練でコスチュームが壊れてしまったため、体操服を着ていた。送崎も自身のコスチュームに着替え終えるとそのままバスの下へ向かう。そしてA組の生徒がバスに全員乗ったことが確認されると、バスは出発した。目的地まで到着する間、生徒達はバスの中で気楽に雑談をしていた。
「私、思ったことをなんでも言っちゃうの。緑谷ちゃん」
「は、はい!蛙吹さん!」
「梅雨ちゃんと呼んで。」
「う、うん・・・」
「あなたの個性、オールマイトに似ているわね」
「えっ!?そうかな?いやでもあの・・・僕はえっと、その・・・」
蛙吹にそう指摘され、キョドる緑谷。
しかし今度は切島が蛙吹に話しかけた。
「待てよ梅雨ちゃん。オールマイトは怪我しねえぞ。似て非なるあれだぜ。」
「はぁ・・・」
どこか安心した様子の緑谷。切島はそのまま続け、
「しっかし増強型のシンプルな個性はいいな。派手で出来ることが多い。俺の硬化は対人じゃ強ぇけどいかんせん地味なんだよなぁ。」
「僕はすごいかっこいいと思うよ!プロにも十分通用する個性だよ!」
「プロな~。しかしやっぱヒーローも人気商売みてぇなところあるぜ?まぁ派手で強ぇっつったらやっぱり轟と爆豪、送崎だな!」
「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気出なさそう」
「んだとコラ!出すわ!」
「ほら」
蛙吹の言葉に憤慨する爆豪。さらに上鳴も
「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだような性格と認識されてるって逆にすげぇよ」
「てめぇのボキャブラリーはなんだコラ!殺すぞ!!」
(かっちゃんがいじられてる・・・!?信じられない光景だ・・・。さすが雄英!)
今まででは考えられない光景に頭を抱える緑谷。そしてしばらくするとバスは目的地に着いた。生徒達がバスから降りるとそこには、宇宙服のようなものを着た人物が待ち構えていた。
「皆さん、待っていましたよ。」
「「「おぉぉぉぉぉ!!!」」」
「わぁ~!私好きなの13号!」
その人物を見るなり、生徒達は思わず声を上げる。緑谷は言わずもがなだが、今回は麗日も同じように興奮している様子だ
その反面、送崎は13号の肉体はどうなってるのか気になっていた
「さあ、早速中へ入りましょう」
「「「よろしくお願いします!!」」」
13号はそう言って生徒達を施設の中へ誘導する。中に入るとそこにはテーマパークのような光景が広がっていた。あちこちにアトラクションのようなモノが点在している。
「すっげぇ~、USJかよ!!」
中の様子を見た切島は思わずそう口にする。
「水難事故、土砂災害、火災、暴風、etc。あらゆる事故や災害を想定し、僕が作った演習場です。その名も・・・ウソの災害や事故ルーム!略して『USJ』!」
(((ほんとにUSJだった!?)))
13号がこの設備の説明をし終わると、相澤が13号に尋ねる。
「13号、オールマイトは?ここで待ち合わせるはずだが?」
「先輩、それが・・・通勤時に制限ギリギリまで活動してしまったみたいで、仮眠室で休んでます」
「不合理の極みだなオイ。・・・仕方ない、始めるか」
相澤と13号は何やら二人で話していたが、話が終わったのか、相澤がそう言った。
「え~、始める前にお小言を1つ、2つ、3つ4つ5つ6つ・・・」
(((増えてる・・・)))
「皆さんご存じとは思いますが、僕の個性はブラックホール。どんなモノでも吸い込んで塵にしてしまいます」
「その個性でどんな災害からも人を救い上げるんですよね?」
「ええ。しかし簡単に人を殺せる力です。皆さんの中にもそういう個性のがいるでしょう?」
そう言われ、自身の個性について考える生徒達。さらに13号は続ける。
「超人社会は個性の使用を資格制にし、厳しく規制することで一見成り立っているようには見えます。しかし、一歩間違えば容易に人を殺せる行き過ぎた個性を個々が持っているということを忘れないでください。相澤先生の体力テストで自身の力が秘めている可能性を知り、オールマイトの対人戦闘訓練でそれを人に向ける危うさを体験したかと思います。この授業では心機一転!人命の為に個性をどう活用するかを学んでいきましょう!君たちの力は人を傷つけるためにあるのではない、助けるためにあるのだと心得て帰ってください」
そこまで言うと13号は一息吐き、
「以上、ご静聴ありがとうございました」
と自身の話を締めくくる。それまで静かに聞いていた生徒達は
「素敵!」
「ブラボー!ブラボー!」
13号のスピーチに感激する生徒達。そんな中、相澤が指示をだそうとするが
「よーし、そんじゃまずは・・・」
そこまで言いかけた所で突然、照明の明かりが一斉に消えた。そして何かを察知したのか、相澤は急いで振り返る。するとそこには、この施設の中央に位置する噴水の前に黒いモヤが出現しているのを相澤は確認した。さらにそのモヤの中から人の顔が覗いているのが見えると、相澤は生徒と13号に指示を飛ばす。
「一塊になって動くな!13号、生徒を守れ!」
「なんだ?また入試の時みたいな、もう始まってんぞパターン?」
切島が噴水の方を見ながらそう呟いた。黒いモヤの中から次々と人らしき者達が現れている。よく見ようと身を乗り出す生徒達だが、
「動くな!」
相澤が生徒達に一喝する。ビックリした生徒達が相澤の方を見ると相澤は一言、
「あれは・・・敵(ヴィラン)だ・・・!」
「「「なっ!?」」」
ゴーグルを装着しながら生徒達にそう言った。相澤の言葉に驚愕の色を隠せない生徒達。彼らが再び噴水の方を見ると、そこにはまだまだ数を増やし続ける敵達の姿があった。送崎はただその光景を静かに見つめていた
これから起きるであろう惨劇を
青山くん・・・いつ登場させようかな・・・話すタイミングがもっと後になる
すみません(´・ω・`)