高校生からの物語 完結   作:月島柊

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今回の登場人物
月島柊
月島胡桃
月島紅葉
以上3名


第9話 花火 前編

 下に降りると、キッチンの方からいい匂いが漂ってきた。胡桃が昼ごはんを作り終わったんだ。

 

「美味しそう…」

「毎日はやめろよ。冷凍でもいいんだから」

 

紅葉は「はーい…」と言ってキッチンのところにあるテーブルに向かった。

 

「余るものだけど大丈夫?」

「うん!」

 

久しぶりのご飯だろう。いつも麺類っぽいし。それなのに体型を維持できてるのはすごいな。胡桃がお盆に乗せて持ってくる。

 

「いただきまーす!」

 

紅葉と胡桃は食べ始めた。しかし、俺はしばらく考え事をして食べなかった。紅葉って、俺がいない間一人で何してたんだろう。

 

「どうしたの?」

「あ、紅葉が俺がいない間何してたんだろうって」

「私のことかぁ。えっとね…」

 

紅葉は思い出したかのように言った。

 

「柊くんの部屋作ったり、熊の対策したり」

「くっ、熊!?」

 

ああ、そういえば出るんだっけか。そう考えたら来るときに会わなかったの珍しいな。

 

「出るよ?この辺。花火の時どうしよっか」

「そうだな…今日は熊の対策会議でもするか。夜までに」

 

俺は悩みが晴れたのか分からないまま食べ進めた。

 

 そして夕方の15時頃になった。熊は俺がいるときだと裏山から来てたけど、多分変わらない。電気柵もあったが、どうやらあまり意味がないらしい。

 

「俺が魔法で焼いてBBQとか?」

「ふふっ、面白いね。いいんじゃない?」

 

火炎魔法をかけて熊を焼けば美味しい焼き肉だ。熊肉だけど。

 

「けど、裏に行ってる柊くんだけ花火出来なくない?」

 

確かにそうだ。俺が行くと悲しいけど俺だけ見れない。けど他の人に頼むのも違う気がするし…

 

「じゃあ裏までの間に柵作っちゃおう!」

 

俺と胡桃が「へ?」と言うが、紅葉は本気だった。多分だけど、家の角と木の間に木の柵を設置して、そこに扉を作る。ってことだよな。

 

「いっそ壁にしちゃう?」

 

紅葉は面白いな。壁にするって、まぁけど、できないことじゃない。やるか。

 

「よし、やろう。」

「木はどうするの?」

 

俺は仮想世界への転移魔方陣を出し、その間に俺が入った。

転移先は森林。木が大量に置いてあるところを知ってるからだ。俺が森林の中に入っていくと、大きな木が100個ほど並んでいた。俺はその内の3つをストレージに入れた。

 

 現実世界に戻ると、紅葉が準備万端で待っていた。紅葉は俺がストレージから出した木を持った。1辺が6mほどある。合計で36㎡だ。紅葉は辛そうにもって、木を縦に置いた。穴が掘られていて、そこに差し込むんだ。

 

「もう1個だな」

「はい、もう一個」

 

胡桃はストレージに入れたまま持ってきた。重量は感じないから紅葉より楽だ。

 

「壁ができたけど、扉は」

「残り一枚から作る」

 

俺が一枚を持ってくると、紅葉が電動のこぎりで木を切り始めた。板に細い穴を空け、ドアの方に細い鉄の棒をはめる。そして鉄の棒を穴に入れて、ドアは完成だ。後はボンドで取手をつければいいだけ。

 

「結構すぐ終わったね」

「もう17時だけど」

 

紅葉は舌を少し出した。「テヘッ」という感じだった。その舌は小さく、可愛かった。女性の舌はあんな感じなのかな。

 

「もう花火しちゃお?」

「そうだな。」

 

俺は家の中に戻って4袋ほどある花火をもって外に出た。俺は玄関から出ようとするとき、自分のPCが視界に入った。せっかくだし見せてやるか。俺はPCを開き、リモートにした。あーやだけの画面に8人が写る。あーや、ジュン、麗華、あかね、ニコル、みう、悠希、つぼみだ。

 

《どうしたの?》

「花火を見せたいなって。」

《花火っ!》

 

喜んだような声だ。PCは俺が持っとくか。俺は外に出て、早速花火を置いた。

 

《ロケット花火?》

「あぁ。」

 

俺はチャッカマンを持ってきて火をつけようとする。だけど、少しやりづらいな。

 

「私持ってるよ」

 

胡桃が言った。

 

「ありがと。紅葉、おいで」

 

俺は紅葉を呼ぶと、火を近づけた。

ヒューッ

音が鳴って花火は飛んだ。

 

「次何やる?」

「ネズミ花火!」

 

ネズミ花火か…あ、あの紅葉が面白いことする花火か。今もするのか分からないけど、俺はネズミ花火を出した。

 

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