今回の登場人物
月島柊
月島胡桃
月島彩夏
月島かりな
登場人物紹介
月島柊
3年前に大学を卒業した25歳の男性。1月7日には月島(旧姓葉元)胡桃と結婚し、丸山彩、月島彩夏、月島かりなと同居している。大学は北海道で、高校時代の記憶が最近まで思い出せなかった。しかし胡桃と結婚したことで思い出せるようになった。自分では分かっていないが、周りからは「優しい」と感じられているらしい。
「ほへ?なんか言ったか?」
げっ、柊…なにも言ってないよ
「そうか?ならいいけど」
なんか長くなりましたね。それでは本編へどうぞ
俺は1月の後半になって深谷に引っ越し準備をし始めた。小さいものから自分で持っていけるものはもう持っていった。胡桃は仕事に行っていたが、俺はひたすら神保原と深谷を電車で往復していた。神保原から御徒町までの定期があるからいくら往復しても問題ない。
「ふぅ…あと3日か」
俺は独り言を呟いた。今日は1月29日。結婚から22日、引っ越しまであと3日だ。
「少し休んでくか…」
俺はまだベットを置いていない寝室の床に寝転がった。俺だってこれで6往復半だから疲労が溜まっている。俺が寝転がっていると、彩から電話が来た。
「はーい、休んでる柊でーす」
俺はだらけて電話に出た。しかし、彩は緊迫とした声だった。
《胡桃ちゃんが!》
「まず落ち着いて。胡桃がどうしたんだ」
《今電話あったんだけど、病院で――》
俺はすぐに電話を切って家を駆け出した。鍵だけ閉めて、ケータイだけをもって深谷駅に走った。定期区間なんて全く無視してとにかく最初に来た12:42発特別快速小田原行きに乗った。高崎線内は最速で抜けられる。問題は大宮から小山。ルートを条件無しで選ぶと、大宮で13:38発東北新幹線なすの259号(E5系)に乗り換えられると出ていた。普通電車だと17分遅くなってしまう。俺は高崎線の車内で、なすの259号の切符をとった。大宮13:38と書かれている。決定し、俺は大宮到着時刻を調べる。13:26と書かれている。
鴻巣を出発しても、俺は遅い気がしてならなかった。いつもだったらもう池袋まで来ているように感じた。もし、俺が病院に着くのが遅れて…
頭のなかで心拍数が書かれているモニターの1番上が0になったのが浮かんだ。同時にピーッと音がなる。こうなったら、胡桃は死んでしまう。俺はどうなるだろう。大事な人が俺のいないところで死んでしまう。俺も自殺するかな。俺が思う胡桃がいなくなるのはどれだけ嫌か、今知った。
【丸山彩視点】
私は彩夏ちゃんとかりなちゃんを連れて、私は13:29発湘南新宿ライン特別快速小田原行きに乗った。胡桃ちゃんが病院に搬送された。大宮からは新幹線って書いてあるけど、さすがに…
鴻巣を過ぎて、私は階段に近い号車に向かった。6号車から7号車を通ると、ロングシートに柊くんがうつむいて座っていた。
「柊くん」
返答はない。というか、目を開けてるのかも分からない。目開けてる?私は彩夏ちゃんとかりなちゃんと一緒に柊くんを囲むように座った。
「柊くん」
かりなちゃんが呼んでも反応はない。
「柊くん!」
私が耳元で呼ぶと柊くんは生き返ったかのように私たちに気付いた。
「あっ、あぁ…」
「柊くん、胡桃ちゃんの病院行くんでしょ」
「あぁ…大宮からは新幹線で」
「そうなんだ。私たち宇都宮線で行かないと」
柊くんは新幹線で行くそうだった。しかし、私は無理に一緒に行こうとすることはしなかった。柊くんが気付かなかったのは多分胡桃ちゃんのことを心配していたから。
「そうか…」
私は柊くんにはあまり離しかけずにずっといた。
【月島柊視点】
俺は6番線に降りて、新幹線ホーム17番線に向かった。JREチケットで切符を買っているからスマホを改札に当てて17番線に向かった。
「17番線に、なすの259号郡山行きが到着します」
駅員による放送があった。俺は3号車自由席に座った。1駅しか乗らないが、意味はある。
13:53に小山に着いた。徒歩5分のところにある病院に胡桃は入っているそうだった。俺は面会の許可を得て、胡桃の病室に行った。
「胡桃!」
「大丈夫ですよ。意識はあります」
よかった。胡桃はベットに横になり、布団を肩までかけていた。
「柊くん…ごめんね、引っ越しの途中なのに」
「何言ってるんだ。俺は胡桃のためだったらどこにでも行くよ。」
俺は胡桃に近づき、胡桃の手を握った。
「遅くなったな。なるべく急いだんだけど」
「ううん、大丈夫。」
胡桃から俺の手が握られるが、胡桃の手に力は入っていない。緩かったのだ。
「胡桃…力が…」
「あれ……言わないとね」
胡桃は布団を少し下げて、腹部を見せた。そこには包帯が巻かれていて、血が滲んでいた。
「仕事先でね、通り魔にあって。刺されちゃった」
「胡桃…」
胡桃は笑顔を作っているが、明らかに無理している。
「胡桃、無理しないで」
「…柊くんには分かっちゃうか」
胡桃から笑顔が消える。いたそうな顔こそしなかったが、俺は分かっていた。胡桃を刺したのは通り魔じゃないことを。
to be continued…
続きが気になりますねぇ。明日の夜か明後日の朝を目指すのでお楽しみに!
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