ISの世界に来た名無しがペロちゃんと命名されてから頑張る話   作:いつのせキノン

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皆ありがとー。これからもペロちゃんをよろしくお願い申し上げますm(_ _)m


ペロちゃん「いいか、3の合図で突撃するからな!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 スコールさんに3人揃ってこってり絞られました。もう大変なこと大変なこと。Mがトラウマ発揮、オータムが幼児退行。特にオータムがスコールさんに泣き付いたのには驚いた。どっかで見たことあるようなないようなと思ったが結局よくわからんので忘れることにした。何か言ったら俺に災厄が降りかかること間違いなしなのでね。

 

「ズズッ……じゃあ、作戦の確認だ……」

「……ぐすっ……おう」

 

 お二方、まだ完全には泣き止んでおりません。取り敢えず鼻水かもうね。すすってたら体によくないので。

 

「まぁあれだ。まずは一旦切り替えよう。作戦に集中しようさ」

 

 いや、大元辿れば原因が俺なのに何言ってんだとかつっこまれそうだけど、ここは一先ず暗い雰囲気を脱却するのが先だ。ごめんね、本人こんなけろっとしてて。次頑張ればいいのさ、次。切り替え大事ネー。

 

「読み上げるぞー。○一○○、3人で出撃。到着後にターゲットが固まったのを見計らってMとオータムが奇襲、可能ならば1人以上を捕縛。無理なら誘導して俺がそこへ合流、2人でISを相手にし、もう1人は他幹部を捕縛する。異論は?」

「ない」

「右に同じ」

 

 よろしい。

 

「作戦開始まで残り三○○だ。俺は一足先に空中で待機してるぞ」

「私とオータムは別ルートから仕掛ける。合図は個別間秘匿通信(プライベート・チャンネル)で送るからな。見落とすな」

「了解だよ、M。そっちこそ抜かるなよ」

「どいつに口きいてんだ。実戦経験はこっちが上だ。精々指くわえて見てろ」

 

 さっきまでオロオロしていたMとオータムだが今ではすっかり表情を引き締めている。流石にプライベートと仕事はきちんと分けてるみたいだ。

 軽い激励も済ませたところで、俺は熱光学迷彩を纏いながらホテルの窓から身を投げ出し飛翔。灰色の空に飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……行ったか」

 

 窓の外。灰色の空を見上げて呟く。多分、あの雲の上にPの奴は行ったのだろう。全くISの反応が無いのは一体どういう技術を使っているのか甚だ疑問だが、今気にしても仕方のないことだ。

 

「おら、M。さっさと行くぞ」

 

 隣で同じく空を見ていたオータムが一足先に踵を返して部屋の出口へ向かう。通りがかりに棚からM500ハンターモデルを掻っ攫って腰に差した。

 

「久々の狩りだ。スコールの目的の為に、奴らを捕まえる」

「殺すなよ」

 

 そう言い、私はオータムの取った所の隣にあるデザートイーグル2丁を取って腰のホルスターに滑り込ませた。

 

「テメェこそ。心臓(タマ)撃ち抜いたらまたスコールからお叱りだぜ?」

「射撃の腕は私の方が上だ。そっちが遅れを取らないかとヒヤヒヤしてる」

「抜かせ」

 

 同時に羽織るのは黒のジャケット。Pには内緒の、亡国機業(ファントム・タスク)オリジナルデザインのものだ。何気にだが私やオータムも愛用している。背中には大きく金糸で(イコールマーク)×(バツ)印が描かれていた。

 

「行くぞ、P。ついて来い」

『あいさー、了解』

 

 車に乗り込み目指すは首都ベルリン郊外。そこに集会場がある。

 

「うっし、行くか」

「ああ」

 

 オータムがアクセルを踏み込みピカピカに磨かれたシルバーのベンツが走り出した。使い込まれた一品だが、中身はフルカスタム。ISではできないCQBの為に武装が多く積まれているのだ。窓も防弾ガラスでボディも全て張替え済み。それでありながらエンジンはアウトバーン走行を想定した化物、重い車体をものともしない速度をたたき出せる。確かテスト走行では時速250kmは余裕でクリアしたらしい。

 車内には3人分の銃火器が常備されており、出そうと思えば対物ライフルやパンツァーファウストという凶悪兵器だって展開が可能になっている。HK21だってあるし、やろうと思えばだが小隊相手なら殲滅可能だろう。ここまでくるとただの武装車両と言っても過言ではない。

 

 

 

 しばし道を進んでいると、不意にオータムが顔も向けずにポツリと訊ねてきた。

 

「……なぁ、M」

「なんだ」

「Pってよ。いい奴、なんかな?」

 

 その質問に私は思わず目を見開いて運転席のオータムを見た。

 

「……んな顔してんじゃねぇよ。こっちだって恥ずかしいんだ」

「……いや、そんな質問されるとは思わなかったからな。急にどうした?」

 

 何と言うか、今のオータムは、気持ち悪いというか……いつも通りじゃない気がしてむず痒い。

 

「アイツは、人を手に掛けたことが無い目をしてた」

「ああ」

 

 それは、私も感じていた。Pという人間は今まで、他人の命を奪ったことがない。あれだけ裏がありそうで何事も気にしなさそうなお気楽男でも、人を殺したという雰囲気は微塵も纏って無かった。

 

「……Pといるとよ。たまに怖い」

「怖い?」

「上手く言えねぇ。けど、自分のいるこの状況っつうか、何かに不快感があるんだ。ホントに私はここで、こんなことをしているのか。それに疑問はないのか……。もし()()()から自身を客観的に見れたなら、自分をどう思えるのか、ってな」

 

 哲学者気取りなのか。いつもならそうやって返してからかうようなことをしていただろう。

 しかしオータムの醸し出す雰囲気に思わず私は口をつぐんでいた。

 

「……アイツは優しすぎて調子が狂いそうだ。アイツが来る前の生活が悪かった訳じゃない。でも、それでも、アイツと知り合って高が半日で自分の中に変な違和感が生まれやがった」

「……それは、」

「言うな。他人に言われちゃそれを信じたくなる」

 

 ハァ、とオータムが大きく溜息を吐いた。つられて私も、しかしオータムには聞こえないように息を吐いた。

 オータムが感じる違和感。それは、なんとなしに私自身にも当てはまるような、そんな気がしたからだ。

 

「……悪いな、変な話して。別に亡国機業(ファントム・タスク)から出たいとか、そんなチンケな話じゃねぇのさ。何か、喋りたくなった」

「だろうな。お前が辞めるなんて言うのは天地が引っ繰り返ったって有り得ない話だ。真面目にそんな事を言うなら今頃殺してる」

「それは……スコールが、か……?」

「…………ああ」

 

 我慢できず、そっぽを向くように窓の外を見た。多分、そういう幕引きというのは、スコールが一番適役だろうと、そう思ったから。

 

「……私は、復讐さえ果たせれば、それでいい気がするがな」

「オイオイマジかよ」

「ああ、至って、真面目だ」

 

 背後で驚いた顔のオータムがこっちを向いていることだろう。少し車が傾いた。

 

「結局私が生かされているのは利害の一致。道具として使い果たされたなら、後はどうなろうと自由だ。Pみたいに流されても、良いのかもしれん」

 

 ふと灰色の空の切れ間に青空が見えた。僅かに光が歪んだように見えたのは、気の所為なのかもしれなかった。

 だからこそ、少しだけ、Pが羨ましかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




もっといい話が書きたいけど、しばらくはこのまま続くよ。残念ながら。
またしばらくしたら次話投稿しまーす。
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