ISの世界に来た名無しがペロちゃんと命名されてから頑張る話   作:いつのせキノン

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間違って違う方に投稿してました……やらかした。ああもう……これスゴい失態……ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……


負債

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『やられた』

 

 スピーカーから流れるペロちゃんの声。いつもはハイテンションと言うかとにかく元気な声なのに、今回ばかりはどうにも気落ちしているのが聞いて取れる。

 

『いっそここでぶっつり関係切るか……でもなぁ……』

 

 敗北。本人は一言とも言ってないけど、多分ペロちゃんの感じている感情というのはソレなんじゃないかと思う。

 

「失敗は成功の母、とも言うけど」

『取り返せない失敗じゃ成功とは言えないさ』

 

 確かに、それは言えてる。私達の陣営が抱えるのは余計、かどうかは置いておくとして、とにかく増える荷物だ。ある程度道具は必要だが、抱えすぎてはただの邪魔な物でしかなくなる。

 

「取り敢えず、後悔はどーでもいいよ。いまやることはソレじゃないよね?」

『……そう、だな。うむ、反省した。痛いほどにな。悪い、束さん』

「全然」

 

 画面の向こうで少し落ち着いた様子を見せてくれる。若干表情に陰りがあるけど前よりはマシだ。良きかな良きかな。

 

「まぁそこまで落胆しなくてもいいよ。前々からこうなった時の対処法みたいなのは考えてあるから。取り敢えずその……誰だっけ。まぁいいや、連れてきてくれれば後はやっておくね」

『了解。明日でいいか?』

「おぅけぃ。準備はしとくよ」

『サンクス。やれやれ、取り敢えず一件落着か。気乗りしねぇな』

「流石に交渉モドキは難しかったんじゃない?」

『せやね。俺なんかただの一般人だったってのにこんなことしてんだ。まだバカやって動き回ってる方が考え無しでやれて楽だよ』

「自分のこと馬鹿にしてるけど、ペロちゃん頭いい方だからね?」

『他人から受け取った力じゃ、地力とは呼べんよ。それが余計悔しい』

 

 自分の力じゃなくて、他人の力に過信して実力も出せずに負けた。確かに間違っちゃいない。

 

『気持ちは切り替えた。そんじゃあ次だ。取り敢えず明日の昼頃で良いんだよな?』

「うん。場所は後でこっちから指定して、くーちゃんにお出迎えしてもらうことにしたよ。隠密性ならペロちゃんもくーちゃんもダントツで高いからね」

『よせやい照れる。くーちゃんにゃ敵わんけど』

 

 あっはっはと高笑い。大分調子も戻ってる、いつものペロちゃんだ。

 

『予定はこんなもんか。じゃあまた明日に』

「はぁい、ばいば~い」

 

 ディスプレイの電源が落ちて一瞬の静寂が満ちる。と、そこにくーちゃんが丁度部屋に入ってきた。

 

「お兄様でしたか?」

「そだよー。いやぁ、珍しく覇気がなかったからちょっちびっくり」

「珍しいことのあるものですね。しかしお兄様が……?」

「ねー、有り得ないように思えるよねー」

 

 ペロちゃんと言えばお気楽なイメージで楽観主義的なところが多々あって、くーちゃんもやっぱりそっちに慣れてしまった模様。

 

「そこで!! 優しい優しい束さんはペロちゃんを元気にするためのプログラムを組んだのだ!!」

「わーぱちぱちぱち」

 

 くーちゃんノリがイイネ!! 全部ペロちゃんの影響だろうけど。

 

「ここに何故だか知りませんが温泉旅館のチケットが3枚あります!!」

「露骨なくらい誤魔化しきれてませんね」

 

 そこは気にしない方向でおk。

 

「という訳で温泉旅行行こう!!」

「温泉ですか……興味あります」

「くーちゃんならそう言ってくれると思ったよっ。しかし何故束さんがわざわざ温泉旅行に案を絞ったのかわかるかい?」

「…………趣味、な筈が有り得ませんね。束様は基本こういうのに無頓着ですし」

「あれ、さり気なくディスられてる希ガス」

「となると、お兄様の趣味ですか?」

「ピンポンピンポ~ン。ペロちゃん日本人だし、意外と渋いのが好きなんだよねぇ。お菓子も和菓子ばっか食べてるし」

「確かに、言われてみればそうですね。この前はどら焼きで、その前は羊羮でした」

「そう!! だからこそペロちゃんには和風旅館で英気をやしなってもらう、完璧過ぎる予定だね!!」

「まだ旅館行くことしか決まってないですけどね」

 

 くーちゃん毒舌……これ絶対ペロちゃんの所為だ。

 

「さて、後は飛行機のチケットを……、」

「……………………………………………………、」

「? どうしたのさくーちゃん。口がぽっかり開いてるけど」

「……いえ、束様ならいきなり自家用ジェット持ち出しそうなのにまさか普通に飛行機を使うとは思わなかったものでして……」

「束さんそんなに信用ないかなぁ!?」

「普段のを見て想像しろなんて言われれば無理です、絶対に」

 

 ……あれ、おかしいな、心当たりしかないよ……。

 

「とっ、取り敢えずは旅行の準備だよ我が愛しのくーちゃん!!」

「盛り上がっているところ申し訳ないのですが束様」

 

 なんだね?

 

「1週間前程に『紅椿』を作るのなんのと仰ってましたけど、すっぽかして旅行は大丈夫なんですか……?」

 

 

 

 

 

 ……………………あ、

 

「忘れてたああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」

 

 何してんの束さん!? いや自分なんだけどさぁ!!

 どうしようどうしよう旅行明後日からだよどう考えても時間的に2日以上かかっちゃうよ製作とかっていうかそもそも作る宣言だけしておいて手つけてないからほぼ零からスタートだし材料もプログラムもコアもない何もない何にも終わってなぁぁぁぁぁぁぁぁい!!

 

「くーちゃん束さん空前絶後の大ピンチ!! お手伝いして!!」

「そう言うと思ってましたのでリストアップされたものは全て先程収集して参りました。束様のことですからお兄様のことで頭がいっぱいになって忘れていると予測しましたが、大正解というやつでしたね」

「べ、別にペロちゃんの心配してた訳じゃないしぃ!?」

「ツンデレ乙、です」

 

 ま、参りました……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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