マギアレコード 偽書e/s memorys   作:ジャックノルテ

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今回の季節感ガン無視のクリスマス話は長いので前後編に別れます。


クリスマスの章 この身が焼かれようと構わない。何故ならここには全てを賭けて愛せる存在がここに集っているからだ。愛を失った僕は愛を求めてここへ来たのだから 上

□ 神浜市内 北養区 ホテルフェントホープ ねむの部屋

 

 

 

12月下旬の世間がクリスマスで賑わっている最中、ねむの部屋には黄色いローブを着た一夜とナナツメ、彩月がねむに呼ばれて集まっていた。

 

ねむ「そう言う訳で世間的にも冬休みに入るから僕らマギウスの翼も冬季休業する事にしたから」

 

彩月「前にも聞いた様な話やな。んでマギウスって冬季休業するんか?」

 

ねむ「まあ冬休みは年末年始で宿題もあるしね。僕らも殆ど学生だし休みの方が皆も都合も良いだろう?」

 

彩月「まっそれもそうやな」

 

一夜「その間、アタシ達はどうすれば・・・」

 

ねむ「その間は休暇と言う事になるよ。ナナツメも護衛はしなくて大丈夫だよ」

 

ナナツメ「ではその間はフェントホープの警護を」

 

ねむ「その心配は無いと思うけど、君に頼みたい事があるんだよ」

 

ナナツメ「なんでしょう?」

 

ねむ「これから羽根には広報部の方から通達を出すけど恐らくは何名かフェントホープに残りたいと言う羽根がいると思うんだ。そうした羽根達を纏めるリーダーにナナツメ。君にやって貰いたいんだけど、どうかな?」

 

ナナツメ「小生がリーダーですか?」

 

少しだけ驚いた様子をナナツメは見せた。

 

ねむ「うん。何か問題があるかい?」

 

ナナツメ「いえ。ご命令とならば問題はありません」

 

ねむ「うん。良い返事だね。それじゃあ頼むよ。ナナツメ」

 

ナナツメ「はい」

 

 ねむはナナツメの答えを聞いて笑みを見せていた。

 

彩月(冬休みか・・・。特にやる事あらへんな・・・)

 

一夜(アタシは・・・。どうしようかな・・・)

 

ナナツメ(新しい仕事か・・・)

 

 

 

□ 風見野市内 風見野中学校 休み時間の教室

 

 

 

クラスメートA「ねえ知ってる?海沿いの灯台で告白すると必ず結ばれるって話」

 

クラスメートB「知ってる。知ってる。確か先輩も夏にそこで告白したって」

 

クラスメートA「確か優しい声が聞こえて来たら成功の合図だって」

 

クラスメートB「じゃあ先輩は成功したんだね。付き合っているんだから」

 

クラスメートA「もしかしてその灯台が何処にあるのか知ってるの?」

 

クラスメートB「確か神浜市の端の方って聞いたよ」

 

クラスメートA「へー。意外と近い場所にあるんだね」

 

クラスメートB「もしや噂の彼に告白でもするの?」

 

クラスメートA「どうかなー」

 

クラスメートB「何よ。教えなさいよ~」

 

彩月(風見野にまで神浜の話が来とるんか・・・。まあマギウスと関係無いやろ)

 

 他愛ないクラスメートの会話を聞きながら彩月は自分の席でぼんやりと窓を見ていた。

隣には友人である石菖香乃木(せきしょうかのき)が座っている。

 

石菖香乃木「彩月。冬休みはどうするんさ」

 

彩月「そやなあ・・・。何かおもろい事でも探すかあ」

 

香乃木「探すかあ・・・。彩月らしくて良いさ」

 

彩月「香乃木はどうするんや?」

 

香乃木「待つさ。あてに来る筈の機会をさ」

 

彩月「なんやそれ。機会は作り上げるモノやないか?」

 

香乃木「彩月はそうだろうさ。けどあては違うさ」

 

彩月「どうして機会が来るって分かるんや?来ないかも知れへんで」

 

香乃木「でも待ちたいんさ。あてにとってそれは最初で最後の賭けだからさ」

 

彩月「変わった事をするなあ」

 

香乃木「変わり者はお互い様さ。お互いに自分の行く末にしか興味を見出せないさ」

 

彩月「そこは同感やけど・・・。ウチは最近気になる事が出来たで」

 

香乃木「珍しいさ。彩月が何かに興味を抱くなんて。前は夢と記憶に興味を持っていたみたいなのにさ」

 

彩月「今は夢中になる事があるんさ」

 

香乃木「羨ましいさ。あてには興味を引くモノが何もない。欲しいモノはあるのにさ」

 

彩月「欲しいモノ?それはなんや?」

 

香乃木「内緒さ。それはあてだけが欲しいモノさ」

 

彩月「そおか。なら聞かへん。けど見たい気はするで」

 

香乃木「手に入ったら彩月にも見せるさ」

 

彩月「楽しみにしてるで」

 

香乃木「あての賭けは何処へ行くさ」

 

 そう言って香乃木は六角形の鉛筆をその場に転がした。

 

香乃木「それは誰にも分からないさ」

 

彩月「賭けの結果が分かったらつまらんやろ」

 

香乃木「ふふっ。そうさ。だからあては賭けているのさ」

 

 その時、少しだけ香乃木が笑った様に彩月には見えた。

 

 

 

□ 神浜市内 北養区 ホテルフェントホープ エントランス 同時刻

 

 

 

エントランスには数名の白羽根や黒羽根が集まっていた。

踊り場には制服姿のねむと灯花、それにナナツメと一夜が黄色いローブを着て待機している。

 

灯花「はいー。注目―。今ここに集まっている羽根達は冬休み中もフェントホープにいたいって言う羽根だよねー」

 

ねむ「個人の事情は問わないから安心して良いよ」

 

 それを聞いて周囲の羽根は少しだけ安心した様子を見せていた。

 

灯花「その間、残った羽根達を束ねる役割は黄羽根のナナツメに任せる事にしたからー」

 

羽根達「!?」

 

 羽根達に緊張が走る。

 

ねむ「ナナツメの事は少し怖いと思うけど無暗やたらと人を傷付けないから大丈夫だよ」

 

羽根達「・・・・・・」

 

 ねむの言葉を聞いても羽根達の緊張は解けなかった。

 

ねむ「ナナツメ。挨拶をして」

 

ナナツメ「はい。小生が臨時にリーダーを務めるナナツメだ。難しい事は言わない。門限は午後9時だ。これを遵守すれば文句は無い」

 

羽根達「・・・・・・・」

 

 羽根達の緊張は余計に深まった様に思われた。

 

ねむ「ふむ。やっぱりこうなるんだね・・・。じゃあ臨時の副官に同じ黄羽根の一夜を付けるよ」

 

一夜「えっ!?」

 

羽根達「・・・・?」

 

 ねむの言葉に一夜と羽根達は更に戸惑った様子を見せていた。

 

ねむ「一夜はこう見えてマギウスの翼、8人目のメンバーだよ。だから7番目のメンバーであるナナツメとも気軽に話せる仲だよ」

 

羽根達「・・・・・・!」

 

 羽根達の戸惑いが薄らいだ様子が見えた。

 

ねむ「一夜。急で悪いけど挨拶を頼むよ」

 

一夜「はっはい。あの・・・。黄羽根の越馬一夜です。ねむ様が言う様にアタシはナナツメさんと普通に会話できます・・・」

 

羽根達「・・・・・・・」

 

 先程と違って羽根達は少し落ち着いた様に見えた。

 

灯花「じゃあみんなー。後はナナツメと細かい所を決めてねー」

 

ねむ「うん。僕達はそろそろ用事があるから帰らせて貰うよ。じゃあ後は頼むよ。ナナツメ。一夜」

 

ナナツメ「ハッ」

 

一夜「はい・・・」

 

 灯花とねむはエントランスから出て行った。

 

ナナツメ「行くぞ」

 

一夜「え?」

 

 ナナツメは一夜の手を握ると階段の踊り場から降りて羽根達の元へ向かった。

 

羽根達「・・・・・・・・」

 

 一夜とナナツメを前に少し緊張した様子を見せる羽根達。

 

一夜「えっと・・・。その・・・」

 

ナナツメ「先程言った通りだ。門限は午後9時だ。何人かでローテーションを組んで買い出しや臨時の魔女退治とパトロールを担当して必ず何人かはフェントホープへ残る様にして無人にする事だけは避ける。以上だ」

 

羽根達「はい・・・・・」

 

一夜「あっあの・・・。アタシは余り外出しないからフェントホープへいる様にするので・・・」

 

羽根達「・・・・・・」

 

ナナツメ「後の細かいローテーションは会議室で詰めるぞ。全員・・・会議室へ行くぞ」

 

 ナナツメの先導で一夜と羽根達は会議室へ写りこれからのスケジュールを詰めることにした。

 買い出し係、パトロール、待機組等の日ごとの班分けが終わった。

 スケジュールはトラブル無く決まりこれからマギウスの翼の冬休みが始まろうとしていた。

 

 

 

□ 神浜市内 ホテルフェントホープ エントランス 夕方

 

 

 

エントランスのソファーに一夜とナナツメ、それに彩月が黄色いローブを羽織って座っている。

終業式が終わった彩月は夕方にフェントホープへやって来た。

 

彩月「成程。冬休み中はマギウスの翼も休業と言う事かいな」

 

ナナツメ「そう言う事だ」

 

一夜「彩月さんはどうするんですか?」

 

彩月「そうやな・・・。まあヒマやったらフェントホープへ顔出すで」

 

一夜「彩月さんにも冬休みは予定があるんじゃ」

 

彩月「別に特に何もあらへん。そやなあ。その辺ぶらぶらするかあ」

 

一夜「自由・・・。なんですね」

 

彩月「する事が無いだけやで」

 

ナナツメ「好きに過ごせ。休みは自由だ」

 

彩月「ならそうさせて貰うで。早速な」

 

 そう言って彩月は立ち上がると変身を解いた。

 

彩月「今日から冬休みなんやし休ませてもろてもええんやろ?」

 

 ワザとらしい笑みを見せる彩月。

 

ナナツメ「そうだな。特に問題は無い」

 

一夜「・・・・。少し寂しい様な・・・」

 

彩月「なんや。ウチがいないと寂しいんか?ウチも人気者やな~。ウチが一夜さんを連れ出したろか?」

 

 彩月は一夜に手を向けた。

 

一夜「でも・・・。その・・・。フェントホープにいるって約束をしたから」

 

彩月「まっ約束があるならしゃあないなあ」

 

 本気では無いのか彩月は直ぐに手を戻した。

 

ナナツメ「顔を出すのなら好きにしろ。小生は見回りに行かせて貰う」

 

 そう言ってナナツメはエントランスから出て行った。

 

彩月「なあ。一夜さん」

 

一夜「なんですか?」

 

彩月「本気でここから連れ出して欲しけりゃ・・・。いつでも言うてくれていいで?」

 

一夜「えっ?」

 

彩月「冗談や。じゃあウチも帰らせて貰うで。仕事も無いみたいやしな。ほなまた!」

 

 手を軽く振ると彩月もフェントホープから出て行った。

 

一夜「・・・・・・・。変な事言わなくても良いのに・・・」

 

 フェントホープから離れていく彩月。

 その表情は少しだけ険しい。

 

彩月(ああ。なんであんな事・・・。言うたんやろな?やっぱり綾女さんの記憶に引きずられとるんかな・・・)

 

 自分が筒地綾女の記憶に引きずられている事を自覚しながらもそれを楽しんでいる自分を肯定して彩月は笑みを浮かべ始めていた。

 

彩月(けど楽しい事やしな)

 

 

 

□ 神浜市内 ホテルフェントホープ エントランス 翌日の朝

 

 

 

エントランスにはナナツメと一夜、それにフェントホープに泊まり込む羽根が集まって来た。

 

ナナツメ「では昨日の決め事通りにする。早朝のパトロール班と買い出し班は出発しろ。警備班はフェントホープ周囲を交代で見回りを。小生は早朝のパトロールに同行する」

 

羽根達「はい」

 

一夜「アタシはフェントホープに残っているから・・・」

 

ナナツメ「では各自配置に付き仕事を始めろ。以上だ」

 

 ナナツメの指示の下でナナツメと羽根達は動き始める。

 それを見ていた一夜は一人取り残されていた。

 

一夜「・・・・・・・・。部屋にいようかな?でも何かあった時の為にエントランスにいようかな・・・」

 

 言いながらエントランスのソファーに座る一夜。

 

一夜「少し寂しいな・・・。彩月さん。来てくれたら良いのに」

 

 暫くするとそこへエントランスのドアを開いて梓みふゆが姿を見せた。

 

一夜「みふゆさん?」

 

みふゆ「こんにちは。一夜さん」

 

一夜「何かあったんですか?」

 

みふゆ「ちょっと・・・。アリナと待ち合わせをしているので。時間はあるので少しお話をしませんか?」

 

一夜「えっ?」

 

 そう言ってみふゆは一夜の座るソファーの向かい側に座った。

 

みふゆ「最近はどうですか?」

 

一夜「えっと・・・。道具作りも余り無くて倉庫整理が主な仕事だから前より楽と言えば楽です・・・」

 

みふゆ「そうですか。じゃあ他の皆さんとは仲良くしていますか?」

 

一夜「はい。天音さん達や観鳥さん、それに郁美さんや彩月さんとナナツメさんに仲良くして貰っています」

 

みふゆ「マギウスとはどうですか?」

 

一夜「はい。特にねむ様には良くして貰ってます・・・。それに灯花様からは給料も支払われているので・・・」

 

みふゆ「どうやら変わりないようですね。安心しました」

 

一夜「はい・・・・・・」

 

みふゆ「でも少し寂しそうに見えましたよ。やっぱり冬休みで人がいないので寂しいですか?」

 

一夜「・・・。そうですね。普段は割と人が出入りしているから人の気配があるんですけど・・・。今は静かで夜みたいです・・・」

 

みふゆ「そうですね。昔のフェントホープはもっと静かでした。マギウスの翼に多くの魔法少女が入って賑やかになりましたしね」

 

一夜「余り人がいないのは懐かしいんですけど・・・。やっぱり寂しいです」

 

みふゆ「クリスマスも近いですからね」

 

一夜「クリスマス?あっ」

 

みふゆ「そろそろ世間ではクリスマスですからね」

 

一夜「じゃあ・・・。みんなきっとクリスマスを楽しむんですね」

 

みふゆ「ええ。ですが何も無ければ良いんですが・・・」

 

一夜「え?」

 

みふゆ「人がそれだけ多く移動すれば必ず騒ぎが起きますからね。注意は続けないと」

 

 そこへエントランスにある玄関の扉が開きアリナが姿を見せた。

 

アリナ「みふゆ!そこにいたのなら直ぐに始めるカラ。ハリーハリー」

 

みふゆ「分かりました。では一夜さん。仕事の方は無理のない様に」

 

 みふゆはアリナと共にフェントホープの奥へ消えて行った。

 

一夜「クリスマス・・・」

 

一夜(アタシもお母さんと世間的なクリスマスを祝っていたな・・・)

 

 一夜の母親はクリスマスと誕生日には必ず仕事をせずに一夜と共に過ごしていた。

 

一夜(でも今は・・・・)

 

 マギウスの翼は冬季休業中で残っているメンバーもある程度の仕事があり一夜が誰かと過ごす事は無さそうだった。

 

一夜(しょうがないよね・・・。みんなやる事があるんだから・・・)

 

 

 

□ 神浜市内 北養区 クリスマス前日 ホテルフェントホープ近くの公園

 

 

 

クリスマスの前日の昼過ぎ。

神浜市内は普段よりも賑わいを見せて多くの魔法少女もクリスマスを楽しもうとしていた。

  フェントホープ近くの公園に設置された転位魔法陣を通って私服姿の彩月が姿を現した。

 

彩月「さあて暇だしフェントホープへ顔でも出すか」

 

彩月(どうせ一夜さんが暇を持て余してそうやしな)

 

彩月「そろそろクリスマスやし・・・。どうせならなんかおもろい事でも起きへんかな」

 

???「ええ。きっと起こるわ!」

 

 背後からの声に驚いた彩月が振り返るとそこには王冠を被った白い派手な服装をした金髪の少女が立っていた。

 

彩月「なんや?派手な人やな」

 

 驚きながらも彩月は魔力を感じる為に相手が魔法少女だと認識していた。

 

彩月(何者や?マギウスでは見かけへんけど・・・。こんな派手なのいたら忘れられる訳あらへん)

 

???「私は神浜聖女。あなたは・・・。言葉通りに退屈を持て余しているのね」

 

彩月「まあそうやな」

 

 言いながら彩月が周囲を見渡したが幸いにもこの公園には人はいなかった。

 

神浜聖女「あなたが抱く退屈は時を持て余していると言う事なのね。でも大丈夫。あなたが心からやりたいと思う事を願えば必ず願いは叶うわ。さあ上を向いて願ってみて」

 

彩月「いや。上を向いて願えって。何を言っとるんや?」

 

神浜聖女「さあ」

 

彩月「そう言われても願い何て」

 

神浜聖女「さあ!願って!このクリスマスと言う奇跡の瞬間を心から信じれば願いはかなうから!」

 

 自称浜聖女は手を広げて更に彩月を押して来る。

 

彩月「分かったで。なら・・・。―――――――――――――――――?」

 

神浜聖女「ええ。あなたの願いは叶うわ!」

 

彩月「え?」

 

 その瞬間に彩月の視界は白く包まれた。

 

神浜聖女「あなたにも必ず幸せが訪れるわ」

 

 彩月の耳に神浜聖女の声が響く。

 

彩月「それなら・・・。今度はちゃんと名前を名乗りい。ただの聖女じゃ訳が分からんで」

 

神浜聖女「・・・!?それは気が付かなかったわ。じゃあ次は本名を名乗る事にするわ」

 

 その瞬間に彩月の視界が晴れて行く。

 

彩月「ん?なんやここ?」

 

 視界が晴れると彩月は公園ではない木々の生い茂る場所に立っていた。

 

彩月(強い塩の香りがする・・・。ここは海辺か?)

 

 ふと脇を見ると小さな祠が彩月の目に入った。

 

彩月「なんや?この祠は?見覚えは・・・。ないなあ・・・」

 

(待っ・いるか・・・・)

 

 その時、彩月の脳に直接優し気な声が響いた。

 しかし混乱状態の彩月は声を上手く聞き取れなかった。

 

彩月「なんや?今の・・・。誰かの声?」

 

 思わず声に出しながら不意に向いた彩月の視線の先に灯台が目に入る。

 居所の手がかりを求めて灯台へ足を向ける彩月。

 

彩月(ここ何処や!?一体ウチは何処におるんやー!?)

 

 冬の海の寒さに驚きながらも彩月の驚愕は終わりそうになかった。

 

 

 

□ 神浜市内 北養区 ホテルフェントホープ周辺 クリスマス前日 午後13時頃

 

 

 

彩月が自称神浜聖女と出会う数分前・・・。

 食堂でお昼を食べ終えた一夜は少し退屈していた。

 

一夜(退屈だな・・・・。少し散歩でもしようかな)

 

 食堂を出てエントランスへ向かう一夜。

 エントランスには待機組の一人である黒羽根9が待機していた。

 

黒羽根9「一夜さん。何処か出かけるのですか?」

 

一夜「ちょっとフェントホープ周りを散歩するだけだから」

 

黒羽根9「分かりました」

 

 黒羽根9は外出する一夜に声を掛けて来た。

 フェントホープの外周を歩く一夜。

 

一夜「クリスマスって言っても何も変わらないよね・・・」

 

 少しだけ下を向いて歩いていた一夜。

 

???「いけないわ。下を向いたら幸福が逃げてしまうわ」

 

一夜「え?」

 

 一夜は後ろから声を掛けられた事に気が付いて振り向こうとしたが目隠しをされてしまう。背後から柔らかい手で目隠しされた事に気が付いた。

 

一夜(え?まさか敵?ここで!?)

 

???「驚かせてしまったわね・・・。でも下を向いては行けないわ。今日はクリスマス。あなたの幸せを逃がさない為にも」

 

一夜「えっ?えっ!?」

 

 声で女性と分かる怒涛のハイテンションな発言に一夜は困惑を隠せない。

 

???「大丈夫。あなたが上を向ける様に私も願ってあげるから」

 

一夜「えっと・・・。願いって?もう契約をしてるんですけど・・・」

 

???「でもあなたも感じているでしょう?今日は特別な日だって。こんな特別な日には奇跡が起こると思わない?」

 

一夜「・・・。そうかも知れません・・・」

 

???「だから願いましょう。さあ!」

 

一夜「えー。それじゃあどうしたら・・・」

 

???「さあ、心に浮かんだ事をただ言葉で紡ぐだけで良いのよ!そうすれば必ず星に届くわ」

 

一夜「じゃあ・・・・・」

 

 一夜は自分の心に浮かんだ事をそのまま言葉にする事した。

 ナナツメや彩月と言ったマギウスメンバーの顔が浮かぶ。

 

一夜「何だか人がいなくて寂しいから・・・。今日、都合のつく人はフェントホープに来て欲しいなって・・・」

 

???「ええ。あなたの願いは星に届いたわ」

 

一夜「えっ?あなたは・・・」

 

???「私は・・・。神浜聖女・・・」

 

 目隠しから解放された一夜が周囲を見渡すと誰もいなかった。

 しかし感じた事がない魔力の痕跡だけが残されていた。

 

一夜「あれ?今の・・・。何だったんだろう・・・」

 

 妙な気分の一夜だったがとりあえずフェントホープの中へ戻る事にした。

 エントランスには先程と同じ席に黒羽根9が待機している。

 

黒羽根9「お戻りですか?」

 

一夜「うん・・・。さっき変な魔法少女がここに来なかった?」

 

黒羽根9「いえ。一夜さん以外は誰も通ってませんが・・・」

 

一夜(やっぱり気のせいかな?)

 

一夜「ごめんなさい。何でもないから」

 

 一夜がそう言った時、エントランスのドアを開いて二人の黒羽根が入って来た。

 

黒羽根1と黒羽根2だった。

 

黒羽根9「どうかしたんですか?二人は待機組じゃなかった筈・・・」

 

黒羽根1=宮尾時雨「そうなんだけど何故かフェントホープに行った方が良い気がして」

 

黒羽根2=安積はぐむ「私もそんな気がしたから時雨ちゃん、じゃなくて彼女と一緒にここへ」

 

一夜「え?」

 

一夜(あれ・・・。もしかしてアタシの願いが叶っているの?)

 

 一夜は少しだけ驚いていたが、周囲には気付かれなかった。

 

はぐむ「あの・・・。せっかくですし一夜さんも私達とすこし話しませんか?」

 

時雨「うん。黄羽根の事は少し興味があるから・・・」

 

一夜「あっはい」

 

 一夜が返事を返した時に再びエントランスのドアを開いてまた別の羽根が入って来た。

 

白羽根6=神楽燦「邪魔するわよ」

 

時雨、はぐむ、黒羽根9「神楽教官!?」

 

 瞬時に3人の黒羽根の姿勢が正された。

 

神楽燦「別にかしこまらなくて良いわよ。今日は休みなんだから」

 

黒羽根13=遊狩ミユリ「ミユもいるです!」

 

 羽根としてのローブを羽織りながらも神楽燦とミユリは両手に大量の紙袋を抱えていた。

 

はぐむ「教官。どうしたんですか?その紙袋は?」

 

神楽燦「ああ。これはね・・・。青年会の人達がクリスマス前祝だって飲み過ぎて食べ切れなかったおつまみやお菓子よ」

 

ミユリ「余らすのも勿体ないからミユがフェントホープへ寄付しようって燦様に提案したのです!したのです!」

 

神楽燦「そう言う訳だからたまにはお菓子でも食べながら羽根の交流会でもしましょう」

 

ミユリ「名案です!名案です!」

 

一夜「その・・・。良いんですか?」

 

神楽燦「いざとなれば教官の私が責任を取るから平気よ。じゃあ早速始めましょう」

 

ミユリ「です!です!」

 

 神楽教官とミユリがテーブルの上にお菓子を広げて行く。

 それを見て黒羽根9や時雨、はぐむと一夜も席に座った。

 

神楽教官「さあ。遠慮する事ないわ。食べなきゃ勿体ないわよ」

 

ミユリ「です!です!」

 

黒羽根9「じゃあいただきます」

 

時雨「僕も」

 

はぐむ「私も」

 

一夜「アタシも貰います」

 

 手近なソファーに座りながら一夜達はお菓子を食べていた。

 するとエントランスのドアを開いて多くの足音がして数人の白羽根と黒羽根達が次々とフェントホープへ入って来た。

 

神楽教官「あなた達。何かあったの?」

 

黒羽根「いえ。何故か急にフェントホープへ行かなきゃいけない気がして・・・」

 

白羽根「私もです。特にやる事も無いから良いんですけど・・・」

 

神楽教官「そう。まあ良いわ。私も同じ様なものだから。羽根同士の交流会をしているからあなた達も参加すると良いわ」

 

黒羽根「はい・・・」

 

白羽根「お言葉に甘えます」

 

 そう言っている間にもフェントホープへは次々と羽根が入って来ていた。

 

ミユリ「何か羽根がどんどん来るです。来るです!」

 

一夜(やっぱりアタシの願いが叶っているのかな・・・)

 

 今の状況が自分の願いの結果なのかも知れないと思うと驚きを隠せそうになかった。

 

 

 

□ 神浜市内 工匠区 メイドカフェスタッフルーム(牧野郁美のバイト先)

 

 

一夜達がホテルフェントホープで羽根同士の交流会をしている同時刻。

メイドカフェのスタッフルームには牧野郁美を含めて数名のメンバーとスタッフ、店長が集まって頭を抱えていた。

 

牧野郁美「ええ~~!?それ大変じゃあないですか!?」

 

店長「ええ。そうなのよ。まさか注文していたケーキの数が間違って予定の二倍届くなんて・・・」

 

スタッフ「こっちのミスじゃなくてメーカー側の注文ミスだから代金はいらないと言われたんですけど・・・」

 

店長「流石に予定の2倍の数のケーキなんて捌き切れないわ・・・。みんなが一人一つ持ち帰っても半分以上余ってしまうし・・・」

 

スタッフ「冷蔵庫にも入りきらないですしね・・・」

 

店長「どうしましょう・・・。何か方法は無いのかしら・・・」

 

郁美(何か妙案は無いのかな・・・)

 

???「お困りの様ですね」

 

郁美「うん。くみがメイドカフェで働き始めて最大の危機だよ~」

 

 背後から知らない声をした人に話しかけられていたが、先週から入った新しいスタッフだと思って郁美は気にせず振り返らなかった。

 

???「では願ってみるのはどうでしょう?」

 

郁美「願う?でもくみはもう願い事は・・・」

 

???「願うと言う事は自身が目指すゴールを決めて道筋を作って行くと言う事にも繋がります。だから願いましょう。そしてゴールへの道を紡ぎだすんです」

 

郁美(そうだよね・・・。何か方法があるのかも知れない)

 

郁美「えーん。くみに何か妙案が降りて来て~」

 

???「ええ。あなたの願いは必ず叶うわ・・・」

 

郁美「え?」

 

 郁美が振り返るとそこには誰もいなかったが急に気配が消えた事だけは郁美にも分かった。

 

郁美(今、誰かいたの・・・)

 

 そこへ観鳥令がスタッフルームに入って来た。

 観鳥令は既にこの店のスタッフとは顔なじみだった。

 今日はクリスマスステージの郁美を写す為に郁美に呼ばれて来ていた。

 

観鳥さん「どうしたんだい?牧野チャン。変な顔して」

 

郁美「あっ!?令ちゃーん。聞いて~。今ピンチなの~!?」

 

観鳥さん「まあ牧野チャンの様子を見れば分かるよ。何があったんだい?」

 

郁美「実は・・・・」

 

観鳥さん「成程ね・・・。じゃあ良いタイミングだったね」

 

郁美「えっ?」

 

観鳥さんテレパシー(実はフェントホープに羽根が数十人集まって交流会をしているらしいんだ。神楽教官が司会で)

 

郁美「えっ?そうなの?」

 

観鳥さんテレパシー(牧野チャン。テレパシー使って)

 

郁美(あっそうだった。それで話の続きは・・・)

 

観鳥さんテレパシー(うん。何だか知らないけど多くの羽根が来ているみたいでね・・・。交流会をしているならこのケーキをフェントホープに持って行けばみんなで食べてくれるんじゃないかな?)

 

郁美テレパシー(凄いよ令ちゃん~!それならケーキを余らせる心配が無いよー)

 

観鳥さんテレパシー(とりあえず表向きは観鳥さんの知り合いに貰って貰う事にすれば大丈夫だよね)

 

郁美テレパシー(あっ。でもどうやってケーキを運ぶ?)

 

観鳥さんテレパシー(観鳥さんはキューブを預かっているけど、ここで使う訳にはいかないからね・・・。誰かと一緒に数回に渡って届けに行く振りをしようかな)

 

郁美テレパシー(そうだ!ゆみが今日は休みだって言ったから手伝って貰うのはどうかな?)

 

観鳥さんテレパシー(牧野チャンのお友達の友紀ゆみさんか。じゃあ連絡頼めるかな?観鳥さんは店長さんと交渉してみるから)

 

郁美テレパシー(うん!分かったよー)

 

 郁美はロッカールームに戻るとスマホを出してゆみにメールを出した。

 

郁美メール(ねえゆみ!今何処にいるの?)

 

ゆみメール(今からくみちゃんの店に行く所だよ)

 

郁美メール(じゃあ一つ。くみがお願いしたい事があるんだけど~)

 

ゆみメール(頼みたい事って何?)

 

郁美メール(実はかくかくしかじかで・・・)

 

ゆみメール(分かった。観鳥さんと一緒にフェントホープにケーキを運べば良いんだね?)

 

郁美メール(そうなの~!もう本当に大ピンチだからお願いね~!?)

 

ゆみメール(直ぐに向かうから待っててね)

 

 郁美はゆみの助力が得られた事を安堵してスタッフルームに戻った。

 

店長「じゃあ本当にケーキを頂いてくれるのね!?」

 

観鳥さん「観鳥さんの後輩や知り合い達の手を借りればこの数でも何とかなります。既に何人か運び出しに手伝いに来て貰う手筈も整っといます。後は裏口に運べば運び出しの準備は万全です」

 

店長「助かるわー。ケーキは生ものだから引き取ってくれるだけでもありがいたわ!」

 

観鳥さん「いえいえ。これ位お安い御用ですよ。牧野チャンの大切な場所だからね」

 

 観鳥さんはそう言いながら郁美にウインクした。

 どうやら話は上手くまとまったようだった。

 

郁美(よかった~。本当に一時はどうなる事かと思ったよ~。でも・・・。良く考えたらあの声を聞いてからこうなったんだよね?もしかして願いが叶ったの?)

 

 郁美の抱いた疑問は直後に店に来たゆみの姿を見て押し消された。

 

 

 

□ 神浜市内 北養区 ホテルフェントホープ エントランス

 

 

 

神楽教官の主催でフェントホープのエントランスでは集まった羽根達による親睦会が続いていた。

羽根達は思い思いにお菓子を食べて幾つかのグループに分かれて喋り合っている。

 

観鳥さん「おや。どうやら宴もたけなわと言った所だね」

 

 そこへ白羽根のローブを纏った観鳥さんが数人の黒羽根を連れてやって来た。

 

神楽教官「観鳥じゃない。あなたも暇だったの?」

 

観鳥さん「ちょっとワケありで。まあでもお土産を持って来たからこれをどうぞ」

 

 観鳥さんはそう言ってアリナのキューブをエントランスの真ん中で開いた。

 その場には多くのケーキの入った箱が置かれていた。

 

観鳥さん「ちょっとした伝手でケーキが大量に手に入ったからみんなでどうぞ」

 

ミユリ「えっ!?これ全部ケーキなんですか?なんですか?」

 

神楽教官「こんなに一体どうしたの?」

 

 観鳥さんは神楽燦の耳元で囁いた。

 

観鳥さん「実はかくかくしかじかで・・・」

 

神楽教官「そう言う事・・・。流石に驚いたわ。こんな数のケーキをタダで入手するなんて」

 

観鳥さん「運が良かった・・・。としか言いようが無いですね。それじゃ観鳥さんは戻って牧野チャンのライブを見に行くんで」

 

黒羽根14=友紀ゆみ「私も同行しますので・・・」

 

神楽教官「ええ。構わないわ。これは参加自由の親睦会だもの」

 

観鳥さん「それじゃまた後で」

 

 観鳥さんは黒羽根14を連れてフェントホープを出て行った。

 

神楽教官「みんな!ケーキの差し入れが入ったから食べなきゃ勿体ないわ!どんどん食べなさい!」

 

ミユリ「そうです!そうです!」

 

 神楽教官に促されて羽根達はケーキを食べ始めた。

 

時雨「こんな嬉しい差し入れは初めてだよ。はぐむん」

 

はぐむ「私も初めてかな」

 

一夜「ケーキなんて久しぶりかも」

 

 その時エントランスのドアを開いてナナツメがパトロールをしている羽根を連れて戻って来た。

 

ナナツメ「この羽根の数は・・・。何か問題でも生じたのか!?」

 

 思わず武器を身構えるナナツメ。

 

神楽教官「違うわよ。七部。これは羽根の親睦会よ。何だか知らないけど暇な羽根達がフェントホープに集まったから私が主催しているのよ」

 

ミユリ「です!です!教官として燦様が主催しているんですぅ!」

 

黒羽根達「はい・・・。確かに親睦会です・・・」

 

 周囲の様子を見てナナツメは武器を収めた。

 

ナナツメ「そうか。教官の言う事なら信じよう。こちらも魔女の気配が無さ過ぎてパトロールをフェントホープ周辺に切り替えた所だ」

 

神楽教官「あなたもたまには親睦会に参加したら?」

 

ナナツメ「・・・・・・・。遠慮しておこう。小生はフェントホープの警護がある。見回り組の羽根は親睦会に参加しておけ。必要な事だ」

 

パトロールから戻った黒羽根「分かりました・・・」

 

 ナナツメはそう言って一人でエントランスを出ようとした。

 

一夜「ナナツメさん!待って!」

 

 一夜はケーキを持ってナナツメの傍に走り寄った。

 

ナナツメ「一夜。何か用か?」

 

一夜「せっかくのクリスマスだから・・・。ナナツメさんもケーキを食べて下さい!」

 

 一夜はそう言ってケーキを差し出した。

 それを凝視するナナツメ。

 

神楽教官(食べるのかしら・・・)

 

ミユリ(食べるですか?)

 

時雨(食べると思えない)

 

はぐむ(食べてくれると良いけど・・・)

 

 周囲はナナツメが差し出されたケーキを食べない様に思えた。

 

ナナツメ「・・・・ぱくっ」

 

 ケーキを見たナナツメはケーキを受け取ると3口で食べ終えた。

 

ナナツメ「悪く無い。ケーキは久し振りだ」

 

 ナナツメの表情に少しだけ笑みが浮かんだ様に見えた。

 

みんな「!?」

 

 ナナツメが笑みを見せた事に周囲は驚きを見せていた。

 

ナナツメ「すまないな。一夜」

 

 そう言ってナナツメはそのままエントランスを出て行った。

 

神楽教官「越馬・・・。あなた七部にあんな事を言わせるなんて・・・」

 

ミユリ「はい・・・。ミユも驚きました。驚きました」

 

時雨「ナナツメさんが笑ったの・・・。初めて見た・・・」

 

はぐむ「私も・・・」

 

一夜「えっ?そうなんですか?でも確かにナナツメさんは余り笑わないかも。前にテレビで漫才見て笑っていたのを見た位だし・・・」

 

神楽教官「七部が漫才見るなんて意外過ぎるわよ・・・」

 

ミユリ「そうです!そうです!ミユはナナツメさんが絶対に笑わないと思っていました!」

 

神楽教官「まあでも珍しい物が見れたわね。観鳥が知ったら悔しがりそうだけど」

 

はぐむ「そうかも知れないません」

 

時雨「確かにある意味シャッターチャンスだった訳だしね」

 

神楽教官「さあ。七部もああ言った訳だし親睦会も続けましょう。ケーキもある訳だし」

 

一夜「みふゆさんや月夜さん、月咲さんも来てくれたら良かったのに・・・」

 

神楽教官「みふゆさん達は用事があると言っていたから仕方ないわね。さあ。そろそろ誰かに盛り上げの芸でもやって貰おうかしら?」

 

みんな「えっ!?」

 

神楽教官「親睦会なんだから当然でしょ。何なら舞ってあげても良いわよ」

 

ミユリ「ああ。燦様のおみ足が見られるなんて・・・。ミユは・・・。ミユは・・・。飛んでしまいますう・・・」

 

神楽教官「・・・。やっぱりやめたわ。誰か何か芸は無いかしら?私が指名してあげても良いわよ」

 

 妙に迫力のある笑顔を見せる神楽教官。

 

神楽教官「言っておくけど断らせるつもりは無いから。もし断ったら・・・。そうねえ。私が訓練で直々にしごいてあげるわ」

 

みんな「!?」

 

神楽教官「大丈夫よ。内容が被っても怒りはしないわ。突然だから仕方ないもの。やるというのが大事なのよ。さあ。始めて貰いましょうか」

 

ミユリ「そうです!そうです!」

 

一夜(どっどうしよう・・・)

 

 意外な展開に驚く一夜だった。

 

時雨テレパシー(はぐむんどうしよう・・・)

 

はぐむテレパシー(流石にやるしかないよね・・・)

 

 周囲の羽根達には諦めに似た雰囲気が漂っていた。

 

 

 

 




次の話は9月18日にアップされます。

なお今回の話はクリスマスに神浜聖女とクリスマスオブデスカリブーの二人が神浜市に現れたのと同時期に起きた出来事と想定しています。
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