月島柊
白雪凪沙
立川絢香
立川絢梨
以上4名
俺たちがもう仮想世界に行く用事もなくなり、1月に入って俺と胡桃の教師活動が休止になった頃、絢梨は部屋で何かをしていた。
「絢梨、まだ寝てるのか?」
あーやがなぎに聞いていた。確かに、何してるんだろう。
「絢梨ちゃんなら家の手伝いとか終わってから出てないね」
「また剣でも作ってるんじゃないか」
俺がその話に入った。なぎはビックリもせずに続けた。
「もう部屋いっぱいだから、もう作ったら歩くスペースなくなっちゃわない?」
「絢梨、気付いたら作れるようになっててさ」
どうやって作れるようになったかくらいあるだろ。
「誰かに教えてもらってたのか?」
「知り合いにね」
「その知り合いもすごいじゃん」
俺たちがそんな話をしていると、絢梨が眠そうな顔をして部屋から出てきた。片手には剣が握られている。
「新しい剣作ったのか?」
俺は絢梨に聞いた。クリスマスに贈った製作本かな。
「やっと完成した」
「今度はどんな剣なの?」
「この剣は全魔力を宿した剣」
「とんでもない剣を作ったな…」
あーやがあきれたように言った。まぁ確かにそうなんだよな。
「攻撃力は10000。あらゆる能力を消す力も持ってる」
一般的な攻撃力は3000~4500程度。俺が持ってる絢梨が作ってくれた剣だって5500程度。10000は桁違いだし、それに倍近くある。あらゆる能力を消すなんて、魔法を発動させる剣はあるが、消す能力はない。
「その剣チート過ぎないか…」
「時間かけて作ったから」
そんな問題じゃないんだよなぁ。
「名前はあるの?」
なぎが剣を見ながら言った。
「ない。無名の剣」
「柊くんがそれ使ったら最強かもね!」
俺次第ってことか。というか、聞きたいことがある。
「それ、製作本に載ってたのか」
「最後のページにあった。No name swordって一覧で」
名前のない剣か。本当に強すぎないか?これ。
「しばらくは絢梨が持っててくれ。俺、今度破壊系魔法覚えたい」
「柊くんもチートじゃないの…」
なぎが言った。確かに人のこと言えなかった。
「じゃ、頑張って」
「あざっす」
俺は外の空き地に向かった。破壊しても大丈夫だから。俺だって絢梨にもらった魔法書を使うようになった。あんまり増えてないけど。
「よし、今日は地形破壊魔法か」
地形破壊魔法は地形の一部を煙を出さずに破壊する。簡単に言えば、煙のない爆発みたいなもの。ただし、少し違うスペルを思い浮かべると、地形破壊魔法ではなく、ただの破壊魔法になってしまう。破壊魔法は自分の足元で発動させると自分もろとも吹っ飛ぶため危険だ。地形破壊魔法も真下に発動させると結構な高さ落下するけど。
「地形破壊魔法のスペル…Terrain destruction」
Terrain destructionって何の英語だよ…んなもん知るか。まぁいいか。読めればいいんだ。
「Terrain destruction」
スペルを唱えると、前方の地面にヒビが入り、下に沈んだようにきれいな直方体の穴が空いていた。
「こりゃすごい。現実世界でやったらまずいけど」
仮想世界だったら大丈夫だろう。俺は家にまた戻った。この魔法は暫く封印だな。
家に戻ると、絢梨の部屋のドアが開いていた。誰か入ってるのかな。
「絢梨、なんで開けて──」
そこには倒れている絢梨、なぎ、あーやがいた。周りには落ちている剣が数本あった。
「おい!どうした!」
俺がそう言うと、絢梨が眠そうな目をしてムクッと起き上がった。
「何…?ああ、落ちてる剣?」
絢梨は落ちていた剣を軽く持ち上げた。
「ちょっと見せてたら寝落ちしちゃった。もしかして、心配した?」
なんだよ、心配したじゃないか…殺人現場かと思った…
「はぁ…心配させないでくれ…」
「ごめん」
絢梨は剣を片付けた。その片付けている剣の中には見たことのない剣もあった。
「…結構あったんだな」
「この内柊くんにあげたの4つくらいだよ」
おいおい、そんだけなのにまだ50…いや、100以上はあるぞ。
「何本くらいあるんだ」
「多分250くらい。数えてない」
250ある時点ですごいんだけど。
「種類は少ない。多分100前後しかない」
「100でも結構あるな。1種類あたり約2本か」
絢梨は結構普通みたいな顔をしていた。普通じゃないんだけど、絢梨にとっては普通なのかな?
「絢梨、剣、もっと作りたいか」
「作りたい」
「……わかった……」
俺はすぐに手配した。剣を置く倉庫を建てる土地をとっていたんだ。倉庫が出来るまでは半年。今年の夏には完成する。
「絢梨、剣を作ることはいいことだ。俺にも分けてくれるし」
「うん……」
怒ってるようになってる?
「悪いんじゃないさ。みんなに分けてやってくれよ」
「うん」
またいつもの顔に戻った。絢梨は1つ剣を手に取って複製を始めた。
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