高校生からの物語 完結   作:月島柊

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同じ家に同居し、引っ越した3人。引っ越した先は神保原。どんな生活が待っている!?


第13話 選択

結構広い家に引っ越した俺たち3人は、近くの店調べや、生活用品を揃えたりと忙しかった。スマホを使って場所を調べているが、1番近いのは本庄だろうか。別に近いからいいが。

 

「何調べてるの?」

「家電だよ。洗濯機とかテレビとかもないだろ」

 

家電が売ってるのは本庄くらいだった。車はあるからそんなに時間がかかるわけではない。多分5分ちょっとだろう。

 

「私も行こうか?」

「いや、2人で居たらいいよ。久しぶりだろ」

 

俺は車を出し、窓を開ける。

 

「じゃ、行ってくる」

「行ってらっしゃい!気を付けて!」

 

俺はクラクションを返事代わりに走り出す。

 

電化製品は結構売ってたが、4Kのテレビや洗濯機を買って帰る。テレビ、洗濯機共に配達で明日くる。ついでに胡桃の好きなアイスを買って帰った。

 

「ただいま。彩、これ冷蔵庫にしまっといて」

「オッケー。アイス?」

「胡桃が好きなんだ。」

 

俺は車に戻り、胡桃を呼び出す。

5分くらいしてから胡桃が走ってきた。

 

「どうしたの?呼び出して」

「ドライブでも行こうぜ。引っ越した後だしさ」

「やったー!楽しみ!」

 

はしゃいで胡桃が言う。助手席に胡桃を乗せて俺は車を発進させた。胡桃は前を見てボーッとしている。

 

「胡桃は車に乗るの久しぶりか」

「うん。柊くんは北海道でドライブした?」

「まぁ最後の1年だけな。冬の運転は怖かったなぁ」

「楽しかったんだ。北海道」

 

だんだん元気がなくなっていく。表情も暗くなってついに泣き出してしまった。

 

「よかったね。楽しかったんだ。」

「・・・胡桃は楽しくなかったのか」

「誰もいないし、周りからもからかわれた。高校卒業したら楽かと思ったのに、全然そうじゃなかった。だから柊くんが羨ましい。」

 

胡桃は高校のとき、周りから殴られる、蹴られる、隠される、陰口を言われるなどの虐めに遭っていた。だから俺は守りたかったのだが、母親から大学進学を薦められ、俺は北海道の大学に通うことになってしまった。胡桃も本当は寂しかったんだ。俺は拳を強く握りしめ、少し強い口調で言う。

 

「これからたくさんつくればいい。思い出なんて簡単に増やせる。今からやり直せばいいんだ」

「けどもう23だし」

「23だろうが40だろうが何歳だろうが思い出はつくれる。ここには俺も彩もいる。だから、これからやり直そう」

 

俺は前を見たままいった。運転はやらないと。

 

「そうだね。これから1つの思い出を増やせばいいんだ」

 

胡桃が言った。

 

「ほら、ここだよ」

「ここ?」

 

俺が連れていったのは少しだけの高台だった。

 

「ここにどうして連れてきたの?」

「あそこを見てごらん、新幹線の線路が見えるだろう」

「うん、見えるけど、それがどうかした?」

「こんな遠くでも見えるものは見える。俺も北海道から胡桃を見ようとすれば見えた。胡桃は5年間一人じゃなかったんだよ」

 

俺は北海道からでも胡桃のことは忘れなかった。思い出しては高台に登って鴻巣の方向を向いていた。

 

「柊くんはどれだけ泣かせれば気が済むのっ」

 

涙が流れ落ちる。俺は胡桃を抱き締めて言った。

 

「気がすむまで泣けばいい。いけないことなんてないから」

 

胡桃は俺に顔を蹲らせて泣いている。俺は胡桃を守りたくてライトソードを持ったんだけど、必要はあったようだ。

 

それから1ヶ月、すっかり3人の生活が慣れてきた。生活必需品も結構揃って暮らしていた。胡桃のへや、彩の部屋と俺の部屋。それぞれの個室を用意した。

 

「はぁ、通勤も遠くなったもんだな」

 

豊田から上野の前に籠原から鹿島田、札幌から小樽など遠距離の通勤はやって来たが、神保原から上野はなにか遠い気がする。いつもグリーン車に乗ってるが疲れるに決まってる。胡桃も仕事を始めたが胡桃も遠距離だ。神保原から東鷲宮までVの字に通勤しなければいけない。胡桃は通勤ラッシュ時間帯に当てはまるが高崎線内だけだ。今日も俺は仕事に――

 

「高崎線運転見合わせてるけど大丈夫なの?」

 

彩が下から叫ぶ。そう、行けない状況なのだ。

 

「一応行けるとこまでは。じゃ、行ってくる」

「行ってくるね、彩ちゃん」

 

胡桃と一緒に出ていく。

 

普通車に立って乗ってるが、鴻巣で運転見合わせ。1時間くらい経ってから再開したが、結構混んでいるし、指も動かせない。こんな混んでいるのは初めてだ。

 

「痴漢に遭わないよね?」

「多分な。うっ」

 

ドアが開いて人が乗ってくるのが苦痛。押し潰されるようになるから胡桃と密着してしまう。

 

「はぁ、混んでるね」

「あ、あぁ。うっ」

 

ちゅっ

胡桃とキスをしてしまう。ここからどう戻ればいいんだ。俺はずっとキスしていた。

 

「あっ、んちゅっ、ちゅっ」

 

10両なのもありかなり混んでいる。もうすべてが動かせない。

 

「胡桃、好き」

「柊くんっ!しゅきしゅきっ」

 

このまま大宮まで俺たちはいた。

 




書くことがないですが、次回もお楽しみに!

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