【立川綾香視点】
私はひたちなかに遊びに来ていたのだが、上野の帰りが分からなくて途方に暮れていた。3時半なのだから、外に出ている人は少ない。そこに、男女2人がいたので道を聞いてみた。
「あの、ちょっといいですか」
「え?あ、はい。」
優しそうな男の人が答えてくれた。
「上野に行きたいんですけど、何に乗ればいいか分からなくて――って、あれ?」
「勝田から常磐線に――あ!」
その男の人は6年くらい前にアイドルで歌ってたときに会った人だった。名前は、たしか・・・
「あーや?」
相手も覚えているらしい。ってことは、
「つっきーだよね?」
やっぱり、つっきーだった。
「久しぶり、何年ぶり?」
「多分5、6年くらいかな。嬉しいよ、会えて」
水戸からまた電車に乗った私たちは私が1人で座ることになった。通路を挟んで隣につっきーがいる。つっきーは少し眠そうにしていて、やがて友部を出発した辺りでついに寝てしまった。
「ふふっ、ねたねた」
私は立ち上がり、手を寝ているつっきーの後ろにやる。そして顔を近づける。
「何やってるの?綾香ちゃん」
彩だった。
「襲うとか。」
彩がおもいっきり顔を赤くする。
「好きなの、つっきーのこと」
「うん。渡したくない」
渡したくないって、本気で好きなんだ。けど、私も離す気はない。6年前から好きだったんだから。
「私も離す気はないよ」
「ふーん、ライバルね」
その時、分岐した電車に揺られて結構近くなってしまう。だけど都合がいい。このままキスしちゃえば・・・
「ダメっ!」
彩が私の口に蓋をするように手を当ててきた。
「だったらすればいいのに。はぁぁ」
私も眠く、思わず
「キスするんだったらすれば。私も寝るから」
「う、うん・・・」
日暮里を出発し、私が降りる準備をしているとつっきーが話かけてきた。
「今日もアイドルか」
「うん。上野でライブ」
「頑張れよ」
「もちろん。」
つっきーも応援してくれてるんだ。その分まで頑張らなくちゃ。私は上野に着くなり手を振って階段を上がる。動物園の方にある改札を出ていく。前では22/7のみんなが待っていた。
「綾香ちゃん、おはよ」
「うん。おはよ」
「さ、全員揃ったから事務所向かうわよ」
麗華がリーダーっぽく言った。本当にリーダーだけど。
「さすがリーダー」
「もう、行くわよ」
私は正直いってこのアイドルが大好きだ。1回解散危機もあったが、それからまた仲が深まった気がする。今思えば、狙って壁が吐いたのかもしれない。エリザベスやクリステル、風紀委員も私があだ名をつけたが、いまはそれでも全く違和感はない。それほど馴染めたのだろう。
「馴染めたのかな」
私は1人呟く。
「なんか言った?」
麗華が私の方を振り向いて言った。多分、言わなくても分かってるよね。
「何でもない。行くよ」
私がアイドルをやってる理由は大して大きくない。けど、こんなグループに入っていられるのなら、私は続けてもいいと思う。
彩ちゃんは最初の方だけ出てきましたね。まぁ、最初のほとんどは8話や9話のそのまま書いてるので当然ですね。
さて、次回からは柊の新しい仕事が始まります!その仕事、予想しても面白いのではないでしょうか。
(予想したい方は感想を書くところに書いてくれれば嬉しいです。)それではまたお会いしましょう!see you!
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