高校生からの物語 完結   作:月島柊

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今回の登場人物
月島柊
月島かりな
白雪凪沙
立川絢香
立川絢梨
以上5名


第9話 思い出してしまう過去

 俺はあーやに手伝ってもらって人数調整を行った。片寄ってるところだと、6組女子、1組男子くらい。

 

「1組入る予定だった中本を6組に移すから、何人?」

「あと、関合くんも、1組から」

 

「5人かな」

 

俺は即答した。女子が5人いるはずだから、男子は2人少ないはずだ。

 

「じゃあちょうどいいね」

「あとは……時間割か」

 

今回の時間割の決め方は1年生の時と変わり、先に先生の予定を入れて、それを元に製作することになった。

来年の俺の担当は2年数学、2年理科(一部)、全学年音楽の3つだ。担任は2年6組。そのまま学年だけ上がっただけだ。

 

「月曜1は6組スタートがいいな」

「ふぅん……つっきーに教えてもらう人、いいなぁ」

 

あーやは羨ましそうに見つめた。

 

「楽じゃないぞ。人気だけどさ」

「柊くんの授業だけ受けたいなぁ」

「そんなこと言うな」

 

俺は2時間目の授業を入れる、全学年音楽担当だから、1年5組音楽、3時間目は胡桃で、4時間目は1組数学、5時間目は4組数学、6時間目は1年4組音楽。結構授業が多くなるが、今年入った人たちが俺の仕事を休みの日はやってくれる。実際、今年度もしてくれた。

ただ、このままじゃブラックだから、返しに一緒に飲みに行ったり、食事、あまりの仕事をやってたりしている。

 

「あーやはなんか得意教科ないのか」

「うーん…美術…とか」

 

そうか、確かに漫画描いてたら美術は得意になるか。美術担当は、江坂先生か。美大卒だから絵は上手い。

 

「江坂先生と勝負したらいい勝負しそうだな」

「江坂先生?」

「美術の先生。美大卒だから」

 

あーやは微笑んで、キッチンに向かった。俺は時間割の確定枠を周りの先生のチャットで確かめた。

 

〈夜分遅くにすみません。2年6組月曜時間割確定してる人いますか〉19:15

〈俺は月曜日だけ確定してるんでいいですよ〉19:17

 

そう言ったのは(あかつき)(みなと)先生。国語担当の先生だ。

 

〈1が1組、2が6組、3が4組、4が休み、5が7組、6が2組です〉19:20

〈了解です。ありがとうございます〉19:21

 

ということは、1が数学、2が国語か。3はなんだろうな。

 

〈江坂です。3時間目6組美術ですよ〉19:22

〈了解です。3時間目だけですか〉19:23

〈はい。別の日に一回入ってますが〉19:24

〈わかりました。いつですか〉19:24

〈水曜日の4時間目です〉19:26

〈ありがとうございます〉19:26

 

だったら3までわかったな。胡桃も俺が音楽やってる時に数学入れてくれてるだろう。

 

「絢香、疲れた」

 

絢梨がこっちに来て言った。俺はあーやじゃないんだがと思いながらも俺はPCを魔法ストレージにしまった。明日は6時間目に魔法教室がある。主役は──まぁ、明日になってからにしよう。

 

「ん?絢梨か。じゃあ一緒に横になるか」

「なる」

 

キッチンの方では忙しさもありながら、楽しそうだった。俺はそんなところを見ていると、どうしても嫌な過去を思い出してしまう。さらに、考えすぎてしまう。

 

俺は何故思い出しているんだろう。

 

俺は何故こんなことを思っているんだろう。

 

世界に何故過去はあるんだろう。

 

そもそも、俺は何故いるのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は、なぜ生きている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなことは考えてはいけないはずなのに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生きている意味を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教えてほしい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰でもいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰か

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      教えてくれ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はそう思ってしまった。過去の事なんて忘れられないのだ。中学で苛められていたことなんて、今になっても引きずっている。しかも、俺の方が強いはずなのに、俺が最弱になる。

どうしてだろう。

俺が弱いんだ。

ならどうすれば強くなれる。

過去を捨て去るしかない。

どうやって。

分からない。

自問自答の繰り返しだ。何も分からない、弱い人間なんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

呼び鈴が夜の廊下に鳴り響いた。何回も反響して、まるでホラーのような。謎の冷たい風も当たった。

それに、胡桃は出た。微かにドアの向こうから聞こえる、エコーのかかった胡桃の声。やはり反響している。

そのあと、ノイズのかかった野太い声がした。その声は、反響どころか、俺の耳に直接入った。

 

「月島はいるか。柊だ」

 

聞き覚えはない。だが、声変わりした俺の中学の同級生。

あぁ、もう俺は終わった。俺は気付かれていると思い、呼び鈴から話した。

 

「はい」

「久しぶりだな、柊。お前みたいなやつでも妻はできるんだな」

 

スピーカーでノイズの混ざっている声。しかし、俺には聞こえていた。はっきりと。胡桃は怒って言った。

 

「みたいなやつって、なにその言い方!」

「俺が外に出て話そう」

 

俺は外に出た。胡桃は置いていった。俺の問題だから。

 

 

 

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