車で鶴の湯温泉に向かっていると、いろんな場所を通りすぎる。首都高では交代はないが、東北道から交代だ。
「もうすぐ蓮田だな。交代だ」
「トイレ行ってきていい?」
ジュンがバックミラー越しに手を挙げているのに気づく。
「いいぞ。トイレは今のうちで」
俺だって行きたいから。
蓮田SAに着くと、俺とジュンは車を出る。みうは運転席に座る。
「行ってくる」
そう言って俺はトイレへ。
トイレを済ませると、先に電話しておく。
「彩?蓮田着いたよ」
《オッケー。次ってどこで交代?》
「黒磯。じゃあ、黒磯で連絡するよ」
《分かった。気を付けて》
「ありがとう。彩」
彩との電話だった。
「柊くん!早く行くよ!」
「分かった。今行く」
早く行かないとみうもストレスたまるか。
「俺が後ろ行けばいいんだな。あーや、隣失礼するぞ」
「どうぞー」
クールだった。みうが運転し、麗華が助手席、ニコルとジュンが1つ後ろ、俺とあーやが1番後ろだ。
「行きますね…」
不安だったがしっかり出来そうだ。
あーやとはずっとくっついていた。誰もこっちを見ない。羨ましいから。
「なにくっついてるの?」
「あーやがくっついてきたんだろ」
「私ね、今日、下着着てきてないんだ」
着てないのか!?っていうか、なにこの出っ張ってるの。まさか…
「これ気になってる?これね、乳首」
「何言ってるんだ!言わなくていい!」
全く、何言ってるんだ。
黒磯に着いて、みうから麗華に交代する。少し休憩してから。
「彩、黒磯着いたぞ」
《無事みたいね。次も連絡頂戴ね》
「分かった。大好きだ、全員」
黒磯を出発し、次の福島松川PAを目指す。電車だと郡山を少し過ぎた辺り。
「麗華って免許持ってたんだな」
「うん。最近運転してなかったけどね」
運転してないのが1番不安だよ。
「柊くん柊くん、ゲームしよ!」
「ゲーム?なんのゲームだ」
「あっち向いてホイ」
子供かよ!思わず心のなかでつっこむ。すると、前にいるあーやが言った。
「子供だね」
「子供じゃない!」
「あっち向いてホイやる時点で子供だろ」
俺もあーやにのる。
「いいの!絢香もやろ!」
「しょうがないなぁ。」
「いくよ!」
俺じゃんけん強いけどいいのかな?
「じゃんけんポイ!」
案の定俺が1人勝ち。あーやとジュンは負けた。2人でじゃんけんして負けた方がさせられる。
「じゃんけんポイ!」
あーやがチョキ、ジュンがパーだった。提案者が負けてるじゃないか。
「あっち向いてホイ」
俺が左を指すと、ジュンも左を向く。俺の勝ちだな。
「俺はやめるからな。勝ったし。音楽でも聴くかな」
「あっ、私も」
あーやが前の席から言った。そういえば、あーやとジュンは運転しないもんな。
「ワイヤレスだからいいよ。ニコルも聴くか?」
助手席のニコルに聞いた。
「聴く!」
俺はワイヤレスイヤホンをもう1組取り出す。設定は俺のスマホだ。
「じゃあなんの曲がいい」
「22/7の曲がいいんじゃない」
やっぱりそうだよな。俺は22/7「理解者」を流した。
「理解者にしたんだ」
「俺の好きな曲だし」
4分くらいだから少しは稼げるだろ、距離。
理解者とか循環バスとか聴いて20分が経った。
「下りは空いてるね」
「そうだな。あと何キロくらいだ」
「あと10kmくらいじゃない」
10kmか。だったらまだいけるな。計算になるが、仮に70km/hで進むとすると、10kmだと、1/7。すると、およそではあるが、8分34秒になる。曲の長さが1曲大体4分から5分。2曲聴けることになる。
「あと何聴く」
「理解者とか」
2回目に入ってくるよな、やっぱり。
「じゃあ再生するな。」
再生させると、ニコルは口ずさんでいた。
(かわいい…)
福島松川PAに着き、俺はエコノミー症候群にならないように外に出る。ニコル、かわいかったな。
(もう9時か。早いな)
上野を出たのが5時半だからもう3時間半経っている。
「柊くん、今日行く温泉ってどんなの?」
「温泉だけじゃないからな。えっと、評価は4つ半だな」
5つ星はなかったからしょうがない。
「そうなんだ、楽しみ!」
ジュンが跳び跳ねて喜んだ。
「楽しみにしてろ。俺今度助手席だよな」
俺は車に戻る。ニコルが長者原PAまで運転する。1時間半だ。
「空いてるからはやいかもな」
「そうね。さ、行こっか」
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