高校生からの物語 完結   作:月島柊

163 / 203
今回の登場人物
月島柊
立川絢梨
4人
以上6名


スペシャル編 帰宅

 俺は大宮に着くと高崎線に乗り換えた。通勤快速で、深谷に帰る。グリーン車で帰るため、俺と絢梨のsuicaにグリーン券情報を書き込んだ。2人合計で1560円。自由席だから座れるか分からないけど。

外は寒かったが、雪は降っていなかった。白い息が出て、寒さを証明していた。

 

「早く来ないかなぁ…」

「寒いの」

 

絢梨は俺の方を見ずに言った。

 

「まぁ、この服結構薄いし」

「じゃあ着て」

 

絢梨は着ていた上着を俺に被せた。絢梨の服の厚さが急に薄くなる。

 

「寒くないのか」

「すぐ電車来るし。大丈夫」

 

そう言った5分後、電車は入線してきた。俺が上着着させてもらったの久しぶりだな。

 

 俺は4号車1階席の1番後ろの席に座った。絢梨は俺のとなり。絢梨は暖かくしたいからか手首をぐるぐる回している。

 

「絢梨、やっぱり悪いよ」

「柊くんまだ寒いでしょ。借りてていい」

 

絢梨は頑なに返されることを拒んだ。絢梨の上着、なんかいい匂いするし…

 

「…柊くん、なんか考えてる」

「は!?か、考えてないよ…」

 

いい匂いがしたなんて言えるはずがない。けど、確かなことだ。シャンプーの匂いかな、フードから匂ってくる。

 

「匂いじゃない?」

「……やめてくれ……」

「そうなんだ」

 

からかわれてるよな。というか、わざと匂いつけてるんじゃないか?

 

「もっと嗅いでいいんだよ?」

「だから変態じゃないって」

 

絢梨は俺の膝の上に、俺の方を向いて乗っかってきた。

 

「絢香と同じシャンプー使ってる」

「だからそれがなんだって…」

 

いい匂いが俺の周りを循環していた。どこかで嗅いだことがあると思ったらあーやもか。

 

「嗅ぎたいでしょ」

「うっ」

 

嗅ぎたくないとも言えないし、嗅ぎたいとも言えないこの状況…どうすればいいんだ…

 

「ほら」

 

絢梨は髪を手で靡かせた。さっきより匂いがする。濃くなったんだ。

 

「ちょっとくらいいいでしょ。甘えても」

「……」

 

俺は今までの我慢に耐えきれなかった。

 

「近づいていいかな」

「うん」

 

俺は絢梨に手をまわして抱きついてしまった。けど、後悔じゃない。よかった決断だったと思う。

 

「いい匂いする」

「当たり前でしょ」

 

絢梨と俺は大体吹上駅を通過するまで抱き合っていた。

 

 しばらくして、電車は深谷駅に近づいた。俺と絢梨は降りる準備をしてそのままデッキに立っていた。

 

「もう終わりだね」

「牛タン持ってるしいいだろ」

 

俺と絢梨は一緒に降りた。ホームには誰も降りなかったが、ただ4人だけがホームにいた。高崎行きが出発すると、ホームには4人と俺と絢梨しかいなくなった。その4人とは…

 

第何話で二章終わりにした方がいい?

  • 70話
  • 80話
  • 90話
  • 100話
  • 101話以上
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。