俺は今日もナナニジのマネージャーだ。レッスンや、もうすぐあるライブに向けて自己紹介の内容を話し合っているらしい。俺は会場の手配や車の手配など色んな手配をしていた。そこに1つ、衝撃の内容が書かれていた。明後日にライブを実施する趣旨が書かれていた。
1回みんなに会いに行き、早くなったライブのことと、自己紹介の内容を聞く。
「自己紹介はどうなった・・・」
「完璧!もう明日ライブできるくらい!」
「そうか・・・」
俺は言いづらかった。こんな自信に満ちているジュンにあの事を伝える。けど明日にでもできるんだったら、
「あのさ、今回のライブなんだけど、明後日になった」
「え?」
みんなが黙りこんだ。十分じゃなかったメンバーもいるかもしれない。それなのに、こんな急に伝えられたらどれだけ不安だろう――
「大丈夫。やれるでしょ」
「うん!抜き打ちライブみたいで楽しそう!」
綾香が言い出した。どうして無理かもしれないことを言ったんだ?
「つっきー、来て」
「え?あ、あぁ」
綾香が俺の手を掴み、部屋の隅に連れていく。
「どうしてあんなことを」
「つっきーさ、いっつも頑張ってるでしょ、だから少しでも安心させたかっただけ」
あーや、優しいんだな、やっぱり。
上野駅に向かい、彩を探す。改札口にはいると思うが、どこにいるのだろう。
「柊くん!こっちこっち!」
大きな声で、大きく手を振っている。ホームにかなり響く声だ。
「ちょっ、彩、静かにしてくれ。声がでかい」
「あっ、ごめん・・・」
少し落ち込んじゃったか?
「いや、程よい声量だったら別にいいから、な?」
「うん!」
やっぱり彩はこうじゃないと。ぽくないよな。
上野から胡桃の家がある鴻巣まで行くのだが、19時でもう結構遅い。速く行きたいが、大人しく19時9分の始発で鴻巣まで行く。
乗ったのは12号車。led表示盤には、籠原行と書かれていた。籠原か、懐かしいな。
「籠原・・・」
「柊くんの住んでたところね」
彩も覚えていたそうだ。6年も前になるが、胡桃と会ったのも鴻巣だった。俺にとって鴻巣は出会いの地。胡桃は何をしているんだろう。就職しているのか、バイトをしているのか。全くといってもいいほど6年前から連絡をとっていない。
「胡桃、家にいるかな・・・」
「大丈夫。きっといるよ。」
鴻巣には19時59分。ついに6年ぶりに来たのだ。6年経っても胡桃の家までは覚えていた。
胡桃の家に着き、ピンポンを押す。
《はーい》
お母さんだろうか。少し甲高い声がした。
「胡桃っていますかね。月島なんですが」
《あらまぁ、月島くん?胡桃はなんか9時から帰ってこなくて》
帰ってこないって家出かなんかか?
「警察の方には」
《行方不明届は出したわ。》
「俺も探してきます。お母さんは家で待っていて下さい。警察が来るかもしれませんので」
俺は彩を胡桃の家においていき、1人で探しにいった。9時にいなくなったってことはもう10時間経っている。結構遠くまで行けてしまう筈だ。歩けば東京も行けてしまうし、電車だと在来線だけでも東北は行けてしまう。範囲はかなり広い。しかし、もう一つ考えられるのは、誘拐。胡桃を誘拐した奴がいればまだ遠くにはいないかもしれない。僅かな可能性にかけて、近くの路地裏に入っていく。
人影もなく、とても静かだった。本当にここにいるのかとは思うが、僅かな可能性にかける。
ガタッ
椅子が倒れるような音。少なくとも人はいる。やっぱり誘拐なのか?
探しはじめて30分、路地裏を
ガッシャン!
色んなものが落ちたのだろう。大きな音だった。立て続けに
ドン!
ぶつかる音。ここに誘拐された人がいるのは間違いないだろう。しかしどこにいるのだろうか。俺はすぐ目の前にあったドアを開ける。
きュイー
と、きしむ音がする。古いドアなのだろう。しばらく歩くと、声が聞こえてきた。
「おら!静かにしとけ!」
ここにいる。俺はゆっくり進み、ライトソードを取り出す。もう剣の部分も出しておくか。
「んんん!」
ガムテープを口につけられて動けなくなっている女性、胡桃がいた。
「やめろ!」
大声で言う。
「誰だ貴様。殺されたいのか?」
「その人を離せ」
睨み付けるようにガンを飛ばす。
「おいおい、舐められても困るぜ。俺らだって無力で来てる訳じゃないんだからよ」
仲間を5人ほど呼ぶ。俺も本気だすか。
「おらぁっ!」
「ふっ!」
ライトソードを振る。
5人全員を倒したあと、俺はリーダーらしき奴に移る。
「この子は渡さないぜ?だって返事が来なかったんだもんなぁ!」
返事が来なかった?何を言ってるのか分からなかった。
「柊って奴だっけ?そいつが助けに来ると思ってたのに、来なかったもんなぁ」
まさか、メールが来てたのか?
「俺が柊だ」
と言い残す。
「胡桃、大丈夫だったか」
ガムテープを口から外しながら言った。
「柊くん・・・生きてたの」
「まぁな。すまなかった」
俺は全身善意謝った。
「ううん、生きてただけで良かった。ね、柊くんの家、連れてって」
「彩の家だけどいいか」
「うん!いいよ!」
豊田に帰ってきた3人は6年の間にあった出来事を話していた。俺は北海道に行ってた時、胡桃のメールはなかった
がそれはあとで聞こう。
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