その日の夜20時、東京駅丸の内口から出た道にいた。あたりはクリスマスカラー一色だった。
「話って?」
「胡桃」
俺はポケットから指輪の箱を取り出した。そして胡桃の前で箱を開ける。
「胡桃、結婚してくれないか」
「…私と…?」
「あぁ。ダメかな」
胡桃は下を向いてくらい表情に見えた。あぁ、ダメだったか。すると胡桃が俺の耳に口を近づけて言った。
「いいよ。結婚」
「いいのか、俺でも」
「いいよ。前から一緒だったし」
俺は胡桃の右薬指に指輪をはめた。ピッタリよりほんの少し緩いくらいで丁度よかった。
「わあっ、指輪…ありがとう!柊くん!」
「仕事で会えないかもだけど、なるべく早く帰るから」
「絶対ね!柊くん、私もね」
胡桃は指輪を俺の右薬指にはめた。俺の方も少し緩いくらいで丁度いい。
「胡桃…」
「お揃いじゃないけど、指輪は2人しないとねっ」
「胡桃、ありがとう。」
俺たちは夜だからかホテルに入っていた。なにもしないがなんか雑談しかしていなかった。
「指輪いつ買ったの?」
「スワンボート俺が降りてから」
「それで思ったんだけどさ、真ん中に行ったときに渡そうと思ってた?」
「なんだ気づいてたか。けど夜の方がいいだろ?雰囲気とかさ」
夜だったら雰囲気もよくなると思っただけだ。それ以外の理由はなにもない。
「柊くん、寝よ。来て」
指輪を渡してからかただの恋人じゃなくなった気がした。なんと言うか、夫婦?みたいな感じで。
「私の旦那さん♪」
「まだ式もあげてないけどな。」
「明日婚姻届出すんでしょ?柊くんの事だから」
なんだ、分かってたか。俺の性格まで胡桃にはバレていたらしい。
「よく分かったね。じゃあ、寝ようか」
「うん。ぎゅっ」
胡桃が言ったと同時に抱きついてくる。しかし、もう恥ずかしい気はしない。胡桃はもう俺の妻だから。
「胡桃、かわいい」
「柊くんこそ、かっこいいよ」
そういって、俺たちは目を瞑った。明日は朝から忙しくなりそうだ。
翌日、神保原まで行くと、町役場に向かった。婚姻届を出すためだ。名前のところに、月島柊、葉元胡桃と書いて提出した。ここで俺と胡桃は正式に結婚したのだ。12月26日だった。
「柊くん、家帰ろ?」
「え、まだ終わってないけど」
「もう大丈夫。これで私は幸せだから」
俺たちは家に帰った。今は誰もいないんだろうな。時間も10時を過ぎてるし。
家に着くと居間で俺と胡桃は寝転がった。2人で抱きついて笑い合っていた。
「柊くん…」
「胡桃…」
俺たちは抱きついたままで2人見合っていた。
「柊くん、キス、しよ」
「あぁ。しよう」
結婚してからはじめてのキスだ。いつもしているキスとはなにかが違う。
「柊くん、好き」
「俺も。」
俺と胡桃は抱きついたままでいた。
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