高校生からの物語 完結   作:月島柊

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今回の登場人物
月島柊
月島胡桃
新メンバー1名
以上3名
人物紹介
月島紅葉(24)
柊の従妹。落ち着いているが、無口なわけではないし、普通の性格。しかし、たまにすごいことをして、柊に驚いた顔をされたり、誉められたりしている。



第7話 旅行 7日目

 俺は気付いたらリゾートしらかみの車内にいた。乗ったときの記憶もないから、さっぱり寝ていたんだろう。胡桃はこの個室にいないから、トイレとか行ってるのかな。それより、今どこなのか調べないと。俺が車窓を見ると、ちょうど驫木を通過した。もう青森も近いなぁ。

 

「おはよ」

「うわぁぁあっ!」

 

俺は思わず大きな声を出して退いた。俺の足の方から胡桃が出てきたのだから。

 

「なに?私だよ」

「そうじゃなくて…なんでここにいるんだ」

「ずーっといたよ?寝顔堪能してました」

 

「寝顔堪能してました」って、俺が起きたときもいたのか?

 

「俺が起きたときもいたのか?」

「うん。むくって起きてたね」

 

やっぱり。下にいたからか俺が気付かなかったんだ。

 

「もう、私が乗せたんだからね!」

「あぁ…ごめん」

 

すごい眠かったから何をしたのかも覚えてない。

 

「俺、なんかした?」

「えっとね…」

 

胡桃が指を折りながら言う。

 

「私にいじられてたり、ほっぺツンツンしてたり…」

「それは胡桃がしたことだろ。というかそんなことしてたのかよ」

 

胡桃は「うーん」と考えて胡桃は言った。

 

「寝ぼけて私の胸揉んだり」

「ああああっ!」

 

俺は叫んで頭の中に入らないようにする。しかし、頭の中に入ってくる。胸を揉んだ!?

 

「私がお返しにキスしたけどね」

 

お返しにキスしても俺は起きなかったのか。よく起きなかったな、俺。

 

「柊くん、胸どうだった?」

「寝てたのに分かるかよ…」

 

胡桃は「ふふっ」と笑って俺から離れた。離れたとき、俺は少し名残惜しかった。

 

 リゾートしらかみが青森に着いたのは19:40。もう外は暗かった。次は19:44発大舘行きで新青森、新青森からは20:40発はやぶさ96号仙台行きに乗車した。俺ははやぶさ96号の中で胡桃と話していた。ちょうど降りる準備をしているときだった。

 

「明日どこ行く?」

「なんか私の事ばっかり聞いてもらっちゃってるから、柊くん行きたいところない?」

 

俺の行きたいところか。特には…

 

「したいことでもいいよ」

 

俺の今したいこと…秋田の実家で、従妹と会いたい。従妹は今俺の実家にいるはずだから。

 

「従妹に会いたい…実家にいる…でも、俺だけで行くから、今じゃなくていいよ」

「ふーん…」

 

俺は新幹線から降りてホテルに向かった。

 

【月島胡桃視点】

 

 柊くんは実家の従妹に会いたいって言ってた。柊くんの実家ってどこだろう。せっかくだったら連れていってあげたい。

 

「あっ」

 

私はふと思い出した。大張野に行ったとき、柊くんが実家の最寄り駅と言っていたのを。私は柊くんのPCをわきから覗き込んだ。ちょうどマップを出していて、明日の行程を考えてるようだった。星マークがついていたところがあり、そこは柊くんの実家だった。

 

「私ちょっと車行ってくる」

「え?あぁ。分かった」

 

私はカーナビに柊くんの実家を読み取らせた。ルートが表示され、私はルートを保存した。これで明日は決定した。

 

 翌日、私は柊くんに言った。

 

「今日は私が連れてく!」

 

車の後部座席に座らせて、窓をカーテンで隠し、前も見えないようにした。

 

「胡桃、そんなに内緒なのか」

「うん!絶対!」

 

私は柊くんの実家にむけて車を走らせた。

 

 実家の近くで窓のカーテンを開けるように柊くんに指示した。柊くんがカーテンを開けると、私は柊くんに言った。

 

「どこだと思う?」

「そんなの知らな――

 

柊くんは口を開けたままだった。気付いたんだ。

 

「胡桃…まさか、連れてきてくれたのか」

「来たそうだったし。」

 

柊くんは嬉しそうだった。

実家に着くと、柊くんは真っ先に車を降りていった。私もそれに追い付くように走った。

 

【月島柊視点】

 

 俺が実家に入り、従妹の紅葉(もみじ)を探していた。紅葉は2階の元俺の部屋にいた。

 

「紅葉、帰ったぞ」

「柊くん…?」

 

少し驚いたようだった。俺は紅葉を撫でた。

 

「久しぶり。たくさん、したかったことしような」

「あのね、柊くん。私、あるものつくったの」

 

紅葉について行くと、そこには俺の写真が飾られた部屋があった。

 

「どう?」

「すごいじゃないか。」

 

俺の目には、棚の上に置かれた花火が目に入った。

 

「あの花火は」

「柊くんが高校生の頃に買ってたやつ」

 

高校生の頃に買ったやつって、今から8年も前じゃないか。

 

「いつかしたいなって、思ってて…」

 

紅葉は座り込んで泣き始めた。

 

「どうした、紅葉」

「柊くんが…来てくれたから…」

 

嬉し泣きか。俺は紅葉を抱いた。

 

「よーし、高いたかーい」

「柊くんっ、もう、私24だよ」

 

まるでまだここで暮らしていた小学校や中学校の時みたいだった。紅葉は小5くらいまで俺に高い高いされてたし。俺も小6までしてた。

 

「むかしに戻ったみたい」

「だな」

 

俺は紅葉を高く上げたまま言った。

 

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