高校生からの物語 完結   作:月島柊

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第20話 デート4日目

 「ぷはっ」

俺の食ってるものが辛すぎたらしく、ましろちゃんは水を頼んできた。

 

「無理して食わせたかな、俺」

「いや、食べたの私だから」

 

俺は辛いとか別に平気なんだが、ましろちゃんはダメだったっぽいな。それにしても…

 

「なんかましろちゃん結構食ったな」

 

皿の半分がなくなっている。かなり食った。自分の食えなくないか。

 

「食べれるから大丈夫です。」

 

思ったより食えるのかな?俺は残りを食った。

 

 そして飲食店を出た俺は新宿駅に戻る。新宿駅を中心に動いているため大体新宿駅に戻ってから行く。

 

「もう帰っちゃうの」

「どうかな。今からどこ行く」

「暖かいところ?」

 

そんなところ簡単にあるはずないだろ。この辺も涼しい感じだし。

 

「電車のなか暖かいかな」

「だったらあそこ行きたい!ついてきて」

 

俺はましろと手を繋いで新宿駅の中に向かった。

階段を降りたのは中央線11、12番線。高尾方面の電車が発着するホームだ。

 

「ここからどこ行くんだ」

「遠いけどついてきて」

 

13:37中央特快高尾行き。遠くって言ってたけど多分大月とかそこら辺だろう。

 

 14:18高尾着。3番線に14:28発大月行きの案内が出ていた。

 

「次は14:28大月行きか?」

「ううん、15時発の小淵沢行き。」

 

15時発ってまだ40分以上あるじゃないか。しかも大月行きに乗らないってことは目的地は大月より遠いのか?

 

 15時丁度発小淵沢行き。3両の電車で急に短くなった。

 

「どこまで乗るんだ」

「小淵沢までです。2時間くらいありますかね」

 

調べてみるとこの電車が小淵沢に着くのは17:28だった。あと2時間と28分か。長いな

 

「もうどこ行くか教えてくれよ」

「夜景見に行きたいから」

 

夜景だけじゃ分からないだろうが。有名な夜景の名所か。松本城とかかな。

 

「あ、そうだ。松本城じゃないからね」

 

心を読まれていたかのようだった。松本城じゃないんだったらどこだ?

 

 分からないまま小淵沢に着いた。今度は17:35発長野行き。段々寒くなってきた。標高も新宿より高いからか気温は10℃前後。その時、駅の放送があった。

 

「今度の17:35発普通列車長野行きですが、只今安全確認で15分遅れて運転をしております」

 

折り返しの前に遅れたんだろう。10分くらいは遅れるかな。しかしこの気温で15分は辛いな。

気温計を見てみると3℃を指していた。1桁代でかなり寒い。

 

「うぅっ…」

 

ましろちゃんが唸る。寒いのかな

 

「寒いか?」

「ちょっとだけ…」

 

無理してるんじゃないか。しかも俺だけが上着羽織ってるし。俺は羽織っていた上着をましろちゃんにあげた。

 

「これ着てろ。10分くらいで着くから」

「えっ、柊くんは寒くないんですか」

「10分だったら待てるよ。」

 

さっきの暖かみがまだ残ってるし。

 

 予定より15分遅れて小淵沢駅を出発した。松本で14分遅れた19:18着。しかしここで元々10分停車するため発車は19:19。5分遅れだ。外はもう暗い。冬の19時はもう暗いからな。

 

「あともう少し…」

「どこに行くんだよ。ここら辺でいい気がするんだが」

「まだ待って」

 

 姨捨に4分遅れの20時丁度に着くと、ましろちゃんが立ち上がった。

 

「降りるよ!」

「ここでか?」

 

向かってみた感じただの駅にしか見えないんだが。すると、ホームのベンチが線路とは逆に向いているのに気づく。その向こうは…

 

「すげぇ…ここに連れてきたかったのか」

「うん。1回でいいから来てみたかったの」

 

夜景が1面に広がっていた。ここではずっといれる気がした。

 

「次は21:48だからあと1時間48分か」

「一緒にいれるからね」

 

しかし帰りが気になって俺はルートを調べる。すると

 

「ダメ。今は夜景と私を見て」

「分かった。」

 

夜景と一緒にましろちゃんを見ると、白い髪と夜景が丁度合っていて綺麗だった。

 

「ましろちゃんの髪と合ってるよ」

「そう?ありがとう」

 

 あっという間に時間は過ぎていく。20時に着いたのにもう21:48だった。もう少し居たかったな。

 

「帰ろうか。長野から新幹線は…」

 

見てみると22:08が最終だった。このまま長野へ行くと22:15に長野に着くためホテルか。

 

「長野で1泊だな」

「明日の始発で帰るの?」

「そう言うことだな。」

 

22:15に着くとホテルをとる。駅前のが空いていたためそこに向かう。

部屋に着いた俺は彩にビデオ通話を行う。

 

「彩、明日の始発で帰る」

《わかった。気を付けて》

 

だそうだ。

 

 翌日6:02あさま600号で高崎へ。俺が通路側、ましろちゃんが窓側で座る。

 

「楽しかった?」

「デート、楽しかった…」

 

すっかり浸ってるな。そう言ってもらえると嬉しいな。

 

「疲れてたら寝ていいからな」

「もったいない。」

 

そんなに一緒にいたいのかよ。

乗っているあさまは長野から各駅に停車する最遅達だ。あさま600号は途中の追い越しはないが、停車駅はもっとも多い。ただ、かがやきに乗ってしまうと高崎を通過してしまうためはくたかかあさましか乗れないのだ。

 

 高崎には6:49。次は高崎線で帰ることになる。

 

「ましろちゃんは大宮まで乗らないのか。武蔵浦和だったら大宮まで言った方が早いだろ」

「一緒にいたいから浦和まで乗っていく。浦和から京浜東北線と武蔵野線で帰る」

 

俺もついていきたいけど彩がいるからな。

 

「7:01ですかね?」

「7:12品川行きだよ」

 

俺はわざと1本見送ったのだ。

 

「どうして7:12?7:01の湘南新宿ラインでも」

「混むからな。品川行きの方が空いてる」

 

新宿方面で横浜まで直行だから混む。しかし品川行きだと東京からは空いてるから比較的空いてる。

俺はグリーン券売機に向かう。

 

「suica貸して」

「どこ行くの」

「グリーン券売機だ。グリーン券情報書き込むんだ」

 

俺はグリーン券売機に着くとましろちゃんのsuicaを置き、高崎から浦和までの情報を、俺のsuicaには高崎から神保原の情報を書き込んだ。高崎から神保原は3駅しかないからもったいない気もするが。

 

「やって来たぞ」

「ありがとう。そうだ、柊くん先に帰ってていいよ」

「え?いいのか」

「疲れただろうし、彩さんもいるから」

 

確かに俺は先に帰れる。どうするか。

 

「分かった。じゃあ、7:01で帰るからな」

「はい。浦和着いたら連絡します」

 

俺は止まっていた7:01発湘南新宿ライン快速国府津行きに乗った。外からましろちゃんが手を振っていたが、俺はよかったのか分からなかった。

 

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