胡桃ちゃんは避けた。何するの?私は不安だったけど、下に柊くんが飛び降りてきた。
「なぎ、今助けるからな」
柊くんは私の上にある梯子を持ち上げようとした。ちょっと浮いた隙に、私は足に力を入れた。しかし、そこまで時間がなく、梯子はまた戻った。
「さすがに2人じゃ難しいか」
「だよね。じゃあかりなちゃんと絢梨ちゃん呼んできて。私は絢香ちゃん呼んでくるから」
柊くんは上に、胡桃ちゃんは家の中に入っていった。なんか申し訳ない。
「お待たせ!」
柊くんは上から絢梨ちゃんを抱えて降りてきた。胡桃ちゃんは絢香ちゃんを連れて出てきた。
「みんなで持とう!そうじゃないと持ち上がらない!」
柊くんは私の梯子を持ち上げる指示を出した。なんか、私が怖がらなければ。私はふと声が漏れた。
「ごめん、もう、諦めても──」
「諦めない」
柊くんはこわばった声で言った。
「俺は、ひとり人を殺してる。その時、俺は今まで以上に怖かった。人を殺した感覚、人を殺した感触。だから、俺は自分が人の死に関わらないように、目の前で死なせないようにした。だから、今はなぎを守る番だ」
柊くんはみんなと力を合わせて梯子を持ち上げた。軽々持ち上がり、私は梯子の下から出れた。
「痛っ」
「なぎ、どこが痛いんだ」
「お腹と、肩…とか…」
話すとちょっとお腹が痛む。力を抜くと楽だった。
【月島柊視点】
俺はなぎの背中を持って、胡桃がなぎの足を持つかたちでなぎを家の中に入れた。
「柊くん…」
「無理に話さなくていい。歯磨いてやるから」
俺は脱衣所の手前にある洗面所でなぎの歯ブラシを持ち、なぎの歯を磨いた。
「あう…うぅ…」
「…久しぶりだな、人の歯磨くの」
「あが…いいああ!」(いいから!)
何言ってるの?俺はなぎの歯を磨き続けた。
「いうんえいあえう!」(自分で磨ける!)
もう磨き終わっちゃったし、うがいは自分でさせるか。
「うがいは自分でやって」
「うう…」
なぎはうがいが終わると、俺のところに来て言った。
「…緊張した…」
「そうですかい。ほら、寝に行くぞ」
なぎを持ち上げて、2階のなぎの部屋に連れていった。なぎは手を伸ばしてベットに眠った。
「じゃあ、ゆっくり休めよ」
「うん…」
なぎは残念そうに言った。何が残念なのか、俺には分かっていた。風呂で、なぎが添い寝したいって言ってたことを俺は知っていた。
「胡桃、お願いがある」
「ん?なぁに?」
俺は今の状況を全て話した。胡桃は「そういうことならオッケー。絢梨ちゃんと一緒に寝よっかな」と言ってくれた。俺は歯磨きを済ませ、あーやに明日の報告をして、明日の部活休暇届もだした。俺はすぐに2階のなぎの部屋に行った。
ドアのところで3回ノックした。中から「入っていいよー」となぎのかわいらしい声がした。俺は部屋の中に入る。
「ああ、柊くん?この足音は」
なぎは上を向いて寝ていた。横を向くと肩を圧迫してしまうから痛いんだろう。
「そうだよ。隣、失礼するよ」
俺は隣に仰向けで寝た。なぎと同じ状況だ。
「添い寝、したかったんだろ」
「知ってたんだ」
なぎは言った。そして、次に順を追うように言った。
「理由はね、柊くんに話したいことがあったの」
「話したいことって、なんだ」
俺はなぎに聞いた。なぎはちょっと笑って言った。
「焦らないでよ。私ね、柊くんとどうにかして結婚したいって思ってたんだけど、現実世界じゃあさすがに非現実的じゃん」
まずこのところまででもかなり違和感がある。結婚したかった?なんで。そう思っていても、話は進んでいく。
「だから、仮想世界だったら結婚できるかなって思って」
「いやいや、そんなこと言うけどさ」
そう、仮想世界では織音が結婚しようと告白してきている。二重結婚は成立するのか、そんなこと考えたこともなかった。でも、これを言うとショック受けるだろうなぁ。
「どうしたの」
「いや、なんでもない。ただ、心の準備がね」
「分かった。仮想世界に行って考えてみたら」
「そうするよ」
俺は仮想世界に入った。あの事件から数日が経ったが、そこまで変わった気はしなかった。
第何話で二章終わりにした方がいい?
-
70話
-
80話
-
90話
-
100話
-
101話以上