高校生からの物語 完結   作:月島柊

69 / 203
今回はかりなが行方不明になった続きです。直感で書いてますが面白いかな。
今回の登場人物
月島柊(主)
月島かりな(主)


第64話 かりな 2日目

 俺は裸足のまま畑の横にある坂道を上った。かりなと俺が2人でいつもいた場所はこの坂を上った右側にある。

 

【追憶】

 

 かりなと俺はいつもここに来ていた。なにか困ったり、悩んだりするとここで話したり、2人きりで話したいことも全部ここで話していた。

 

「それでね、今日彩夏ちゃんが――」

 

懐かしいな。このときはまだ神保原に来たばっかりの頃か。いつもこういう風に話していて、楽しかった。

 

「そうそう!やっぱり――」

 

2人で草むらに寝転がったりして、かりなはこれを楽しみにしていた。

 

「お兄ちゃん、聞いてる?」

 

少し疑われても笑って返す。いつもそうで、かりなも笑っていた。

 

「お兄ちゃん、好き」

 

よく好きだなんて言ってた。俺も妹だから嬉しかった。そんなかりなが、1人で行くなんて。

 

【現在】

 

 「くっそ…」

 

足の痛みが伝わってくる。多分傷だらけなんだろう。でも、下を向くんだったら前を見た方がいい。俺はゆっくりと坂を上がっていく。

坂を上がり終わると、俺はいつも2人でいるところを見た。かりなは

 

「かりな…かりな!」

 

俺はかりなの名前を叫ぶ。かりなからの返事はない。俺は力尽きて地面に音を立てて倒れる。これで俺はすべての力を出し切ったのだ。誰かがかりなを見つけてくれればそれでいい。

 

【月島かりな視点】

 

 「かりな…かりな!

 

小さく、遠くからお兄ちゃんの声がする。私がいる場所はいつもお兄ちゃんと一緒に来ているところで、お兄ちゃんが来るのを待っていた。声の方向に私は後ろを振り返る。振り向いても誰もいない。木しかない。

バタン

倒れる音が横からする。私は横に向かって走った。お兄ちゃんの声、倒れる音。まさかだけど、お兄ちゃんが私を探してくれてた?じゃあ、倒れる音って…

横にある道にはお兄ちゃんが倒れていた。外は真っ暗で、気付きづらかった。私はお兄ちゃんの首もとに手を当てる。まだ脈はある。生きてる。

 

「お兄ちゃん!起きてよ!ねぇっ!」

 

お兄ちゃんに聞こえるほどの大声で叫んだ。車で彩ちゃん、胡桃ちゃん、彩夏ちゃんが乗ってきた。

 

「お兄ちゃんが!」

 

全員が降りてきてお兄ちゃんを触る。

 

「連れていこ。家だったらどうにか出きるかも」

「分かった。彩夏ちゃん肩持って」

 

私はふくらはぎを持つ。裸足で足は傷だらけだった。傷だらけどころか、裏には血が流れ出ている。

 

「後ろに乗せよ。私と彩夏ちゃんの膝に乗せる」

「分かった。行くよ」

 

せーのっの掛け声でお兄ちゃんを持ち上げる。落ちないように膝に乗せたあと、手で押さえる。

 

「お兄ちゃん、生きててね」

「かりなちゃん、どうして1人で出たの」

「お兄ちゃんが来ると思って」

 

半分はそうだけど、本来の目的は違う。私は…

 

 家に着くとすぐに足を洗った。血が流れて、足から垂れる。水も赤くなった。

 

「うぅっ…」

「お兄ちゃん!」

 

お兄ちゃんが声を出した。そして目を開けた。

 

「かりな?いたのか…」

「ごめんね、私が気付かなくて…」

「大丈夫…いっ」

 

お兄ちゃんが目を強く閉じ、歯を食い縛った。

 

「痛い?」

「あぁ、裸足で出ていったからか…」

 

お兄ちゃんの足を水洗いしたのを確認し、私はお兄ちゃんの傷だらけの足に口を近付けて、舐めようとする。

 

「かりなちゃん、舐めたらバイ菌が入って悪化しちゃうよ!」

「ならない。なったら私が責任取る」

 

私はならない自信があった。理由は…

 

           ◇

 

 私はお兄ちゃんが来ることを信じて、お兄ちゃんから前に教えてもらった魔法を試した。攻撃的な魔法ではなく、きれいな魔法。花火みたいにピンクとか光る火花、いろんな色に光るライト、1番の見せ所は治癒魔法だった。これで私やお兄ちゃんが傷ついても治せるから。治癒魔法まで成功しても、お兄ちゃんは来ない。いつ来るんだろう。私は魔法で出したライトを横に置き、周囲を明るく照らした。

 

           ◇

 

 治癒魔法は自分でしか試してないけど、血液型も同じ、血も繋がってるからいけるはず。私は口から小さく舌を出す。

 

「かりな、責任取るのか」

「うん。絶対」

「柊くん、本当にいいの、悪化したら」

 

お兄ちゃんは少し間を空けて言った。

 

かりなの事だから、信じる

 

お兄ちゃんは誰も見ずに、彩ちゃんと胡桃ちゃんに持たれているまま上を見て言った。

 

妹を信じない兄がどこにいる。俺はそんな奴がいたら許さない。

 

お兄ちゃんは私に許可した。

 

「かりな、いいよ」

 

私は魔法を込めてお兄ちゃんの足を舐める。かかとから爪先まで舐めた。そして中指辺りまでを私の口のなかに入れる。咥えた上で舐めた。爪先の傷がひどかったから。

 

「ん」

 

私は爪先を舐めたあと、足の表側も舐めた。そんなに傷はないけど、一応だった。

 

「すごい…治ってる…」

 

一瞬の間光り、その後に見えたのは傷が消えたお兄ちゃんの足だった。私が目を離すと、お兄ちゃんの口元から血が出ているのに気付く。

 

「お兄ちゃん、顔にも傷ある…」

 

私はお兄ちゃんの顔も舐める。あんまり、というかキスしたことは私はない。彼氏もいないし、付き合ってる人もいない。だからキスをしないように口の周りを舐めた。

 

「かりな、キスしないんだな」

「だっ、だって!したら、ファーストキスだし…」

 

私は恥ずかしくなった。舐めるのをやめると、お兄ちゃんは降りて、私を抱き締め、キスをした。

 

「ん」

「んんっ!?」

 

私は頭のなかが真っ白になった。あれ、なにすればいいの?

 

「かりなの初めて奪ってみた」

「もう…柊くん…治ったからって…あっ」

 

私はお兄ちゃんではなく「柊くん」と呼んでいた。

 

「あっ、ごめん!」

「あはは、いいよ。柊くんでも」

 

お兄ちゃん、いや、「柊くん」は笑っていった。私は柊くんから離れずにいた。

 




唐突な記号説明
「」…会話文
()…思っていること、夢の中の会話etc.
《》…電話時の相手の会話。自分のは「」
〈〉…メール上のやり取り。自分のもこれになる
【】…視点が変わる時、回想シーンetc.
◇…少し(1日ほど)遡るとき
◆…少し(1日ほど)遡り、視点も変わる時
このくらいですかね。『』って使ってましたっけ。使ってたら教えてね!Twitterでもいいから。何話か教えてね!

第何話で二章終わりにした方がいい?

  • 70話
  • 80話
  • 90話
  • 100話
  • 101話以上
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。