俺は家に近づくと、車のライトをハイビームにした。家のなかにいる胡桃たちに見えるようにだ。俺が車で家の前に来ると、かりなが出てきた。
「おかえりなさい、お兄ちゃん」
天気はいつの間にか雷を伴った大雨。かりなは傘を身に寄せて差していた。
「お兄ちゃん、傘ある?」
「いやぁ、ないんだよ。入れてくれないか?」
「うん!喜んで!」
かりなは喜んで入れてくれた。俺も、もう1つ、なぎのの作戦を考えていた。だから傘を忘れた。かりな、胡桃、あーや、絢梨も知っている。それに、ナナニジメンバー、影山蒼、影山有希ともなぎは交流があるから知っている。ただ、なぎにバレたくないから黙っている。
「かりな、俺の持ってる袋分かるか」
「えぇ?匂いも雨の匂いしかしなーい」
だろうな。けど、見ようとしないところは成長したな。昔の彩夏とかりなは意地でも見ようとしてたし。
「みんなでね」
「なにー?分かんなーい」
かりなは傘に俺を入れながら言った。
家の中に入ると、あーやと絢梨以外はリビングに集合していた。
「おかえり、柊くん」
「おかえりなさい、あなた♡」
胡桃となぎが迎えてくれた。俺は2人にキスしたあと、あーやの事を聞いた。
「あーやは」
「絢梨ちゃんと一緒にいるよ、2人の部屋で」
俺はその部屋に向かった。多分あーやが雷苦手だから、絢梨も雷が苦手なんだろう。
「あーや、開けるよ」
俺はドアを開けた。すると、あーやと絢梨が抱き合って怖がっていた。
「つっきー…」
「柊くん」
絢梨とあーやはこっちを見た。
案の定、あーやと絢梨のことを俺は抱きながらリビングに戻った。雷が鳴る度にあーやと絢梨は同時にぎゅっと強く抱き締めた。
「そんな怖いかよ、あーや、絢梨」
『怖い!』
二人同時に言った。俺は「はいはい」と納得したように言ってリビングに入った。
「…柊くん、周りにいるのは猫3匹?」
「へ?2匹じゃないか」
「小雪が絢梨の頭の上に乗ってるよ」
胡桃に言われてようやく気付いたようだった。小雪はかりなが持って膝の上に、俺は抱きついていた2人を座らせた。
「小雪も雷苦手なのかな」
「どうだろ。うさぎって雷苦手なのか?」
調べてみると、どうやら雷が苦手らしい。ただ、寿命は1年から2年。このうさぎは生後3ヶ月で飼ったらしいが、短いとあと9ヶ月。しかし、この事実は言えなかった。
「苦手みたいだよ。ほら、かりなのお腹に突進してる」
「あはは、くすぐったーい」
かりなが楽しんでいるのをみていると、俺がする事を忘れそうだった。
「これ、留守番のお礼」
俺はプリンをあげた。みんなは入っていたスプーンで食べ始める。
「食べ終わったらなぎ以外の人たちに話がある。21:00にプライベート仮想ワールドで待ってるから」
「プライベート仮想ワールド」これは、仮想世界とは異なり、指定した人しか入れない世界だ。しかし、上限人数は5人。結局入れない。
みんなが食べ終わると、もう21:00になった。俺はプライベート仮想ワールドに転移してみんなと話し合った。話し合う内容はなぎのお別れ会についてだ。
「まず、曲を決めたい。どういう決め方する」
「曲名がお別れ会に関係してるもの?」
やっぱりそうなるよな。それが一般的。
「そうだ、気付くか微妙だけど、曲名の頭文字が『な』『ぎ』『さ』の曲は?」
「要するに、『な』だと難聴系男子が倒せないとか?」
「『ぎ』だと銀河鉄道999だよね?」
「『さ』とか一番ありそう。桜ノ雨でいいんじゃない?」
銀河鉄道999で、そのあと桜ノ雨だと、俺が言った一曲目変えるか。
「『さ』のやつさ、変える?」
「ラスト3曲これでさ、前に数曲持ってきてもいいかも」
意見が飛び交う。前に数曲入れるのがいい案だとは思う。ただ、別の曲を選ぶとなると…
「じゃあ別の曲追加しよう。というか、あーや、ナナニジの曲入れれるだろ」
「入れれるけど、クリステルがセンターだとさ」
そうか、みう自身は俺とも話すの苦手っぽいし、なぎためだって言っても…
「みうがいない曲は」
「絞られるだろ。蛍光灯再生計画はいないけどさ、出れるの最大で4人だけだし、タトゥーラブしか歌えないよ」
それもそうか…あんまり関係ない人を歌わせても戸惑うだけだし。
「だったら、俺とかとコラボしてカバーするのは」
「カバー?それだったらいいけど、絢梨がな」
「大丈夫。歌好き」
絢梨はいつも通り冷静すぎるほど冷静に言った。
「じゃあ曲決めちゃうか」
俺は蒼と有希にバーチャルの画面で写し出し、俺たちと同じところにいるかのようにした。
「蒼はなんかやりたい曲あるか」
《え、柊と一緒だと思うんだけど、フラジールやりたい》
フラジールか。俺もやりたかったし許可するか。
「いいぜ。じゃあパート分けだな」
周りは胡桃を中心に曲を決めていく。俺は蒼と一緒にパート分けを進めた。
「えっと、まず歌詞からだよな」
《あぁ。たしか、「くしゃくしゃになった診察券を持った」からだよな》
そうか。というか、表を作るときにイメージカラーもいれておいた方がいいだろう。
「蒼のイメージカラーってなんだ」
《なんだろうな…紺じゃないか》
「やっぱそうなるよな。じゃあ紺で書いてくか」
俺はとりあえず歌詞を書いていった。胡桃、有希で妻同士として歌うことになったらしく、曲目は知らないが歌詞を書いていた。
くしゃくしゃになった診察券を持って簡単な想像に日々を使っている
単調な風景にふと眠くなって回送列車に揺られ動いている
看板の照明が後ろめたくなって目を落とした先で笑っていた
通りを抜けて路地裏の方で
映画の上映はとうに終わっている
できれば遠くに行かないでくれ 出来るなら痛くしないで
構わないでないで 離れていて
報わないでないで 話をして
窓越しにじっと目を合わせて
退廃に暮れた劇場の角で眠らなかったはずが眠っている
アラベスクには触れなかったんだ 火がついたように街が光った
無頓着なあの子が傘を差したら それで救われるくらい単純でしょ
左手の指輪 右手に隠して 戸惑ってるふうにしてた
捜さないで いつの間にか
消えたことに気づく距離ならば
許さないで 最初だけは
悲しくもないはずにしたくて
構わないで 離れていて
軋轢にきゅっと目をつむって
報わないで 話をして
窓越しにじっと目を合わせて
眠らないで 言葉にして
照らした光に目を細めて
笑わないで 君に咲いた執着よ、僕を飲み込んでくれ
こっちの作業はこれで終わり。あとは蒼となぎを親しくさせるために、学校を胡桃に任せ、
一方の俺は何もしない訳じゃない。今までなぎと暁依でやらせていたナナニジのマネージャーを、なぎの代わりと一部暁依の分を行う。学校は忙しくなるがしょうがない。
「じゃあ、しばらく有希といていいよ」
《はいよ。また呼んでくれ》
俺は蒼を解放した。そして、胡桃の手伝いに行った。
【月島胡桃視点】
私はみんなと曲決めをしていた。私だって、かりなちゃんだってやりたい曲はない。ただ、いいと思ったらパート分けするだけ。ここには数学に強い人は1人しかいない。かりなちゃんだ。そのため、一旦任せた。
「何通りできる?」
「6人だと6通りでしょ。分けないんだから」
「平等に分けれるのだと?」
「3:3が含まれるから7通り」
そんなにあったかぁ。じゃあ2で分けよ。
「2人で分けたいから、絢梨ちゃんと絢香ちゃんは同じで、かりなちゃんも一緒か。じゃあ有希ちゃんとか」
《はーいっ!なにやる?》
「女子っぽい歌だよねぇ」
女子っぽい歌。アイドルみたいな歌かな。
「柊くんとか」
《蒼くんに》
『見せたいなぁ』
目的が違ってきちゃってる。まあいいけど。
「えっと、じゃあ2人でできるアイドルっぽい歌!」
《ボカロだとして…メランコリック!》
あの曲か。確かになぎも知ってそう。
「じゃあそれがグル曲で」
《グル曲ってなに?》
「グループの曲ってこと」
私は3人の方のグループに話しかけた。
「そっちはどう?」
「柊くんにちょっと頼んでいい?」
そう言うと、柊くんがこっちにやってきて、私たちに聞いた。
「なんか手伝うことある?」
「あ、じゃあちょっとかりなちゃんのとこ手伝って」
柊くんは了解してかりなちゃんの事を手伝った。私と有希ちゃんはメランコリックの歌詞作りを始めた。イメージカラーは私が緑、有希ちゃんがピンクだった。
全然つかめないきみのこと
全然しらないうちに
ココロ奪われるなんてこと
あるはずないでしょ
それは無愛想な笑顔だったり
それは日曜日の日暮れだったり
それはテスト∞(ばっか)の期間だったり
それはきみとゆう名のメランコリンニスト。
手当たり次第強気でぶつかっても
なんにも手には残らないって思い込んでる
ちょっとぐらいの勇気にだって
ちっちゃくなって塞ぎこんでる
わたしだから
全然つかめないきみのこと
全然しらないうちに
ココロ奪われるなんてこと
あるはずないでしょ
全然気づかないきみなんて
全然知らない×知らないもん
「ねぇねぇ」じゃないわ この笑顔
また眠れないでしょ
明日も おんなじ わたしが いるのかな
無愛想で無口なままの カワいくないヤツ
あの夢にきみが出てきたときから
すなおじゃないの だって
全然つかめないきみのこと
全然しらないうちに
こころ奪おうとしてたのは
わたしのほうだもん×××
そういう時期なの
おぼれたいのいとしの
メランコリー
私は有希ちゃんと相談して振り分けを決めた。私は絢香ちゃんたちの様子を見に行った。
【月島かりな視点】
私たちはまず最初に曲決めをした。曲は候補で決まっていて、恋愛裁判、Love so sweetのどちらか。
「Love so sweetはなんか男子のイメージあるな」
「じゃあ恋愛裁判だね。えっと、それでお兄ちゃんを呼んだ理由だけど」
お兄ちゃんは音楽の先生。だったらピアノくらい余裕で弾けちゃうと思った。実際、音楽の授業でも弾いてたし。
「ピアノ、お願いできる?」
「ピアノ?あの弱いやつ?」
「それpのほうね。そうじゃなくて、楽器の」
こういうところでお兄ちゃん天然なんだ。意外だった。
「ああ、いいよ」
「やってくれるの?ありがとっ!つっきー大好き」
絢香ちゃんがお兄ちゃんに飛びかかる。普段と性格変わりすぎでしょ。
「んじゃ、パート分けはゆっくりつっきーとやるかぁ」
全部お兄ちゃんに任せたりとかしないよね?お兄ちゃんも大変だよ?
「えっとぉ、Oh! No! No! No! ちょっと魔がさしたんだ そう、僕は君だけが全てさ ねえ、情状酌量をください 僕独りじゃ生きてけない のところは誰歌う?」
「私。そこ歌う」
絢梨ちゃんが歌う一部は分かった。えっと、カラーは何がいいんだろう。絢香ちゃんのペンライトがピンクだから、薄いピンクかな。
こうして、1時間以上かけて行われた。
Oh! No! No! No!
ちょっと魔がさしたんだ
そう、僕は君だけが全てさ
ねえ、情状酌量をください
僕独りじゃ生きてけない
Oh! Jesus!
そんな眼で見ないで
もう、
ねえ、だから執行猶予で
一度だけ見逃して
計画的な犯行のこのアリバイ工作も
君だけは騙せない
小手先の手品じゃ No! No! No!
まさに恋愛裁判
君は僕にどれくらいの罪を問う?
最終弁論 涙の後に君から告げられた
僕は「
Oh! No! No! No!
最悪の事態だ
そう、君にフラれるくらいなら
ねえ、いっそ君の手で僕を
暗闇に突き落としてよ
Oh! Jesus!
論より証拠だ
もう、僕は取り繕わないよ
ねえ、 ずっと君の監獄に
閉じ込めてもいいから
性格的な問題と一度だけの過ちで
君はもう戻らない
口先の弁護じゃもう許されない
どこが完全犯罪?
君も僕も同じだけの悲しみを
愛した人 愛された人
互いを裁き合う
有罪判決
君は僕にどれくらいの罪を問う?
終身刑で償う覚悟
死ぬまで君だけを守るよ
恋愛裁判
君が僕に教えてくれた真実
偽りの涙の後で
密かに微笑んだ小悪魔
そう、君も「
ピアノはお兄ちゃんだから安心。一応2人パートが全通りできている。一部少ないところもあるけど。
「えっと、あとは自由?」
「それは明日でいいんじゃないか。みんな休みだし、蒼も来れるだろ?」
《あぁ、来れる》
いつの間に蒼くんいたの!?手伝いの時に付いてきたのかな…
《私も来れるよ》
有希ちゃんまで…いつの間にが多すぎ。
「じゃあまた明日。なぎにも会わせとこうぜ」
「はーいっ。じゃあまた明日!」
私たちは現実世界に戻った。
戻ったときにはもう23:00を過ぎていて、凪沙ちゃんはもう寝てしまっていた。会わせたい人って、誰だろう?と思いながら私も寝た。
月島柊パート
影山蒼パート
月島柊、影山蒼パート
月島胡桃パート
影山有希パート
月島胡桃、影山有希パート
立川絢梨パート
立川絢香パート
月島かりなパート
立川絢香、立川絢梨パート
月島かりな、立川絢香、立川絢梨パート
月島かりな、立川絢梨パート
月島かりな、立川絢香パート
第何話で二章終わりにした方がいい?
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70話
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80話
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90話
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100話
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101話以上