月島柊
月島胡桃
以上2名
俺と胡桃は新潟駅で蕎麦を食べ、ホームに降りた。今度乗る14:57発いなほ7号秋田行きは2階の5番線から出発する。途中停車駅は、豊栄、新発田、中条、坂町、村上、府屋、あつみ温泉、鶴岡、余目、酒田、遊佐、象潟、仁賀保、羽後本荘、秋田。3時間40分ほどで秋田駅に到着する。秋田駅にホテルが取ってあるため、秋田駅まで電車で行くのだ。
「14:57発いなほ7号秋田行き、発車します」
駅にアナウンスが鳴り響く。俺も車内に入った。胡桃は席でだらけている。
そして出発した。主な駅の到着時刻は
新発田15:21
村上15:46
余目17:02
酒田17:12
秋田には18:41に到着する。
「寝ていい?」
「いいぞ。俺も寝ようかな」
俺は1番後ろの席なのもあって、自由にリクライニングできる。胡桃は限界まで寝た。一方俺は限界の半分でやめて寝た。
【月島胡桃視点】
私はリクライニングを限界まで倒し、寝た振りをする。ある作戦があるためだ。丁度、豊栄駅を発車したとき、私は目を開けた。寝る気はないのだ。柊くんはもうぐっすり寝ているようだった。
(寝てる…)
私は作戦そのまま、柊くんの膝の上に乗っかった。顔との距離は20cmくらい。もうほとんど無い。
(今日、くっついてないから、くっつこうかな)
私は柊くんの近くまで体を倒し、キスはしないで肩に頭を乗っける。それ以外は全て密着させる。
(温かい…)
私は柊くんから離れたくなかった。温かいし、気持ちいい。
「きゃっ」
電車の揺れでバランスを崩してしまった。
(危なかったぁ。ちゃんとした体制でいないと)
私は柊くんを両手で壁ドンするようにして、キス直前まで近づく。柊くんとの距離は1cmも無いかもしれない。
(さすがに近いかな…けど、離れちゃまた崩すし…)
私は柊くんにドキドキしながらも、心を落ち着かせる。
(キスしたら、柊くん起きちゃうよね。)
人はいないからいいけど、柊くんが起きちゃう。
キィッ!
一瞬だけ急ブレーキがかかった。その弾みで、私の右腕が耐えきれずに、間接で曲がった。
「んんっ!」
したくなかったキスをした。起きちゃうのに、早く離れたいのに、離れられない。どうして…
「んぐっ」
柊くんが起きてしまった。目を見開いている。しかし、すぐ戻した。そして、私を離す。
「ハグ、するか」
「…うん」
私は柊くんにハグされる。密着して、全てが柊くんにくっついているみたいだった。
「大好き…柊くん…」
「俺もだよ、大好きだ、胡桃」
私は柊くんの背中に手をつける。私もハグしたのだ。
【月島柊視点】
羽後本荘を出発し、新屋駅を通過すると、車掌による肉声放送が入った。
「まもなく終点秋田です。」
乗り換えの案内で、以下の電車が説明された。
奥羽本線湯沢行きは6番線から18:46
男鹿線男鹿行きは1番線から18:47
奥羽本線快速秋田行きは8番線から19:25
秋田新幹線こまち48号東京行きは12番線から19:10
以上4路線。
秋田には定刻通り18:14に到着。駅前のホテルで宿泊する。俺は胡桃と手を繋いで出た。改札は中央改札から。階段を登り、右側の在来線改札から出る。左側は11、12番線の新幹線ホーム。改札も新幹線専用だった。
「眠いなぁ。ホテル行こ」
「部屋は別々じゃないけど、いいか」
部屋は別々に取りたかったんだけど、部屋が空いてなくて1部屋だけだった。
「うん!というか、柊くん寒くないの?」
「あぁ…保温魔法つけてるから。」
外の気温はこの時期、この時間だと10℃前後か。
「なぁ、行きたいところあるんだけどいいかな」
「近いの?」
うーん、遠いって訳じゃないけど、そんなに近くないかな。
「そんな遠くもないかな」
「じゃあ行く!」
俺は改札をもう一回通り、6番線に向かった。放送でもあった18:46発奥羽本線湯沢行き。この電車で大張野まで行きたかったのだ。
18:46に出発し、19:04に到着する。単線の線路にある棒線駅だ。
「真っ暗…」
「ここなんだ。懐かしいなぁ」
「懐かしいって、どうして?」
言ってなかったっけ。俺が元々、
「秋田出身なんだ」
ってことを。俺の実家はここから車で30分、歩いて2時間くらいかかる。
「ちょっと待ってて」
俺は無人の改札を出た。駅前は何もなく、シャッターが閉まった店が1つある。
(変わってないな。実家は1人で来ようかな)
実家は結構な山奥にある。歩くと熊が出るような山道だ。俺は大張野駅に入り、跨線橋を渡る。蜘蛛の巣がところどころにあり、古い感じがしてくる。
「電車いつ?」
「20時くらいじゃないか」
奥羽本線は本数が少なく、上下線それぞれ1時間当たり1本しかない。朝なんて、深谷駅は6:18の次が6:23。大張野は6:02の次は6:50。48分空くんだ。
「まぁ、寒かったら俺に抱きついていいから。寝ないでね」
「はーい。」
胡桃は早速俺に抱きついた。寒いのを我慢していたんだろう。
失敗したためなし…
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