高校生からの物語 完結   作:月島柊

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第29話 旅行

 車で鶴の湯温泉に向かっていると、いろんな場所を通りすぎる。首都高では交代はないが、東北道から交代だ。

 

「もうすぐ蓮田だな。交代だ」

「トイレ行ってきていい?」

 

ジュンがバックミラー越しに手を挙げているのに気づく。

 

「いいぞ。トイレは今のうちで」

 

俺だって行きたいから。

蓮田SAに着くと、俺とジュンは車を出る。みうは運転席に座る。

 

「行ってくる」

 

そう言って俺はトイレへ。

トイレを済ませると、先に電話しておく。

 

「彩?蓮田着いたよ」

《オッケー。次ってどこで交代?》

「黒磯。じゃあ、黒磯で連絡するよ」

《分かった。気を付けて》

「ありがとう。彩」

 

彩との電話だった。

 

「柊くん!早く行くよ!」

「分かった。今行く」

 

早く行かないとみうもストレスたまるか。

 

「俺が後ろ行けばいいんだな。あーや、隣失礼するぞ」

「どうぞー」

 

クールだった。みうが運転し、麗華が助手席、ニコルとジュンが1つ後ろ、俺とあーやが1番後ろだ。

 

「行きますね…」

 

不安だったがしっかり出来そうだ。

 

 あーやとはずっとくっついていた。誰もこっちを見ない。羨ましいから。

 

「なにくっついてるの?」

「あーやがくっついてきたんだろ」

「私ね、今日、下着着てきてないんだ」

 

着てないのか!?っていうか、なにこの出っ張ってるの。まさか…

 

「これ気になってる?これね、乳首」

「何言ってるんだ!言わなくていい!」

 

全く、何言ってるんだ。

 

 黒磯に着いて、みうから麗華に交代する。少し休憩してから。

 

「彩、黒磯着いたぞ」

《無事みたいね。次も連絡頂戴ね》

「分かった。大好きだ、全員」

 

 黒磯を出発し、次の福島松川PAを目指す。電車だと郡山を少し過ぎた辺り。

 

「麗華って免許持ってたんだな」

「うん。最近運転してなかったけどね」

 

運転してないのが1番不安だよ。

 

「柊くん柊くん、ゲームしよ!」

「ゲーム?なんのゲームだ」

「あっち向いてホイ」

 

子供かよ!思わず心のなかでつっこむ。すると、前にいるあーやが言った。

 

「子供だね」

「子供じゃない!」

「あっち向いてホイやる時点で子供だろ」

 

俺もあーやにのる。

 

「いいの!絢香もやろ!」

「しょうがないなぁ。」

「いくよ!」

 

俺じゃんけん強いけどいいのかな?

 

「じゃんけんポイ!」

 

案の定俺が1人勝ち。あーやとジュンは負けた。2人でじゃんけんして負けた方がさせられる。

 

「じゃんけんポイ!」

 

あーやがチョキ、ジュンがパーだった。提案者が負けてるじゃないか。

 

「あっち向いてホイ」

 

俺が左を指すと、ジュンも左を向く。俺の勝ちだな。

 

「俺はやめるからな。勝ったし。音楽でも聴くかな」

「あっ、私も」

 

あーやが前の席から言った。そういえば、あーやとジュンは運転しないもんな。

 

「ワイヤレスだからいいよ。ニコルも聴くか?」

 

助手席のニコルに聞いた。

 

「聴く!」

 

俺はワイヤレスイヤホンをもう1組取り出す。設定は俺のスマホだ。

 

「じゃあなんの曲がいい」

「22/7の曲がいいんじゃない」

 

やっぱりそうだよな。俺は22/7「理解者」を流した。

 

「理解者にしたんだ」

「俺の好きな曲だし」

 

4分くらいだから少しは稼げるだろ、距離。

 

 理解者とか循環バスとか聴いて20分が経った。

 

「下りは空いてるね」

「そうだな。あと何キロくらいだ」

「あと10kmくらいじゃない」

 

10kmか。だったらまだいけるな。計算になるが、仮に70km/hで進むとすると、10kmだと、1/7。すると、およそではあるが、8分34秒になる。曲の長さが1曲大体4分から5分。2曲聴けることになる。

 

「あと何聴く」

「理解者とか」

 

2回目に入ってくるよな、やっぱり。

 

「じゃあ再生するな。」

 

再生させると、ニコルは口ずさんでいた。

 

(かわいい…)

 

 福島松川PAに着き、俺はエコノミー症候群にならないように外に出る。ニコル、かわいかったな。

 

(もう9時か。早いな)

 

上野を出たのが5時半だからもう3時間半経っている。

 

「柊くん、今日行く温泉ってどんなの?」

「温泉だけじゃないからな。えっと、評価は4つ半だな」

 

5つ星はなかったからしょうがない。

 

「そうなんだ、楽しみ!」

 

ジュンが跳び跳ねて喜んだ。

 

「楽しみにしてろ。俺今度助手席だよな」

 

俺は車に戻る。ニコルが長者原PAまで運転する。1時間半だ。

 

「空いてるからはやいかもな」

「そうね。さ、行こっか」

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