高校生からの物語 完結   作:月島柊

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今回の登場人物
月島柊
月島胡桃
月島かりな
おじいさん
以上4名


第19話 サーリート

 俺はその日はかなり早く寝た。確か仮想世界での時間は20時半くらいだったかな。現実世界では22時くらいだと思う。俺は翌日俺一人で起きて、森の中に出掛けた。胡桃からのお願いで、この付近の敵の調査だ。いないとは思うが、一応確かめる。

2時間くらいたったか、敵一人といない。やっぱり安全なんだろう。

 

「どうしました?」

 

そこにはおじいさんがいた。釣り人っぽいから、釣り人だろう。

 

「あ、この辺の敵の調査に」

「この辺はいませんよ。もうずっと出てないね」

 

ずっと出てないのか。だったらやっぱり安全か。

 

「そうでしたか。ありがとうございます」

「いやいや、頑張ってくださいねぇ」

 

おじいさんが優しく手を振ってくれた。優しい世界だ。

俺が帰路に着くと、誰かの叫び声がした。

 

「うわああっ」

 

さっきのおじいさんかもしれない。俺は急いで戻った。

 

「どうしました!」

「この湖に、でっけぇ魚が!食おうとしてた」

 

でかい魚、食おうとしてたってまさか!またザバーンと音がして、その正体は姿を露にした。

 

「うああっ!」

 

そう、でかい魚というのは、魚ではなく殺人機械だったのだ。魚の形になっている。

 

「freezing!」

 

魔法が効かない。もう一度だ。

 

「剣の舞!」

 

やっと効果が出てきて、動きが弱まった。おじいさんは逃げてどこかにいってしまったが、俺は戦うために残った。しかし…

 

「あああぁぁっ!」

 

倒れてくる勢いで俺の右側に機械が当たった。とがっていたところに当たると、血が出てきた。

 

「いって…かりなに頼もう…」

 

俺はなるべく急いで家に歩いた。

 

 家に着くと、かりなに俺の傷を頼んだ。

 

「かりな、頼む」

「任せて」

 

かりなは俺の傷口をペロペロと舐めてくれる。傷が治っていくことや、舐められることが気持ちいい。あ、決して舌フェチじゃない。

 

「はぁ、はぁ、終わったよぉ、はぁ…」

 

いつも終わると顔をピンクに染めている。

 

「ありがとう。」

 

俺は胡桃のところへ向かった。胡桃は何をしてるか分からないが、なんかキッチンでじっとしていた。

 

「どうしたんだ、胡桃」

「柊くん、私の役職知りたい?」

 

役職は知っとかないと損する場合もある。

 

「知りたい」

「そっか。私はね、剣士なの」

 

剣士か。なんならなんで隠してたんだ。

 

「どうして隠してたんだ」

「怖いの、敵が」

 

敵が怖いのはみんなそうだ。一番のミナトだって敵が嫌いだ。

 

「胡桃、俺だって怖いよ、敵は。」

「じゃあなんで殺せるの」

「守りたいから。それだけ。それに」

 

俺は胡桃を抱きしめた。胡桃は急なことであたふたしている。

 

「待って、大事な話してる…」

「俺が怖いか」

 

俺は胡桃にささやくように聞いた。

 

「怖くない。これ好き」

 

胡桃はこれしか答えられない。だって、俺に抱きしめられたんだから。

 

「同じだよ。これが怖くないと、敵は怖くない」

「待って、このまま、いたい」

 

胡桃の方が抱きついててほしかったんだ。胡桃は俺の肩に頭をのせ、俺に言った。

 

「私、柊くんとくっついてたい」

「いくらでもくっついてな」

 

胡桃は俺から離れないようにずっと抱きしめていた。胡桃は俺の首元の匂いを嗅いでいる。

 

「いい匂い。」

「よかった」

 

 

 かりなは森の方に出掛けている。少しぐらいなら攻撃魔法も使えるから大丈夫だろうと思った。俺は胡桃の後ろで料理をみていた。

 

「料理スキルあげないとね」

「現実世界より楽だろ?」

「そうね。」

 

胡桃からゆっくり俺は音を立てずに離れようとする。すると、胡桃は料理を電子レンジの中にいれて言った。

 

「離れないの!」

 

ぎゅっと抱き寄せられた。俺の気配には気づくようだ。俺は「ごめん」と一言いって胡桃に抱きついた。

 

「安心する。」

「邪魔じゃないか」

 

料理を作っているのだから邪魔な気がした。

 

「大丈夫。もっとぎゅってして」

 

俺は胡桃を強く抱きしめた。

 

「ふふ、本気だぁ」

 

胡桃は俺の方を向いた。いたずらっ子のような口をして俺を見ている。すると、持っていたニンジンを胡桃が振った。俺は後ろに飛んだ。

 

「油断大敵」

「そっちじゃない?」

 

俺は胡桃の後ろに無術式魔法、拘束を発動させた。胡桃は見えないなにかに動けなくなった。

 

「んんっ、動けないぃ…」

「油断大敵って言ったじゃん」

 

胡桃は必死で動こうとするが、腕と足が拘束されて動けない。拘束しているところは俺にしか分からない。

 

「外してぇ」

「かわいいからどうしようかな」

 

俺は仕返しのように笑みを浮かべた。

 

「ごめんなしゃい!」

「何についてだ」

 

俺は胡桃に聞いた。

 

「もう調子のらにゃいからぁ…」

「じゃあいいか」

 

胡桃を抱いて、拘束をといた。

 

「むぅ…」

 

頬を膨らませて胡桃は怒っている。かわいすぎる。

 

「かわいい」

「何してもそう言うじゃん」

「本当のことだよ」

「…嬉しいからいい…」

 

少し恥ずかしがっている。胡桃は照れ隠しに電子レンジから料理を取り出した。

 

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