マギアレコード 偽書e/s memorys   作:ジャックノルテ

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プロローグ

 私の名前は筒地綾女。

 

 年齢は19歳位で魔法少女と言えば魔女退治をしていると同業者には分かるわね。

 

 私が他の魔法少女と違うのは、私はキュウたん。いえ。キュウベえの元で依頼を受けて様々な汚れ仕事をする関係上、他の魔法少女より情報を持っていると言う事ね。

 

 普通の魔法少女が得られる情報が、五段階の三なら私は五を得られるわね。

 

 その対価としてキュウたんの意に沿わない魔法少女の殺害なんかもやっていたわね。

 

 情報の一面でリードしているからこそ縄張りを持たない流浪の魔法少女として活動し続ける事が出来るのよ。

 

 それと私には連れ合いがいるわ。

 

 右目の呪いによって金曜日にだけ魔女を引き寄せてしまう少女、朱奈と二人で私は各地を巡る旅をしているわ。

 

 記憶の無い朱奈の手がかりを探すと言う目的と流浪の魔法少女である私の仕事は、各地を巡っていくと言う意味では、同じ手段を用いる事と言えるんだから。

 

 これまで様々な街を巡り、様々な魔法少女に会ってきたわ。

 

 ソウルジェムを砕く事に快楽を見出したジェムクラッシャーの伊良草優里。

 

 魔法少女隊グロリオーサを率いて、ただただ見つけた魔女を殺し続ける瑞光璃阿。

 

 私の知る限り最もインキュベーターに近い心を持つ雨津木スミレ。

 

 敵対する魔法少女もいたし、味方もいた。

 

 今の時点で死んだ者も、生きている者もいる。

 

 そして中には私が意図的に魔法を持たないのに魔法を与えた魔法少女もいたわ。

 

 他者の感情や記憶を弄った事もあるわ。

 

 全ては私の実験の為だった。

 

 私自身が朱奈と共にいる為の結果を求めての過程だった。

 

 でも結局、全ては無駄だった。

 

 私は朱奈に何も出来ないままに終わった。

 

 そう。終わった筈だった。

 

 

 

 

 だけど魔女がまだ存在する、この世界では違った。

 

 何故か世界において私が終わる時期にズレが生じた。

 

 円環の一つとなった私だからこそ知れたのだが。

 

 この世界の私は終わる事無くかつて調査の為に訪れた事のある神浜市へ行く事になった。

 

 勿論、キュウたんからの依頼ね。

 

 神浜市に向かったまま行方不明になった私と同じ様な仕事をしている魔法少女の探索、及び神浜市で起きている異変の調査。

 

 それがこの世界の私の目的よ。

 

 朱奈の事は近くの街で待機させようとしたけど今回はそう言う訳には行かないわね。

 

 あの子が見た夢も神浜市の事を告げていたんだから・・・。

 

 正直、良い予感はしない。

 

 けれど私もいつまで朱奈といられるか分からないのだから私は行く。

 

 朱奈と二人で何時もの通り誰からの許可を得る事無く神浜市へ私達は足を踏み入れる。

 

 夢の真実とキュウたんの依頼をこなす為に・・・。

 

 この世界の私は神浜市と言う因果の集中する場所へと向かって行った。

 

 まるで蟻地獄に落ちる蟻の様に。

 

 

 

□某公園 深夜 

 

 

 周囲に人影のない深夜の公園を選んで綾女は一人訪れていた。

 

綾女「キュウたん。いるんでしょ?」

 

 綾女の声に合わせて姿を現すキュウべえ。

 

キュウべえ「やあ。綾女。今日は何の用だい?」

 

綾女「この前、私に神浜市の調査を依頼したいって言ってたわね」

 

キュウべえ「うん。神浜市の調査委を依頼したいんだ。現在の神浜市には、僕たちの侵入を阻む被膜が存在するせいで僕たちは神浜市を直接、観測する事が出来ない。だからこそ、近くの街にいる他の魔法少女に調査を依頼したけど、帰って来なかった。もしくは帰って来ても魔女が強すぎて撤退したと言ったり、僕の事を避けたりする子もいたから調査は中々、進展しなかった。だからこそ君に依頼したけど君は断ったよね?潜入するには余りにリスクが高いと」

 

綾女「ええ。でも事情が変わったわ。神浜市を調査したくなったのよ」

 

キュウべえ「どう言う風の吹き回しだい?けど、調査をしてくれると言うのならありがたいけど・・・」

 

綾女「朱奈も少女の夢を見たわ。これだけで十分でしょ?」

 

キュウべえ「成程。それは興味深いね・・・。例の少女の夢は、魔法少女しか見なかったけど、まさか朱奈も見ていたとわね・・・。分かったよ。綾女。改めて君に神浜市での調査を依頼するよ」

 

綾女「話が速くて助かるわね。キュウたん。三日後に神浜市へ行くから分かってる情報は、明日にでも教えて貰うわ」

 

キュウべえ「分かったよ。綾女。それじゃあ調査の方はよろしく頼むね」

 

綾女「ええ。それじゃあまた明日」

 

 そう言って綾女は公園から出て行った。

 

キュウべえ「これで神浜市の事が少しは分かれば良いんだけど・・・」

 

 呟きキュウべえも姿を消した。

 

 

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