マギアレコード 偽書e/s memorys 作:ジャックノルテ
□ 神浜市内 北養区 北養山林駅 12時50分
私服姿の菖蒲彩月が電車から降りた。
彩月「さて時間通りやな。改札口はっと」
彩月が改札口に向かうとそこには私服姿のねむとナナツメ、それに眼鏡をかけている一夜がいた。
彩月「おやおや。そないな人数で出迎えるとはウチも人気者やな」
ねむ「時間通りに来てくれて助かるよ。じゃあ早速行こうか」
ねむとナナツメが先導して行くのを一夜と彩月が付いて行った。
彩月「何処へ行くんや?」
ねむ「僕らの本拠地さ」
彩月「いきなり本拠地かい?」
ねむ「君が思っている程、魔法を与えると言う作業は簡単じゃ無いんだ。本拠地でなら不測の事態にも対応出来るし邪魔が入らないからね」
彩月「確かに邪魔が入らないのは重要な事やな」
歩いて行くと山の方へ向かって行く。
彩月「山の方へ向こうとるけど奥の方なんか?」
ねむ「いいや。そんなに奥までは行かないよ。ただこの坂は上るよ」
住宅街にある坂道を抜けて行くと山の方へ通じる小道があった。
そこを通って行くと自然公園に出た。
躊躇う事無くねむは自然公園の中に入ると一つの木の前で足を止めると周囲を見渡した。
ナナツメ「周囲に人はいません」
ねむ「うん。じゃあ開こうか」
その時、ねむは魔法少女の姿に変身すると木の前で手を翳した。
すると木の前にある空間が歪むと入り口の様な物が出現した。
ねむ「ここから本拠地へ繋がる道なんだけど。その前に一夜。彩月に例の物を」
一夜「はい。これを」
一夜が両手を目の前に翳すと黄色いローブが出て来た。
一夜「ここからはこれを羽織って下さい」
彩月「ええけど、何でや?」
ねむ「ここから先は正直、普通の人間が出入りする事を想定していないからね。そのローブで顔を隠した方が良いと思うよ」
彩月「ほな羽織らせて貰うで」
既に黄色いローブを羽織った一夜とナナツメに習って彩月はローブを羽織るとフードを被って顔を隠した。
それから4人は道なりに進んで行くねむの後に付いて行くと大きな枯れた木を横切り暫く歩いて行くとマギウスの翼の本拠地であるホテルフェントホープの偉容が彩月の目に入り驚きを隠せなかった。
彩月「凄いな・・・。魔法でこんな建物を作ってしもうとは・・・」
ねむ「確かに僕が知る限りこんな事を出来る魔法少女はそういないだろうね」
彩月「確かにそうやな・・・」
圧倒される彩月を連れてねむ達はホテルフェントホープの扉を開くとエントランスに入った。内部を見ると更に彩月の驚きは続いた。
彩月(全くけったいな物を作りおったな・・・。こいつは厄介な連中やな・・・)
内心抱いた警戒心を心の中に押し殺すと彩月はねむ達の後に続いた。
ねむ達は階段で地下に降りると一つの部屋に入った。
そこには真ん中にベッドが置かれてみふゆがその場に待機していた。
みふゆ「ねむ。その人が菖蒲彩月さんですか?」
ねむ「うん。彼女がそうだよ。ここではローブを脱いでも良いよ」
彩月「ほな脱がせて貰うで」
ねむに促された事もあり彩月はローブを脱いだ。
彩月「初めて見る顔やな」
みふゆ「ワタシは梓みふゆ。マギウスの翼の幹部です」
ねむ「みふゆにはこれから行う事に立ち会って貰うけど構わないよね?」
彩月「約束さえ守れるんならウチは構へんで」
ねむ「そう。じゃあ早速始めたいからそこのベッドの上に横になって貰えるかな?」
彩月「分かったで。んなら服は脱いだ方がええんか?」
ねむ「脱がなくても大丈夫だよ。結局魔法で行う事だからね。物理的では無く魔力的な事だからね」
ベッドの上で横になる彩月。
みふゆ、ナナツメと一夜はベッドから距離を取り、ねむはベッドの前で待機していた。
ねむ「それじゃ始めようか」
ねむはベッドの上で横になった彩月の前に立つと本を開いた。
同時に左手から出現させた物を彩月の胸の上に乗せた。
それはソウルジェムの形状をしていたが宝石の周囲に他のソウルジェムには存在しない鎖が巻き付けられていた。
ねむ「彩月。これから君に魔法を与える。その方法を説明するよ」
彩月「ええで」
ねむ「君の胸に乗せたのは僕たちの組織に反逆して肉体を失った魔法少女のソウルジェムだ。このソウルジェムには今、筒地綾女の記憶から僕の具現化魔法で限定的に機能を再現してみた《他人のソウルジェムを操る魔法》が施されている。このソウルジェムと君の精神を繋ぐ魔法を僕の魔法で君に施す。それが君に魔法を与える方法だよ」
彩月「なーるほどぉ。よーく分かったで」
ねむ「もし失敗しても方法は他にも用意してあるから安心して。じゃあ始めるよ」
その瞬間、彩月の身体に何かが入り込んで来た。
今まで感じた事が無い。否。かつて筒地綾女に記憶を植え込む魔法を施された時と同じ感覚。
他人の魔力が自身の肉体を駆け巡って根を広げて侵食される感覚。
彩月「うっぐぅぁあああああああ」
ねむ「変だな。痛みは無い筈だけど」
みふゆ「たぶん精神への侵食に対する防衛反応では?」
一歩だけねむに近づいたみふゆが助言述べる。
ねむ「成程。なら・・・」
ねむ(彩月。聞こえるかい?聞こえる事を前提にテレパシーをさせて貰うよ。後僅かの辛抱だから耐えて欲しい)
彩月の身体が激しく手足が動き始めた。
その時、みふゆとナナツメが駆け出すと彩月の身体を押さえ付けた。
一夜は驚いていたが自分には何も出来ない為、その場に大人しくする事しか出来なかった。
暫くすると彩月は動かなくなった。
その表情は落ち着いた物になった。
ねむ「これで処置は終わったよ」
そう言うと同時にねむは変身を解いて私服姿に戻った。
彩月の左手を取ってソウルジェムを指輪に変化させると彩月の中指に通した。
みふゆとナナツメは彩月の身体から手を離した。
彩月「案外キツイもんやな・・・」
ポツリとそう呟き彩月は上半身を起こそうとした。
ねむ「一時間程休んだ方が良いよ。魔力を身体に馴染ませる必要があるからね」
ねむの忠告を受けて彩月は素直に横になった。
ねむ「質問しても良いかな?痛みは無かった筈だけど・・・。どうして暴れたんだい?」
彩月「そやなあ・・・。身体の痛みは無かったんやけど・・・。これは心が侵食される、心の痛みってヤツやな・・・」
ねむ「心の痛み・・・。それに心の侵食か・・・」
みふゆ「確かにそれはテレパシーによる精神侵食を受けた者にしか分からない事ですね。あれは実際慣れる事なんて出来ませんから」
ねむ「そうだろうね。じゃあ一時間したら戻って来るから君はここで寝てて良いからね」
ねむに促されたナナツメは脇に置かれていた薄い布団を持って彩月に渡した。
彩月「なら悪いけど寝かせて貰うで」
彩月はさっさと毛布を被って寝ると態度に表していた。
ねむ「じゃあ僕たちも退散しようか。寝るのを邪魔するのは無粋だからね」
ねむに促されて全員部屋を出て行った。
彩月(大人しくせずに色々やりたかったんやけど無理そうやしさっさと眠らせて貰うで・・・)
彩月は疲れを癒す為に直ぐに目を閉じた。
□ 神浜市内 北養区 ホテルフェントホープ地下室 一時間後
きっかり一時間後に彩月の眠っていた地下室に全員集まった。
彩月の座るベッドの前にねむ、ナナツメ、一夜、みふゆが集まっていた。
ねむ「じゃあ彩月。早速、魔法が使えるかどうかテストをしてみようか?」
彩月「ええで。ウチはいつでも準備万端や。でもウチは魔力の使い方が分からへんで?」
ベッドから降りて立ち上がる彩月。
ねむ「それは大丈夫。僕がアシストするからね」
そう言ってねむは魔法少女姿に変身すると右手に持っていた本を開いた。
ねむ「まず初めに言っておくけど君に装着したソウルジェム。それには魔法で細工がしてあってね・・・。近い距離なら僕が遠隔操作出来る様に魔法が施してある。だから僕がやり方を示すよ」
ねむがそう言った瞬間にねむの右手にある本が光り始めた。
彩月「なんや?ウチの中で何か・・・。別な流れを感じる!?」
ねむ「それが魔力だよ。魔力を感じられたのなら上手く行っている。だから変身させるよ」
彩月「ええで!実践あるのみや!」
彩月の左手から魔力の輝きが身体全体を包んで行く。
輝きが収まった後、彩月の姿は和風な紫色の両手に長い袖が付いた魔法少女の姿に変身していた。
左手の指には星の形状をしたソウルジェムの宝石が指輪となって輝き、右手には武器である薙刀が握られていた。
彩月「ふーん。和風やな。武器は薙刀かあ。ええやないかあ」
彩月は自分の姿を満足げに見ていた
ねむ「変身の感覚は掴めたかい?」
彩月「そやなあ・・・。つまりこうやろ?」
すると彩月の姿は魔法少女から私服姿に戻った。
ねむ「飲み込みが速いね?」
流石に少し驚いた様子のねむがそう言った。
彩月「たぶん筒地綾女の記憶があるからやないか?」
そう言って彩月は再度魔法少女に変身して更に私服姿に戻った。
彩月「大体こんなもんやろ。どうや?ウチの魔法の使い方は?」
ねむ「うん。これなら大丈夫だね。僕の魔法も上手く言ったみたいだし菖蒲彩月。君をマギウスの翼に歓迎するよ」
そう言って変身を解いたねむは彩月に右手を差し出した。
彩月「ああ。よろしゅう頼むで」
ねむの差し出した手を見ると笑みを浮かべた彩月も握り返した。
ねむ「さて・・・。彩月。じゃあこれから君に組織の事を説明するから場所を変えようか」
彩月「そやな」
□ 神浜市内 北養区 ホテルフェントホープ 上層階 柊ねむの部屋
ねむの提案を受けて5人は地下室を出て上層にあるねむの部屋に向かった。
それぞれ部屋に備え付けられた椅子に座り早速話が始まった。
彩月「それでこの組織、マギウスの翼って何をする組織なんや?」
ねむ「マギウスの翼は僕達がある目的の為に作り出した組織だよ」
みふゆ「そうです。彩月さん。あなたも筒地綾女さんの記憶があるのなら魔法少女の宿命は知っているのでしょう?」
彩月「ソウルジェムの事も魔女化の事もよーく知っとるで」
ねむ「それなら説明が楽で助かるよ。このマギウスの翼と言う組織は魔法少女の宿命である魔女化からの解放を目的に結成されたんだ」
彩月「魔女化からの解放?大きく出たもんやな。筒地綾女の記憶によりゃあ同じ事を考えて失敗した連中は星の数程いるで」
みふゆ「確かにその様ですね」
彩月「かく言う筒地綾女も魔女化に恐れを抱いたからこそ色んな研究をしとったけど上手くいかなかったようやで」
ねむ「話を戻そうか。でも僕達はこの神浜市においてだけ魔法少女を魔女化から解放する事に成功させたよ」
彩月「どう言う事や?」
彩月は訝し気な表情を見せた。
みふゆ「この神浜市では魔法少女は魔女化する事はありません。魔女になる変わりにソウルジェムからドッペルが出現して魔法少女の穢れは分解されます」
彩月「ドッペル?魔女化の変わり?驚きの連続やな・・・」
ねむ「ドッペルシステムはハッキリと言うなら魔女化の代返現象とでも言うべき事だね。この神浜市において魔法少女はソウルジェムに穢れが溜まり切っても魔女化する事無くドッペルと言う自身の現身を出す事でソウルジェムを浄化する事が出来るんだ」
彩月「そればっかりは口で聞くよりも見て見たいもんやな」
みふゆ「生憎ですが簡単に見せられる物ではありません。ですがそれを見せる方法はあります」
ねむ「うん。まあドッペルの事はいずれ機会を見て貰う事にしてマギウスの翼の話に戻ろうか。組織の目的としてはね・・・。この魔女化からの解放を全世界に広げる事なんだ」
彩月「大きく出たもんやな・・・」
彩月は少し呆れた表情をしていた。
ねむ「うん。だって僕達にはそれが出来るからね」
無表情にねむはそう語った。
みふゆ「魔法少女の救済の為にワタシ達の組織はあると言っても過言ではありません」
ねむ「じゃあこれから組織のルールを説明するよ」
そこからねむはマギウスの翼でのルールをみふゆと二人でプリントを渡して彩月に丁寧に説明した。
魔女を育てて利用している事やウワサと言う存在がいる事も含めて。
みふゆ「以上がマギウスの翼における9つのルールです。何か質問はありますか?」
彩月「まあ大体ルールは理解したで。ウワサの事もな。まあ質問したい事は・・・」
ねむ「何か質問があるのかい?」
彩月「ウチに魔法を与えたんはええんやけどさっきウチの事を操った訳やろ?もしかしてこのソウルジェムを通して覗き見出来るんか?」
ねむ「ああ。そう言う事か。確かに操ったけど覗き見たりは出来ないよ」
彩月「それなら安心したで。ウチにもプライベートがあるさかい」
ねむ「ただ僕が魔法を施した関係上、近くにいれば僕が探知出来るよ。そこは了承して欲しいね」
彩月「まあそれは当然やろな。ウチはプライベートが覗かれんなら文句は無いで」
安心したと言う表情を彩月は見せていた。
ねむ「それで彩月。君はマギウスの翼に入る訳だけど・・・。君は正直に言って特殊な存在だ。普通の人間でありながら他人のソウルジェムで魔法を手に入れた訳だからね」
彩月「マトモや無いのは確かやな」
ねむ「言い方はどうかと思うけど異端なのは確かだね。だから彩月。君は普通の人間である事を隠した方が良いと思うよ」
彩月「隠した方がええのは確かやろ。それには賛成やな」
ねむ「そう言う訳だから君を普通の黒羽根に任命するのは問題がありそうだから君には僕の親衛隊である黄羽根になって貰うよ」
彩月「黄羽根?親衛隊?要するに護衛と言う事か?」
ねむ「黄羽根の仕事は護衛だけと言う訳じゃ無いね」
みふゆ「はい。親衛隊である黄羽根は白羽根や黒羽根と違いねむや灯花の指揮下のみで動く部隊です。ですから幹部である私にも指揮権はありません。護衛任務はナナツメさんが担当して一夜さんは裏方の仕事をしています。そうですね?一夜さん」
一夜「はい。アタシは道具作りを担当してます・・・。戦闘はとてもこなせないので・・・」
彩月「そうなるとウチは何をしたら良いんや?」
ねむ「差し当たっては一夜の護衛と言った所かな?」
みふゆ「それが妥当だと思います。けど彩月さんは風見野市から来ているんですよね?そうすると放課後から参加すると言う事ですか?」
彩月「まあそうなるやろな」
みふゆ「風見野からだと神浜まで来るのは時間が掛かりませんか?」
彩月「そうやな。かなり時間が掛かるで。そこんとこ魔法でどうにかならへんのか?」
みふゆ「そうですね・・・。他の羽根からも彩月さんと同じ問題の報告は受けています」
ねむ「そうなのかい?僕は初めて聞いたよ」
みふゆ「この問題はお金が絡む問題ですから灯花と相談して対処していました。一部の子には電車代を支給しています」
ねむ「でもそれだと灯花の資金負担が増すよね?」
みふゆ「灯花は定期代位なら幾らでも支給出来ると言いますが流石に問題があると思うので対策を考えています」
彩月「どんな対策なんや?」
みふゆ「実は部下からの報告で神浜市内に空間結合の魔法を使う魔法少女がいる様なので昨日から彼女を見つけて交渉している最中です」
ねむ「その彼女はマギウスの翼に入れるのかい?」
みふゆ「いいえ。魔女化の事は知らない様なので何らかの報酬と引きかけに協力を要請しています。マギウスの翼に関しては聞かせないし向こうも聞いて来ないと言う約束で交渉を続けています」
ねむ「成程。その交渉は灯花とみふゆに任せるよ。上手く行きそうなのかい?」
みふゆ「部下からは上手く行きそうだと報告を受けています。ですから彩月さんの件も上手く行くまでは電車通勤して貰うと言う事でよろしいですか?」
彩月「ウチは文句無いで。それより・・・。ウチも知りたい事があるんやけど答えてくれへんか?」
ねむ「何だい?知りたい事があるなら答えられる範囲でなら答えるよ」
彩月「筒地綾女本人はどうしているんや?」
ねむ みふゆ「!?」
ねむ「それを知ってどうするんだい?」
彩月「単なる好奇心や。知り合いに再会したいと思うのは当然の事やろ?」
みふゆ「会っても今は会話する事は出来ませんよ」
彩月「意識が無いと言う事なんか?」
みふゆ「それは・・・」
言いづらそうにするみふゆはねむを見た。
みふゆの視線に気付いたねむはため息を付くと言った。
ねむ「君がどうしても筒地綾女本人の状態を確かめたいと言うのなら良いよ。ただしこの場にいるメンバー以外に他言無用を守れるのなら良いよ」
彩月「ええで。ウチの秘密にも抵触するさかい、ウチは誰にも話さへんで」
ねむ「分かった。じゃあ付いて来て」
ねむとみふゆを先頭にナナツメ、彩月、一夜はねむの部屋を出て階段を降りて行くと地下へと向かった。
廊下を進み続けるとある部屋の前に来た。
ねむ「この部屋に筒地綾女はいるよ。繰り返すけど会話は出来ないからね」
彩月「分かっとるで」
ねむが取り出した鍵を使って扉を開いた。
その先には暗がりが広がり中は見えなかった。
ねむは魔法少女に変身すると左手を上げた。
すると部屋の中に灯りが広がり視界が開けて行った。
彩月「!?」
驚く彩月の眼前に無数の鎖に巻き付けられ拘束されて脈打ち生きている《赤と青に彩られた何か》が存在していた。
魔女の様に見えるが違うと彩月は直感的に感じていた。
中央の部分に人の顔の様な物が見えて凝視するとそこには筒地綾女その人の顔が埋め込まれる様に存在しているのが彩月にも見えた。
彩月「これ・・・。筒地綾女はどうなっとるんや?魔女や無いんやろ?」
ねむ「これは半魔女と言った所だね」
彩月「半魔女?」
ねむ「僕達の見立てによると筒地綾女は半分だけ魔女になっている様なんだ」
彩月「残りの半分はなんや?」
みふゆ「どうやらドッペルの様なんです。魔女化とドッペルシステムが同時に作用した結果こうなったと聞いていますが・・・」
彩月「一体何があったんや?神浜にはドッペルシステムがあるんやろ?」
みふゆ「この綾女さんの事例は完全なイレギュラーと言えます。順を追って説明した方が良いでしょう。ねむ。良いですね?」
ねむ「うん。ただこれからみふゆがする話は改めて他言無用で頼むよ」
少し強い言葉と表情を見せるねむ。
それを聞いて全員が頷いた。
みふゆ「あれは・・・。大体一月ほど前の事です。ワタシが筒地綾女さんとマギウスの翼に協力して貰うように交渉している時でした・・・」
ねむの使用した筒地綾女の魔法は機能を限定的に再現したと言っている通り、本当の効力を発揮してはいません。
ねむが欲しがっている魔法の正体は後に明らかになります。
次回は回想編になります。
一話で描いた筒地綾女と梓みふゆの交渉の後で何があったのかを記します。