蛇ですが、なにか?   作:トマトねこ

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思いついた、だから書いた。


蛇ですが、なにか?

えー…突然で申し訳ないのだが皆さんは転生という物をご存知だろうか…

 

「何だ?新しいラノベか?」と思ったそこの君、安心しなさいもうそんなテンプレだらけのラノベは絶滅危惧種だ。流石にラノベ作家の方々はもっと工夫している。

 

そう…例えば…

 

「蛇に転生させるとかな!」

 

拝啓、前世のお父様お母様

先立つ不幸を許して貰えなかったのでしようか?

私は蛇になりました

 

 

 

 

 

 

 ▲▲▲

 

いやさ、自分が何で死んだかは分かってるんだ。

もう何かめっちゃ頭痛いな〜なんて思って病院行ったらめっちゃデカい機械で頭ん中見られて「あっなんかヤバげだな〜」って思ったらよく分からん漢字の羅列の病名告げられたのよ。そしたら何か入院しろって話になってさ、母さんめっちゃ泣いてたわ

それで何か死ぬ恐れが〜みたいな話一方的に話されて、泣いたよね

 

いやもうめっっっっちゃ泣いた!

 

やっぱり死にたくないって思っちゃうと怖くて涙が止まらんのよ。

もう毎日枕カバー変わってて本当、看護師って天使だな〜って思ったよ。

 

んでんで何回か手術したら毛が全部抜けちゃって…欲しい物聞かれたらカツラ!って言えるくらい髪の毛なくなったんだよ

 

何回か手術して夜になったから寝よ〜って寝て起きたらくっそデカい蛇の顔がどアップで見えてさ…めっちゃ怖かったよ!だけどめっちゃ優しかった!

 

顔すりすりは日常茶飯事で夜になったらあっためてくれて…そんな感じで第二の母さんもめっちゃいい蛇だったんだけど二週間くらいでどっか行っちゃった。

 

いや〜…これからどーしよ…

 

そんな俺の第二の蛇生、これより開始!

 

 

 

 

 

 

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「蛙発見!」

 

蛇になって四肢を失ったからって悪いことだけじゃありません

目が良くなりました。具体的にはサーモグラフィー的なのが見えるんです

 

だから隠れた虫もすぐに分かるのだ。ふっふっふ御命頂戴!

蛙の尻に噛み付いたらそのままごっくん!シカシアジガシナイ〜

…蛇は丸呑みにするので味蕾がないらしい、

 

ないわー

 

…ああ人間に戻りたい、んでもって美味しいもの食べたいよお〜

 

―――「美味しいものを食べたい」確認しました。技能『捕食』をインストールします

 

しかもこの辺り虫と蛙しか居ないし…毒にあたって死なないよな…?

 

―――「毒に当たって死なないよな…?」確認しました。技能『辞書』をインストールします

 

あ゛〜早く人間になりたーい!

 

―――「人間になりたい」確認しました。技能『進化』をインストールします

 

いやもうなんか色々と疲れた…もう良いや寝よ

 

 

 

 

 

 

 ▲▲▲

 

「朝目覚めたら人に戻ってやしないかな〜戻りやしないよな〜聞きー流して〜くれよ〜」

 

朝起きても蛇でした。夢オチはないそうです、ちくせう

そうそう!遂に転生の特典?みたいな物を見つけんたんですよ!

 

『捕食』と『辞書』と『進化』です!え?それだけだとどういう事かわかんねーよ?

しょうがないなあのび太くんは。詳しく説明するとこんな感じ

 

『捕食』…食による体への害をなくす。また胃袋に余分な栄養を貯蓄する

 

『辞書』…使用者の必要とする情報を提出する

 

『進化』…特定の条件を満たした時、姿形の変化を可能とする

 

いやあ!いいね!

特に『辞書』が素晴らしい。このおかげで大体のことがわかります、それなんてディケイド?

そして俺に希望を持たせてくれたのが『進化』だ。

この能力は自分が進化出来る先が見れるんだけど…なんと人に擬態出来る進化先まであるのだ。

 

道のりは険しい!だが希望は見えた!さあさあ張り切って行こう!

 

 

 

 

 

 

 ▲▲▲

 

そんな事を考えてた時期が私にもありました〜

いやね、もう本当にキツイ

俺の心が折れた原因はこの進化条件

 

 

『ミシャクジ』…大地を潤すとも言われる白い大蛇、時に人に姿を変えて人々を見守る

 

 

これが目指してる進化先ですが…

 

 

めっっっっっっっちゃ食べないといけない!!!

 

 

進化条件がソレ、いや詳しくは違うんだけど大体こういうニュアンス。

四六時中虫とか花とか蛙食いまくってやっと白い蛇になったんです……

ソレ以上だよ?もう泣きたくなるよね、

 

ホントないわー

 

しかもこの真っ白ボディのせいで鳥にも狙われやすい始末、デメリットしかないじゃんかよお!

今もホラ、鳥に体掴まれました。

牙を足にズブッ!毒回る!はいK.O

 

鳥の体も『捕食』するけど『ミシャクジ』を目指す俺には雀の涙程度だ…はやくミシャクジになりたーい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♦︎

 

 

 

 

 

 

 

 

「あああ…!!

 

脂の臭いで一杯になった座敷の中で一人の少年が痛みに喘いでいた。

口の両端からはドクドク血が流れ出ていて垂れた血が無表情な岩床を真っ赤に染める。

 

この少年の名前は伊黒小芭内、彼がこんなにも苦しんでいるのには訳がある。

伊黒が生まれた一族は代々、女ばかりが生まれていた

そんな中で生まれた小芭内は生まれてすぐに幽閉された。

 

この家がどのようにしてこんな巨万の富を築いているかと言うと――強盗だった

伊黒家には一匹の蛇鬼がいて、その鬼が人を襲い、金目の物を奪うという悪事を働いていた

 

鬼が人を襲い、金目の物を奪う見返りに伊黒家からは赤ん坊が差し出されていた。小芭内の口が裂けた理由もこれにある。

小芭内は生まれつき左右ともに違う目を持っていた、蛇鬼はソレを気に入って小芭内が大きくなるまで待っているのだ。

しかし我慢が利かなくなったのか、つい先ほど小芭内の口を自分の形と揃えると評して切り広げ、その血を啜った。

 

痛みにのたうち回っていると小芭内の視界に一匹の白い蛇が現れる。

小芭内はその蛇を見ていると妙に苛ついた。ついさっき自分の口を切るように命じた憎い蛇鬼の女とは違うと解ってはいたが、憎悪の念を抱かずにはいられなかった。

 

口の痛みに耐えながらその体を掴もうと手を伸ばすとスルリと避けられてしまう。

そしてその蛇は座敷を埋め尽くす異常な料理の膳に手をつけ始めた、飯の山をその華奢な体に詰め込んで天ぷらを川の流れのごとく吸い込む。

そのあまりにも勢いの良い食べっぷりに小芭内は信じられない物を見たように目を点にさせていた。

 

 

 

 

 

 

 ▲▲▲

 

「また来たのか」

 

小芭内はそう呟くと真っ白い蛇の顎に触れる。

今も座敷を埋め尽くす料理を掃除してもらおうと蛇の躰を膳にやるが今日は中々膳の方に向かわない。

体調が悪いのかと心配すると蛇が口を窄め、何かを吐き出した。

 

カツーンと言う小気味の良い乾いた音が座敷に響く。

それは小さな簪だった、驚いて蛇の方を見やると心做しか自慢気に小芭内の方を見ている。

 

――此処から出たい

 

小芭内の心の奥底がそう叫びだした。

少しだけ滑った簪を掴むと一心不乱に格子の窓を削り出す。右手が痺れれば左に持ち替えて、そしてまた右で削る。

それだけを続けていると右手に今までの比にならない痛みを感じた。

 

「ッ…!?」

 

それは白蛇が噛み付いていた。

思わず引き剥がそうと手を上下に振ると、その直後に見回りに女が来る。

 

暫くして女が去ると蛇はまた自慢げな表情を浮かべる。

 

――こいつは頭がいいんだ

 

小芭内はそう確信した。

思えば簪をくすねて来て自分に与えるなんて事をした時点でこの蛇は異常だった。

もう一度蛇を見やると静かに側まで来て噛み付かれた手を長い舌で舐める。

 

 

この日、伊黒小芭内に生涯の親友ができた。

 

 

 

白蛇は『鏑丸』と名付けられた。

小芭内が格子を削り、誰かがやって来ると鏑丸がそれを知らせてくれる。死が着実に歩いてきているというのに小芭内は少しだけ余裕が出来てきていた。

 

そして満月が照らすその日―――脱出は決行された。

 

 

 

 

 

 ▲▲▲

 

 

 

「はあ…はあ…!」

 

あの蛇女だ、小芭内が逃げ出した事に気づくのはそう遅くないだろう。

気づかれるその直前までにできるだけ距離を取るんだ。

 

鏑丸は自分の首に巻き付いて左右前後の確認をしてくれている。本当にいい相棒だ。

夜の程よく冷えた酸素は自身の活力を呼び起こしてくれるような気がした。

 

――その刹那

 

鏑丸が小芭内の首を締めた。

 

「…!?ゲホッ…ゴホ…!」

 

思わず立ち止まると目の前に――あの蛇女が居た。

 

「もう少しだけ生きさせてやろうと思ったのにねえ…残念な子だ」

 

その声はまるで自分に死刑を宣告したようで――恐怖で足が竦んで動けない。

 

蛇女はその余分な躰の蜷局を捻ってその大口を開き――斃れた。

 

「は?」

 

それしか声が出せない、この蛇女は何かを言葉にしているが聞こえない。そんな事より一体何が…

 

「シャー!」

 

鏑丸は気付けば俺の首から離れ、蛇女の上で勝ち誇るように蜷局を巻いてその死体を貪っている。

あまりにも非常なその光景に俺は自分の意識が遠のいて行くのを感じる。

 

嗚呼、鏑丸お前は一体何者なんだ?

 

 

――蛇ですが、なにか?

 

 

薄れていく意識の中で、鏑丸のそんな声を聞いたような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♦︎

 

 

 

 

 

 

 

 

どうもついに友達が出来た蛇の『鏑丸』です!

いやあ、いい匂いに誘われた先で人間の友達が出来るとはね、人生何が有るかわからないとはよく言った物だようん

え?お前は人じゃねえ?

いやあうっかりペネロペ!

 

そして我がブラザーが幽閉されてるって知ったから助けましたよ。

ホラ、よく脱獄モノの映画であるでしょ?

「おい!看守だ!」ってやつ

あれやって見たかったんだよね〜

 

んでんで、ついでにありえない量のご飯も食べたんで擬態人も近いかな〜なんて

そう思った矢先の脱走よ

いや正直言って結構まだ余裕あったし正直言ってもう少しだけ居ても良いんだよ?って思ったけど流石にマイ・ブラザーの命には代えがたいから脱獄しました

 

そして

「やったぞ!街だ!」

って心でで叫んだら何かクッソデカイ人面蛇に襲われました、アイエエエエ! オバケ!? オバケナンデ!?

しかし狼狽えるのも一瞬!我が親友を食おうとした罪は重いぞ!

 

hey!辞書!アイツの弱点を教えて?いや教えて下さい何でもしますから(迫真)

 

ほーほーほー

日光と藤の花の毒に弱いらしいです、ソースは辞書

 

藤の花はよく食べてたんで胃袋にストックされてるね!

小芭内と話してるとこ悪いけどちょっとチクッとしますね〜

蛇の体には痛覚がないからね、藤の花のさやを体でシェイクしてそのまま流し込む

 

はい、乙

 

そう言い終える前に巨体がずどーんと倒れました

あれ小芭内も倒れちった、ま〜とりあえずコイツ食っちゃお

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




書いた、だけどどうしてこうなった

この後、鏑丸は人化します。そこでヒロイン希望を聞いて見ます

  • 胡蝶しのぶ
  • 甘露寺蜜璃
  • 竈門禰豆子
  • TS伊黒小芭内(割と本気)
  • いらない
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