ISの世界に来た名無しがペロちゃんと命名されてから頑張る話 作:いつのせキノン
あんまり話は進まないかもですが、一章に比べれば動くでしょう。
また二章は私も忙しいので不定期更新となります。「犬」みたく数ヶ月かかるかもわかりませんが、ご了承下さい。
新鮮
「ペロちゃーん」
はいはい何かね束さん。
「……ドイツ軍からペロちゃん宛に連絡」
…………は?
「軍が嗅ぎ付けたみたい。ネットの掲示板に堂々貼り出されてたよ」
はぁ、それまたご苦労なこって。
「ただ、出処は軍じゃない」
つまり?
「軍と偽って別の組織が動いたことになる。多分軍内に放たれてるスパイかな。無視しようかと思ったんだけど、内容が内容だったからペロちゃんには一応報告しておこうかなって感じ」
どれどれ……。
「多分くーちゃんの時のがバレたね。ドイツ軍自体は動いてないけど、別のところで動きが活発化してきてる」
流石にくーちゃんの時のは派手すぎたか……。
「で、内容読んでくれた?」
――――所属不明機との同盟、続けてドイツ領内に駐在する共産主義者排除。
「見る限り、向こうはそれ程バカでもないみたい。同盟と言って対等な立場をアピール、共闘関係に持ち込んでパイプの接続、後は駒使い。ペロちゃんの後ろ盾も、確証はないけど侮れない奴らがいると思い込んでる」
ほほぅ。
「――――面白そうじゃないの」
「ペロちゃん、それ本気?」
怪訝そうな顔の束さん。
「束さんが今危惧するような事は起きないさ。つまり向こうが欲しいのは俺の戦力と俺が持つ情報。手元に抱き込みたい訳だ。が、それだけ奴らは懐に敵を入れる事になる。情報を引き出すチャンスでもあるんだ」
「ぶっちゃけそこら辺の奴の情報とかいらないけど」
「備えあれば憂いなし。あれだけ周囲に察知されないで遂行した作戦で、しかも唯一気が付いたのはドイツ軍のみ。そう簡単に情報なんて漏れない筈なのに何故俺の存在が明らかになってる? それはドイツ内に軍の監視網を抜けて情報を抜き出せる輩がいるからだ。気にしないからと言っていつまでもついて来られてちゃストーカーだ」
「………………………………………」
「それに俺は情報っつったってロクなモンがねぇ。ローリスクハイリターンだと思うんだけど」
危険は承知。それ以上に、こちらを探られるのが嫌だからさっさとケリをつけたい気持ちもある。
「立場上はこっちが上だろう? それに、俺にはコイツがある」
と、親指で自分を指した。
「束さん特製なら、安心できる」
俺のISは既にISとしての反応を欠片も出さない代物になっている。誰にも気付かれずに内部システムのみを起動するなんてのは朝飯前だ。
「取り敢えず一度様子を見るだけ見てくる。通信も常時繋いでおけば問題ないでしょ」
「……まあ、そうだよねぇ。ペロちゃんがヘマやらかすなんてそうそう無さそうだし」
予定通りに行かないなんて事はよくあるんだがな。自慢することじゃないか。
「――――そう言えば、まだペロちゃんそのISの名前決めてないよね」
「うん、そう言えばすっかり忘れてた」
名前つけると“真名解放”的な機能が使えちゃったりして!?
「ないね」
知ってた。
「あ、でも
「最終奥義的なアレか」
「だってペロちゃんそれ初期設定のままでしょ?」
「…………ホントだ、まだ
今の今まで気付かなかった俺って……。
「検索したら後二日で
「長いね」
「なんでだろ」
「展開しないから?」
「暑苦しいやん、アレ」
「そんなんだから
呆れ顔を片手で覆った束さん。重たーい溜息まで吐かれて俺ショックです。
「言えばすぐ
「うんにゃ、遠慮する。三日後に出るよ」
「うーん……ペロちゃんが良いなら大丈夫か。でもでも、何かあったら遠慮無くこの束さんに頼ってねッ」
「りょーかい、考えとくさね」
最近の束さんはやたらとお姉さんぶっている……ような気がしないでもない。環境の変化がそうさせたのか。
くーちゃんが加わり、イギリスの新居に越してきてしばらく。くーちゃんの世話を兼ねて少し私生活を見直し始めた束さんは最近健康的である。ツヤツヤしてるんだろうか、輝いてると言っても良いかもしれない。
一時の、
『束さん、あんまりだらしない生活してるとくーちゃんに変な影響が出かねんぞ。くーちゃんは束さんのこと母親みたいと思ってるからな』
『束さんちょっと部屋の片付けしてくるよ!!』
なんてやり取りがあってからのことだ。いやはや、良い方向に行ってくれているので嬉しい限りである。
「でもさ、束さん」
「はい」
「これはもうちょっと考えれば回避出来た事じゃないかな」
「ごめんにゃさい……、」
しゅんと項垂れる束さん。ウサ耳まで一緒に垂れたから中々可愛かった。
「いや、うん、景気づけに料理してみっかって頑張ってくれたのは俺も嬉しいし褒めたい」
けどね、
「……ISの保護機能が強制的に働く程の食べ物って、何?」
何事かと思ったよ。
「驚愕しました。生体同期型ISじゃなきゃあの世行きですね」
因みにくーちゃんも被害者になった。
例の対話から二日が経過して無事
「ご飯は炊けるみたいだから安心したよ」
「寧ろ炊飯器を使えな人間がいたら見てみたいよ……」
いるんだよな、極稀に。
「束さん無理は禁物だ。帰ってきたら料理教えてあげるから……いや、今から基本だけ教えよう。くーちゃんが倒れる」
「返す言葉もございません……、」
束さん結構ショックっぽい。ここまでテンションが低いのは初めてだ。
「よしよし、頭を撫でてあげよう。くーちゃん、束さんのこと励ましてあげて」
ついでに抱きついちゃって。
「束様は必ず出来るとクロエは確信していますから」
「くーちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」
くーちゃんがまた束さんの胸に埋まった。何回か見てきたけど羨ましいよな。俺だってさ、挟まれたいよ!!
『お、お兄様……お助けを……、』
なんて内心悔しがってたらくーちゃんからのSOSコール。仕方ないので無理矢理引き剥がしといた。
「ふぅ、助かりました」
「くーちゃんの死因がおっぱいに挟まれて窒息死とか世の中の男子が嫉妬するな」
あ、百合の方もだろうか。違うの? ようわからんぜよ……。
束さんがジト目でこっち見てた。胸を腕で隠して。
「……うん、ごめんなさい」
「わかればいいよ…………別にペロちゃんなら挟んだって、」
「はい?」
「何でもないっ!!」
ぷいっ、と頬を膨らませてそっぽ向いちゃった。
「お兄様、デリカシーがないです。これは全面的にお兄様が悪い」
女尊男卑ってこわいなー(棒読み)
一応次話は完成してるのですが、二章はまだ全体の見通しが完了してないので首を長くしてお待ちいただければと思います。
…………で、束さんは一体ナニを挟むんですかねぇ(ゲス顔)