高校生からの物語 完結   作:月島柊

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今回の登場人物
月島柊
月野かりな
白雪凪沙
以上3名


第61話 パスワード

 俺は翌日になって早速準備を始めた。便利系の魔法を出発前に覚えておくのだ。「spider's thread magic」と言う魔法で、直訳すると「蜘蛛の糸の魔法」。唱えると蜘蛛の糸のようなものが出て、壁などに張り付けて飛ぶ魔法だ。続ける場合には飛んでいる途中に外し、別のところにつける。これが結構難しかった。

この魔法を覚えてから、俺は前日に調べておいた潜入しやすそうな場所に向かった。まぁ、深谷駅近くの骨組みがある場所なんだけど。行きは飛行魔法で飛んでいった。そんなに遠くはないが、5分くらいかかった。俺が骨組みのところにつくと、俺は鉄骨に掴まった。

 

「へぇ、結構高いな…ひとまず1番上まで上がるか」

 

俺は鉄骨を蹴って飛行した。1番上につくと、俺は中を見下ろした。空洞になっていた。

 

「なるほどな」

 

俺は透視魔法を使って奥の方を見た。そこには鉄の板が張られていた。

 

「そこに乗れるか。一応カメラを設置しておこう」

 

俺はその鉄の板に向かって跳んだ。鉄の扉もあって、そこには茶色くなった暗証番号が書かれている板もあった。茶色くなった原因は触ってみたところ、サビではなく薄く塗られたペンキであることが分かった。俺はそれをスマホで撮り、直径2cmほどの小さなカメラを張り付けてその場を後にした。

帰りはspider's thread magicを利用して家に帰った。家の前に着地してドアを開けると、かりなが電話をしていた。

 

「うん……あ、じゃあ12:30ね……うん……オッケー……じゃあね」

 

時間の約束か。今日はかりなが俺たちの手伝いで俺の許可を得て休んでいる。出席停止扱いになっているから大丈夫。

 

「かりな、誰と電話してたんだ」

「ひゃぅっ!しゅ、柊くん居たの!?」

「少し前から。それで、どうしたんだ」

 

かりなは少し間を空けて落ち着いてからスマホを俺に見せた。

 

「拠点にして場所るが分かったから、行動予測と場所のPCをハッキングしたかったの」

「おお、ナイス判断だな。それで、誰に電話してたんだ」

 

それが問題なんだよな。

 

「ゆいちゃん。覚えてる?月野ゆい」

「ゆい?……あぁ、あの2年2組の」

「そうそう!あの子ね、ハッカーだから任せよっかなって」

 

ハッキングか。良い考えだな。正直、ハッキングした方が作戦がうまく行く。

 

「じゃあ、それが12:30なんだな」

「うん!柊くんはどうだった?潜伏場所」

「ああ、それっぽい場所は見つかった。ただ、俺たちが行くのが困難だな」

 

あんなところ、俺たちで行けるかどうかなんだ。ロープを垂らせば行けないことはないけど、速達性が失われる。

 

「やっぱりあそこの機械ハッキングした方がいいよな」

「機械?」

「ああ、写真撮ってある。ほら」

 

俺はスマホの写真を見せた。かりなは目を凝らして見ていた。

 

「これ、暗証番号?ちょっと錆びてて見にくい…」

「これ、サビじゃないぜ」

 

もう見ているから分かるが、ペンキを薄く伸ばしただけ。

 

「茶色いペンキ。わざと暗証番号を見にくくしてるんだろうね」

「うわぁ…ん?けど、これ少し見えるところもあるよ?」

「俺が擦って消した部分だな」

 

見えているところは、1●●●5●PRN●●32のここだけ。英語も混ざっていて分かる気がしない。

 

「うーん、浮き出てるところからすると、左から3番目はTかな」

「見えるのか?」

「かろうじてね」

 

そうすると、1●T●5●PRN●●32か。見たことないパスワードだな。

 

「1番右から3番目、上半分しか見えないけど、2か3」

 

やっぱり見えないよな。目良いやつがいたら話が速いんだが…アーチャーとかスナイパーとか…ん?アーチャー?

 

「ちょっと持ってて」

 

俺はなぎを呼びに行った。なぎはアーチャーだから分かるはずだ。

 

「なぎ、ちょっとおいで」

「にゃ?」

 

俺は手招きをして呼んだ。なぎはぴょんぴょん跳び跳ねながら来た。

 

「なぁにー?」

「ちょっと頼みたいことがある」

 

俺はなぎをかりなのところに連れていった。

 

「写真?」

「このパスワード、解読できるかな」

「この番号だよね。えっとね、1PT456PRN4232」

 

速くない?読むの。

 

「分かったのか?」

「うん。凹凸で読めた」

 

やっぱアーチャーなだけあるのかな。けど、なぎも結構真剣な目してたな。

 

「柊くん、このパスワード、何に使うの」

「え?扉の解除──」

「このパスワード、壁の封鎖じゃない?」

 

壁の封鎖?一体なんだ、それ。

 

「なんだそれ」

「柊くん、このパスワード、中に入った人を潰すように狭くなってくやつだよ。あの、山形であったやつ」

 

ああ、山形であったやつって、迫り来る壁のやつか。たしかにあれは自分が入ったら大変だが、相手だったらいいだろ。

 

「一応解除しちゃうよ。相手が入るんだし」

「あ、相手が入るの?じゃあ大丈夫」

 

俺はゆいが来るのを待った。時間は12:15。あと15分くらいだ。

 

 12:30、ゆいが俺の家に着き、ハッキングを始めた。相手の入力を遮断し、こちらでできるようになった。

 

「先生、これでいいですか」

「あぁ。ありがとう、ゆい」

 

俺はゆいにお礼を言って、家に泊まっていくように言った。俺は胡桃の帰りを待っていた。

 

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