マギアレコード 偽書e/s memorys   作:ジャックノルテ

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第1話 私の答えは

□神浜市内 中央区 路地裏 夜 木曜日

 

綾女「今の所、手掛かりは無い・・・」

 

周囲を警戒しながら進んで行く私服の綾女。

警戒を怠らないが、少し焦りを見せていた。

 

綾女(キュウたんからの依頼で神浜市へ来たけど、今の所分かったのは、神浜市の魔女が他の地域の魔女より強くなっていると言う事・・・。恐らくは、神浜市に多くの魔女が流れ込んだ影響で獲物を食い更に魔女同士による共食いをした影響で強くなっているみたいね・・・)

 

考え事をしながら路地裏と言う魔女が比較的出現しやすい道を選んで進む綾女は警戒を怠らなかった。

 

綾女(何が原因なのかしら?朱奈が見た夢と外部から侵入した魔法少女がこの神浜市で何人も行方不明になった事態といい、未だ原因が判明しないわね・・・。キュウたんが神浜市には入れない原因も見当が付かないし・・・。私一人で調査をするのも限界よね・・・。一度、そろそろこの街から出ようかしら・・・)

 

 そう考えながら綾女の足は宿泊先へと向かっていた。

 

□神浜市内 中央区ホテル 夜 木曜日

 

綾女「ただいま。朱奈」

 

 綾女は他人に見せない様な穏やかな笑顔を朱奈と言う少女に向けている。

 

朱奈「お帰り。綾女ちゃん」

 

 朱奈もまた他人には見せない様な笑顔を綾女に向けていた。

 それだけでこの二人の関係が深い関係性を示していると言えた。

 

綾女「私の留守中に変な事は無かった?」

 

朱奈「ううん。無かったよ。綾女ちゃんのお仕事の方は大丈夫だったの?」

 

綾女「ええ。大丈夫よ。でも朱奈の見た夢の手掛かりは無かったわね」

 

朱奈「そう・・・。なの・・・」

 

 少し気落ちした表情を見せた朱奈。

 

綾女(そう。私は元々、キュウたんからの依頼とは別に朱奈の見た夢を調べる為にこの街へ来た・・・)

 

 

□回想 数日前 某所 公園 朝方

 

綾女「夢を見たの?」

 

朱奈「うん。神浜市では、魔法少女の定められた終末から抜け出して救済されるって顔の見えない女の子が夢で言っていたの」

 

綾女「夢・・・。それに神浜市・・・」

 

 険しい表情をする綾女。

 

綾女(神浜市・・・。さっきキュウたんから調査の依頼を受けた街の名前・・・。朱奈がその名前を告げるなんて・・・。この街に一体、何があると言うのかしら・・・)

 

朱奈「綾女ちゃん!わたしを信じて!魔法少女の定められた終末が何なのか知らないけど、わたし神浜市へ来てってメッセージは、夢なのに何故か本当の気がする」

 

 考え込む様子を見せた綾女に真剣な表情を見せる朱奈。

朱奈がここまで真剣な眼差しを綾女に向けて来るのは初めてだった。

 

綾女(朱奈・・・。魔法少女の定められた終末って・・・。どう考えても魔女化の事よね・・・。でもそれから救われる?そんな事はあり得ないわ。キュウたんの元で汚れ仕事をしていた私だから良く知っている・・・)

 

朱奈「神浜市へ行こう!何があるか分からないけど行かなきゃいけない気がするの!」

 

綾女(私の身体も魔力も衰えている・・・。どうせ魔女になるのなら・・・。その前に朱奈が見た夢を調査しても良いかも知れないわね)

 

綾女「分かったわ。朱奈。神浜市へ二人で行きましょう」

 

朱奈「ありがとう。綾女ちゃん!」

 

綾女「その代わり、危険があったら直ぐに離れるわ。どうやら私の仕事とも関係が出て来てしまったから、危険があるわね」

 

朱奈「うん。いつも通りにわたしは綾女ちゃんの言う事を聞くから大丈夫」

 

綾女「分かってるわ。朱奈」

 

□神浜市内 中央区ホテル 木曜日 回想終了

 

綾女「明日は例の日だからもう休みましょう」

 

朱奈「うん・・・。綾女ちゃん。無理を・・・。しないでね・・・」

 

綾女「ええ。無理なんかしてないわ。でも、どうしてそんな事を聞くの?」

 

朱奈「ごめんなさい。何故か、綾女ちゃんが焦っている気がして・・・」

 

綾女「・・・。そんな事は無いわよ。どうしてそう思うの?」

 

朱奈「その・・・。綾女ちゃんが焦っている様に見えたから・・・」

 

 朱奈に心配をかけてしまったと考えて心に痛みを感じる綾女。

 内心焦っている事を見透かされていた事に驚いてもいる。

 

綾女「朱奈。心配させてごめんなさい。でも大丈夫よ。あなたが見た夢の意味を私は見つけて見せるわ」

 

 そう言って綾女は朱奈を抱き寄せた。

 朱奈、赤面する。

 

朱奈「綾女ちゃん・・・。無理しないでね・・・」

 

綾女「ええ。私は無理なんかしないわ」

 

朱奈(嘘・・・。綾女ちゃん・・・。無理してる・・・)

 

綾女(と言っても・・・。この神浜市の状況じゃ無理をするしか無いわよね・・・)

 

 すれ違う綾女と朱奈の思い。

 

 

□神浜市内 中央区公園 金曜日午前中

 

朱奈「綾女ちゃん。わたし・・・。待ってるから」

 

 険しい表情をした朱奈。

 

綾女「分かってるわ。なるべく速く朱奈の所に必ず行くわ」

 

朱奈「うん。いつもみたいに、わたし待っているから!」

 

 その瞬間に朱奈の右目に存在する呪いが発動して魔女を引き寄せた。

 朱奈は結界の内部に取り込まれるが、呪いの持つ作用によって魔女や使い魔は朱奈の事を同じ物としか見ていない為、朱奈に危険が及ぶ事は無い。

 それを見た綾女は魔法少女へ変身した。

 

綾女「朱奈。待っていて」

 

 決意の表情を見せた綾女は結界に突入した。

 

綾女(正直、神浜の魔女は強い。この間も花屋の魔法少女に助けられた位だから・・・。私が単独で勝てるかどうかで言えばかなり微妙ね・・・それでも・・・。やる他、無いわね・・・)

 

□魔女の結界内。

 

綾女「強いわね・・・」

 

 次々と綾女に襲い掛かって来る使い魔。

 

綾女「やっぱり他の街に比べて強い。けど・・・。朱奈を助ける為には、負けてられないわね・・・」

 

 使い魔を退けた綾女は朱奈のいる場所を探る。

 朱奈の右目から出ている魔力は独特のパターンがあり綾女には判別が出来た。

 

綾女「と言っても・・・。流石に・・・」

 

 次々と襲い来る使い魔に綾女は精神的に疲弊していた。

 

綾女「頭を使う事よね」

 

 呟き綾女は結界内部の通路に隠れて使い魔をやり過ごした。

 使い魔が去ったのを見ると綾女は再び最深部を目指した。

 なるべく使い魔をやり過ごして最深部を目指した為、かなりの長時間を掛けて綾女は最深部へと到着した。

 

綾女「朱奈は・・・」

 

 最深部へ到着した綾女は直ぐに突入せずに周囲を探ると朱奈は魔女の足元に倒れていたが、魔女は不思議な物を見る様に見つめていた。

 

綾女「さて、ちょっとばかりよそ見して貰うわよ」

 

 綾女は手に魔法の種を出現させると、それを魔女の頭に向かって投げ付けた。

 魔女の頭にぶつかった魔法の種が爆発したと同時に飛び出した綾女は魔女の足元へ行くと魔法の種を再度仕掛けた。

 次々と起こる小規模な爆発に驚く魔女。

気絶した朱奈を確保して結界の横道に入れると綾女は一気に魔女の身体を駆け上がると魔女の頭に武器である箒の柄を突き刺した。

 そこが魔女の急所だった為、綾女は何とか魔女を倒す事が出来た。

 グリーフシードを拾い上げた綾女は直ぐに違和感に気付いた。

 

綾女「・・・。おかしい。結界が崩壊しない?」

 

 念の為に綾女が再度魔力で周囲を探ると別の魔女と別の魔法少女の反応を探知した。

 

綾女「2匹いたのね・・・。でも、朱奈を確保したから私は退散させて貰うわ」

 

 そう言って綾女は朱奈を抱き抱えると結界を出る為に退路へ向かった。

 その際、使い魔が襲って来ない事に疑問を感じた。

 

綾女「使い魔が襲って来ない・・・。他の場所から入った魔法少女が倒したのかしら?」

 

 おかしいと思いつつも結界の出口へ歩を進める綾女。

 ところが綾女の向かっていた結界の出口付近で魔女と戦う魔法少女の姿が見える。

 咄嗟に物陰から除く綾女の姿は魔法少女と魔女からは見えていない。

 

魔法少女「ハア。まさか会合の帰り道に魔女と遭遇するなんて思わないワケ」

 

 魔法少女は緑の髪を揺らしながら手に出現させた緑色のキューブから光線を放ち魔女を攻撃する。

 

魔法少女「いい加減に倒されてくれない?正直、イライラしてるんですケド!?」

 

 イライラを押さえない魔法少女が叫ぶと同時に魔法少女のソウルジェムに溜まった穢れが周囲を響かせる様な魔力の爆発を感じると綾女の目の前で驚愕の現象が起きていた。

 

綾女「あれは・・・。なに!?」

 

 思わず口から小さく言葉が漏れるほど綾女は驚いていた。

 魔法少女の背中からイモムシの様なモノが生え足元には花や丸い模様が絵具をグチャグチャにまき散らした様なモノが蠢いていた。

 

綾女「魔女化じゃあない・・・。だとしたら何なの・・・」

 

 自身の知らない脅威的な現象を前に驚く綾女。

 

魔法少女「これで終わりにしてヨネ!バイバイ!」

 

 魔法少女が叫ぶと同時に魔女の足元から次々と溶解液が沸き上がり魔女の身体を溶かして行った。

 魔女は絶命して結界は崩壊して周囲は元の路地裏に戻っていた。

 

綾女「もしかして今のが魔法少女は救われるって事なの・・・」

 

 朱奈を抱えた綾女が物陰から見ると魔法少女は既に立ち去ろうとしていた。

 

綾女(見つからない内に私も立ち去った方が良いわね。やはり一度、キュウたんと会った方が良いわね)

 

 綾女も朱奈を抱えたまま路地裏から出て帰路に付こうとする。

 その綾女の姿を見つめる白い髪に黒い花飾りの女性がいた。

 

女性「彼女は・・・。確か・・・」

 

 綾女の姿を見て意味深い発言をする女性。

 

 

□神浜市内 中央区ホテル 金曜日 夜

 

 ホテルに戻った綾女が朱奈をベッドに横にすると朱奈は目を覚ました。

 

朱奈「う・・・ん。あっ。綾女ちゃん?」

 

綾女「起きたのね。でも、疲れているでしょう?そのまま寝ても良いのよ」

 

朱奈「うん。綾女ちゃん。綾女ちゃんは大丈夫なの?」

 

綾女「私は大丈夫よ。それより朱奈。明日、神浜市を出ましょう?」

 

朱奈「えっ?どうして?まだ何も分からないんだよね・・・」

 

綾女「この街は思ったより危険かもしれないわ。一度、この街を出て隣にある宝崎市から調査をした方が良いわ」

 

朱奈「そうなの・・・。うん。分かった・・・」

 

綾女「ごめんなさい。でも正直、私でも恐ろしいと思う事がある位だから・・・」

 

 先程、魔法少女がソウルジェムから出した魔女では無い化け物に対する恐怖を思い出し綾女は険しい表情を見せていた。

 

朱奈「綾女ちゃん?大丈夫?」

 

 綾女の表情の変化に気が付いた朱奈は心配そうな表情を見せる。

 

綾女「大丈夫よ。今日はもう寝ましょう。少し疲れたわ。私はシャワーを浴びるから朱奈は先に寝てて良いわよ」

 

朱奈「うん。じゃあ先に寝てるね。お休み。綾女ちゃん」

 

綾女「お休み。朱奈」

 

 シャワー室に向かった綾女を見送ると朱奈は思案する様子を見せた。

 

朱奈「わたしの夢の手掛かり・・・。まだ見つからない・・・。綾女ちゃんに終末なんて怖い事は来て欲しく無い・・・」

 

 恐ろしい事が綾女に起こるのだと朱奈は信じている様子だった。

 

 

□神浜市内 ???? 金曜日 夜

 

何処かの部屋にいる白い髪に黒い花飾りの女性が携帯電話で何処かに電話している。

 

女性「ええ。先日、黒羽根を襲撃したスズネさんの事がありますから、ワタシもアリナが近くで戦闘をしている事に気付いてまさかと思って結界に入った所で彼女の存在に気が付きました。まさか探そうとしていた彼女の方から神浜市に来ているとは思いませんでした。ですが・・・。それは、必然なのかも知れませんね。1年前に神浜市に現れた時も彼女はキュウべえの依頼を受けて調査に来たと言っていましたから。ええ。その事は大丈夫です。ワタシの存在は悟られていません。幻覚魔法で気配を消しながら尾行して宿泊先も確かめました。ですから明日にでも接触して交渉してみようと思います。はい。分かりました。もちろん、単独では無く何人かの黒羽根に声をかけて向かいます。大丈夫ですよ。無茶はしません。それに彼女の情報を集約すると弱点はおのずと分かります。いざとなればそこを付く事にします。それでは」

 

 電話を切った女性は少し険しい表情を見せていた。

 

女性「まさかこんな形で再会するなんて思いませんでした・・・。筒地綾女さん」

 

 

□神浜市 中央区 駅 土曜日 午前中

 

アナウンス「まもなく、3番線に宝崎行きの列車が参ります。白線の内側へ下がってお待ち下さい」

 

 駅のホームにいる綾女と朱奈は、ホームに到着した電車に乗り込む。

 

朱奈「綾女ちゃん。これから神浜市の事は宝崎市から調べるの?」

 

綾女「そうね。宝崎での宿泊先は目星を付けているから、そこを拠点に調査をする事になるわね。時間は少しかかるかも知れないけど・・・。これで安全に調査をする事が出来る筈よ」

 

朱奈「うん。わたしの見た夢・・・。最近、あの夢の事だけが思い浮かぶから・・・。答えがあるのならわたしは知りたい・・・」

 

綾女「朱奈・・・。大丈夫よ。夢の意味は私が見つけるから」

 

 少しだけ暗い表情を見せた綾女だったが直ぐに笑顔に戻した。

 暫くするとアナウンスが社内に流れた。

 

アナウンス「次は新西中央駅。新西中央駅。お出口は左側です」

 

女性(次の駅で電車を降りてくれませんか?)

 

 女性からのテレパシーが綾女の脳裏に響き驚く綾女。

 

綾女(誰!?それより電車を降りろって・・・)

 

女性(その通りです。次の駅で電車を降りて欲しいんです。ワタシ達はあなたと交渉がしたいので。それに・・・。周囲にはワタシの仲間がいます。今ならあなたも気づくでしょう?)

 

綾女(!?)

 

 女性がテレパシーで答えたと同時に綾女は電車に乗り込んだ時に周囲で感じていた魔法少女の魔力が偶然、電車で乗り合わせた訳では無く意図的に配置された事を悟った。

 

綾女(分かったわ。次の駅で降りれば良いのね・・・)

 

女性(はい。それで構いません。もし降りなくてもこちらには幻惑魔法があります。あなたには、それでお分かりですよね)

 

綾女(分かったわ・・・)

 

 テレパシーで返事を返した綾女は険しい表情を見せていた。

 

綾女「朱奈。次の駅で一度、電車を降りるわよ」

 

 小声で朱奈に告げる綾女

 

朱奈「えっ?どうしたの?綾女ちゃん」

 

 綾女の異変を察した朱奈は不安げな表情を見せる。

 

綾女「どうやらこの街の魔法少女に後を付けられてたみたいね・・・。話をしたいと言っているから・・・。次の駅で降りて話だけは聞いてみるわ」

 

朱奈「うん。分かった。綾女ちゃん。気を付けてね・・・」

 

綾女「大丈夫よ。無茶はしないわ」

 

 笑顔で答える綾女。

 綾女と朱奈が電車を降りると続けて降りる女性と魔法少女と思しき少女達。

 

女性(改札口を出たら南口へ向かって下さい。南口を出て、そのまま左に進めば人が余り来ない公園があります。そこで話をしましょう)

 

 女性に言われたとおりに綾女は朱奈を連れて公園に向かった。

 後を付けて来る女性と少女達。

 公園には確かに人はいなかった。

 

綾女「ここならもう良いでしょう。何が目的なの?」

 

 振り向いた綾女は女性を見て訝しんだ表情を見せる。

 女性の周りには数人の黒いローブを纏った魔法少女がいたのだ。

 *魔力を感じ取れる綾女には発する魔力で相手が魔法少女だと分かる。

 更に女性の顔を見て前に会った事がある相手だと気が付いた。

 

綾女「あなたは・・・。確か、梓みふゆね・・・」

 

女性=みふゆ「ええ。お久しぶりです。筒地綾女さん。あなたが1年前に、鏡の魔女結界を調べに来て以来ですね」

 

 綾女とみふゆの間に緊張感が張り巡らされる。

 二人は面識がある分、お互いがどう言う人間かを知っていたからだ。

 

綾女「目的は何?まあ私を狙ったのなら目的は一つよね」

 

 朱奈を庇い前に立つと同時にみふゆを睨み付ける綾女。

 

みふゆ「生憎、ワタシ達の狙いは朱奈さんじゃありません。筒地綾女さん。ワタシ達の狙いは、あなたなんです」

 

綾女「私を狙う?どうして?確かに恨まれる覚えはあるけど、この街では特に何もしていない筈よ」

 

みふゆ「ええ。知っています。あなたは何もしていません。でも、ワタシ達の組織にはあなたの持つ魔法に関する技術力がいるのです」

 

綾女「私の技術力?」

 

みふゆ「はい。ワタシ達の組織、マギウスの翼にはアナタの技術力が必要なのです。ですからワタシが直接、綾女さんを勧誘に来たのです。魔法少女の宿命から解放される為に」

 

綾女「なっ!?」

 

朱奈「!?。今、わたしが見た夢と同じ様な事を言った!?」

 

 驚く綾女と朱奈。

 

綾女「ちょっと何を言って・・・」

 

みふゆ(やはり綾女さんは魔女化を知っていましたね。連れ合いの方の様子だとソウルジェムの持つ最後の秘密は話して無いようですね。それと・・・。ここからはテレパシーで会話しませんか?)

 

綾女(・・・。良いわ。何が目的なの?)

 

みふゆ(先程、申し上げた通り綾女さんの持つ魔法に関する技術と情報を、我々の組織マギウスの翼に提供して欲しいのです。我々は魔法少女が魔女になると言う宿命からの解放を目標にしています)

 

綾女(そんなのは不可能でしょう?)

 

みふゆ(いいえ。可能です。今はこの神浜市だけですが可能となっています。アナタは昨日、その奇跡を目の当たりにしたでしょう?)

 

 綾女の脳裏に蘇る昨夜の魔法少女の戦闘。

 確かにソウルジェムが濁り魔女化すると思ったら魔女化せずに魔女の様なモノを具現化させて魔女を倒した。

 

みふゆ(ワタシは昨日、アナタが見ていた事を背後から観察していました。ですので誤魔化す必要はありませんよ)

 

綾女(確かに見たわ。でもそれだけじゃ、あなたを信じる理由にはならないわね)

 

みふゆ(もしかしてキュウべえに依頼されて神浜市に潜入して行方不明になった魔法少女の事ですか?安心して下さい。彼女達もマギウスの翼に入っています)

 

綾女(やはりそうなの。それはどうだって良いわ。そのマギウスの翼と言う組織に私が入らないと言った場合、あなたは私と朱奈をどうする気なの?)

 

みふゆ(それは・・・。力ずくと言う形になると思います)

 

綾女(随分とハッキリと答えるのね)

 

みふゆ(嘘を言っても仕方無いでしょう?それにワタシ達の組織が綾女さんの技術力を必要としているのは確かです。穏便に入ってくれるのが一番なんですが・・・)

 

綾女(どうして私を必要としてるのか次第ね)

 

みふゆ(綾女さんの持つ経験と他人のソウルジェムを操ると言う技術に我々は着目しています)

 

綾女(どうしてそれを知っているの?この神浜市に初めて来た時、私はその技術を隠していた筈よ)

 

みふゆ(マギウスの翼にはあなたの記憶を移した実験体の一人が加わっています。彼女からあなたの事はある程度、聞く事が出来ました)

 

綾女(なら良いじゃない。別に私を勧誘する必要は無いんじゃないかしら?)

 

みふゆ(でも彼女は肝心な技術に関する詳細な記憶を持たないそうです。ですからちょうど神浜市に来た綾女さんを勧誘しに来たのです)

 

綾女(でしょうね。誰が加わったのかは分からないけど、私が自分だけが持つ技術の詳細をタダで他の子に渡す訳無いでしょ)

 

みふゆ(つまり最初から技術は自分だけで独占するつもりだったと言う訳ですね)

 

綾女(いざと言う時の武器として慎重に扱っていただけよ)

 

 綾女とみふゆがテレパシーで会話してるのは朱奈には、長い間にらみ合っている様に見えていた。

 

みふゆ(それよりも答えをお聞かせ下さい。マギウスの翼に入るのか、入らないのか。入らないのならワタシ達はそれなりの行動を起こさせて貰います)

 

綾女(どうせ拘束する準備はしているんでしょ?)

 

みふゆ(否定はしません)

 

綾女(これだから魔法少女が作った組織は信用出来ないのよ。やってる事に大差無いわ)

 

みふゆ(他の組織の事は知りませんが、我々は純粋に開放の為に活動しています。それよりも答えをお聞かせ願いますか?)

 

 周囲の魔力を探った綾女は直ぐに完璧に包囲されている事を知った。

 綾女一人なら脱出する事が出来ても朱奈が無事で済まない事は明白だった。

 

朱奈「綾女ちゃん・・・。何か話してるの・・・」

 

 テレパシーで会話していると悟った朱奈が綾女に声を掛けるも綾女は答えられない。

 綾女はみふゆを睨みながら最善の道を探っていたが、既に答えは出ていた。

 

綾女「良いわ。答えを告げるわ」

 

 声を出した綾女に驚く朱奈とみふゆと黒羽根。

 

綾女「私の答えは」

 

 

□神浜市内 ???? 

 

 

綾女「うっ・・・。ここは・・・。何処?」

 

 起き上がった綾女は自分の知らない場所にいる事に気が付いた。

 牢の様な場所でベッドに横たわっていた。

 見覚えの無い場所に困惑する綾女。

 周囲では爆発音と少女の悲鳴、怒号が響いていた。

 

綾女「朱奈は?」

 

 綾女の周囲に朱奈の姿は無かった。

 




あとがき解説

 魔女の結界内部で綾女が遭遇した魔法少女はアリナ・グレイ。

 この話の時期としては、マギアレコードのすずね☆マギカコラボ第1弾から数日以内の出来事、環いろはが、神浜市に来る数か月前と想定しています。
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