高校生からの物語 完結   作:月島柊

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今日は胡桃と彩、彩夏が中心です。そういえば、柊ってなまえのひといるんですか?


第48話 胡桃

 俺と胡桃は布団の中でくっついて黙っていた。俺は無心でいたが、胡桃はみるみる顔が赤くなっていく。

 

「いないのか…?」

 

そのまま出ていってくれ、頼むから。

 

「柊くん…固い…」

 

胡桃が触ったのは俺の指だった。俺の手は胡桃の体に触れていたが、仕方なく黙ってたんだけど、さすがにダメだったか。

 

「我慢してくれ、出ていくまで」

 

しばらくこのままでいたが、出ていったのを確認すると、俺と胡桃は布団から出ていった。

 

「ふぅ…警察呼ぶか」

「そうして…」

 

俺は部屋から出て元カレの腕を掴む。手首を強く掴んだ。警察に電話をかけて。

 

「お前、どういうつもりだ」

「は?なにもしてないだろ」

「不法侵入。あ、もしもし、あの神保原の――」

 

俺は警察を呼んだ。元カレは少し焦っているが腕からは離れなかった。

15分で警察が来た。

 

「この人俺知らないんですが、勝手に入ってきたんです」

「君、本当かい」

「…だって元カノいるんだからいいだろ」

 

許可出してないのに来るのは勝手に入ってきてるのと同じだろ。

 

「許可してないし、連絡ないし。俺知らないし」

「ちょっと署で話し聞くからね」

 

警察は元カレを連れていった。あとで知ったことだが、不法侵入で罰金5万、隠れて殺人未遂をしていたため懲役5年が課せられたそうだ。

 

「胡桃、おいで」

 

胡桃はぎゅっと俺を抱き締めた。ニコッと笑って俺を見てくれた。

 

「風邪は治ったな」

「おかげさまで。」

 

それにしても俺には信じられないことがあった。普通気温が3℃で半袖でも倒れるほど寒くはならないと思ったのだ。まだ震えて風邪をひくぐらいだったら分かるが、いくらなんでも倒れはしないと思った。

俺は下に降りるとゲーム部屋のエアコンを10℃、扇風機を2台動かした。丁度あの時と同じ状況。窓はたしか全部しまっていた。俺はあの時と同じように5時間立ち入り禁止にした。今はもう23:50。明日の4:30にみんな起こして、4:50に様子を見る。

 

 そして翌日4:45、みんなでゲーム部屋の前に行った。外からでは感じないが、木のドアをさわると冷たかった。

 

「じゃあ開けるぞ4:52、解放」

 

4:52、ドアを開けた。温度計は3℃を指している。しかし別の温度計では氷点下まで下がっていた。-26℃。29℃の差があったのだ。

 

「壁の温度計、壊れてたのね」

「そうだな。3℃以下に落ちないから」

「胡桃ちゃん、どうして寒くしたの?」

 

俺もそれは気になった。なんで倒れるほど寒くしたんだろう。

 

「柊くんが、私を嫌ったのかって思って」

「嫌ったって…そんなことない」

「そうなの?だって、電車も合わないから…」

 

そういうことか。確かに早く出るようにしたから会わないよな。

 

「早く出てたから。仕事で」

「そうなの?じゃあ、私の…////」

 

胡桃は顔を赤くした。勘違いなのが恥かしかったんだろう。

 

「なんだ、勘違いか。そういえば、明日から戻るから。時間」

「私も明日からお兄ちゃんと一緒に行くから、みんな一緒だね!」

「私は鴻巣なんだけどね」

 

それぞれ彩夏の仕事の最寄り駅は、俺とかりな、彩夏は上野、胡桃が小山、彩は鴻巣だった。彩夏、かりなは高校にいくのがもったいないと俺が教えることになった。

 

「じゃあ少し休もうかな。」

「じゃあ私も休もうかな」

 

みんなでストーブの効いたリビングで休んだ。俺だって出ていくまでまだ時間がある。休日に乗った籠原6:50発を平日にした電車に乗る。確か湘南新宿ライン東海道線直通快速国府津行きだったはず。神保原は6:28発だった。

 

「あれ、彩は鴻巣でなにするんだ」

「言ってなかったっけ、先生だよ」

 

そんなの聴いてない。教員免許いつとったんだよ。

 

「教員免許は」

「社会。」

 

よりによって社会か。俺も教員免許持ってるけど。まぁだから引き受けたんだけど。

 

「俺、数学と理科、音楽の免許」

 

3教科だけ。理数系と音楽だけ。

 

「胡桃って確か国語と英語得意だよな」

「I have a specialty in English.」

 

彩と彩夏は「へ?」となに言ってるか分かってないっぽい。たしか「私は英語が得意です。」だったっけ。俺はまぁまぁ分かる。返事は…

 

「I thought so」

 

自分もそう思ったという意味。

 

「Thank You」

 

これくらいだったら分かるだろ。まぁ難しい単語は全く分からないけど。

 

「じゃあ家では彩が社会、胡桃は国語と英語だな」

 

それ以外は…まぁ大丈夫か。

 

 6時丁度、俺たちは家を出た。家が誰もいなくなるのは久しぶりだった。今回は妹もいて普通車でキスするところは見せられないからグリーン車の平屋席。12席で5人。半分くらいだった。

 

「あ、今日は普通車じゃないんだ」

「混んでるし、彩夏たちが満員電車に慣れてないから」

「北海道の時も通学で乗ったよ?」

「そっちとは比べ物にならない。」

 

あっちは乗車率105%あったら混んでた方だけど、こっちは大宮過ぎて185%超えてるから。その中でいつもキスを…

 

「はぁ…」

「なに?嫌じゃないでしょ?」

 

嫌じゃないけど、よく考えたらさすがに混んでたんだ。

 

「俺たち遠いんだよな。」

「うーん、鴻巣も遠いからね」

 

そういえば、胡桃の会社はどんなのなんだろう。行ったことないから行ってみたいな。




久しぶりのあとがき。今度は胡桃視点になります。また、50話なんですが、長編作品の代わりにスペシャル編をやるかもしれません。まぁ気分しだいですね。
それでは、次回もお楽しみに!

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