マギアレコード 偽書e/s memorys   作:ジャックノルテ

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今回の出来事はマギアレコードのメインストーリー第3章と同じ時期に起こった出来事を想定しています。


3・5章 ただそれだけやで

□ 神浜市内 北養区 ホテルフェントホープ インタビュールーム

 

 

 

観鳥令の依頼でホテルフェントホープに用意されたインタビュールームには、制服姿の観鳥令と私服姿の菖蒲彩月が椅子に並んで座っていた。

 

観鳥さん「じゃあ始めようか。マギウスの翼。黄羽根へのインタビュー。まずは名前からどうぞ」

 

彩月「そやな。ウチはご存じ菖蒲彩月や。マギウスの翼で黄羽根をやらせてもろとる」

 

観鳥さん「うん。そうだね。じゃあ早速、質問なんだけどマギウスではどんな仕事をしているのかな?」

 

彩月「そやなー。普段は道具作り専門の一夜さんの護衛と荷物持ちを担当しとるな。それと地下倉庫の整理整頓やな。まっようは裏方と言う事やな」

 

観鳥さん「成程。直接魔女と戦わない部署と言う訳だね」

 

彩月「そうでもないで。ウチこの間、仕事帰りに神楽教官が魔女の討伐に出たのに勝手に付いて行って勝手に使い魔と戦ったで」

 

観鳥さん「え?でもそれって問題あるんじゃ?」

 

彩月「そう思おたから黒羽根のローブを借りていったんやけど途中でバレて怒られもうたわ。まあ面白かったんやけどな」

 

観鳥さん「観鳥さんも白羽根だから流石に問題あると思うけどね・・・。もしかして他の人にもやったの?」

 

彩月「そうやなー。天音姉妹さんやみふゆさんにも付いて行ったで。魔力を溜めとく石あるやろ?アレ使って他人に成りすまして」

 

観鳥さん「結果は?」

 

彩月「みふゆさんにはバレて絞られたけど、他にはバレてへんで。まあ戦闘経験を上げる為には、実戦が一番やろ?」

 

観鳥さん「それには同意するけどね・・・」

 

彩月「観鳥さんにも付いてったで」

 

観鳥さん「え!?いつの間に・・・」

 

彩月「こうやって経験を積めば、いざという時も動ける護衛になれるやろ?」

 

観鳥さん「うーん。まあ勤務態度は良しかな?ところで聞きたいんだけど、黄羽根って一夜さんとナナツメさんがいるけど二人はマギウスから給料が支払われているね」

 

彩月「まあ支払いは灯花様やけどな」

 

観鳥さん「彩月さんも黄羽根だし給料を貰っているのかい?」

 

彩月「いいや。貰って無いで。別にいらんしな」

 

観鳥さん「えっ?いらないんだ。意外だね。観鳥さんも給料があるなら欲しい位なのに・・・。カメラの維持費は馬鹿にならないからね」

 

彩月「別にウチは金の為にマギウスやっとる訳やないんやで。ウチはねむ様との約束があるさかい。ねむ様が約束を果たしたから黄羽根として働く。だたそれだけやで」

 

観鳥さん「給料を貰えない事に不満は無いんだね?」

 

彩月「無いで。それは観鳥さんや他の羽根も同じやろ?それにナナツメさんや一夜さんなら給料を貰ってもええやろ。あの二人はマギウスやみふゆさんに次いでマギウスで働いとるやろ」

 

観鳥さん「確かにそうだね。ナナツメさんはねむ様や灯花様の護衛を担当して、一夜さんはローブや魔力を溜める石とかの道具作りを担当している訳だしね」

 

彩月「と言うかあの二人は24時間働いとる様なもんやろ。給料貰う資格はあるとおもうでー。それにナナツメさんはともかく一夜さんには必要やろ」

 

観鳥さん「どうしてそう思うんだい?」

 

彩月「これから先、マギウスの計画が全て上手く行ったら・・・。灯花様的には戸籍の無い一夜さんの社会復帰を支援するつもりらしいで。それに多少の金は生きて行くのに必要やろ」

 

観鳥さん「ふむ・・・。灯花様がそんな事を・・・」

 

彩月「みふゆさんを助けとるんやしもう一人増えても平気なんやろ」

 

観鳥さん「そう言う事なのかな・・・。それで彩月さんは今の護衛の仕事には満足しているのかな?」

 

彩月「まあウチに与えられた役割やし文句は無いで。魔女と戦ってもウチには切り札が無いさかい苦戦するしな」

 

観鳥さん「もしかして定例会議で聞いたアリナ様がハンドベルを使った件かい?」

 

彩月「あの時は大変やったで。いきなり結界に飲み込まれて黒羽根3人と合流しても魔女に勝つ見込みがあらへんやろ。もうどうしたら良いんやと言った感じやったなー。だから黒羽根に言ったんや。責任は黄羽根のウチが取ったる!ウチならねむ様やみふゆさんに取りなせるし裏ルールを忘れたんか!ってな」

 

観鳥さん「裏ルールね。確かに命の危険がある場合に固有魔法を使う事に躊躇したら死んでしまうかも知れないしね。それで実際の所、ねむ様やみふゆさんに取りなし出来るのかい?」

 

彩月「まあ出来るやろ。状況が状況やったしな。聞いてくれなきゃぶん殴ってでも認めさせるところや」

 

観鳥さん「いや・・・。それはマズいでしょ・・・」

 

彩月「割とこう見えてウチは短気な方やでー。デコピン位はしとこうかー」

 

観鳥さん「もしかしてふざけてる?」

 

彩月「バレたか?まあ緊張をほぐすためや。許しときい」

 

観鳥さん「まあインタビューをする上でリラックスしてくれるのはありがたいけどね」

 

彩月「けど認めなきゃマギウスでも殴るは本気やで。どうせ出来へんけど」

 

観鳥さん「それはどうしてだい?」

 

彩月「ウチが魔法を使えるんはねむ様のおかげさかい。まあ歯向こうたら魔法は没収やろ」

 

観鳥さん「まあそれはそうだろうけど・・・」

 

彩月「白羽根は知っとるんやろ?ウチが魔法少女になる素質を持たない人間でねむ様の魔法で与えられた魔法を使うだけの存在やと」

 

観鳥さん「一応それってオフレコみたいな物だよね?」

 

彩月「話しても構へんで。知っていようと知らなかろうと何も変わらへんやろ?」

 

観鳥さん「大胆だね・・・。それで彩月さんは今の仕事には満足しているみたいだけどもっと魔法が欲しいとは思わないのかい?」

 

彩月「魔法なあー。欲しいなとは思うけど・・・。どの道、魔女と戦うのが避けられへんのなら魔法よりも武器が欲しいなー。一夜さんに頼めば幾らか手に入るやろ」

 

観鳥さん「確かに一夜さんに頼めば他の魔法少女の武器をコピー出来るよね。彩月さんは、前に観鳥さんのバズーカを使ったって聞いたね」

 

彩月「まあ本物程の威力は無いさかい牽制位がええ使い道やな」

 

観鳥さん「そう言えばコピーは本物程の威力を持っていないんだね」

 

彩月「一夜さんが言うには誰でも使える様にする為に威力を押さえざるを得なかったって言っとったで」

 

観鳥さん「一夜さんも言っていたね。だからこそ黒羽根と白羽根は、足りない威力を連携で補っているんだよね」

 

彩月「連携は重要やで。神楽教官の厳しい訓練はその為のモノさかい」

 

観鳥さん「神楽教官は厳しくも羽根の一人一人を見ているからね。神楽教官が訓練した羽根とそれ以外が訓練した羽根じゃ羽根としての戦い方に差があるからね」

 

彩月「ウチは神楽教官の訓練は好きやで。適切さがあるし何より実戦的や」

 

観鳥さん「それは否定しないけど、余りそう言う事は言わない方が良いと思うよ」

 

彩月「ああ。ミユリちゃんを怒らせるからやろ?」

 

観鳥さん「ああ。知っているんだ。じゃあ分かっているよね?」

 

彩月「大丈夫やろ。ミユリちゃん程、神楽教官を好きな人はいないって事やろ?」

 

観鳥さん「まあそうだけど・・・。あんまりそう言う赤裸々な事はちょっと。じゃあ質問があるんだけど」

 

彩月「何でも答えるで。彩月ちゃんはご機嫌やからな」

 

観鳥さん「じゃあ彩月さんはマギウスの翼をどう思っているのかな?」

 

彩月「おもろい組織やと思とるで」

 

観鳥さん「どうして面白いんだい?」

 

彩月「そやなあ。ウチには・・・。綾女さんの記憶があるさかいやろな」

 

観鳥さん「筒地綾女さんの記憶があるからと言うのはどういう事かな?」

 

彩月「綾女さんの記憶によれば・・・。この世界には無数の魔法少女組織があるみたいやで。けど・・・。どれもそんなに長続きせえへんで」

 

観鳥さん「そうなのかい?でも・・・。何となく想像がつくね・・・」

 

彩月「まあ魔法少女は遅かれ早かれ魔女化したり死んだりするんやろ。そんなんじゃ組織なんか作った所で長続きせえへんやろ」

 

観鳥さん「いや・・・。観鳥さんと彩月さんも現にマギウスの翼って言う組織の一員だよね・・・」

 

彩月「あくまで綾女さんが知っている範囲の話やしな。もしかしたらウチらが知らないだけで長続きしている組織もあるのかも知れへんで」

 

観鳥さん「その可能性は否定しないけどね・・・。ところで彩月さんは、黄羽根の中では唯一、マギウスの翼内ではフレンドリーで話やすいし、彩月さんの方から話に来てくれるって評判は凄く良いよ。この事に関して何かあるかい?」

 

彩月「そうやなー。まあウチはこの組織じゃ新参者やしな。多少は足場を作る為に愛想よくしているのは確かやで。それに愛想が良いには越した事無いやろ」

 

観鳥さん「ハッキリと答えるね。まあ白羽根としては愛想が良いに越した事は無いけどね」

 

彩月「そうやろ。そうやろ。まあ一夜さんは人見知りな所があるし、ナナツメさんは問題外やろ。黄羽根は確かに話し難い人間ばっかやしな」

 

観鳥さん「まあ確かにナナツメさんの事は同意するよ。あれほど話辛い人間はいないね」

 

彩月「ウチと同じ筒地綾女の記憶を持っていなきゃ・・・。ウチでも話せる仲にはなれへんやろな」

 

観鳥さん「意外だね。彩月さんなら誰とでも話せそうなのに」

 

彩月「いや。ウチだって苦手な人はおるで。苦手でも何でも話さなきゃいけへん時は話すだけや」

 

観鳥さん「観鳥さんもそこは同意するね。取材って言うのはそう言う事だからね」

 

彩月「まあ一応、ウチも黄羽根の評判が余りよろしく無いからイメージ改善の意味合いもあってこうしとるだけや。まあ喋るのは好きやしな」

 

観鳥さん「確かに彩月さんは喋るのは上手いね。自分の事は余り話さないのに」

 

彩月「なんや。気付いたんか」

 

観鳥さん「まあ分かりやすいからね。観鳥さんも他の羽根から話を聞いて気が付いたよ。理由を聞いたら話してくれるかい?」

 

彩月「単純な事や。つまらん事を話してもしょうがないやろ」

 

観鳥さん「つまらない・・・。のかい?」

 

彩月「普通の人間の人生なんか聞いても面白く無いで。そんな劇的な出来事が起こる訳でも無い訳やしな」

 

観鳥さん「まあ確かにそうかも知れないね・・・」

 

彩月「強いて劇的と言うなら綾女さんに記憶を埋め込まれた位やな」

 

観鳥さん「記憶の埋め込みか・・・。観鳥さん的にはかなり興味があるけどね」

 

彩月「そないにええもんや無いで。他人の人生を強制的に覚えさせらえる様な物や。見たくない部分も。知りたくない部分も。知りたい事と合わせてごちゃ混ぜに無理やり鑑賞させられるんやからな」

 

観鳥さん「前に記憶ミュージアムでみふゆさんの記憶を見せて貰った事があるけど・・・。確かに彩月さんの言う通りだよね」

 

彩月「そうやろ。そうやろ。んで黄羽根に属する人間は、ウチも含めて変わった人間ばっかやけど・・・。ぶっちゃけた話、マギウスのお三方だってそうだろ」

 

観鳥さん「いや。その話は流石にマズイって」

 

彩月「黄羽根のウチが言うんやし問題無いやろ。灯花様は天才過ぎてよー分からんし、アリナ様は単なる芸術狂いやろ。ねむ様は物静か過ぎて話しかけ辛いやろ。そんなマギウスの元にいる黄羽根だからウチも含めて変なのが集まるんやろ」

 

観鳥さん「まあ変わった人たちなのは認めるけど」

 

彩月「みふゆさんだってたまに抜けてる所がある訳やしな。この間の追いかけっこ見たいになー」

 

観鳥さん「ねえ。それもマズい話だよね?」

 

彩月「体重気にすんは分かるんやけど、ウチからクッキー受け取っただけで灯花様に怒られるなんてよっぽどの事なんやろ?」

 

観鳥さん「それでこの間の追いかけっこに繋がったんだよね」

 

彩月「そうやでー。あれは楽しかったなあー。みんなの前でスターの様に手え振って仲良しアピールするのは悪うないで」

 

観鳥さん「でも後ろから鬼が二人、追いかけて来たのにね」

 

彩月「追われるのも悪うないで。逃げるのも割と楽しいもんやでー」

 

観鳥さん「どうすれば楽しめるのかな?」

 

彩月「必死にやれば何でも楽しめるもんやとウチは思うんやけどなー」

 

みふゆ「ではこれからお説教を始めますからそれも楽しめますか?」

 

観鳥さん「みふゆさん!?」

 

彩月「おんや?いつの間に」

 

みふゆ「二人がこの実況配信インタビューに夢中になっている間にですよ。それにしても彩月さん。どうやらまだ懲りて無い様ですね」

 

彩月「あんれまあ。変身までして・・・。これってウチが怒られるパターンやろか?」

 

観鳥さん「どう見てもそうだよね」

 

彩月「そないに呆れないで助けてくれてもええんやないかー」

 

観鳥さん「観鳥さんは一応、ブン屋の端くれだからね。ここは静観させて貰うよ。これは珍しい物が見れそうだからね」

 

みふゆ「観鳥さん。良い心がけですね。じゃあ彩月さんのお説教を始めるから中継はここまでと言う事で」

 

彩月「そんな堪忍してなー」

 

 その瞬間にマギウスの翼会員限定で動画配信生中継されていた黄羽根インタビューは強制終了したのだった。

 なお鑑賞した他の羽根からは割と好評だったと言う。

 

彩月「やっぱりウチはみんなの人気者やなー」

 




 今回の作品は実験作品で会話のみで状況説明文章を一切使わない形を取りました。
 ただ一つ言えるのは、メイン3章の時点でもマギウスは特に動きが無かったと言う事です。
 だからこんなふざけたインタビューが成立すると言う事です。
 彩月は人をからかうのが大好きな人間です。
 次回は紅茶の好きな例のあの人が登場する話です。
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