月島暁依
丸山彩
月島柊
月島胡桃
以上4名
俺は5組の子どもたちと一緒に昇降口前に向かった。メントスコーラをするらしく、柊は2Lのコーラと、メントスを糸に通した物を両手に持っていた。
「先生、靴置きましょうか?」
「ああ、鈴鹿。悪いね」
鈴鹿さんっていうのか。女子生徒が柊の靴を置いた。柊は靴を履いて外に出た。俺も後に続いて外に出た。
「えぇっと、見えるか分からないんだけど、このキャップに直径が糸と同じ大きさの穴が空いてるんだ」
みんながキャップを見る。多分直径0.5mmくらいじゃないかな。そこに音が通してある。
「これに蓋するとメントスがコーラに付くから吹き出す。さて、吹き出させようか」
柊はメントスの通ったキャップで蓋を閉めた。少しすると、みるみるうちに泡が上がってきて、吹き上がった。
『おぉっ』
「これが火山と同じ原理。教室に戻って解説しよう」
柊とみんなは教室に戻った。俺も後ろに続いて教室に戻る。
教室に戻るとみんなが静かに座っていた。そこに柊が入ってきて、さっきの解説を始める。
「コーラの炭酸は二酸化炭素であることは知ってるね」
「シュワシュワのやつですよね」
「そう。その炭酸の二酸化炭素がメントスに触れると、二酸化炭素が反応して吹き出すんだ。これも同じで、火山のマグマが耐えきれなくなると火口から吹き出る。だからメントスコーラをやったんだね」
メントスコーラか。やったことないからどこかでやってみたいな。
「あ、メントスコーラは今回細い穴でやったから高く狭かったけど、空けてからメントス入れると一気に吹き出すから気をつけてね」
「他のクラスではやるんですか?」
「俺の担当が来たらね。大体上西teacherだからここだけかも」
あれ、じゃあたまたまだったのかな。
50分の授業が終わってから俺は柊に聞いた。
「数字じゃなかったのか?」
「たまに理科も入るよ。あとは2年音楽」
音楽も入るのか。結構忙しい先生だな。
「無理するなよ」
「何人かに手分けしてるから大丈夫。休みの時間も出来たくらいだし」
だったら大丈夫か。えっと、次は給食か。だったら彩にネタバレするのもいいかもしれないな。
「じゃあ俺このまま5組にいるかな」
「彩にネタバレか。驚かせろよ」
「分かってる」
柊は1つ隣の6組に戻っていった。俺は1番後ろの席の横に膝立ちしていた。
「少しだけよろしく」
「はい」
男子は優しく受け答えた。落ち着いてる男子だな。将来モテるかも。
「落ち着いてるな。将来モテるぞ」
「そんなことないですよ。話すの苦手なので」
「そうか。俺も小・中学校の頃はそうだったぞ」
挽回も出来ることを俺は伝えた。顔と性格が良ければどうにかなる。
「さーて、給食食べますよー」
「先生!今日の給食51人分あります!」
おぉ、この中学校は俺の分まで用意してくれるのか。
「月島って書いてあります」
「じゃあ6組と間違えたのかな」
「けど5組って書いてあります」
確かにマーカーで「5」と書かれている。
「彩」
「うん?なに?」
「俺どこで食えばいい?」
「自分の席で食べるの」
そんなに常識が分からない人じゃないし、ダウン症じゃないんですが。
「じゃあこの床で食うか」
「席で食べるって──」
彩は固まった。後ろがつまり始めている。
「暁依!?」
「だからどこで食うんだって。床で食うぞ?」
「じゃあ教卓の横の机使って!」
彩は机を指差すと、そそくさと給食を取って教卓に置いた。
「暁依さん、給食よそっておきました」
さっきの男子だ。
「おっ、サンキュ」
俺は彩の横の机に給食を置いた。
「それで、なんで暁依がいるの」
「前に言ってたろ。いつか行くって」
今日だとは言ってなかったけど。彩は不機嫌そうに頬を膨らませ、口を尖らせた。
「ダメだったか?」
「別にいいもん…」
彩は給食を食べ始める。俺も横で食べ始めた。
5時間目は6組に行った。数学の授業だが、黒板に
「5時間目の数学は胡桃が来るよ By柊」
と書かれていた。音楽の授業でも行ってるんかな。音楽もやってるって言ってたし。
「やっほー!」
「胡桃先生は音楽行かないんですか?」
「残念ながら免許持ってないの。暁依くんだったら──」
俺に降るのかよ、胡桃。
「持ってない」
「ありゃ。まぁ今日は私が担当するからね」
そう言って胡桃は授業を始めた。
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