高校生からの物語 完結   作:月島柊

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今回の登場人物
月島柊
月島胡桃
月島彩夏
月島かりな
丸山彩
以上5名
人物紹介
月島冬菜(20)
ツンデレで少し乱暴な言葉遣いな時もあるが、内心では柊や暁依が大好き。酔うと本心を出し、ツンデレからデレデレになる。地元が埼玉だからか、北海道より埼玉が好きだったりする。


第77話 胡桃の秘密

 テレワークが終わり、ストーブもだんだん効いてきた。気温も10℃を超え、暖かくなってきた。雪は相変わらず止む気配はなく、俺は駐車場の雪かきをするため外に出た。

 

「寒いなぁ」

 

皮膚が痛くなるほど寒かった。俺は火炎魔法を弱めに使って雪を溶かす。

 

「お兄ちゃーん」

「あ、彩夏。どうした?」

「あのねあのね、裏に雪だるま作ったの!」

 

彩夏は元気があって寒さなんて関係なさそうだな。俺は彩夏についていった。裏には5つならんだ雪だるまがあった。

 

「一番右がお兄ちゃん、2番目が胡桃ちゃん」

 

それだと3番目が彩夏、4番目がかりな、5番目が彩なんだろう。俺は彩夏の頭を撫でた。

 

「上手だね。」

 

その時、家に中からガッシャーンと音がした。俺は急いで家の中に入った。

 

「なんだ、って…」

 

胡桃の頭に乗っているものがピクッと動いた。俺が喋るとそれがピクピク動く。

 

「胡桃?なにそれ」

「耳かな?」

 

ピクッと動く。

 

「触っていい?」

「いいよ…」

 

胡桃が俺に頭を近づけた。俺はピクピク動いている耳を優しく触った。猫耳みたいな感覚で、柔らかかった。

 

「んひゅっ、くっ、くすぐったいぃ」

「くすぐったいのか」

 

俺は人の耳を舐めた。

 

「?」

 

胡桃は不思議そうだった。こっちに感覚はないのか。次は猫耳を舐める。

 

「あぁっ、舐めるのらめぇ…」

 

胡桃の猫耳に感覚がいったのか。俺は猫耳をモフモフした。

 

「くしゅぐったい!りゃめてぇ」

 

胡桃は恥ずかしがっている。俺は胡桃の猫耳がかわいいと思いながらも、治す方法を考えた。

 

「回復魔法かな、それか浄化?」

 

俺は浄化から試した。胡桃の顔が光り、猫耳は消えていた。少し悲しい気もしたが、胡桃は居間に戻っていった。

 

「柊くん、来て」

 

彩が廊下で俺を呼び出した。

 

「なんだよ」

「胡桃ちゃんね、実は…」

 

彩が言ったのと雪が屋根から落ちたのが同時だった。俺は彩から言われたことに驚いた。驚いたというより、衝撃だった。

 

「え…嘘だろ…」

「今度、行ってみれば?」

「あぁ。分かった」

 

胡桃と俺の間に亀裂が入ったわけではないが、胡桃がされていたことを、俺が理解してなかった。

 

「あと、柊くん」

 

彩がもう一言いった。

 

「胡桃ちゃんは、柊くんのこと大好きだよ」

 

俺はうなずいて廊下に留まっていた。胡桃をドア越しに見ていたが、そんなことはなにもなかった。そういえば、最近お風呂を拒否してたっけ。ずっと深夜に入ってたな。

 

「胡桃…俺が気付かなかったのか。」

 

 

 翌日は弱い雪で、前日の大雪で遅延が発生しているだけだった。俺たちはやっとのことで、2日ほど遅れて引っ越しをした。かりなははじめての新居にワクワクしていて、俺は運転していて、胡桃は俺のことを察したのか後部座席で黙っていた。

 

「ねぇ、どうしたの?」

「運転に集中しないと。初めてだから。ここ通るの」

 

俺は運転を言い訳にした。

 

「……」

 

胡桃はくらい表情。やっぱり自分でも分かってるのか。

 

 家に着くと俺は遅れている高崎線に乗って仕事に行くふりをした。胡桃は相変わらず両毛線方面に向かっている。俺はその後続に乗って高崎へ行き、1両後ろの号車で胡桃を見守った。

 

「次は、新前橋です」

 

新前橋手前に来ても、胡桃の周りには人が全くいない。

 

「まもなく、新前橋です。上越線はお乗り換えです」

 

新前橋で人が1人だけ乗ってきた。俺の知らない女性だった。声は聞こえないが、なにか向かい合って話している。その時だった。胡桃は上半身を自分から脱いで、女性が胡桃を殴った。俺は思わず胡桃のところに走った。

 

「胡桃!」

「っ!来ないで!」

 

俺はその声を無視して胡桃を俺がいた号車へ連れていった。貫通扉をロックし、俺は胡桃を守った。しかし、俺の意識は段々となくなっていった。

 

 俺が起きたのは伊勢崎にあるラブホテルだった。しかし、そんなの今の俺には関係ない。

 

「胡桃…無事か」

「何してたの!私を助けるためだけに!」

「だからだよ。」

 

俺は静かに寝たまま言った。

 

「胡桃が可愛そうだった。それでもダメだったら、悪かった」

「…なんでいたの」

 

胡桃は俺に少し低い声で言った。いつもの胡桃じゃないことは分かってる。

 

「彩から聞いた。1週間暴力受けて痣があるって」

「そっか。」

 

俺はベットに横たわった。

 

「柊くん、痣がある人、嫌いじゃないの。」

「痣がある人が嫌い?だったら」

 

俺は自分の背中を脱いで見せた。俺の背中には大きな痣が今でも残っている。

 

「俺は自分が嫌いってことになる」

「…じゃあ嫌いじゃないの?」

 

胡桃は俺の横に座って言った。

 

「嫌いじゃない。普通の痣だったら治るし」

 

胡桃は俺に抱きついた。

 

「柊くん、もう内緒にしない。柊くんには全部話す」

 

俺は胡桃を抱き締めた。柔らかい体が俺にくっついてくる。

 

「そっちの方がいい。胡桃、俺、なんで倒れたんだ」

「柊くんの体に害がある濃度の塩素があったの。」

 

塩素か。理科でやったな。俺、薬品を使うときにはなんか起こるから、教員試験の時には苦労したな。今ではなんともないけど、少しダメな気体もある。

 

「塩素か。危険物質だから使うなよ」

「はーい!柊せんせ!」

 

胡桃は俺の上に乗っかった。

俺と胡桃は仕事の休みを取った。2月2日から2月15日までは暇になるから。まぁ、2月10日に旅行があるけど。

 




製作過程
17:21暫定で終了
17:23題名決定
17:33第78話製作開始
20:44最終確認終了
20:45投稿

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