高校生からの物語 完結   作:月島柊

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今回の登場人物
月島柊
月島胡桃
月島かりな
おじいさん
以上4名


第21話 惚れ薬 前編

【月島胡桃視点】

 

 私は2人が出ていった家で帰りを待った。かりなちゃんは柊くんに呼ばれ、その柊くんはただどこかに行っただけ。そんなに時間はかからないと思い、私はゆっくり待っていた。

すると、ドアを叩く音が聞こえ、私はすぐにドアを開けた。そこには、関わるなと言われていた殺人ギルドがいた。

 

「え…」

「動くなよ」

 

私は家のなかで両手を掴まれて動けなくされた。少し足を動かすと、手首をひねられる。

 

「サーリートにはいないと思っていたが、いたんだなぁ」

「どんどん減らしちゃいましょうぜ」

 

ある人が上の人に話しかけ、上の人は了承した。私は怖くて声がでなかった。出そうにも、出ない。

 

「待て、知ってるか、ここで死んだら現実世界に帰れないって」

「っ!」

 

現実世界に帰れない…?嘘でしょ?みんなとは?柊くんとの結婚生活は?数々の問いが生まれてくる。

 

「俺たちはそれを狙ってるんだ。これだけ伝えた。じゃあ殺せ」

 

まだ、死にたくない。柊くんとは現実世界でやり残したことがまだある。たくさん、山ほど。お願い、助けてください。柊くん。言っちゃダメなのは分かってます。ただ、お願い。今回だけでいいから…

バタン

殺人ギルドの全員が倒れた。私が反対側を見ると、そこには柊くんがいた。私は殺人ギルドの全員が消えてから、すぐに柊くんに抱きついた。目からは温かい水が出ている。

 

「ごめんなさい、私がドア開けたから…っ」

「大丈夫。胡桃が無事で良かった。」

 

柊くんはそう言って私を撫でてくれた。私は少しずつ落ち着きを戻していった。

 

【月島柊視点】

 

 俺は胡桃をゆっくり撫でながら言った。胡桃だってまだ怖くて泣いている。

 

「大丈夫。怖かったね」

 

胡桃はおとなしく動かずに撫でられていた。妹たちが小さいときはこうして慰めてたな。彩夏やかりなも泣いて帰ってくるといつもはこうだった。

 

「よしよし。怖かったね」

「…柊くん…落ち着いてくる…」

 

だいたい撫でられると安心して落ち着いてくる。かりなだってそうだった。

 

「胡桃、ぎゅうってしてごらん」

 

胡桃はまだ入らない力で俺をなるべく強く抱きしめた。

 

「柊くん、やめてほしい?」

「ずっとしててほしい」

 

胡桃はそのままの力で抱きしめていた。殺人ギルドの本当の目的は俺たちだった。サーリート周辺のエリアに結構いるらしかった。警備に回っていて、次々と退治していっているらしい。

 

「すー、すー…」

 

胡桃は泣きつかれたのかすっかり眠っていた。かりなは俺に寄りかかって寝ている。あと起きているのは俺だけだった。

コンコン

ドアをノックする音が聞こえた。ドアが開き、前に会ったおじいさんが顔を出した。

 

「おや…私がそっちに言った方がいいね」

「あ、すみません…」

 

おじいさんは向かい側に座った。

 

「二人は夫婦かい?」

「はい。結婚しまして」

「そうかい。ずいぶんと疲れているようだね」

「多分休みがあまり無いからだと」

 

おじいさんは俺に優しく話しかけてくれた。

 

「この世界だと結構な高齢でね、大変だよ」

「このかりなも中学生なんですよ。まだ中2で」

 

今年は2年生だ。彩の中学に夏から通うことになる。

 

「そうかい。私はサーリートの南西に家があるからね。暇だったら来ればいい」

「はい。ありがとうございます。」

 

おじいさんはドアを開けて帰った。俺の家のなかは急に静まり返った。

 

「胡桃」

 

俺はまた胡桃を撫でた。この世界に閉じ込められて今日で1週間。7日目になる。その間にあーやや絢梨は何してるんだろう。そういうのを考えたのは今回が始めてだが、なぜか急に気になった。

 

「んんっ、柊くぅん…」

 

胡桃が喋ると、なんかアルコール臭い匂いがした。酒を誰かのんだかな。

 

「あぁん、柊くぅん…」

 

胡桃から匂いがする。なんか飲んでたのか?いやいやそんなわけ…

俺がそう思っていると、かりなが俺を見てきた。起きてたのだ。

 

「お酒飲ませたの私よ。お酒っていうか、薬なんだけどね」

 

薬?なんか病気にでもなってたのかな?

 

「惚れ薬なんだけど――」

 

その時、胡桃が起き上がって、かりなの下から小さな瓶を取り出した。

 

「あっ!」

「仕返し♪」

 

胡桃は中身を全て飲ませた。かりなは一瞬のうちに顔がピンクになり、俺にスリスリしてきた。

 

「ふふ、つめたーい」

「ぐがっ!」

 

かりなはじたばた暴れて、置いてあった水を胡桃にこぼしてしまう。

 

「きゃっ!」

「ああ、かりな、何してるんだ」

「ごめーん」

 

胡桃は白いワンピースから身体が透けている。お腹も透けている。胸も透けてるのは気にしない。

 

「冷たいよぉ…」

「じゃあおいで」

 

to be continued…

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