月島柊
月島胡桃
月島かりな
美竹蘭
羽沢つぐみ
青葉モカ
宇田川巴
上原ひまり
以上8名
「っ!」
俺は眠りから覚めた。俺がいたのは円盤の上。そうか、さっきのは夢だったのか。
今飛んでいたのは仙台上空。父さんからの連絡があったらしく、かりながO型だと思っていたのは、かりなが5歳くらいの時に引き取った親が血液検査を行ったとき、A型と病院から出たんだが、引き取った親の方が「これはうちの娘だ!」と言って、O型と詐称したらしい。
「かりな、俺がいないと…」
かりなは中2で、力が弱いというほどではないが、少なくともかりなは体育系じゃない。長距離走だって40人中35位(俺は40人中2位)。とてもではないが遠くまで行く体力はないし、行ったとしても耐える力もないはずだ。ケータイも家においてあるし。
「急がないとな」
俺は今持っている全ての魔力を出し切った。
家の前に着いたのは結局19:00を少し過ぎた時だった。俺はすぐに家の周辺を探した。しかし、そんなに探さなくても良かった。
「かりな!」
いたのはすぐ近く、というか家の裏にあるかなり急な斜面。もう崖だった。
「おい、何してるんだよ」
「もう家族じゃないから」
「それは嘘だ」
俺はスマホにあった証拠を突きつけた。
「お前の血液型はA型だ。O型じゃない」
「でも、私の記録には…」
確かにO型と書かれているはずだ。しかし、さっき送られてきたやつを見れば分かった。
「それはかりなを引き取った親が書いたデタラメの記録書だ。こっちが親に送られた記録書」
「じゃあ、私は…」
「妹だ。俺たち家族の」
かりなは斜面からこっちに歩こうとした。しかしそこは足場が悪く、斜面につられて落ちていきそうになった。
「かりな!」
俺はかりなの右腕をつかんだ。
「助け…て…」
かりなは急な斜面の下にある地面に吸い込まれていくように下がっていく。
「かりな、お前、俺がいなきゃ何もできないんだからさ、俺に頼れよ」
そう言って俺はかりなの手をつかんだ。かりなの手の平は冷えきっていて、寒い日の冷たい水のようだった。しばらく掴んでいると俺の熱が奪われ、感覚がなくなるほどに冷たくなった。
「お前、手冷たくないか」
「だってもう24時間くらい外にいるんだもん」
俺の手の感覚がなくなったとき、俺はかりなと一緒に落ち始めた。
「うがっ!」
「柊くん!」
かりなは俺の名前を呼んだ。下は少し地面があったあとすぐに川。この時期の川はとんでもなく冷たい。1時間でも入ってれば凍傷にかかってしまう。
しかし、そんな事も知らずに重力は俺たちを川に導く。
「かりな…」
「柊くん…!」
俺はかりなを落ちている途中に突き放した。草むらで少し衝撃が強いが、凍傷にかかるよりかはいいはずだ。かりなと俺だったら俺が傷つく方がいい。
「あっち運んで!私こっち持つ!」
「私もそっち行く!」
「行こー」
「あぁ。行くぞ!」
「開けとくね!」
5人の声が聞こえた。俺が川に一瞬だけついたとき、すぐに地上に上げられた。
「……誰だ……?」
「私だよ」
そう言ったのは、黒髪に赤いメッシュの入った女の子。クールな感じで、もう1人は茶色の髪だった。どこかで会ったことのある2人。
「…!蘭とつぐみ!?」
「そう。久しぶりだね」
蘭は結構前に会って以来一切会ってなかったし。つぐみも同じくらい会ってない。
「蘭…」
「柊くん、私のこと覚えてたんだ」
俺は蘭に向けて右手を伸ばした。蘭は俺の手に優しく触った。
「待って。痛いところないの」
「痛い…?あぁ、さっきから左手は痛い」
「左?何も傷ないよ?」
なんで蘭はそんなこと聞いたんだろう。俺は蘭の目をじっと見た。
「右。傷だらけ」
「右が?」
俺は蘭の触っていた右手を見た。確かに、血が腕に流れるほど流血していた。だけど、痛みは一切感じない。左手がますます痛くなっていくばかりだ。
「……なんでだ……」
「一回家の中入ろう。もう泊まるって言ってあるから」
蘭とつぐみは俺を2人がかりで持って家に運んでくれた。右手の痛みはないのに、流血がある。まるで反比例しているようだった。傷が多ければ痛みは少なくなり、少なければ大きくなる。そんな感じだった。
「柊くん!その血!」
胡桃が大きな声で言った。俺は胡桃に心配されないようにして答えた。
「あぁ。痛くないんだがな…」
俺は蘭とつぐみの手から降りた。
「ありがとう。つぐみはもう部屋に行ってて。蘭は…話がある。俺の部屋に案内するからついてきてくれ」
「うん」
蘭は大人しく俺について来た。俺は血が垂れないように手を床と平行に向けたまま移動した。
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