高校生からの物語 完結   作:月島柊

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今回の登場人物
月島柊
月島胡桃
以上2名


第5話 旅行 5日目

 俺は胡桃を揺さぶって起こし、秋田駅に向かった。3番線からの6:50発羽越本線酒田行きに乗車する。

この6:50発酒田行きは、6:32に秋田駅に入線する。この電車は奥羽本線東能代駅を始発とする電車。だから早く入線する。越後寒川まで行くため、終点酒田まで行ったあと、酒田で9:36発羽越本線村上行きに乗り換えて越後寒川まで行く。

秋田駅は時刻通り出発。次は羽後牛島だ。胡桃はロングシートに座り、俺は胡桃の前でつり革に掴まっていた。

 

「一応通勤時間帯なんだね」

「関東に比べれば少ないけど」

 

座席は胡桃の隣が空いていて、俺がそこに座るのも考えたが、窮屈だと思ったから座らなかった。

 

「海が駅から見えるの?」

「逆方面のホームからだけどね」

 

胡桃にはまだ場所を教えてなかったのだ。楽しみにさせたかったから。

 

 酒田には8:44。次の電車までは45分時間がある。ここで朝ごはんでも食べていくか。この後は越後寒川まで行ったあと、新潟まで行ってしまう。

 

「朝ごはん食べていこうか」

「軽いものだよね」

 

胡桃が行ったあと、俺は魔法結晶を出した。保温魔法が切れるからだ。けど、これ使ったら胡桃が寒いな。

しばらくして、胡桃が俺の分も買って戻ってきた。

 

「なに、それ。」

「あぁ…じゃあ、これあげるから強く握って」

 

胡桃に魔法結晶を投げ渡して、胡桃は思いっきり握った。すると、結晶はパンッと音をならして消えた。

 

「きゃっ」

 

胡桃は驚いて右足を後ろに下げた。

 

「もう体温は変わらないよ。寒いか」

「寒くない…」

 

魔法結晶の内容は保温魔法。急いでたから覚える暇がなかったんだ。

 

「へぇ、保温魔法ってこうしてたんだ。あ、柊くんサンドイッチでいいよね」

「あぁ、大丈夫。」

 

胡桃がエコバックに入ったサンドイッチを見せる。合計で2つあり、飲み物は胡桃が多分オレンジジュース。俺はカルピスだった。今までで俺がカルピス好きなのを知ってるのは多分家族と胡桃だけ。濃いカルピスが1番好きなんだ。

 

「カルピスでしょ」

「分かってるじゃないか」

 

俺はペットボトルを取り出し、早速飲んだ。

 

「9:10かぁ。まだ20分くらいあるね」

「…そうだな。」

 

俺は蓋を閉めて酒田駅2番線に向かった。

酒田駅は見た感じ、

0番線が陸羽西線

1番線が羽越本線秋田方面の本線

2番線が待避と当駅始発・折り返し

3番線が羽越本線新潟方面の本線

となっていそうだった。9:36発も2番線から出発するから、そう考えてよさそうだ。

 

「なんか本数少ないよね」

「デットセクションがあるからかな」

「でっとせくしょん?」

 

胡桃がちんぷんかんぷんに聞いてきた。佐々木先輩からしたら常識かな。

 

「交流と直流の間にある、電気が通ってないところ。」

「交流と直流を繋げたらパーンッってするんでしょ?」

 

それは分かってるんだ。だったら結構近い。

 

「そう。だから電車じゃなくて気動車なんだね」

 

その影響もあってか、酒田駅の新津方面は始発から2本は特急、普通列車の始発は7時台に入ってから。

 

「眠い…目的地着いたら教えて…」

「分かった」

 

朝早かったし眠いのも無理はない。俺だって眠いから。だけど越後寒川までは耐えとかないと起こせないから、俺は起きたままでいた。

 

 越後寒川には11:11。胡桃を起こしてから2分くらいで着いた。降りたホームは山側で、反対の酒田方面のホームからよく見える。

 

「ほら、海見えた」

「近いね。海、私好き」

 

胡桃が海を見ながら言った。

 

「どこまでも続いてる気がするから」

「そうか。じゃあ、次の列車なんだけど」

 

胡桃が不思議そうに首をかしげてこっちを見る。そう、次の列車の時間は…

 

「14:28」

「え?今11:13だよ?」

「だから、14:28」

 

次の列車までは3時間15分。12時台、13時台には電車がない。衝撃の少なさだ。

 

「待つか?」

「飛んじゃう?」

「じゃあ俺に掴まって」

 

胡桃は俺にギュッと抱きつく。最近覚えた新しい飛行スタイルだ。円盤じゃなく、体だけで直接飛べる。

 

「きゃあぁぁっ!」

 

胡桃はかなりのスピードに驚いていた。最高時速は120km/hどころか、180km/h。円盤より60km/hも速い。急加速でき、2秒ほどで180km/hに到達する。

 

「速い!」

 

俺は新潟駅を目指して全速力で飛行した。

 

 新潟までは23分で着いた。海の上を通ったりした方が短かったからそうした。

 

「ふーっ、楽しかった!次ってどこ行くの」

「次は山形だよ」

 

俺が言うと、胡桃は運転席に座った。運転してくれるのか。

 

「柊くんは助手席にいて。」

「あぁ。分かった」

 

俺は助手席に座り、山形に向かい始めた。

 

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