「おやおや、こんな場所にどうしたんだい?」
アスタと別れた女子3人はノエルの魔導具選びをしていると知らない男に声をかけられた。
「ここはあなた方のような美しいレディーが来るような場所じゃない。道に迷ったのかな?魔法騎士団のエリートのこのオレが外に案内してあげましょう」
「失せなさい、羽虫」
「消えてもらっても?」
「(え、えぇーーー)」
その後、アスタが来るもこのナンパ男基セッケは入団試験でアスタと戦った男だそうだ。するとお婆さんの叫び声と共に強盗が戦利品を盗んで逃亡。これをアスタが剣で止めたと思ったらセッケが強盗に毒を塗られた。
「炎拘束魔法 “暖景桎梏”」
アイリスは魔法を発動すると炎を纏った鎖鎌で敵を拘束した。
「バネッサ、ナンパさんは大丈夫?」
「ええ、一時的な刺激毒ね」
「そっか、じゃあ私この強盗突き出してくるね」
「じゃ、私達は先に帰ってるわね」
バネッサの言葉に適当に返事をしたアイリスは鎖鎌を引っ張った。強盗が悲鳴を上げるが彼女はお構いなしに引っ張っている。
「あ。あれは……」
詰め所の近くまで来ると金色の夜明けのローブを着た団員を目にしたアイリスは少したじろいだ。別に金色の夜明けを見たからではないローブを着ている人物に対して驚いたのだ。
「デイジー……兄さま」
王族と関わりのある家の長男、そして重度のシスコンがこちらに向かってきている。
「あ、アイリス…!!」
自分の名前を呼びながら来た彼に対しアイリスはプイッと顔を背け道を進む。が、兄は諦めていないのか金魚のフンの如く付き纏う。
「デイジーさん!!いい加減にしてください!!」
「いや、君はアイリスだろ?俺の妹の」
「貴方のような貴族の方を兄に持つなど恐れ多いので!!失礼します!」
半ばヤケクソで叫びデイジーを置き去りにする。詰め所に入り担当の魔導士に渡す。その顔は恐怖でいっぱいいっぱいだ。
「キッカの街の闇市で強盗をしていたので連れてきました」
「お、おう。黒の暴牛にしてはよくやったな。」
「そうですね、では失礼します」
「あぁ………」
デイジー・ハーミィはアイリスが黒の暴牛に正式入団した時から彼女につきまとってきた所謂ストーカーの部類に入る人物だ。そのストーカーが逮捕されないのは一概に彼と血の繋がった兄弟であることそして互いの団長がそれを知っているから、という理由。はっきり言おう、迷惑である。
嫌なら嫌といえば言えばいいのに言わないのはこうやって構ってくれる人がいる、という自己顕示力の塊なのだろう。
「あ?構ってくれるなら甘えれば良いだろう」
「デイジーはいつも君のことを嬉しそうに話すんだよ」
と、互いの団長は何時だったかそう言っていたのを思い出した。ちなみにヤミは心底鬱陶しそうにウィリアムは嬉しそうに話していた。
「アイリス、少し茶でもしないか?」
「シャガがこないだ任務で大手柄を上げてな」
「スターチスは後輩に手ほどきをしててな」
「カトレアは少し無茶をして怪我してしまったんだ」
などと、強引に茶に誘い聞いてもいない家族の話をしてくる兄に対して表面上は顔を歪めるが内心嬉しかったりする。