マギアレコード 偽書e/s memorys   作:ジャックノルテ

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第2話 碌な場所じゃ無いわね

□ 神浜市内 ????

 

綾女「うっ・・・。ここは・・・。何処?」

 

 起き上がった綾女は自分の知らない場所にいる事に気が付いた。

 牢の様な場所でベッドに横たわっていた。

 見覚えの無い場所に困惑する綾女。

 周囲では爆発音と少女の悲鳴、怒号が響いていた。

 

綾女「朱奈は?」

 

綾女が周囲を見渡しても朱奈の姿は無かった。

咄嗟に魔力を探るが周囲には、無数の魔法少女の反応があり朱奈の持つ右目の呪いが発する魔力を感じ取れなかった。

 

綾女「何?この魔法少女の数は・・・。それに私、どうしてこんな所にいるの?」

 

 記憶を探る綾女が最後に覚えている事。

 それは、梓みふゆからマギウスの翼に協力を求められた事だった。

 答えを言おうとした所で、まるで映像を突然、切られた様に記憶が無かった。

 

綾女「梓みふゆと会った。私は答えを言おうとした。でもその後、何があってここにいるのかが分からない」

 

 更に大きな魔力の爆発を感じた。

 

綾女「この魔力のぶつかり合い・・・。魔法少女同士の戦闘が行われてる。碌な場所じゃ無いわね」

 

 魔法少女としての姿に変身した綾女。

 牢の扉を武器である箒で破壊して外に出て見た。

 洋風の廊下が続いており、とりあえず進んでみる事にした。

 

綾女「一体、ここは何処なの?見覚えが無いし・・・。それに周囲から妙な感じがする・・・」

 

 魔力の消耗を押さえる為に武器をいつでも出現させられる様にしながら慎重に廊下を進んでいた綾女の方へ足音が聞こえて来る。

 同時に黒いローブを身に纏った魔法少女が二人現れた。

 その姿は梓みふゆが率いていた黒いローブを着た魔法少女、黒羽根だった。

 

綾女「あれは・・・。あれがいるって事は、ここはマギウスの翼って事なのかしら?」

 

 綾女に気が付く二人の黒羽根。

 

黒羽根1「いた・・・!?」

 

黒羽根2「まさか他にも!?」

 

 二人の黒羽根は綾女を見ると躊躇せずに両手から短刀の様な武器を展開すると綾女に襲い掛かって来た。

 何故戦うのか思い当たらない為、驚く綾女は後ろへ避けながら叫ぶ。

 

綾女「ちょっと、突然なにをするのよ?」

 

黒羽根1「ローブを着てない魔法少女は敵・・・」

 

黒羽根2「そうよ。ここでそんな姿を晒してるなんて、あなたも上にいる反逆者の仲間でしょう!?」

 

 何を言われているのか分からず困惑する綾女。

 

綾女「反逆?何を言っているの?私は気が付いたらここにいただけよ。それに私は一応、マギウスの翼へ協力するつもりなのだけど?」

 

黒羽根1「協力・・・?それならどうしてこのペンダントとローブを持ってないの?」

 

黒羽根2「マギウス以外でローブを着ていない、なんてあり得ないよ」

 

 そう言って黒羽根1はローブのペンダントを指し示した。

 

綾女「成程。確かに持ってないわね。後で渡すと言われたけど担当者が戻らないのよ」

 

綾女(と言う事はマギウスの翼と私は決裂したのかしら?なら、じゃあ朱奈はもしかして捕らえられた!?)

 

 戦う構えを解いて咄嗟にウソを話した綾女の様子を見て黒羽根1と黒羽根2は頭を寄せ合い相談していた。

 

黒羽根1「もし本当に・・・。協力者なら・・・」

 

黒羽根2「うん。変身を解いてくれたら白羽根の人に話を・・・」

 

 その瞬間に一気に黒羽根二人と距離を詰めた綾女は左手に出現させた箒で黒羽根1を壁に叩き付けた。

 

黒羽根1「うっ!?」

 

黒羽根2「あっ!?時雨ちゃん!?」

 

思わず黒羽根1の本名を叫んでしまった黒羽根2の喉元に綾女は鋭い箒の穂先を突き付けた。怯む黒羽根2。

 

黒羽根2「えっ?」

 

綾女「ねえ。一つ聞くけど、ここに赤茶色の髪を生やした女の子を知らない?魔法少女じゃあない普通の少女よ」

 

黒羽根2「しっ知らないわ・・・。だって私たち、しょせん下っ端だし・・・」

 

綾女「魔女を引き寄せる右目の呪いを持っていると言っても?」

 

 黒羽根2は首を横に振るだけだった。

 

 黒羽根2の怯え様を見て綾女はウソを付いていないと判断した。

 

綾女「その様子ならウソじゃないわね。じゃあそのローブを脱いで」

 

黒羽根2「えっ!?どうして!?」

 

綾女「ここから安全に出て行かせて貰うからに決まってるでしょ。さあ速く」

 

 そう言いながら綾女は箒から穂先の一部を抜き取ると黒羽根1の着ているローブの端に突き刺した。

 

綾女「この穂先には強力な魔法を仕込んでるから、仲間の命が惜しいなら速くした方が良いわよ」

 

黒羽根2「分かりました・・・」

 

 黒羽根2がローブを脱ぐと赤いドレスにポンパドールと言うおでこを見せる髪型をしていた。

 ローブを受け取った綾女はすぐに身につけたが背が高すぎる為、違和感があった。

 

綾女「その魔法は私が距離を取れば解除されるからそれまで大人しくする事ね」

 

 そう言って綾女は壁に手を当てると直ぐにその場を立ち去った。

 

綾女(ハッタリに引っかかってくれて助かったわ。確かに魔力は込めたけど何の効果も無いただの鋭い穂先なんだから)

 

 綾女が歩き去って暫くして。

 

黒羽根2「時雨ちゃん。大丈夫?」

 

黒羽根1「はぐむん・・・。大丈夫。それよりアイツを・・・」

 

黒羽根2「でも、この穂先は強力な魔法を仕込んでるって」

 

黒羽根1「大丈夫。ほら」

 

 黒羽根1が刺された穂先の方へ黒羽根2の視線を促すと穂先は既に消えかかっていた。

 

黒羽根2「これって」

 

黒羽根1「たぶん、騙されたんだと思う。急ごう。今なら・・・。追い付ける」

 

黒羽根2「うん。でも私、ローブが無いから・・・」

 

黒羽根1「大丈夫・・・。あんな背の高い黒羽根はいないから」

 

黒羽根2「そうだね。行こう」

 

 綾女の事を追いかける黒羽根1とローブを取られた黒羽根2。

 

 

 

 その頃、ローブを着た綾女が地下から階段を上がると、そこには絨毯が敷き詰められ階段が交差する洋館のエントランスとも言える場所に出た。

 そこには数人の黒羽根が集まっているが、混乱した様子を見せていた。

 ローブを着た綾女が来ても気にも留めない。

 

綾女(これなら出れそうね)

 

 綾女が外へ繋がりそうなドアへ向かおうとしたその時、階段の上から白いローブを着た白羽根が降りて来た。

 

白羽根「みんな落ち着け!上の階にいる反逆者はマギウスが討伐した」

 

 白羽根の言葉に安堵の様子を見せる周囲の黒羽根。

 

白羽根「だが他に反逆者がいないとも限らない。念の為この場にいる全員の魔力をみふゆ様にチェックしてもらう。みふゆ様はウソを見抜く事が出来るとの事で、もう暫くしたら到着する」

 

綾女(まずいわね・・・。梓みふゆが来るんじゃすぐにバレる・・・)

 

 綾女はどうするか思考を巡らせていた。

 

黒羽根2「待ってください!」

 

黒羽根1「待って・・・」

 

 そこへ黒羽根1とローブを着ていない黒羽根2が表れた。

 

綾女(おかしい!?もう魔法の効果が切れたの!?)

 

白羽根「あなた!?どうしてローブを着ていないの?まさか・・・」

 

 驚きながらも黒羽根1と2へ武器を構えて近づく白羽根。

 

黒羽根1「違う・・・。この子のローブは取られた・・・」

 

黒羽根2「はい。あそこにいる背の高い黒羽根に取られました!」

 

 そう言って綾女の方を差した。

 流石に綾女の背は高すぎる為、直ぐに注目された。

 

白羽根「確かにあんな背の高い黒羽根はいない筈・・・。あなた、そこを動かないで!?」

 

綾女「バレたなら仕方ないわね」

 

 フードを脱いで素顔を露わにした綾女は手の平に魔法の種を出現させた。

 種類は爆発。

 綾女が地面に投げたと同時に小規模な爆発と煙を引き起こした。

 今回、綾女が使用した爆発の種は威力よりも周囲に煙を引き起こす事を優先して生成していた。

 煙が充満して周囲の白羽根や黒羽根の視界には綾女の姿が見えなくなった。

 

白羽根「しまった!?誰か、ヤツを押さえろ!?」

 

綾女(今の内ね)

 

 綾女は武器の箒を出現させると、そのままドアを開いて飛び出した。

 外へ出て自分がいた場所を見ると驚きを禁じえなかった。

 

綾女「ここ何処なの!?」

 

 綾女の眼前にあったのは巨大な洋館とも言える建物だった。

 ただし経験則から言って綾女は目の前にある洋館がただの建物では無い事に気が付いていた。

 

綾女(これ・・・。魔法で作ったのよね・・・。もしかしてこの空間自体が結界の様な物かしら・・・。とにかく逃げた方が良いわ)

 

 綾女は目の前に見えた森の方へ向かって走った。

 あれも、魔法で出来ているかも知れないが少なくとも視界が制限されれば逃亡しやすくなる。

 

白羽根「逃がすな!?」

 

 綾女が振り返るとそこに白羽根と黒羽根が数名、綾女を追おうとしていた。

 

綾女「全く追われるのが、慣れてるなんて皮肉も良い所」

 

 森の中を道沿いに走る綾女を追う黒羽根と白羽根。

 綾女の魔力を元に追っている為、白羽根達を中々振り切れない。

 いつの間にか洋館のあった空間を抜けて普通の空間を走っている事に綾女は気が付いたが、気に止める余裕は無い。

 

綾女(道なりに進んで出る事が出来たと言う事は、入り方も同じ筈)

 

 綾女はその事を心にメモしていた。

 

白羽根「諦めろ!」

 

綾女(振り切れない・・・。あれは!?)

 

 綾女の眼前に川があった。

 少し流れが速く深さもありそうだった。

 足を少し止めた綾女は迷わずに川へ向かって飛んだ。

 

綾女(!!)

 

白羽根「なっ!?」

 

 驚く白羽根と黒羽根達だったが綾女が川に飛び込んだのを追おうとはしなかった。

 綾女の魔力反応は急激に遠ざかって行くのを感じ取る白羽根。

 

黒羽根「追いますか?」

 

白羽根「いや・・・。これでは無理だろう。戻ってマギウスに指示を仰ごう」

 

黒羽根「はい」

 

 マギウスに指示を仰ぐ為に戻って行く白羽根、黒羽根。

 だが3人の黒羽根だけは綾女が消えた川を意味深に見ていた。

 その時、3人はお互いの視線に気付いて目配せをすると先に行った白羽根、黒羽根を追う事にしていた。

 

 

□ 神浜市内 工匠区 夜 河川敷

 

 河川敷からずぶ濡れで上がって来る綾女。

 幸い周囲に人はいない。

 

綾女「流石に追って来ないわね」

 

 変身を解くと同時に魔力で濡れた全身を乾かした綾女がポケットを探ると財布も携帯も無い事に気が付いた。

 

綾女「財布も無いなんて・・・。仕方ないわね」

 

 綾女は周囲を見渡して街の方へ歩いた。

途中で地図を見つけると自分のいる場所を把握した。

 

綾女「工匠区・・・。神浜市内なのは確かね・・・」

 

 街中に入った綾女は路地裏に入るとそのまま姿を消した。

 

 

□ 神浜市内 ???? 夜

 

 

みふゆ「まさか彼女達が目覚めているなんて思いもよりませんでした。えっ?反逆者の調査のほうですか?大丈夫ですよ。ワタシも経験則から魔力を見ればある程度、嘘を見抜く事は出来ます。今、フェントホープにいるメンバーを全員チェックしましたが、反逆者はもういません。全員、倒したと見て間違いないでしょう。それよりも問題は彼女達の事ですね。このままにしておくのは流石に・・・」

 

 思案するみふゆに会話を聞いていた相手は意外な答えを返して驚くみふゆ

 

みふゆ「えっ?必ずここに戻って来る?それはどうして?これがフェントホープの廊下に刺さっていた?確かに強くはありませんが、魔力を感じます・・・。どうやら発信機の様な物ですね・・・。成程。確かにこれを残したと言う事はここにもう一度、戻ろうとしてるのは間違いありませんね。でしたら暫くは乗り込まれた時の備えをしておきましょう。それと・・・」

 

 険しい表情を見せるみふゆ

 

みふゆ「朱奈さんはどうしていますか?変わりありませんか・・・。出来たら何も知らない内にどうにかしておきたいですね・・・・こんな事、話せませんから・・・」

 

 みふゆの沈痛な表情に会話相手は特に反応しない。

 

みふゆ(相変わらずですね。目的に関係の無い事に対する冷淡さ・・・。ですが、だからこそ、我々の組織を束ねられるのかも知れませんね・・・)

 

 

□ 神浜市内 北養区 森林地帯 一週間後の夜

 

 

綾女(あれから一週間経った。神浜市内での自分の足取りを改めて調べて見たけど、私は確かにホテルをチェックアウトして神浜市を出ようとしていた。けれどやっぱり、公園で梓みふゆと会話して以降の記憶が無い。その後、何があったのか分からないけど、私は洋館の中で囚われていた。私はマギウスと敵対したのかしら・・・。魔法少女の組織なんてろくでもないモノだと思っていたけど、あの場では了承するしか無かった筈・・・。私がそんな判断を誤る訳が無い・・・。だとすればやはり、あの洋館に戻るしか無いのね・・・)

 

森林の中を一人、歩く魔法少女姿の綾女。

歩く方向に迷いが無く一つの方向を見定めている様だった。

 

綾女(私の残した魔力の発信器は、ちゃんと作用している。あの洋館は確実にこの方向の先に存在している・・・)

 

洋館の地下通路で二人の黒羽根と対峙した時に綾女は、壁に手を当てて魔力の発信器をその場に残していたのだ。

もしあの場所から脱出しても朱奈を見つけられなければ、再度訪れる事を想定していたからだ。

 

綾女(魔力反応!?どうやら当たり見たいね。それならと・・・)

 

 綾女が左手に魔力を集中させると黒いローブが出現した。

 

綾女(とりあえず潜入の為にと)

 

 黒いローブを身に纏った綾女の外見は黒羽根となった。

 ただし異様に背が高いが・・・。

 

綾女(このローブは本当に凄いわね。魔力を通せばいつでも出し入れ可能なんて・・・。おまけに暑さや寒さにも対応していて専用の武器まで付いてるなんて・・・。至り尽くせりってヤツよね)

 

ローブを作った人物への称賛を感じながら歩いて行くと前方から、黒羽根が3名歩いていた。

 

綾女(恐らく見回りの魔法少女。上手くやればそのまま潜入出来るかしら・・・)

 

黒羽根3「あれは・・・。あなた、そこで何をしているの?」

 

綾女「すみません。始めて来たので迷ってしまいました・・・」

 

 ワザとらしく新人を装う綾女だったが3名の黒羽根は、異様に背の高い綾女の姿を奇異に見ている。

 

黒羽根4「こんな背の高い黒羽根いましたっけ?」

 

黒羽根5「わたしは知らないけど新人だとすれば、知らないと言うのもあり得るのかも・・・」

 

黒羽根3「けどチェックはさせて貰いましょう。合言葉は?羽根」

 

綾女(しまった・・・。合言葉なんて知らないわ・・・。なら・・・)

 

 瞬間、ローブを脱ぎ捨てた綾女が黒羽根達に攻撃を仕掛ける。

 

黒羽根4「うっ」

 

 黒羽根4がその場に倒れたのを見て黒羽根3と黒羽根5は、綾女から距離を取った。

黒羽根3「あれは、通達にあった一人!?あなたはマギウスに知らせて!」

 

黒羽根5「ハイ。やっぱり巻き込まれましたか・・・」

 

綾女「逃がす訳には!!」

 

 綾女が逃げようとした黒羽根5を追おうとするのを、黒羽根3が立ち塞がる。

 

黒羽根3「通す訳には!」

 

綾女「そうするわよね!」

 

 立ち塞がる黒羽根3の身体に箒の柄を躊躇い無く本気で突くと黒羽根3は倒れて動かなくなった。

 

綾女「死んでは無いわね・・・。逃げたローブはこの先・・・!?また魔力反応?」

 

黒羽根3が死んではいないのが、魔力で感じ取れた綾女は逃げた黒羽根5を追おうとした時、新たな魔力を感じた。

 その場に身構えた綾女の前に先程、逃げた黒羽根5が新たに現れた黒羽根6,7,8に捕らえられて連れて来ていた。

 

綾女「これは・・・。一体どうなっているの?なんのつもり?」

 

黒羽根5「そうです。どうしてこんな真似を・・・。ああ。やっぱりトラブルが・・・」

 

黒羽根6「久しぶりですねぇ。筒地綾女さん」

 

 言葉と共に黒羽根6が頭に被ったローブを脱ぐとそこには綾女が知っていた顔が見えた。

 

綾女「あなた・・・。どうして・・・」

 

黒羽根6「忘れたとは言わせませんよぉ。殺し合った仲じゃないですかぁ?アタクシは、良く覚えていますよぉ。筒地綾女さぁん」

 

 言葉の最後を伸ばす特徴的な喋り方に見覚えのある顔。

 綾女にも相手が誰なのか、嫌でも分からせた。

 

綾女「伊良草優里・・・。どうしてあなたがここに・・・」

 

黒羽根6=伊良草優里「その反応ぉ・・・。どうやら、アタクシ達がここにいるのは筒地綾女さんが原因では無いのですかぁ?」

 

綾女「いいえ。心当たりは無いわ。それより、アタクシ達って事は他にも誰かいるのかしら?多分ローブの効果で魔力じゃ判別出来ないわね」

 

黒羽根7「そだ。それもそかも知れねえだ。それはそうかも知れませんね。璃阿も素顔を見せましょう」

 

 黒羽根5を押さえつけていた黒羽根7は、そう言って頭に被っていたローブを脱ぐとそこには、予想通りに瑞光璃阿の表情が綾女の目に入った。

 

綾女「瑞光・・・。璃阿!?」

 

黒羽根7=瑞光璃阿「璃阿が分析するまでもなく筒地綾女さんは璃阿達を見て驚いたと言う事は璃阿達に何が起こっているのか知らないと言う事です」

 

 冷静に状況を解説する璃阿の様子につまらなそうな様子を見せる優里。

 状況が見えず困惑する綾女と黒羽根5。

 それを見ても何も反応を示さない黒羽根8に綾女は、それが誰なのか感づいたが認めたく無い感情が湧き出ていたが一応、聞いてみた。

 

綾女「あなたはもしかして・・・」

 

黒羽根8「ええ。きっと私めの事に気が付くと思いました。安心立命(あんしんりつめい)にある私めとの嚆矢再会(こうしさいかい)を認識しましょうか」

 

 黒羽根8はそう言って頭に被ったローブを脱いだ。

 その顔は綾女の予想通り、雨津木スミレの顔だった。

 

綾女「雨津木さん・・・。あなたまでどうして・・・」

 

黒羽根8=雨津木スミレ「奇奇怪怪のこの状況に私めも今昔忘却してしまい、五里霧中と言った所でしょうか」

 

綾女「つまり・・・。誰も何も分からないと言う事なのね」

 

璃阿「はい。璃阿達3人も目が覚めたらこの先にあるマギウスの洋館、フェントホープにいました。そして璃阿達は綾女さんをずっと待っていたのです」

 

綾女「私を待っていた?どうして?」

 

優里「アタクシ達3人がぁ唯一共通で面識があるのがぁ綾女さんだけだからですよぉ。もし綾女さんがぁ関係無いのなら再度フェントホープへ行けば良いぃ。関係があるのならぁここで話を聞けば良いと言う事ですよぉ!」

 

 言いながら手に怪物の剣、カスターネを出現させる優里。

 

綾女「成程・・・。でも私、本当に何も知らないわ。あなた達が、ここにいるなんて驚いているから」

 

スミレ「今の言葉に心理偽証は感じられません。ですから私め達がするべき事は決まりました。一意専心致しましょうか」

 

璃阿「ハイ。フェントホープでマギウスのメンバーに話を聞きましょう。それしかこの事態を解決する方法はありませんね。綾女さんはどうしますか?」

 

綾女「渡りに船ね。私も同行させて貰うわ。朱奈の手掛かりがあるのは、マギウスのいるフェントホープだけだから」

 

璃阿「では、行きましょうか。ではあなた案内してもらえますか」

 

 それまで璃阿に押さえつけられていた黒羽根5はローブ越しに頷いた。

 

黒羽根5(わたし、ただの黒羽根なのに、こんなトラブルに巻き込まれて・・・)

 

 黒羽根5を押さえている璃阿を先頭に進んでフェントホープを目指す一同。

 綾女は周囲を警戒しながら伊良草優里、瑞光璃阿、雨津木スミレの顔を見ていた。

 

綾女(この3人。魔力のパターンも含めて私の記憶の中にある3人と一致するわ。でもどうしてここにいるのかしら・・・。あり得ない筈なのに・・・。3人共、もう死んでいる筈なんだから・・・)

 

 




あとがき解説

黒羽根1は宮尾時雨
黒羽根2は安積はぐむ
黒羽根5は七瀬ゆきかです。
この3人の黒羽根時代は余り描写が無いので彼女達にしました。

今回の話に登場した、

黒羽根6=伊良草優里
黒羽根7=瑞光璃阿
黒羽根8=雨津木スミレ
の3人は、新キャラでは無く前作にあたる偽書魔法少女アヤメ☆マギカと偽書魔法少女じゅりあXくりすマギカに登場したキャラクターです。
最後の綾女が語る意味深な言葉の意味は前作で書かれています。
次の話においても前作のネタバレにならない範囲で語りたいと思います。
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