月島柊
立川絢梨
ミナト
以上3名
俺は家に帰ったあと、ゆっくり休もうと思っていた。今日は1人で帰ってきたため、誰か外で待っている。
「おかえり」
絢梨だった。なんであんなにひきこもっている絢梨がここに。
「どうした、外に出て」
「…一緒にねy…勝負しよ」
何を言いかけたのか分からないけど、勝負か。
「いいよ。仮想世界だよな」
「うん。絶対勝つ」
俺は仮想世界に転移した。サンドスペニアの真ん中で行う。
「スタート」
2人同時に突っ込んだ。強い力で弾き返されるが、お互い様だった。俺は地面を蹴って絢梨に向かった。絢梨が来たから無理だと思い、俺は止まった。絢梨の剣が当たると、俺は後ろに飛ばされた。絢梨の剣には残像が残る特徴があった。残像にも機能があり、その剣によって変わる。火の剣だったら火が残る。
「うっ…」
俺はすぐに立とうとするが、絢梨がもうすぐ目の前にやってきていた。
「私の勝ち」
「どうだろうな」
俺は絢梨から離れた。股の下を通り抜けたのだ。
「私が勝つ」
絢梨は俺より速く突っ込んでくる。まずい、このままだと…
「やぁっ!」
絢梨の剣で俺のHPは減っていった。
「俺の負けか。強かったよ、絢梨は──」
俺は絢梨にキスされた。茶色の髪がふわりと柔らかくなびいた。
「キスしてるとこ悪いんだけど、茶色の髪の人、戦わないか」
ミナトだった。絢梨は最初、結構余裕そうだったが、急に弱気になって俺に抱きついた。
「無理。強そう。怖い」
「大丈夫だよ。何かあったら助けるから」
「…じゃあやろう」
ミナトは微動だにせず、絢梨はいきなり突っ込んでいく。ミナトはギリギリで回避してジャンプ。絢梨が下に転ぶ。
「痛い…」
ミナトが上から剣を下ろそうとする。絢梨は力を入れて剣を剣でガードした。
「なかなかやるなっ!」
ミナトが力強く剣を下ろす。絢梨の剣は折れてしまい、剣が中に進む。俺は魔法でいかないようにする。
「シールド」
ミナトの剣をガードし、絢梨に当たらないようにした。
「ミナト、やりすぎ。剣を破壊するシステムとか使うなよ」
武器破壊システムコマンド。使用する人は少ない。
「ごめんよ、本気になっちゃった」
絢梨は黙って俺にぶつかる。絢梨は俺の腹に頭を当てて何か言っている。
「私、弱かった」
「え?」
絢梨が弱音を吐くなんて珍しかった。
「私、弱かった。これじゃ、柊くん守れない」
守るために強くなったんじゃないだろう。
「本当の目的はなんだった」
「…強くなって、絢香とかに見せたかった」
でも、強くなくなったと。
「これが私の実力。もう、剣を使うのやめる」
「え、嘘だろ?」
「本気。やめる」
絢梨は現実世界に帰っていってしまった。剣を作ってもらえなくなるのは辛い。
「…やめる、か」
俺はその言葉がどれだけ重要か思い知らされた。俺は絢梨に頼ってばかりだった。そんなこと、分かっていた。でも、俺はやめなかった。あの時気付いていたらどうだっただろう。俺が剣を作らせたから絢梨は強いと思い込んでいたんだ。
「ごめんよ、絢梨」
俺は空に魔法を放った。
【立川絢梨視点】
私は自分が弱いのを知って、帰ろうとした。サンドスペニア北部の帰還装置から帰ろうとしたそのときに、私は思った。逃げたら弱い。弱者に成り下がる。
「戻らないと」
私は来た道を引き返した。その途中、空に上っていく何かが見えた。
「なにあれ…柊くんの魔法?」
位置的にあっていると思う。どうして空に魔法なんか。色は…赤?火の魔法。体に当たると現実世界に影響を与えるけど、空に?
「落ちてきてる!」
柊くん、もしかして自殺しようとしてる!?
「ばかっ!」
私は全速力で走った。お願い、間に合って…
【月島柊視点】
俺は絢梨のことを信じて真上に有害使用警戒魔法、通称NBMを使用した。NBMは魔法使いのみが使用を許可される魔法。現実世界に影響を及ぼす魔法。
「来るよな、絢梨」
俺はそのまま放っておいた。すると、水色の水剣が頭上を通り抜け、水の残像が残った。と言うことは絢梨か。
「柊くん、危ない」
「そう来るとは思ったよ。絢梨は優しいな」
俺は絢梨を抱き上げた。
「わっ」
「ほら、飛ぶぞ」
俺は飛んだ。絢梨は普段いない高さに驚いている。
「普段いつもこの高さなの?」
「ほとんどね。さて、絢梨。楽しいとこ行こうか」
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