高校生からの物語 完結   作:月島柊

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第59話 冬菜と柊

 私は月島冬菜。兄が2人いて、暁依と柊。暁依の方は「お兄ちゃん」だと柊も反応しちゃうから、「あきにい」って呼んでる。柊のことは「お兄ちゃん」で通じてる。

あきにいとの関係はただの兄妹。仲も良いとも悪いとも言えない普通の状態。でも、お兄ちゃんとの関係は複雑。私はお兄ちゃんのことが大好きなのに、お兄ちゃんは嫌いって言うか、あきれてる感じがする。原因は私の態度だとは思ってる。だって好きなのを伝えられなくてついツンツンしちゃうんだから。デレデレするときもあるから、「ツンデレ」って感じなのかな。

10人が一緒に暮らしてたときの家は北海道にあって、かなり田舎だった。今の最寄り駅は札幌駅だから都会だけど、前の家がある安足間(あんたろま)駅は田んぼと畑だらけ。安足間駅から歩いて15分のところに家があり、今は私たちの従姉妹が使ってる。

その時は柊くんがまだ大学生で、私は3つ下だからまだ16歳。高校生だった。その時はお兄ちゃんと私で同じ部屋を使ってた。だから好きになっちゃったんだと思うんだけど。

お兄ちゃんは大学を卒業して関東に引っ越した。今は深谷にいる。たまに帰ってくるけど、私も実家暮らしを続ける訳にはいかない。もう1人暮らしを始めるのだ。お兄ちゃんの近くで、だけど最寄り駅は違うところ。場所は岡部駅になった。岡部駅から15分歩いたところの新築一軒家。私は明日からそこに住むことになった。お兄ちゃんといつでも会える。こんなに幸せなことはない!

 

 私は翌日の始発電車で岡部駅に向かった。6:02発千歳線普通新千歳空港行きに乗車。新千歳空港には6:51。新千歳空港からANA50便…ANA50便?なんか聞き覚えがあった。

 

【2年前】

 

 「母さん、飛行機何便だっけ」

「ANA50便よ。ちゃんと乗ってね」

「分かったよ。ANA50便だな」

 

【現在】

 

 そうだった。ANA50便はお兄ちゃんが関東に来るときに乗ってた飛行機。これで羽田空港まで行ってたんだ…

私はANA50便に乗った。お兄ちゃんもこういう景色を見てたのかなぁ。とか考えていたらあっという間だった。9:10、時刻通りに羽田空港に到着。実は100分も乗ってたんだ。ここからは電車に乗っていく。

羽田空港からは京急線。9:42発エアポート快特成田空港行き。さすが東京だなぁ。空港から空港に1本で行けるんだぁ。品川まで行って上野東京ライン上野行きかぁ。

 

 品川についてから10:05発上野行き。新橋、東京に停車して降りようとする。

その時、すれ違ったのは、見覚えのある人影。

 

「冬菜?」

 

私の名前を呼んだ。その声も聞き覚えがある。私が後ろを見ると、そこにはお兄ちゃんがいた。私はからだが勝手に車内に戻った。お兄ちゃんに引かれたようだった。

 

「お、お兄ちゃん…」

「冬菜、どうしてここに。しかもなんだその荷物」

 

ヤバイ、ここでバレちゃったら内緒で家に着けない…

 

「い、いや、何でもない…」

「何でもない訳はないだろ?話してみろよ」

 

お兄ちゃんは私を車いすスペースで少し空いていたところの壁に壁ドンした。

 

「お兄ちゃん…やめ…」

「だったら話せよ。何してるんだ」

「……引っ越し。岡部に」

 

私は言ってしまった。もう内緒にできなかった。

 

「お兄ちゃん、いつになったら離すの。変態」

 

またツンツンしちゃった。デレデレしたいんだけど、出来ないんだよね。

 

「ああ、悪い…」

 

お兄ちゃんは何か言いたそうだった。

 

「…なんか言いたいことあるの」

「ああ、あのさ、冬菜、俺のこと好きじゃない?」

 

ええ!?なんで知ってるの!?というか言った覚えないし!

 

「べ、別に!」

「分かってるんだよ。お前さ、俺の部屋にラブレター置いてくなよ」

 

あ、そういえば少し前にお兄ちゃんの家に言ったときにお兄ちゃんへのラブレター持ってた。え、置いてってたの!?

 

「うぅ…」

「妹がラブレターなんて初めてだよ」

「うるさいなぁ、いいでしょ!好きになったって!」

 

別にダメなんて言われてないし…

 

「いいさ、かりなとか彩夏もそうだし」

 

かりなと彩夏も?じゃあ告白後になっちゃったってこと?

 

「え、越された?」

「まぁな。いつか会いに来いよ。俺仕事戻るからさ」

 

お兄ちゃんは上野駅で降りていった。私はお兄ちゃんの後に上野駅に降りた。

 

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